厚労省のデータから導き出した年収が高い職業ランキングトップ50

「年収が高い仕事ってどんなものがあるの?」
「少しでも高年収の仕事がしたい!今からできる準備ってあるのだろうか?」

誰もが一度はこのように思ったことがあるかもしれません。

仕事はやりがいの大きさはもちろん大事ですが、やはりどれぐらいの報酬を得られるのかが、とても大きな関心事になってきますよね。

現在、日本でもっとも高い年収をもらえる職業としては、以下のようなものがあります。

厚生労働省のデータをもとに、高年収の企業TOP10を挙げてみましたのでご覧ください。

順位職業年収(円)
1航空機操縦士16,946,100
2医師11,692,300
3大学教授11,006,200
4大学准教授8,723,600
5記者7,922,200
6不動産鑑定士7,545,900
7弁護士7,285,600
8大学講師7,189,400
9高等学校教員7,093,600
10一級建築士7,028,800

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとにリストを作成

こうしてみると、年収の高い職業とは専門性の高いもの、技術力を要するものなどが上位に来ていることがわかりますね。

このような高年収ランキングをふまえて、今回この記事では、高い年収が得られる職業上位ランキング50を出したうえで、男女別・年代別・業界別に分けて、どのような職業が高年収をもらえるのかを分析していきます。

そのうえで、年収が高い企業に就くために知っておきたいことを2つ紹介します。

この記事をお読みいただければ、高年収を得られる職業がわかるだけでなく、将来的に高年収の職業を目指すうえで、必ず知っておきたいコツについても押さえることができますよ。

ぜひご一読いただき、あなたの就職・転職活動にお役立て下さいね!

1.年収が高い職業ランキング TOP50

年収 高い 職業

それではさっそく、年収の高い職業についてご紹介していきましょう。

こちらは厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに「年収が高い職業ランキング(男女合計)上位50」を作成したものです。

身近な職業から高度技術を専門とする難易度の高い職業まで、様々な職業がランクインしています。

ぜひ参考までにご覧ください。

順位職業年収(円)
1航空機操縦士16,946,100
2医師11,692,300
3大学教授11,006,200
4大学准教授8,723,600
5記者7,922,200
6不動産鑑定士7,545,900
7弁護士7,285,600
8大学講師7,189,400
9高等学校教員7,093,600
10一級建築士7,028,800
11公認会計士、税理士6,835,500
12自然科学系研究者6,812,500
13技術士6,669,300
14電車運転士6,188,000
15掘削6,170,000
16電車車掌5,720,800
17獣医師5,715,600
18歯科医師5,701,000
19システムエンジニア5,689,000
20薬剤師5,616,500
21港湾荷役作業員5,326,600
22発電・変電工5,184,800
23圧延伸張工5,182,900
24自動車外交販売員5,142,600
25クレーン運転工5,102,400
26自動車組立工5,066,700
27旅客掛5,051,300
28各種学校・専修学校教員5,039,000
29診療放射線・診療X線技師5,019,500
30航空機客室乗務員4,959,100
31化学分析員4,949,400
32製鋼工4,914,000
33非鉄金属精錬工4,901,500
34機械修理工4,892,400
35社会保険労務士4,860,200
36看護師4,829,100
37型鍛造工4,825,700
38機械製図工4,803,100
39一般化学工4,762,300
40電気工4,724,600
41測量技術者4,687,700
42配管工4,665,000
43営業用バス運転者4,663,200
44家庭用品外交販売員4,648,100
45臨床検査技師4,612,200
46鉄鋼熱処理工4,566,400
47営業用大型貨物自動車運転者4,556,100
48鋳物工4,544,900
49旋盤工4,506,900
50鉄筋工4,452,100

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに表を作成

上記で挙げた職業の詳細をより詳しく知っていただくために、さらに「年齢」「勤続年数」「所定内実労働時間数(契約で定められた労働時間)」「長時間労働時間数(残業時間)」など、くわしい項目を追加した表をご覧いただきましょう。

