26歳で転職すべき?メリット・デメリットと後悔しないポイントを解説

「26歳で転職するのはどうなのだろう?今の仕事に留まるべきだろうか?」

26歳というと「社会人になったらとりあえず3年は働く」の3年が過ぎ、仕事にも慣れてきた頃でしょう。でも、ふと将来のことを考えると、今の仕事のままで良いのか、あるいは転職した方が良いのかと考え始めている方も多いのではないでしょうか?

26歳は、企業から以下のように好意的に見られるため、転職しやすい年齢であるのは事実としていうことができます。

ただし、26歳は企業からニーズが高く転職するメリットがある一方、デメリットもあることを念頭に置かねばなりません。さらに同じ26歳の転職希望者でも、26歳での転職をおすすめできる人とおすすめできない人に分かれます。

後述しますが、26歳は今の仕事を続けて経験を積んだり、転職してステップアップできたりと幅広い選択ができる年齢です。転職するメリットとデメリット、そして転職をおすすめできる人とおすすめできない人もいるため、本当に転職すべきかを慎重に見極めなくてはなりません。

そこでこの記事では、26歳で転職すべきか迷っている方のために以下の内容をまとめて説明します。

  • 26歳の転職希望者に対する企業の味方
  • 26歳で転職した人の体験談
  • 26歳で転職するメリットとデメリット
  • 26歳での転職をおすすめできる人とおすすめできない人
  • 26歳での転職を後悔しないためのポイント

この記事を読めば、26歳で転職をすべきかを判断いただけるようになります。今後のキャリアを決める材料として、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 26歳は転職しやすい年齢!その理由3つ

冒頭でも説明した通り、26歳は転職しやすい年齢です。その理由は、26歳の転職希望者に対して企業は以下のように好印象を持つからです。

  • 若くポテンシャルがある
  • 基本的な社会人スキルが身についている
  • 職種の実務経験をある程度持っている

1-1. 若くポテンシャルがある

26歳は、転職市場においては第二新卒には該当しないものの「若手」に位置づけられます。そんな26歳の転職希望者に対して、企業は「ポテンシャルがある」と見込みます。

26歳という年齢は、新卒で就職していれば社会人4年目前後のため、企業側は以下のように考えます。

  • まだ会社に染まり切れていない
  • 仕事のやり方に対して自分のスタイルが確立されていない
  • 即戦力を求める30歳になるまでに十分な期間がある

若く柔軟性が強い傾向にある26歳は、新しい業務への適応力も高く、転職後に大きく成長して会社に貢献してくれるのでは?と期待するのです。

ポテンシャルは、26歳を過ぎた27歳や28歳くらいまでは見込んでくれますが、若さによる柔軟性も評価されるのは26歳ならではの特権です。仕事へのやる気や熱意を持っていれば、採用へ有利に働きやすいのが26歳なのです。

1-2. 基本的な社会人スキルが身についている

社会人4年目前後の26歳であれば「基本的な社会人スキルが身についている」と企業は考えます。

基本的な社会人スキルが身についていれば、転職後すぐにそのスキルを発揮して活躍できるのはもちろん、企業は一からビジネススキルやビジネスマナーを教育する必要がなくなります。26歳より若い第二新卒の転職希望者であると、社会人経験が浅いため教育する必要があり、高い教育コストが発生してしまうのです。

26歳の転職者への教育制度が全くないわけではありませんが、教育コストは第二新卒と比べると低くできるため、企業は積極的に採用しようとするのです。

1-3. 職種の実務経験をある程度持っている

企業は、26歳には「職種の実務経験をある程度持っている」とも考えます。

第二新卒の転職希望者の場合、社会人経験が3年に満たないまま離職している人も少なくありません。一般的に、入社したら業界や職種の全体を一通り理解してこなすまでに3年を要するといわれています。

もちろん、第二新卒の転職希望者の中には一通りの業務を経験している方もいるかもしれませんが、社会人経験が4年前後ある26歳と比べると職種の実務経験は浅いといえます。

ある程度の実務経験を持つ26歳に、企業は転職後すぐに即戦力として活躍してくれることを期待するのです。

2. 26歳で転職をした人の体験談

26歳の転職希望者は企業から好意的に見られるとはいえ、実際のところはどうなのか気になりますよね。ここで、26歳で転職をした人の体験談を見てみましょう。

こちらの方は、転職によって以前の仕事と比べると収入が下がったものの、仕事を通して実現したい目標に向かって充実した社会人生活を送れているようです。「なにがしたいか」を明確にしたことで、転職を成功させた事例といえますね。

