【チェックリスト付き】やりがい搾取とは?職種別の事例と対処法

「やりがい搾取」とは、簡単にいうと、働いている人を「やりがい」という目に見えないもので支配して、低賃金や劣悪な環境で働かせることです。

「でも、やりがいがある仕事って良さそうだけどな」
「好きな仕事なら多少は低賃金でも仕方ないんじゃない?」

こんな風に思ったあなたは注意が必要です。「やりがい搾取」に遭ってしまうかもしれません。

そんなあなたに「やりがい搾取」の恐ろしさを知っていただくために、この記事では詳しい意味や搾取され続けると起きる問題について解説します。

搾取が行われがちな職種別の具体例を交えて説明しますので「やりがい搾取」の構造や卑劣さがよくわかります。

記事中に「やりがい搾取チェックリスト」を添付したので、あなたの労働状況についてぜひセルフチェックをしてみてください。

「やりがい搾取」を正しく理解して、決して綺麗な言葉に騙されないようにしましょう。気づかず陥ってしまうことがないように、この記事を役立てて頂ければと思います。

1.やりがい搾取とは

やりがい 搾取

「やりがい搾取」とは、働いている人に対して「やりがい」という目に見えないものを労働の対価として意識させること。「この仕事は給料以上のやりがいがある」といった言葉や態度で支配して、安い給料や劣悪な環境で働かせることです。

この言葉の生みの親は教育社会学者で東京大学教授の本田由紀氏で、著書「軋む社会」(河北書房)で最近の若者たちの労働の現状について持論を展開する中で使用され、一般に広く認知されるようになりました。

本田氏は著書の中で、搾取に結びつきやすい『やりがい』として下記の表に示した「趣味性」「奉仕性」「ゲーム性」「サークル性・カルト性」の4つを挙げています。

搾取に結びつきやすい「やりがい」
趣味性「好きだから……」と頑張ってしまう「やりがい」
奉仕性自己犠牲の精神による「やりがい」
ゲーム性周りと競争させたり「あと〇〇でレベルアップ!」とプレッシャーをかけたりして持たされる「やりがい」
サークル性・カルト性仕事や企業に対して、強い信念や信仰心を持つような環境で感じる「やりがい」

本田由紀 著「軋む社会」を元に作成

やりがいは仕事を続けていく上で非常に大切であり、企業がやりがいをアピールすることや教えていくことは、従業員の意欲や満足度を高めていく上でとても大事なことです。

しかしながら、それを報酬に置き換え、労働の対価として当然与えられるべき金銭が不十分になるというのは行き過ぎた行為です。実際「やりがい」を報酬として、安い賃金で長時間働かされた従業員が心身の健康を壊してしまう事例も少なくありません。さらに「やりがい搾取」に遭うことで、働く人が仕事への自信をなくすという問題もあります。

自分は誇りをもって働いていたとしても、労働環境の過酷さから周囲に「やりがい搾取をされているのでは」と言われ、職場の自分への評価自体に疑いを持つ可能性があるのです。そのため、夢だった職に就いても、その職場で「やりがい搾取」に遭ったことで、夢を諦めて挫折してしまう場合もあります。

若者の仕事への夢を、企業側の事情と巧妙な手口によって利用する「やりがい搾取」は、労働意欲につけ込んだ悪質な手口ともいえ、人生に重大な影響を及ぼしてしまうため、ひとつの社会問題になっています。

「やりがい搾取」の意味を知って頂いたところで、さらに具体的な内容を把握するために、次章では職種別に実際起きている「やりがい搾取」の例をご紹介します。

2.【職種別】やりがい搾取6つの例

「やりがい搾取」について具体的に理解していただくために、以下の6つの職種別に搾取の事例を解説していきます

  • ヘルパー・介護スタッフ|使命感を利用した「やりがい搾取」
  • デザイナー・アニメーター|「好き」を利用した「やりがい搾取」
  • 居酒屋・コンビニ店長|責任感を煽る「やりがい搾取」
  • ノルマのある営業|中毒性のある「やりがい搾取」
  • 塾講師|生徒への思い入れで陥る「やりがい搾取」
  • テーマパークのスタッフ|夢や憧れを利用した「やりがい搾取」