順位職業年齢勤続年数所定内実労働時間数超過実労働時間数※きまって支給数r現金給与額(千円)※所定内給与額(千円)年間賞与その他特別給与額(千円)年収(円)
1航空機操縦士39.410.314011224.31197.12254.516,946,100
2医師40.75.215615910.0805.5772.311,692,300
3大学教授57.716.31541669.5667.22972.211,006,200
4大学准教授47.810.81551542.9538.52208.88,723,600
5記者39.013.615112515.5464.71736.27,922,200
6不動産鑑定士46.67.51460490.3490.31662.37,545,900
7弁護士40.15.51601502.5501.21255.67,285,600
8大学講師43.77.61542473.0463.31513.47,189,400
9高等学校教員43.714.31612441.1436.51800.47,093,600
10一級建築士48.613.416517461.8410.31487.27,028,800
11公認会計士、税理士42.711.015416472.0420.21171.56,835,500
12自然科学系研究者39.010.415310451.3422.11396.96,812,500
13技術士46.113.715812439.4405.81396.56,669,300
14電車運転士39.117.514616389.7329.01511.66,188,000
15掘削・発破工51.314.317930470.2410.5527.66,170,000
16電車車掌36.014.614313351.2303.31506.45,720,800
17獣医師40.59.216510425.9395.2604.85,715,600
18歯科医師36.05.71582450.4439.1296.25,701,000
19システム・エンジニア38.812.015614380.0345.91129.05,689,000
20薬剤師39.47.916011398.6367.8833.35,616,500
21港湾荷役作業員42.714.515942373.1274.2849.45,326,600
22発電・変電工37.313.815118342.4295.51076.05,184,800
23圧延伸張工37.814.515523344.0274.31054.95,182,900
24自動車外交販売員37.212.716818351.4313.9925.85,142,600
25クレーン運転工44.212.416734367.8294.9688.85,102,400
26自動車組立工38.411.915523341.7273.2966.35,066,700
27旅客掛36.913.215817338.1287.6994.15,051,300
28各種学校・専修学校教員44.310.21636355.3342.8775.45,039,000
29診療放射線・診療X線技師38.910.015811346.2311.5865.15,019,500
30航空機客室乗務員32.08.21462340.8337.4869.54,959,100
31化学分析員38.311.015411319.7291.81113.04,949,400
32製鋼工39.414.115825327.3264.2986.44,914,000
33非鉄金属精錬工40.513.116016321.9280.01038.74,901,500
34機械修理工39.212.916122325.9276.0981.64,892,400
35社会保険労務士44.713.417011334.9313.5841.44,860,200
36看護師39.58.21547334.4302.4816.34,829,100
37型鍛造工37.012.016519321.0272.5973.74,825,700
38機械製図工40.211.716020328.5288.2861.14,803,100
39一般化学工38.511.815716312.8267.11008.74,762,300
40電気工40.813.216923326.1279.1811.44,724,600
41測量技術者44.414.516712323.7300.8803.34,687,700
42配管工43.911.318018341.5306.3567.04,665,000
43営業用バス運転者50.711.616241331.7250.7682.84,663,200
44家庭用品外交販売員40.86.917013340.8312.5558.54,648,100
45臨床検査技師38.710.115712311.4280.3875.44,612,200
46鉄鋼熱処理工40.211.516524316.3261.7770.84,566,400
47営業用大型貨物自動車運転者48.511.216424314.6257.0769.74,544,900
48鋳物工39.411.216424314.6257.0769.74,544,900
49旋盤工40.613.217022308.0260.3810.94,506,900
50鉄筋工43.813.515813331.6305.5472.94,452,100

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに表を作成

上記の表を見ると、上位10位までにランクインしているのは、1位「航空機操縦士」2位「医師」など人命を預かる重責の職業などがあります。また、3位「大学教授」4位「大学准教授」8位「大学講師」9位「高等学校教員」など教鞭をとる仕事も、高い年収を得ていることがわかります。

自分の専門分野を持ち、その知識を人に教える仕事が、とても重宝されているようです。

さらに、6位「不動産鑑定士」7位「弁護士」10位「一級建築士」11位「公認会計士・税理士」など、いわゆる「士業」と呼ばれる高度な資格専門職業も上位にランクインしています。それぞれの資格を得るまで労力を要し、資格を得たあとは各分野の専門家として活躍している職業が、高年収であることがおわかりいただけるでしょう。