こちらの方は、以前勤めていた会社で働き続けることが良いのかをじっくり考え、結果として転職した方が良いと判断したようです。

後述しますが、26歳は転職しやすく、広い選択肢から将来に進む道を選びやすい年齢です。だからこそ、今後どんな働き方をしたいのかを真剣に考えることが大切なのかもしれません。

こちらは、26歳で未経験職種に転職した方の体験談です。以前の仕事の年収と比べると200万円上がったようですが、年収アップは携わる仕事に対してやる気があり、知識やスキルを習得した結果でしょう。ポテンシャルを見込まれる26歳ならではのメリットを活かした転職の成功事例といえます。

3. 26歳で転職をするメリット

ここまで説明してきた26歳の転職希望者に対する企業の味方と体験談を踏まえると、26歳で転職をするメリットは次の通りになります。

  • 未経験職種にチャレンジできる
  • 同業種でスキルアップ・キャリアアップを目指せる
  • 将来のライフイベントに備えられる

3-1. 未経験職種にチャレンジできる

「2. 26歳で転職をした人の体験談」の体験談にもあった通り、26歳は未経験職種にチャレンジできる年齢です。なぜなら、職種に関する知識やスキルを活かして即戦力となることを求められる30歳になるまで4年あり、その間にある程度の業務経験を積めるからです。業務への取り組み次第では、実績を出すことも十分に可能でしょう。

未経験職種へのチャレンジは、26歳を過ぎた27歳や28歳、29歳になっても不可能ではありません。業務をこなすための勉強に余念がなければ、即戦力を求められる30歳になるまでに一通りの実務経験を積むことも可能でしょう。

しかし、年齢が上になるほど30歳になるまでに経験を積む期間はぐんと減っていきます。27歳であれば業務を一通り覚えてこなせる3年は確保できますが、28歳や29歳の場合は1~2年しかありません。

若さとポテンシャルが評価され、即戦力を求められる30歳になるまで十分な期間がある26歳だからこそ、未経験職種への転職もチャレンジしやすいのです。

未経験職種へチャレンジしたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

ジョブチェンジの難易度は?成功しやすい人と転職のポイントを解説

3-2. 同業種でスキルアップ・キャリアアップを目指せる

社会人経験が4年前後である26歳であれば、同業種へ転職も可能です。同じ業界・職種であれば、転職先でスキルアップもでき、頑張り次第ではキャリアアップも目指せます。

もちろん、頑張り次第で今の職場でもスキルアップ・キャリアアップを実現できるでしょう。しかし、たとえば4年の実務経験の中で、同業他社に今の職場では展開していない事業があると知り、その事業に強く興味を持って携わってみたいと感じたら今の職場では実現できないですよね。

同業種への転職は、仕事の幅を広げてスキルアップできる可能性を高められます。仕事を幅を広げてスキルアップすれば、その姿勢が評価されてポジションが上がり、キャリアアップにもつながるでしょう。

3-3. 将来のライフイベントに備えられる

26歳で転職をすれば、将来迎える結婚や出産といったライフイベントに備えやすいです。

一般的に、ライフイベントを迎えるのは30歳前後といわれています。厚生労働省が公表している日本国民の働き方に関する調査をまとめた「厚生労働白書(平成25年版)」でも、男女共に近年は30歳前後で結婚を経験する人が多いことを公表しています。女性の場合は出産もありますが、その年齢も近年では30歳くらいのようです。

もちろん、ライフイベントを迎える年齢は人によって異なります。しかし、26歳で転職をすれば、ライフイベントを迎えやすい30歳前後までに約4年あります。この約4年間は、転職後に携わる業務を一通りこなして覚えるのに十分な期間ですし、頑張り次第では昇給できるかもしれません。

もし30歳前後でライフイベントを迎えても、以下のように生活にも仕事にも困らない生活を送れる可能性が高くなるのです。

  • 家族が生活に困らない収入を確保できる
  • 産休や育休を取っても、会社に迷惑をかけにくい
  • 産休や育休の取得後、職場復帰しやすい

4. 26歳で転職をするデメリット

反対に、26歳で転職をすると以下のようなデメリットを受ける恐れがあります。

  • 職種によっては経験不足とみなされる
  • 今の職場で可能性を逃す恐れがある
  • 未経験職種は仕事によって年収が下がる

4-1. 職種によっては経験不足とみなされる

実務経験が4年前後の26歳であると、職種によっては経験不足とみなされる場合があります。

実務経験が浅い第二新卒の転職希望者と比べると有利になりますが、26歳以上の転職希望者と比較した場合は不利になりやすいです。26歳以上であれば、実績を残していたり、リーダーやマネージャーといったマネジメントのポジションで活躍していたりする人も少なくありません。特にこれまでの経験を重視して即戦力を必要とする企業の場合は、業務経験が豊富で実績を出している26歳以上とそうでない26歳のどちらに好印象を持つかというと、前者といえます。