ただし、これらの職種で必ず「やりがい搾取」が為されるというわけではないので、その点はご留意ください。

一方で、これらの職種で搾取が行われがちであることも見逃せない事実です。よく読んで「やりがい搾取」の構造や現実を理解して頂けたらと思います。

2-1.ヘルパー・介護スタッフ|使命感を利用した「やりがい搾取」

よくある事例として、ヘルパーや介護スタッフの「やりがい搾取」が挙げられます。

仕事柄、従事者が社会的な使命や重要性を感じやすく、またサービスを提供する相手との関わりの深さから誠意が生まれ、賃金が抑制されても働き続けてしまうのです。

「やりがい搾取」を行う介護施設の特徴は、施設入居者やその家族の感謝の声を大々的に紹介したり、介護職における社会的使命=「やりがい」を繰り返しスタッフに訴えることです。

また、世間一般に「介護施設の経営は苦しい」というイメージが根付いていることも「やりがい搾取」が起きてしまう原因の1つです。

施設側がそうしたイメージを利用して、手厚い賃金を払いたくても払えないという状況を従業員に訴って、賃金抑制やカットに対して不満を持たせないようにしていくのです。

こうした場所で働く従業員は「やりがい」という言葉に惑わされ、過酷な労働に見合わない低賃金の中でも、自分の時間や精力を必要以上につぎこんでしまうことになりがちです。

2-2.デザイナー・アニメーター|「好き」を利用した「やりがい搾取」

デザイナーやアニメーターは「やりがい搾取」が問題となりやすい職業です。

この仕事につく人たちは、描くことが「好き」で、やりたくて始めた誇りのある仕事であることが「やりがい搾取」を蔓延させてしまう一因となっています。

こうしたクリエイティブな仕事は、ほとんどの場合、タイトなスケジュールで納期が定められ、限られた時間の中でクオリティの高い出来が求められます。

眠れない夜が何日も続くような、体力的にもきつい仕事である上に、プロとしての技術や高い芸術性も求められるのです。

反して、賃金はおしなべて安く、平成30年度に文化庁が報告した「アニメーター実態調査」によると30代前半のアニメーターの平均年収は365万円程になっています。

それでも「やりたい!」という希望者が後を絶たないのは、ひとえにこうしたクリエイティブな仕事に憧れを感じ「好き」を仕事にしたい人が多いからでしょう。

『芸術的な仕事はそもそも金銭だけを労働の対価として見るものではない』といった考え方が未だにまかり通っているのも、問題といえそうです。

2-3.居酒屋・コンビニ店長|責任感を煽る「やりがい搾取」

居酒屋やコンビニの店長職は「店の収益は自分に掛かっている」という責任感を煽られることによって「やりがい搾取」に陥りがちです。

店長は、アルバイトの管理から、仕入れや店舗の運営全般を任される責任のある立場です。

自分の裁量がそのまま店の収益に繋がることにやりがいを感じるのは当然ですが、行きすぎると、人手や収益の不足まで全部自分で埋め合わせをしようとして、過重労働に陥ってしまいます

人件費を節約するために休日もとらず、アルバイトの分まで残業するといったことは、こうした店長たちには日常茶飯事です。

それに見合った収入が得られていれば問題ありませんが、大抵の店長職の年収は300万円後半〜、多くとも500万円程度で、労働に比しているとは言いがたい現状があります。