「きまって支給する現金給与額」

事業所の就業規則・労働契約などに則って算定された、定期的に支払われるお金のこと。

基本給だけでなく、残業代、休日出勤代など各種手当を含んだものを指す。

「手取り額」ではなく、所得税・社会保険料などを控除する前の金額であることに注意。

「所定内給与額」

「きまって支給する現金給与額」のうち、時間外手当・休日出勤手当などの超過労働給与額を差し引いた金額を指す。

2.男女別年収が高い職業ランキングTOP10

前章でご紹介した「年収が高い職業ランキング(男女合計)」TOP50は、男女合計の結果でしたが、男女別で改めて分けると、このランキングに多少の変動が生じます。

この章では、男性、女性ともにどのような職業が高年収を得ているのかを性別に分けてご紹介しましょう。

2-1.男性の場合

高い年収をもらえる上位10位の職業は以下の通りです。

順位職業年収(円)
1航空機操縦士17,080,300
2医師12,269,400
3大学教授11,172,600
4大学准教授8,927,800
5記者8,374,300
6公認会計士、税理士7,668,500
7不動産鑑定士7,545,900
8大学講師7,502,200
9高等学校教員7,427,800
10弁護士7,299,700

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに表を作成

男性だけのTOP10を見ると、前述した男女合計のランキングに比べて、「弁護士」のランキングが降下し、代わりに10位外だった「公認会計士・税理士」が6位まで浮上してきています。他の職業はさきほどの結果と大きく変わらないところを見ると、男性の高年収職業のうち、「弁護士」として活躍している方よりも「公認会計士・税理士」として手腕をふるっている方が多いようです。

2-3.女性の場合

女性の場合はどのような職業が上位を占めているのでしょうか?

詳しく見てみましょう。

順位職業年収(円)
1航空機操縦士12,127,800
2大学教授10,295,500
3医師10,163,500
4大学准教授8,165,500
5弁護士7,264,800
6記者6,698,600
7大学講師6,633,000
8高等学校教員6,337,300
9自然科学系研究者6,014,000
10技術士5,732,200

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに表を作成

男性の場合と比較すると、上位にランクインしている職業の顔触れは似通っていますが、順位については多少ばらつきが出ているのがわかります。

特に2位に「大学教授」、9位に「自然科学系研究者」10位に「技術士」が浮上しているのを見ると、学位や資格を取って、教育現場・研究現場で大きく活躍している女性たちが見えてきます。

また、男性と女性を比べてみると、同じ職業にも関わらず、女性の方が収入が少ないことも特徴的です。

3.年代別年収が高い業界ランキングTOP10

男女別の高年収の職業ランキングをご紹介しましたが、このランキングは年代によっても変わってきます。転職エージェンシーサイト「doda」の「平均収入ランキング(年代別・年齢別の年収情報)」によると、20代、30代、40代、そして50代という年代で区切ると、高年収の職業が入れ替わっていることがわかります。

どのような職業が各年代で高年収となっているのか、さっそく年代別のランキングを見ていきましょう。

3-1.20代の場合

20代の職種別平均年収
職業平均年収
専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)497万円
企画/管理系395万円
技術系(電気/電子/機械)381万円
営業系378万円
技術系(IT/通信)372万円
技術系(建築/土木)372万円
技術系(メディカル/化学/食品)351万円
金融系専門職343万円
クリエイティブ系320万円
事務/アシスタント系303万円
販売/サービス系298万円

20代~50代を通して「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」が1位となっています。20代はほかにも、「営業系」が上位に食い込んでいるのが特徴的です。

3-2.30代の場合

次に、30代の場合を見てみましょう。

30代の職種別平均年収
職業平均年収
専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)652万円
企画/管理系523万円
技術系(IT/通信)511万円
営業系500万円
金融系専門職498万円
技術系(電気/電子/機械)496万円
技術系(建築/土木)459万円
技術系(メディカル/化学/食品)442万円
クリエイティブ系412万円
販売/サービス系362万円
事務/アシスタント系346万円

30代では「技術系(IT/通信)」が上位に割り込んできます。

このあたりを見る限り、自ら専門スキルを磨き、積極的に仕事をこなすことで、立派な収入を得ている姿が見えてきます。

3-3.40代の場合

次に40代です。

40代の職種別平均年収
職業平均年収
専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)705万円
企画/管理系631万円
技術系(IT/通信)615万円
営業系582万円
技術系(電気/電子/機械)569万円
金融系専門職555万円
技術系(建築/土木)516万円
技術系(メディカル/化学/食品)504万円
クリエイティブ系468万円
販売/サービス系405万円
事務/アシスタント系369万円