もちろん、経験が不足していても26歳ならではの若さとポテンシャルで採用してくれる企業も存在します。26歳で転職をしたい場合は、これまでの経験は問わない企業を選ぶと成功しやすくなるでしょう。

4-2. 今の職場での可能性を逃す恐れがある

26歳で転職をすると、今の職場での可能性を逃す恐れもあります。あと数年業務経験を積めば、今よりもっと責任のある業務に携われたり、高いポジションに昇進できたりする可能性もあるからです。

4年前後の業務経験の中で「今の職場では、スキルアップしてキャリアアップも見込めない…」と分かっていれば別です。しかし、まだ分かっていないにも関わらず、「何となく他の仕事がしてみたいから」というあいまいな理由で転職をした後、その転職先でキャリアアップを期待できないとミスマッチが生じてしまったら後悔することになります。「前の職場が良かった…」と思っても、取り返しはつきません。

仕事にも慣れてきて転職が頭によぎっている場合、以下のポイントを考えてよく行動することが大切です。

  • 本当に転職すべきなのか?
  • 上司に相談することで、やりたいことを実現できる可能性はないだろうか?

4-3. 未経験職種は仕事によって年収が下がる

26歳は未経験職種にチャレンジしやすい年齢のため、今までの職種とは別にやってみたかった仕事に就けるチャンスを得られやすいです。しかし、仕事によっては年収が下がる恐れがあります。

厚生労働省が公表している「労働経済白書」の「平成26年版 労働経済の分析」では、継続就業者と転職者の賃金について、職業別に公表しています。以下は、専門的・技術的職業従事者(科学的知識を応用した技術的な仕事、および医療や法律、教育、芸術など専門的な性質を持つ仕事に従事する人)の賃金を表したグラフですが、未経験者は経験年数を積んでも給料はあまり上がっていないことをお分かりいただけるでしょう。

26 歳 転職

出典:主な職業における継続就業者と5年以内入職者の年齢階級別賃金額(年収)(役員又は正規の職員・従業員、男性)|平成26年版 労働経済の分析(厚生労働省)

中には「2. 26歳で転職をした人の体験談」の体験談にもあったように、未経験でも年収をアップさせている人もいるため「未経験者は必ず収入が下がる」とは言い切れません。しかし、同じ年代の経験者の給料との差が大きくなる職種もあることは、念頭に置くべきでしょう。

未経験職種へのチャレンジを目指す場合は、今の仕事の年収と比較することが非常に重要です。年収が減ってしまう場合は生活水準が下がる恐れがあるため、本当に転職すべきかを慎重に決める必要があります。

5. 26歳での転職をおすすめできる人

26歳での転職にメリットとデメリットがあるように、26歳での転職をおすすめできる人とおすすめできない人もいます。

まずは、26歳での転職をおすすめできる人の特徴を見てみましょう。

  • チャレンジしてみたい仕事がある
  • 今とは異なる環境がスキルアップしたい
  • 将来のライフイベントに備えて働き方を変えたい

5-1. チャレンジしてみたい仕事がある

26歳は若さとポテンシャルを期待されるため、チャレンジしてみたい仕事がある方は26歳で転職をすると良いです。

同業種や異業種、未経験職種に関わらず、興味のある仕事に携われるチャンスが多いのが26歳です。26歳を過ぎてしまってもチャレンジしてみたい仕事に関わることは不可能ではありませんが、職種によっては応募条件で年齢が制限されており、26歳以上の年齢だと応募できないこともあります。26歳の場合は若手と位置づけられるため、求人数は多い傾向にあり、その分チャンスがあるのです。

30歳に近づくほど転職はしにくくなります。企業からのニーズが高い26歳のうちに、やってみたい仕事に携わるために転職するのは良い選択となるでしょう。

5-2. 今とは異なる環境でスキルアップしたい

今とは異なる環境でスキルアップしたい方も、26歳での転職がおすすめです。

社会人4年目前後の26歳になると、業界や職種のことを一通り理解して、業務もこなせるようになっている頃でしょう。ただ、ある程度の業務経験を積むと、以下のような悩みに直面している方もいるのではないでしょうか?