しかも、店長は管理職に当たるので、どんなに働いても残業代は出ず、時給で換算するとアルバイト以下になってしまうということも少なくありません。

これはオーナー(企業)側から見ればメリットで、アルバイトを減らして店長に労働させればさせるほど人件費が節約できることになります。

「店長」という名目上の役職で責任感を煽り、その人の労働力を酷使して人件費を抑制するのは「やりがい搾取」以外のなにものでもありません。

2-4.ノルマのある営業|中毒性のある「やりがい搾取」

営業職、特にきついノルマがある販売は「やりがい搾取」に遭いやすい職種です。

ノルマを達成しようとのめり込むことで、どんなに身体がきつくても働き続ける仕事中毒のようになってしまいます

「やりがい搾取」を行う雇用側は、ノルマをクリアしたときに褒めそやしたり、持ち上げたりして、言葉で高揚感達成感を与えます。

それを「やりがい」と混同させることでごまかし、労働に見合った収入を支払わなかったり、報奨金を与えず安い賃金で働かせたりするのです。

仕事中毒に陥った働き手は、収入が上がらなくても「自分の頑張りが足りないから」と自分を責めるようになり、疲労や低賃金を雇用者側のせいだと思わず働き続ける悪循環が起こります。

2-5.塾講師|生徒への思い入れで陥る「やりがい搾取」

「やりがい搾取」の起きやすい職種として、塾講師が挙げられます。

「生徒のため」という強い思いから、残業代の出ない授業の準備や、宿題、テスト採点などに打ち込んでしまうのです。

塾講師の仕事は授業だけでなく、入塾説明や保護者相談、授業の準備など多岐に渡りますが、そうした授業時間外の仕事を考慮した給与が支払われないことが往々にしてあります。

しかしながら、それら抜きでは、生徒の成績を上げたり、試験に合格させることは難しくなります。

ですから、残業代や昇給が望めなくても、「生徒の学力を上げたい」と本気で考える講師は、自分の時間と労力を削ってでも邁進してしまいがちです。

塾講師は、生徒への思い入れが強い人ほど「やりがい搾取」のターゲットにされやすい職種といえます。

2-6.テーマパークのスタッフ|夢や憧れを利用した「やりがい搾取」

テーマパークは夢のような世界を提供してくれる楽しい空間ですが、そこで働くスタッフは「やりがい搾取」されている、ということが少なくありません。

憧れの場所で仕事をしたい!という心理を逆手にとり、巧妙に利用して、「素敵な場所で働けるのだから」と低賃金を受け入れさせるのです。こうしたスタッフは、契約社員がほとんどです。

「やりがい搾取」を行う企業では、「正社員登用のチャンス有り」という殺し文句で募集をかけても、実際には採用した人員の大半を正社員にしないからです。

契約社員は正社員より年収が低く、昇給なしで一定期間働かせることも可能です。企業側にとっては、契約期間が終了したら自由に解雇ができて、人件費を抑制できる便利な人材なのです。

正社員を希望して入社した契約社員は、会社の評価を求めて低賃金でも懸命に頑張るというメリットもあります。

夢と憧れを持ってこうしたテーマパークに勤めた人たちは、やりがいだけでなく「夢」まで搾取されてしまいます

3.やりがい搾取に遭いやすい人の特徴

やりがい搾取に遭いやすいのは以下のような人です。

  • 自己犠牲精神の強い人
  • 未経験の職種に転職した人
  • 社会経験の少ない若者

それぞれ解説していきましょう。

3-1.自己犠牲精神の強い人

自己犠牲精神の強い人は、「私がやらなければ!」という思い込みから、「やりがい搾取」に巻き込まれやすいです。

義務感や責任感が強すぎるせいで、自分の健康やプライベートを犠牲にしてでも、身を挺して仕事をしてしまいます

「与えられた仕事は絶対にしなければ迷惑がかかる」
「割に合わない低賃金でも責任は果たさなければいけない」

自己犠牲精神の強い人はこのような考え方で、本来であれば抗議すべきような労働条件であっても、勤勉に仕事をしてしまいます。

中にはそんな自分に酔っているような人もいて、そういう人は心身が壊れるまで、「やりがい搾取」に遭っていることにも気づきません。

3-2.未経験の職種に転職した人

やりがい搾取に遭いやすい人の特徴として、未経験の職種に転職したばかりの人も挙げられます。

その業界が未経験であるため、給与水準や労働に対してどの程度が普通なのかが掴めておらず、企業側に転職したてのやる気をいいように利用されやすいのです。

特に、憧れていた業界に夢を抱いて転職した人ほど注意が必要で、早く仕事に慣れて評価を得ようという前向きな意欲につけ込まれ、残業や休日出勤を強要されたり、処理できないほどの仕事量を与えられてしまったりします。