40代では引き続き技術力が評価されるとともに、もう一点、「営業系」が再び上位に上がっているのが見て取れます。40代ともなると、商品やサービスに対する知識も豊富になり、その分顧客への提案営業をどんどんこなしていける人材が重宝されているといえそうです。

3-4.50代の場合

最後に、50代の場合を見てみましょう。

50代の職種別平均年収
職業平均年収
専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)770万円
企画/管理系761万円
技術系(IT/通信)691万円
技術系(電気/電子/機械)680万円
金融系専門職678万円
営業系676万円
技術系(メディカル/化学/食品)637万円
技術系(建築/土木)567万円
クリエイティブ系540万円
事務/アシスタント系416万円
販売/サービス系414万円

出典:各表ともdoda「平均収入ランキング(年代別・年齢別の年収情報)」よりグラフを作成

50代では、「技術系(IT/通信)」「技術系(電気/電子/機械)」が上位にランクインしています。

この結果から、長年蓄積してきた高度な技術力が高く評価され、給与に反映される傾向にあることがわかります。

このように年代に注目して年収の差を見てみると、それぞれの年代ごとに特徴があり大いに参考になります。

4.年収が高い業界TOP10

年収 高い 職業

男女別、年代別にそれぞれ年収が高い職業ランキングを見てきましたが、それでは一体どの業界が押しなべて年収が高いのだろうと疑問に思われた方もいることでしょう。

厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査~男女計の産業別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額~」からデータを調べてみると、以下の業界が高年収TOP10 の業界になります。

順位業界名年収(円)
1各種商品卸売業8,879,200
2放送業7,581,800
3学術・開発研究機関7,527,900
4金融商品取引業・商品先物取引業7,303,710
5石油製品・石炭製品製造業7,155,000
6電気業6,939,800
7専門サービス業6,753,600
8航空運輸業6,630,830
9通信業6,594,000
10学校教育6,506,800

出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査~男女計の産業別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額~」よりグラフを作成

4-1.各種商品卸売業

総合商社・貿易商社などがこちらの分類にあてはまります。

さまざまな商品を大量に売り買いしている商社は、売り上げも大きく、その分社員たちへ求める仕事内容も幅広く、高いスキルを必要とされます。

こうした見返りとして、高い年収を得ているようです。

4-2.放送業

総じてマスコミ業界は、高年収だと言われていますが、特に放送業はその傾向が強くあります。

テレビのキー局などは、日本の平均年収の3倍、場合によっては4倍近い年収を得ており、放送を通じて人々に大きな影響を与える存在として、高額年収が得られるようです。

4-3.学術・開発研究機関

「1.年収が高い職業ランキング TOP50」にて「自然科学研究者」が上位にランクインしていたことから見てもわかるように、学術研究や開発機関に携わる方は、高い年収を得ています。人々の生活向上や将来につながる「研究力」を高く評価されている結果だと言えるでしょう。

4-4.金融商品取引業・商品先物取引業

証券会社・投資顧問会社・FX業者・投資信託委託会社などを指します。このような業界は「所定内実労働時間数」をご覧いただいてもわかるように、業務に拘束されている時間が長く、商品知識など高度なスキルも求められるため、高年収の傾向にあります。

4-5.石油製品・石炭製品製造業

石油を精製し商品として販売する「石油製品」、また石炭から練炭などを製造する「石炭製品製造業」は、日常生活には欠かせないものです。特に、「石炭製品製造業」には道路舗装の舗装材料として使用されるアスファルト混合物なども含まれるため、大変大きな事業となっています。

こうした仕事に従事している方には、しっかりとした年収が保証されているといえそうです。

4-6.電気業

電気供給にかかわる業界も高い年収を得ています。「1.年収が高い職業ランキング TOP50」「発電・変電工」が22位にランクインしていることも考えると、人々の生活を支える重要な仕事については、それなりの報酬をもらえることがわかります。

4-7.専門サービス業(他に分類されないもの)