  • 今の職場でスキルアップして経験を積んでいく方が良いのか?
  • 今とは異なる環境でスキルアップしていくのが良いのか?

26歳は転職しやすい年齢のため、どのようにその職種でキャリアを積んでいくかを制約があまりない中で決めることができます。

もし、今の職場では携わる業務範囲が決まっていて、これ以上スキルアップできないと感じていたら、仕事の幅を広げられる環境に転職するのが有効です。即戦力を求められる30歳になるまでの4年間で十分なスキルアップが叶い、30歳になったら高いポジションで活躍できる可能性もあります。

5-3. 将来のライフイベントに備えて働き方を変えたい

男女共に将来のライフイベントに備えて働き方を変えたいと思っている方は、26歳で転職するのが良いです。

「3-3. 将来のライフイベントに備えられる」でも説明しましたが、ライトイベントを迎えやすいのは30歳前後です。もし、今の職場に以下のような将来ライフイベントを迎えたときにデメリットとなることがあり、自身も違和感を覚えるようであれば26歳のうちに転職をすると良いです。

  • 残業や休日出勤が多い
  • 業務量に見合った給料ではないと感じる
  • 育休や産休を取得している女性社員が少ない
  • 育休や産休の制度が整っていない

26歳で転職をすれば、30歳になるまでの4年間でどのような職種であっても一通りの業務経験を積めるはずです。もし30歳前後になってライフイベントを迎えた場合、男性も女性も以下のような生活にも仕事にも困らないメリットを受けられる可能性があります。

男性女性
  • 昇給して家族を養える収入を得られる
  • 家族との時間を確保できる
  • 産休や育休を取得しやすい
  • 産休や育休の取得後、職場に復帰しやすい

26歳を過ぎた27歳や28歳、29歳からライフイベントに合わせて働き方を変えるのも不可能ではありません。しかし、27歳~29歳はライフイベントを迎えやすい年齢に近づいている年齢のため、特に女性の場合は企業から「すぐに休職・退職してしまうのでは?」と懸念される恐れがあります。

ライフイベントを迎えても長く働きたい方は、26歳で転職するのがおすすめなのです。

6. 26歳での転職をおすすめできない人

反対に、以下のような人は26歳での転職はおすすめできません。

  • 「マンネリを感じている」という理由だけで転職を考えている
  • 「なにがしたいか」が明確でない
  • 今の仕事で実績を残せていない

6-1. 「マンネリを感じている」という理由だけで転職を考えている

社会人経験を4年前後積んでいる26歳は仕事に慣れてくる年齢でもありますが、同時にマンネリを感じやすい時期でもあります。他のやりがいのありそうな仕事に魅力を感じて、転職をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか?

もし、4年前後の実務経験でやりたいことを実現して実績を出し、仕事をやり切ったという実感があるためにマンネリを感じているのであれば、転職はおすすめできます。しかし、今の仕事に対して「マンネリを感じている」という理由だけで転職を考えるのは好ましくありません。

マンネリが理由で転職をしようとすると、以下のように転職したことを後悔する恐れがあります。

・転職の理由があいまいになりやすい

→ ミスマッチが起きて、短期間で離職することになり得る

・今の職場での可能性を逃す恐れがある

→ 転職先での仕事にやりがいがない場合、前の職場の良さを感じる

・キャリアプランを描きにくい

→ 仕事に対するモチベーションが上がらなくなる

仕事にマンネリを感じたことがきっかけで転職が頭によぎった場合は、本格的に転職活動をする前に以下のことを自問自答しましょう。

  • なぜ今の仕事に飽きたのか?(今の仕事の何に飽きたのか?)
  • 今の仕事を通して得られることや学べることは何か?
  • 今の仕事からワンランクアップして、他の業務に携わることはできないのか?