「この業界はこんなものなんだ」
「好きな仕事なんだから頑張るのは当然だ」

以上のように次第に感覚が麻痺して過酷な環境に慣らされてしまいます。

3-3.社会経験の少ない若者

社会経験の少ない若者は「やりがい搾取」に遭いやすい人の筆頭です。

経験がないため搾取されていることに気づかず、むしろ「貴重な経験をさせてもらっている」と、雇い主側に洗脳されやすいのです。

「いい経験をさせて貰っている」
「自分は特に期待されている」

以上のように経験がないばかりに表面的な評価に踊らされ、低賃金の重労働を受け入れてしまいます。

社会経験の少ない若者の中でも、特に、自分は何がしたいのか、欲しいのか、将来の目標がしっかりと見定められていない人は、雇用者の言葉に翻弄されがちです。

こうした人は「やりがい搾取」に気づかず、言われるがまま尽くすことで徹底的に利用されてしまいます。

4.確かめよう!やりがい搾取チェックリスト

「やりがい搾取」の事例や遭いやすい人の特徴を解説してきましたが、実際に搾取に遭っている人の中には、常態化してしまったために自分自身では判断ができない状況に陥っているケースがあります。

そこで「やりがい搾取」なのかどうかを判断するチェックリストを用意しました。

あなたに当てはまるところがあるか、まずは正直にチェックをしてみてください。

「やりがい搾取」チェックリスト

  • 24時近くまでの残業は当たり前
  • 残業代は基本給に含まれている
  • 残業をしない人に対しての風当たりが強い
  • 休日出勤手当が出ない
  • 有給が取りにくい
  • 仕事を休む=「悪」という風潮がある
  • 同業他社の友人にくらべてかなり給料が安い
  • 頑張りが昇給や賞与に反映されない
  • 長く働いている先輩の給料が自分とあまり変わらない
  • 給与が安くても自分の成長のためになるなら仕方ないと思う
  • 給与が安くても好きな仕事ができている自分は幸せだ
  • 会社は何かにつけ「社員は家族」といった言葉を使う
  • 「自分たちが行っている仕事がどれだけ素晴らしいか」を社長や上司から常に伝えられる
  • 会社が社保に加入していない
  • 何かあると「やる気」や「努力」の足りなさを指摘される
  • トップダウンの色が強く、下からの意見は聞き入れてもらえない
  • 会社は職場環境の改善に対して積極的ではない

さて、あなたはいくつチェックが入ったでしょうか。数多く当てはまったという方は「やりがい搾取」に遭っている可能性があります。

働き方や労働環境に対して、早いうちに見直しが必要です。

5.やりがい搾取され続けると起きる3つの問題

やりがい 搾取

前章では「やりがい搾取」を判断するチェックリストをご紹介しましたが、こうした見極めを行わず、会社の言うなりに「やりがい搾取」され続けると以下のような問題が起きてしまいます。

  • 身体や心を病んでしまう
  • 生涯年収が数百万円も減ってしまう
  • 業界全体に悪い影響を及ぼす

ひとつずつ解説していきましょう。

5-1.身体や心を病んでしまう

「やりがい搾取」をされ続けると、身体や心を病んでしまいます。

過酷な労働が身体を壊す原因になることはもちろん、仕事のプレッシャーやストレスから心のバランスまで崩れてしまうのです。

充分な休養や睡眠が取れないことが長期間続くと、どんなに若くタフな人でも慢性的な不調を抱えるようになります。

プライベートの時間がとれず、友達や家族と過ごせないことで生活にも支障が出てきますし、そうなると、身体の不調も相まって心が病んでしまう可能性があります。

心の病は1度かかってしまうと完治が難しく、無理を続けていると悪化して入院に至るケースもあります。

「やりがい搾取」で身体や心がボロボロになっても、会社は助けてくれず、働けなくなったらあっさりと解雇する場合がほとんどです

5-2.生涯年収が数百万円も減ってしまう

「やりがい搾取」をされ続けていると、生涯年収が数百万円も減ってしまいます

当然のことですが、給料が安ければ年収が少なくなります。

有給がとれないということは、その分の収入も減るということです。年間の有給が10日と考えると、毎年半月はタダ働きをしている計算になります。サービス残業分まで支給される企業と比較して、その差分も加えると、大きな損失です。