産業分類コード表によると、こちらには「法律事務所、公認会計士事務所、デザイン業、経営コンサルタント業、通訳業」(以上産業分類コード表より引用)などが含まれます。それぞれが高度な専門知識を武器にしており、その分一般の仕事と比べても高収入であることが見て取れます。

4-8.航空運輸業

貨物や旅客を航空機で運搬する業界も、高い年収を得ています。

「1-1.年収が高い職業ランキングTOP50」「「航空機操縦士」が堂々の1位に入っていたことからもよくわかります。人々や荷物を安全に目的地へ運ぶという、重要な責務にふさわしい報酬を得ています。

4-9.通信業

「電気業」と同様、人々の生活基盤を支えるインフラ関係の業界は、総じて安定した年収を得られていることが見て取れます。

4-10.学校教育業

「大学教授」「大学準教授」「大学講師」「高等学校教員」が「1.年収が高い職業ランキング TOP50」で上位にランクインしていたことからも、教育現場で専門知識を人々の伝える仕事や学生に教育を施す仕事は、高く評価される内容であり、その分報酬にも反映されています。

5.体力的に楽なのに年収が高い職業ランキングTOP10

さまざまな高年収の職業を見てきましたが、そうはいってもやはり、体力的に辛い仕事はなかなか長続きするのも難しいものです。できれば、少しでも楽な仕事をしながら、より多くの収入を得たいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの章では「仕事での拘束時間が少ない=体力的に楽」という定義でもって、一体どのような職業が高い年収をもらえるのかを見ていくことにします。

下図をご覧ください。

「労働時間合計」=「所定内実労働時間数」+「超過実労働時間数」

以上の計算で、TOP50にランクインした各職業の拘束時間を調べてみました。

そのうち、拘束時間の短い職業TOP10を下記にピックアップしています。

順位職業所定内実労働時間数超過実労働時間数労働時間合計
1航空機操縦士1401141
2不動産鑑定士1460146
3航空機客室乗務員1462148
4大学教授1541155
5大学准教授1551156
6大学講師1542156
7電車車掌14313156
8歯科医師1582160
9看護師1547161
10化学分析員15411165

結果的には「1位航空機操縦士」「2位不動産鑑定士」「3位航空機客室乗務員」が上位に来ました。

ただし、航空機操縦士航空機客室乗務員が「肉体的に楽」かというと、そうではありません。

にもかかわらず、このような結果が出るのは、航空機操縦士の体調不良がもとで大きな事故を引き起こす可能性を考え、休憩時間や休日日数、搭乗時間などが厳しく取り締まられているからです。

そのため、超過労働になる環境ではないということが言えます。

また「4位大学教授」「5位大学準教授」「6位大学講師」など、大学関連の職業が上位に来ています。

こちらは講義の日程に合わせて大学に来ることが多いため、通常の企業に比べると、出勤日数が少ないことが挙げられます。

6.「年収が高い」とはどれぐらいを指すのか?

年収が高い職業について、さまざまな角度からご紹介しましたが、そもそも「年収が高い」とはいくらぐらいのことを指しているのでしょうか?

それを知るためには、日本の平均給与を見てみましょう。

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和元年分)」によると、給与所得者5,255万人の平均給与額は436万円となっています。

さらに男女別の平均給与額を見てみると、男性の給与所得者数3,032万人では平均給与額540万円、女性の給与所得者数2,223万では296万円という結果が出ています。

出典:国税庁の「民間給与実態統計調査(令和元年分)」よりグラフを作成

こうした平均給与額を参考にした場合、「高い年収」とは平均額の2倍ほど、つまり800万以上の収入がある場合を指すと考えてよいでしょう。ちなみに、国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和元年分)を見てみると、年収800万円~900万円以下の人口割合は、男性で4.5%、女性ではわずか0.8%であることがわかります。