また以下の記事では、今の仕事に対してマイナスな感情を持っているときに役立つ内容を紹介しています。こちらの記事も併せて確認してみてください。

仕事へのモチベーションが下がった場合に知るべき5つの原因と4つの対処法

仕事のやる気が出ないのはなぜ?その原因とやる気を出すための対処法

仕事の目標が思いつかない人必見!目標設定の方法と業種別の具体例

6-2. 「なにがしたいか」が明確でない

転職後に「なにがしたいか」が明確でない人も、26歳での転職はおすすめできません。「なにがしたいか」があいまいなまま転職をすると、次のようなことが起きて入社後間もなく離職する事態を招く恐れがあります。

  • やりたいと思わない仕事を振られたときに長続きしない
  • 会社とのミスマッチが発生する
  • 仕事に対するモチベーションが上がらない

転職してから「なにがしたいか」が分からない場合は、次の5点を考えると自分の志向が見えてきて、やりたいことを見出すヒントを得られます。

  1. これまでの業務でやりがいや楽しく感じたことは何か
  2. これまでの業務でやりたくないと思ったことや苦手と感じたことは何か
  3. 日常生活でどんなことに興味があるのか
  4. 自分が心地よく暮らせる収入はどのくらいか
  5. 自分が心地よく働ける職場の環境は何か

もし、上記を考えても「なにがしたいか」が分からない場合は、今の仕事を辞めたい理由を洗い出し、もし今の職場で解決できそうであれば努力してみましょう。将来的に改善されて、転職しなくても今の職場で豊富な経験を積める可能性が高まります。

6-3. 今の仕事で実績を残せていない

社会人4年目前後の26歳は若さとポテンシャルが評価されやすいですが、企業によってはある程度の実績を見ます。経験のある同業種への転職を考えているけど、今の仕事で実績を残せていない人は転職をおすすめできません。経験だけでなく実績もあれば、企業は入社後すぐに即戦力となって貢献してくれることを期待するからです。

たとえば、今不動産会社の営業職に就いていて、スキルアップのために同業他社で同じ職種を希望する場合、経験はあっても実績がない人と実績がある人では魅力度が異なります。

実績なし実績あり
  • 自社保有の社宅販売経験4年
  • 新規顧客のアポイントメント、ニーズのヒアリング、提案、集客を担当
  • 自社保有の社宅販売経験4年
  • 新規顧客のアポイントメント、ニーズのヒアリング、提案、集客を担当
  • 20XX年顧客満足度No.1を獲得
  • 〇〇支店の営業X名の中で年間成約数2位

もちろん、経験を買われて採用されることもありますし、企業も実績だけを見て採用することもありません。しかし、実績というのは会社への貢献につながるため、実績がある人の方が活躍を見込めると企業は高い期待を寄せるのです。

経験のある同業種への転職であれば、26歳を過ぎても可能です。転職が難しくなる30歳までに、今の職場で実績を出してから転職をしても遅くはありません。26歳を過ぎると、年齢が上がるにつれて即戦力が重視されるため、実績があった方が採用へ有利となります。

自信を持ってアピールできる実績がなければ、転職のタイミングを伸ばしても良いでしょう。ただ、26歳を過ぎての転職には覚えておくべきことがあります。こちらについては、次の章で説明します。

7. 26歳以降に転職するとどうなる?

ここまで読んで、26歳は転職しやすい年齢とはいえ「自分はまだ転職しないほうが良いかも…」と感じ、転職を先に伸ばすことを検討し始めた方もいるかもしれませんね。

「この年齢で必ず転職すべき」というのはありませんが、26歳以降に転職をすると企業からの見られ方が変わることは念頭に置いた方が良いです。

以下は、転職する年齢に対する企業の見方を説明した表です。

転職する年齢企業からの見られ方
27歳
  • 即戦力として働ける人材になりやすい
  • マネジメントを任せる人材に育てやすい
  • 会社の環境に染まりやすい
28歳
  • 即戦力として期待できる
  • 伸びしろも見込める
  • リーダー候補として期待できる
29歳

良い見られ方

  • 即戦力がある
  • リーダー候補として期待できる

厳しい見られ方

  • 実績がなければ即戦力を期待できる
  • ライフイベントを機にすぐ休職・退職してしまわないか

上記からいえることと補足をまとめると、以下になります。

【27歳・28歳】

  • ポテンシャルを見込んでくれるが、その重視度は低い(これまでの経験や実績を見られることが多くなり、即戦力として働くことを期待される傾向が強くなる)
  • 経験のある同業種への転職であれば有利
  • 未経験職種への転職も可能だが、30歳に近づくにつれて業務を一通り覚える期間が少なくなる

【29歳】

  • 経験のある同業種への転職であれば、実績は必須
  • 未経験職種への転職も不可能ではないが、あらかじめその職種に関する勉強を始めないと30歳以降になって即戦力を求められたときに苦労する恐れがある

このため、26歳での転職を諦める場合は何歳で転職をするのか、そのタイミングを見極めることが非常に重要です。

26歳と過ぎた27歳と28歳、29歳での転職はどうなのか、転職市場や企業からの見られ方などは、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、一度ご覧になってみてくださいね。

27歳での転職は有利!その理由と転職で失敗しないポイントを解説

28歳は転職市場価値が高い!その理由と成功のポイントを解説

29歳の転職は難しい?実情とパターン別の成功ポイントを解説

8. 26歳での転職を後悔しないために行うべきこと4つ

最後に、26歳での転職を公開しないための4つのポイントを解説します。ここまでお読みになって「自分は26歳で転職した方が良い」と判断したら、ぜひ参考にしてください。

  1. 本当に転職すべきか慎重に考える
  2. 自分にとってベストなキャリアを選ぶ
  3. 企業研究をしっかり行う
  4. これまでの経験や実績を具体的に説明できるようにしておく

8-1. 本当に転職すべきか慎重に考える

26歳は今の仕事に対しマンネリを感じやすい時期だからこそ、本当に転職すべきか慎重に考えることが大切です。安易に転職してしまうと、会社とのミスマッチが生じたり、思わぬキャリアを積めなかったりして、再度転職を考える必要に迫られる恐れがあります。

転職したいと思ったら、本格的に転職活動を始める前に転職したい理由を明確にしましょう。もし、あやふやな理由だったり、ネガティブな理由だったりする場合は、その理由の本質を掘り下げるのがおすすめです。

転職したい理由転職したい理由の本質の例
仕事にマンネリを感じている仕事の幅を広げたい
満足できる給料でない自分の能力を正当に評価してくれる職場で働きたい
残業や休日出勤が苦痛ライフワークバランスを実現できる職場で働きたい
人間関係が嫌だ周りと協力しながら目標を達成できる職場で働きたい

転職したい理由を深掘りすると、転職したい理由の本質が見えてきます。その理由の本質が今の会社で改善できそうであれば、転職しないという選択もでき、後悔のないキャリアを積んでいくことが可能になります。

8-2. 自分にとってベストなキャリアを選ぶ

  • 今の会社に残ってキャリアアップを目指す
  • 転職をしてスキルアップして、キャリアアップを目指す
  • 未経験職種にチャレンジする
  • ライフイベントを見込んで働き方を変える

以上のように、26歳は幅広い選択肢から自分の可能性を考えながら将来のキャリアを選びやすい年齢です。このため、本当に転職したいのかを慎重に考えた上で、どのようなキャリアが自分にとってベストなのかもよく考えましょう。

もちろん、26歳を過ぎてからでも転職は不可能ではないため、その時にベストなキャリアを選ぶこともできます。しかし、「7. 26歳以降に転職するとどうなる?」でも説明した通り、年齢が上がるにつれて企業からの見られ方が変わるため、キャリアの選択肢が限られる恐れがあります。ベストなキャリアを選びやすい26歳だからこそ、今後長く働くことを見据えて転職活動をすることが大切なのです。

転職をして叶えたいことや大切にしたいことを優先にすると、自分にとってベストなキャリアを決めることができます。以下は、優先にしたいこと別のベストなキャリアの例になりますので参考にしてみてください。

叶えたいこと・大切にしたいことキャリアの例
将来のライフイベントを考えて安定した収入を得たい同業種への転職によってスキルアップ・キャリアアップを目指す
結婚を考えているため転勤はしたくない転勤がなく、結婚しても長く働きやすい職場へ転職
新しいスキルを身に付けたい
  • 同業種への転職によってスキルアップして仕事を幅を広げる
  • 未経験職種への転職によってスキルアップして、できることを増やす

8-3. 企業研究をしっかり行う

自分にとって大切にしたいことや優先したいことが分かっても、それが叶うかどうかは企業研究を行わなければ分かりません。自分にとってベストなキャリアを歩むためにも、企業研究はしっかり行いましょう。

企業研究を行うことで、以下のような転職後のミスマッチを防ぐことができます。

  • 思い描いていたキャリアを積めない…
  • 予想していた業務内容とは違ってスキルアップできない…
  • 産休や育休の実績が少なくて、休職しづらくなった…

また、企業研究をすれば「なぜその企業に転職したいのか」を明確化できます。転職したい業種や職種についてはしっかり研究していても、転職を希望する企業については調べることを怠る人も少なくないため、こうした人と差別化できて転職に有利に働きます。

企業研究では、主に以下のポイントは必ず調べましょう。

企業情報企業理念、資本金安堵
事業情報企業が取り扱う商材(商品もしくはサービス)
従業員の働き方に関する制度休暇制度、休職制度、福利厚生、人事制度、教育制度など
採用情報応募条件(求められる経験やスキルなど)、給与など