これを見ても、年収800万円以上というのは、一部の限られた人だけが得られる高年収であることが理解できます。

7.なぜ年収が高いのか?3つの理由

1章でご紹介した「高い年収をもらえる職業ランキング」では、さまざまな仕事内容がランクインしていましたが、多くの報酬が約束されている職業には3つの理由があります。

ここでは、その理由について見ていきましょう。

7-1.専門性がある

年収が高い職業には、専門性が高いものが多くあります。

特にランキング上位を占めている「医師」「航空機操縦士」などは人の命を預かる大変責任の重たい仕事であり、その分資格を得るまでに多くの時間と労力を要します。

また「公認会計士・税理士」「弁護士」なども、法律・会計分野で深い専門性を持ち、それぞれ企業や個人を支える職業として、とても大きな役割を果たしています。

こうしてみると、高い年収がもらえる職業というのは、高い専門性があり、かつ人々の暮らしに深い影響を与え、その分負わされる責任が大きい職業であることがわかります。

7-2.希少価値がある

さらにランキングの上位を見ていくと、「掘削・発破工」「発電・変電工」など希少価値の高いスキルを持つ職業も見受けられます。私たちの日常ではなかなか目に触れない職業でありながらも、各分野で必要とされる技術を身に付けている場合も、平均より高い年収を得られることがわかります。

7-3.労働にかかる体力・時間が多い

「高年収の職業」が高い給与を得られる3つ目の理由として、仕事を遂行するまでにかかる体力や時間が、とても多いことが挙げられます。

もちろん、すべての高年収の職業がそうだとは言えませんが、たとえば「医師」などはその一例です。

勤務医・開業医など勤務スタイルにもよりますが、たとえば勤務医の場合、決められた就業時間のほかにも勤務先によっては宿直や急患対応、休日出勤など多くの負担がかかります。

このように、高収入=楽をして高い金額を得ているのではないということも理解しておく必要があります。

8.年収が高い仕事に就いた際のメリット・デメリット

年収が高い職業を知れば知るほど、自分もぜひ挑戦してみたい!と思われた方もいることでしょう。しかし、高年収の職業に就くことは多くのメリットがある反面、デメリットもあることを知ることが大切です。

「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないためにも、この章では高年収の職業に生じるメリット・デメリットについて解説していきます。

8-1.4つのメリット

まず、高い年収をもらえると以下のような4つのメリットが考えられます。

8-1-1.貯蓄が増える

最大のメリットは、仕事の報酬が上がることで、貯蓄に回せる金額が増えることです。

元気に働けるうちはいいですが、病気やケガ、老後などに備える貯蓄は多ければ多いほど安心できます。いざというとき、貯蓄がないゆえに通院できない・治療ができない・生活できないという事態にならないためにも、今から少しでも多くのお金を稼ぎ貯蓄していくことは、とても重要になってきます。

8-1-2.ゆとりを持った生活ができる

収入が多いことでゆとりを持った生活が可能になります。

住環境や食生活などの生活クオリティ、お子さんのいるご家庭では教育にかけられる費用など、選択の幅をさまざまに広げることができます。

月々に使用できる金額が限られてくると、食費や通信費、固定費や教育費など、節約できるところから切り詰めていかなければなりませんよね。そうなってしまうと、できることの選択肢も狭まり、毎日の暮らしに余裕を持てないまま過ごすことになります。

高い年収が約束されている場合は、このような心配もなく、心にも経済的にもゆとりを持って過ごしていくことができます。

8-1-3.周りから一目置かれる

高収入の仕事に就いているという事実は、周りの人から一目置かれ、場合によっては憧れや羨望の対象になることもあります。その仕事に就くために、あなたがどれだけ多くの苦労をしてきたのか、長時間の勉強や準備を重ねてきたのかが周囲にもわかるため、あなたに対する尊敬の念が湧いてくる人もいるでしょう。

さらに、努力の末得た仕事で高い収入を得ているとあれば、尊敬を通りこして、うらやましい気持ちでいっぱいになります。周りから高く評価されることで、あなたの自尊心も大いに満たされ、ますます仕事に精が出るのではないでしょうか。