上記の情報は企業のホームページだけでなく、転職フェアに参加して企業の担当者から直接話を聞くことで得られます。もし、転職を希望する企業にOBやOGがいる場合は、その人たちから話を聞いても良いでしょう。よりリアルな企業情報を得られるはずです。

色々な情報源を利用すれば企業について詳しく知ることができるので、実践してみてください。

8-4. これまでの経験や実績を具体的に説明できるようにしておく

26歳はポテンシャルを期待されることが多いですが、これまでの経験や経験も評価してもらえます。今の仕事での経験や実績を具体的に説明できるようにしておきましょう。

具体的な経験や実績を示せる人は即戦力になる可能性が高く、入社後間もなく会社へ貢献してくれるのでは?と企業から期待されます。大きな実績を残せていなくても、心配する必要はありません。小さくても実績は実績なので、面接でアピールすれば企業の印象に残りやすくなります。

経験や実績のない未経験職種へチャレンジする場合も、安心してください。社会人ともなれば、どんな業種・職種にも通用する「ポータブルスキル」が身に付いています。このポータブルスキルを示せば、企業にとって魅力的な人材に映るので説明できるようにしておきましょう。

ここで以下の2つの転職パターン別に、これまでの経験や実績をアピールするときのポイントを説明します。

  • 同業種への転職
  • 未経験職種への転職

8-4-1. 同業種への転職の場合

同業種へ転職する場合は、これまでの経験や実績に加えて、転職先でその経験や実績をどのように活かして貢献できるかも説明できるようにしておきましょう。企業は転職希望者の入社後の活躍を具体的にイメージできるようになります。

【業務経験と実績の例(PCメーカー営業の場合)】

経験・実績生かせること

【業務経験】
法人向け営業(新規顧客開拓・既存顧客の課題ヒアリング・売上管理など)

【実績】

  • 20XX年度:新規顧客〇件開拓
  • 20XX年度:前年比の売り上げ〇%アップ
  • 既存顧客の加地を解決するための最適な提案ができる能力が、自社サービスの継続につなげられる
  • 潜在的な顧客への効果的なアプローチをできる能力が、自社サービスの売り上げに貢献する

8-4-2. 未経験職種への転職の場合

未経験職種へ転職する場合は、どんな業種・職種にも通用する以下の「ポータブルスキル」を説明できるようにすると良いです。

【仕事のやり方】

成果をあげるために重要な行動職務遂行上、特に重要であるもの
課題を明らかにする現状の把握課題設定に先立つ情報収集の方法や内容、情報分析など
課題の設定方法設定する課題の内容(会社全体、事業・商品、組織、仕事の進め方の課題)
計画を立てる計画の立て方計画の期間、関係者・調整事項の多さ、前例の有無など
実行する実際の課題遂行本人の役割、スケジュール管理、関係者、柔軟な対応の必要性、障害の多さ、成果へのプレッシャー
状況への対応柔軟な対応の必要性、予測のしやすさ

【人との関わり方】

対人マネジメントで重要なこと職務遂行上、特に重要であるもの
社内対応(上司・経営層)指示に従う必要性、提案を求められる程度、社内での役割期待など
社外対応(顧客・パートナー)顧客、取引先、対象者の数、関係の継続期間、関係構築の難易度など
部下マネジメント(評価や指導)部下の人数、評価の難しさ、指導・育成が必要なポイントなど

※厚生労働省「“ポータブルスキル”活用研修」を元に作表

上記のポータブルスキルの中から、アピールできそうなスキルがあれば具体的に言語化し、転職先でどのように活かせるのかを説明できるようにすると有効です。

言語化したポータブルスキルの例

ポータブルスキル

  • 実行する・状況への対応

経験と実績

  • ルート営業(既存顧客訪問・顧客の要望ヒアリング・アフターケア)
  • 20XX年度:売上実績〇億〇万円(前年比〇%達成)

生かせること

  • お客様に合わせた提案をできる能力が、成約につなげられる

9. 26歳での転職を失敗させないためには転職エージェントを利用するのがおすすめ

26歳の場合は、転職をするのが初めてという方も多いでしょう。転職が初めてだと、など疑問に思うことがたくさん出てこないでしょうか。

  • スキルアップできる仕事って何だろう?
  • 今の自分でもできる仕事って何だろう?
  • 転職時の履歴書や職務経歴書ってどう書けば良いのだろう?
  • 転職時の面接は、新卒のときのどう違うのだろう?