8-1-4.専門性が高いため失職しにくい

高収入の職業は、専門性の高い仕事が多いため、通常の職業と比べると失職しにくい点が利点です。

万が一勤務先が倒産して職場を失うことがあっても、専門のスキルや資格を持っているため、新しい就職口が見つかりやすいのです。

さらに、高待遇で迎えてくれるところもあるため、将来的な安心感にもつながります。

8-2.4つのデメリット

聞けば聞くほど良い点ばかりが目立つ「高年収の職業」ですが、一転デメリットも存在します。

ここでは以下4つに分けて説明していきましょう。

8-2-1.仕事のリスク・責任が大きくなる

高年収の職業によくあるのが、仕事上で追うリスクや責任が大きいことです。

前章の「3-1.専門性がある」でも触れましたが、たとえばランキング上位を占めている「医師」「航空機操縦士」などは、どちらも人命を預かる心的負担の大きい仕事です。

人の病を治療する一方で、常に死と隣り合わせであることを意識しなければならない「医師」、何百人の搭乗客を乗せて航空機を飛ばす「航空機操縦士」などが良い例でしょう。

このように、報酬がたくさんもらえる仕事には、それなりのストレスが伴うことも忘れてはいけない点です。

8-2-2.長時間労働になる

デメリットの2つ目は、長時間労働を強いられる仕事も多く存在する点です。

責任の重たい仕事を任されるのですから、当然失敗は許されません。

従事する業務内容にもよりますが、ひとつでもミスを犯さないために緻密な作業を続けていくことで、残業が増え、気が付けば早朝から深夜までめまぐるしく仕事に追われる事もあります。

8-2-3.納める税金が多くなってしまう

年収が高くなればなるほど、納めるべき所得税が高くなってしまうのもデメリットの1つです。

下記表をご覧ください。こちらは、年収に応じて課税される所得税を一覧にしたものです。

【所得税 速算表】

課税される所得金額税率控除額
1,000円 ~1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 ~ 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 ~ 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 ~ 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 ~ 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 ~ 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

出典:国税庁

こちらを見てもわかるように、多くの年収を得れば得るほど「税率」もどんどん上がります(ただし一定以上まで来たら「税率」は変わらない)そのため、せっかくたくさんのお金を稼いでも、手元に残るお金が予想以上に少なくがっかりすることも出てきてしまうのです。

※課税される所得金額とは

「年収」と同義ではなく、「年収」から「経費」や「配偶者控除・基礎控除などの各種控除」を引いたあとの数字

8-2-4.年収によっては公的サービスを受けられない

収入が一定以上を超えてしまうと「児童手当」や「就学支援金」など自治体や国が提供している公的給付金が受けられなくなる可能性があります。

このような給付金の配布対象者は、世帯収入などを基準にして定めているためです。

そのため、それぞれの給付金が掲げる年収制限は一体いくらぐらいなのか、都度情報をしっかり集めておきましょう。

9.年収の高い仕事に就くためにやっておきたい2つのこと

年収の高い職業についてのメリット・デメリットは理解できたものの、やはり高年収は大変魅力的であることには変わりありません。少しでも年収の高い仕事に就きたいと考えている方のために、この章では年収の高い職業に就くためにやっておきたい2つのことについてお伝えしていきます。

9-1.資格を取得し専門知識を身に付ける

就職・転職したい業界で役立つような資格を取得するのが、最も早い近道です。

特に、高収入が約束されている職業というのは、難易度の高いものばかりです。その資格を取得するために、資格学校に通ったりしながら、多くの時間を勉強に費やす必要があります。

途中で放棄してしまわないよう、あらかじめどれぐらいの準備期間が必要なのかをしっかり見極め、1秒でも無駄にせず、コツコツ励むことが大切です。

高収入に直結する資格の一例

  • 公認会計士
  • 弁護士
  • 医師
  • 一級建築士
  • ファイナンシャルプランナー
  • 宅地建物取引士 など

転職に有利な資格を知りたい場合は

転職に有利な資格については「転職に有利な役立つ資格28選!業界・男女・年代別ランキング」で取り上げています。

IT業界、医療業界、介護業界、旅行業界など各業界に転職する際、持っておくと有利になる全28種類の資格情報がご覧いただけます。その他にも、「稼げる資格」「取りやすい資格」「年代別おすすめの資格」「男女別おすすめの資格」など、それぞれの目的に合わせたおすすめの資格もご紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

9-2.語学の勉強をする

語学力はどの業界においても、可能性を広げるきっかけになります。

語学に堪能で意思疎通ができることで、付き合う顧客の幅が広がり、舞い込む仕事やチャンスも増えていきます。また日本以外の事例などを積極的に知ることで、自分の仕事に生かすこともでき、視野の広い知識が身に付きます。

10.年収の高い仕事を探すなら転職エージェント・サイトを利用する

高年収の職業について一通り理解を深めることができたら、次は実際に仕事探しをスタートしてみましょう。求める条件に合う仕事を探すためには、転職のプロである「転職エージェント」に登録し、アドバイザーに状況を相談するのが確実な方法だと言えるでしょう。