もし、1人で転職するのが不安であったり、どのように転職活動を進めていけば良いのか分からなかったりする場合は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントを利用すれば、転職市場を知り尽くした専任アドバイザーによるサポートを受けられます。

転職エージェントのサポート例(一部)

  • 転職希望者に合う企業の紹介
  • 非公開求人の紹介
  • キャリアプランの作成
  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 面接のセッティング
  • 給料の代理交渉 など

転職エージェントは多くありますが、特に20代の転職希望者におすすめの転職エージェントは次の3つです。

9-1.リクルートエージェント

出典:リクルートエージェント

リクルートエージェントは、転職支援実績No.1を誇る総合転職エージェントです。

未経験職種の求人を含め、一般の求人サイトでは公開されていない非公開求人を約10万件抱えています。この求人の中から、各業界に詳しいキャリアアドバイザーが利用者の希望やスキルに合った求人を厳選して紹介してくれます。

履歴書や職務経歴書の添削、面接対策も行ってくれます。リクルートエージェントが独自に分析した業界・企業情報も提供してくれるため、詳しい企業研究が可能です。

リクルートエージェントは実績のある転職エージェントのサポートを得て、初めての転職を成功させたい方におすすめです。

9-2.マイナビエージェント

出典:マイナビエージェント

マイナビエージェントは、20代の転職希望者から高い支持を得ている転職エージェントです。

登録をすると、業界の転職市場に詳しい「キャリアアドバイザー」と企業のリアルな情報を知り尽くしている「リクルーティングアドバイザー」の2名のアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。土曜日や夜間にも相談を受け付けてくれるため、平日に今の仕事を続けながら転職活動できるのも魅力です。

転職の回数や年代別のサポートも充実しており、26歳で初めて転職をする人に合ったサポートを受けられるのも嬉しいポイントです。

自分の状況と年齢に合った転職活動をサポートしてくれるエージェントを活用して、初めての転職を成功させたい方は、マイナビエージェントへ登録してみてはいかがでしょうか。

9-3.doda

出典:doda

dodaは、業界最大級の求人数を持つ総合転職エージェントです。

登録をすると、専任のキャリアアドバイザーがつきます。キャリアプランを一緒に考えてくれたり、転職希望者の経験やスキル、強みを考慮して求人を紹介してくれたりと、転職活動における様々なサポートをしてくれます。

今勤めている会社を円満に退職するためのノウハウも提供してくれるため、転職先へスムーズに入社できるでしょう。

初めての転職活動に不安なことが多い方は、dodaへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。

10.まとめ

26歳は、以下のように企業が好印象を持つため転職しやすい年齢です。

26歳が転職しやすい理由

  • 若くポテンシャルがある
  • 基本的な社会人スキルが身についている
  • 職種の実務経験をある程度持っている

ただし、26歳での転職にはメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
未経験職種にチャレンジできる職種によっては経験不足とみなされる
同業種でスキルアップ・キャリアアップを目指せる今の職場での可能性を逃す恐れがある
将来のライフイベントに備えられる未経験職種は仕事によって年収が下がる

また、人によっては26歳での転職をおすすめできたり、おすすめできなかったりするため、メリットとデメリットも理解した上で転職すべきか判断することが大切です。

おすすめできる人おすすめできない人
チャレンジしてみたい仕事がある「マンネリを感じている」という理由だけで転職を考えている
今とは異なる環境でスキルアップしたい「なにがしたいか」が明確でない
将来のライフイバンとに備えて働き方を変えたい今の仕事で実績を残せていない

今後のキャリアの選択肢が広い26歳だからこそ、以下のポイントを考慮して転職活動を進めれば後悔のない道へ進むことが可能になります。

  • 本当に転職すべきか慎重に考える
  • 自分にとってベストなキャリアを選ぶ
  • 企業研究をしっかり行う
  • これまでの経験や実績を具体的に説明できるようにしておく

初めての転職には色々と不安もあると思いますが、この記事が転職活動の参考となれば幸いです!

コメント

あなたが目指すべき
キャリアアップとは?

よりよいキャリアアップを目指して先々の計画を立てることをキャリアデザインと言います。
どのようなキャリアを積み、自分の人生に役立てていくかを、常日頃からイメージしておくとよいでしょう。
もちろん、無理してキャリアアップなどせずに平坦に暮らしていたいというのも、ひとつの考え方です。

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