転職先に悩む人の適性を日々判断し、一人一人に合う仕事を紹介してくれる転職エージェントは、これまで多くの求職者に関わり、さまざまな悩みやトラブルを解決してきた豊かな経験を持ちます。

さらに、転職エージェントによっては抱えている応募案件にも違いがあります。可能であれば、複数の転職エージェントに登録しておくといいかもしれません。

現在、多くの求職者が利用している転職エージェントには、以下の4つがあります。

10-1.リクルートエージェント 

リクルートエージェントは業界でも屈指の非公開求人数(約10万件)を誇る転職エージェントです。

こちらも求職者をサポートする「キャリアアドバイザー」がおり、求職者のニーズを聞きそのスキルにマッチした求人を紹介してくれます。応募先の企業へ提出する書類の添削や、面接対策なども実施しており、求職者がスムーズに転職できるよう手助けしてくれます。

しっかりと違いを見極め、より自分に適したサイトを活用してみてくださいね。

10-2.マイナビエージェント

 

出典:マイナビエージェント

マイナビエージェントは求職者を専任制でサポートしてくれる「キャリアアドバイザー」と、企業からの求人情報をタイムリーに収集してくる「リクルーティングアドバイザー」を抱える転職エージェントです。

求職者に対する丁寧なサポート(職務経歴書や履歴書のアドバイス、応募書類の添削・面接対策の実施など)があるため、初めて転職活動する方でも安心して登録しやすいです。

また応募先企業との面談日交渉や、給与条件などの交渉もキャリアアドバイザーが代行して行ってくれるため、大きな負担もなく転職活動に臨むことができます。

10-3.doda

出典:doda

dodaは、自ら求人情報を検索する方法と、エージェントサービス、スカウトサービスの3点で転職活動をすることが可能です。エージェントサービスは上記2サイトと同様、キャリアアドバイザーの的確なアドバイスにより、書類の書き方や面接の仕方などを教えてもらえます。

またスカウトサービスとは、あなたが登録した情報を見て、企業側からアプローチが来るシステムです。

様々なやり方で求人を探していくことができるため、緊張せず楽しんで転職活動に励むことができるでしょう。

10-4.リクナビNEXT

リクナビNEXT

出典:リクナビNEXT

リクナビNEXTは、さきほど紹介した「リクルートエージェント」とは異なり、自分で公開求人を探して応募ができる求人サイトです。企業からのオファーを受けられたり、気になる企業をブックマークするなど、就職活動に役立つさまざまな機能を兼ね備えています。

11.まとめ

今回は「高い年収が得られる職業」について、総合的な上位50社・男女別・年代別・業界別のさまざまなデータを用いてお伝えしました。

さらに、日本の平均給与額は436万円であるため、本記事での「高収入」の定義としては平均の2倍にあたる800万円前後ということ、そして、なぜ年収が高くなるのか、その職業が抱える3つの理由についても以下の通り、お伝えしました。

年収が高い3つの理由

  • 専門性がある
  • 希少性がある
  • 労働にかかる体力・時間が多くなる

そのなかでも、今回の記事で気を付けなければならないのは、高収入であることは必ずしもメリットばかりではないということです。詳しいメリット・デメリットについて、ここで再度おさらいしておきましょう。

高収入の職業のメリット高収入の職業のデメリット
貯蓄が増える仕事の責任・背負うリスクが大きくなる
ゆとりを持った生活ができる長時間労働になる
周りから一目置かれる納める税金が多くなってしまう
専門性が高いため失職しにくい年収によっては公的サービスを受けられない

このような点を見てみると、高収入の仕事とは報酬も多い分、それなりの理由もきちんとあることがわかりましたね。今回の記事を通して、高年収の職業についてのあなたの理解が深まり、これからの就職・転職活動に少しでもお役に立てたならうれしいです。

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キャリアアップとは?

よりよいキャリアアップを目指して先々の計画を立てることをキャリアデザインと言います。
どのようなキャリアを積み、自分の人生に役立てていくかを、常日頃からイメージしておくとよいでしょう。
もちろん、無理してキャリアアップなどせずに平坦に暮らしていたいというのも、ひとつの考え方です。

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