このように「やりがい搾取」は、あなたが受け取れるはずの賃金を不当に奪っていきます。それは、ある意味、「人生を奪っていく行為」といえます。

本来報酬として受け取れるはずの賃金が受け取れないせいで、苦しい生活を余儀なくされ、普通以上に働いているにも関わらず、常に何かを我慢して生きていかなければいけなくなるからです。

5-3.業界全体に悪い影響を及ぼす

多くの人が「やりがい搾取」をされ続けることに甘んじていると、業界全体の報酬単価が下がっていくといった悪影響が出てきます。

「やりがい」を建前にした低賃金での過酷な労働が常識になって、後から勤める人も「やりがい搾取」に遭っていく危険があるのです。

チェックリストにもありましたが「成長のため」「好きな仕事だから」と考え、「やりがい搾取」を見過ごして働き続ける人は少なくありません。

その人たちは企業にとってみれば「やりがい」という言葉をぶら下げておけば低賃金で使うことができる便利な従業員です。そんな従業員が増えれば、過酷労働とそれに見合わない報酬が常識となり、そのせいで業界全体の報酬単価が下がってしまいます。

結果、それに耐えられない人は辞めていき、残った人は変わらない低賃金でますます多くの仕事をこなさなければならなくなり、長期的にいえば業界全体が疲弊していくことになります。

1人が黙って「やりがい搾取」をされ続けることは、経営者側に、「他の誰でも低賃金で使っていける」、「搾取を続けていい」と思わせてしまい、業界全体に悪い影響を及ぼします

6.やりがい搾取に気づいたときの対処法

「やりがい搾取」をされ続けると連鎖的に恐ろしい問題が起きてしまう、ということがご理解頂けましたでしょうか。

そんなことが起きないように、 ここでは「やりがい搾取」に気づいたときの対処法を解説します。

  • 第三者機関に相談する
  • 転職する

心身の健康が損なわれたり、ひいては業界全体を疲弊させるようなことになっても、「やりがい搾取」をするような会社のほとんどは何もしてくれません。

1度きりの人生を仕事で損なわれることのないよう、よく読んで対処法を把握しておきましょう。

6-1.第三者機関に相談する

明らかに「やりがい搾取」と見られる状況があるときは、労働組合、労働基準監督署、弁護士といった専門家に相談することをおすすめします

労働基準監督署
厚生労働省の出先機関として、労働基準法や労働契約法、労働組合法などの労働関係に関する法令を守らない企業を取り締まるための機関

相談は必ず、会社の人事部などではなく、上記のような第三者機関を選びましょう。人事部は経営陣の意向を反映し、率先して「やりがい搾取」をコントロールしている場合があります。

第三者機関機関であれば、客観的かつ法的に、あなたへの待遇がやりがい搾取かどうかを判断し、違法である場合には適切なアドバイスや対処をしてくれます。

その際には、労働基準法に違反していることを確認できる証拠が必要となりますので、証拠となるメールや音声データなど記録を残して持っていくようにするとスムーズでしょう。

労働基準監督署の所在はコチラをご覧ください

厚生労働省|全国労働基準監督署所在案内

6-2.転職する

「やりがい搾取」に気づいたら、なるべく早期の転職を検討しましょう

話し合ったり訴えたりしたとしても、会社の体制はすぐには変わりません。

あなたが勇気を持って抗議すれば、会社側が妥協案や改善策を提案してくることはあるでしょう。また責任感の強いあなたは、自分が転職することで周囲に迷惑がかかる、と考えてしまうかもしれません。

しかしながら、長期に渡ってあなたの「やりがい」を搾取してきた会社が、そんなに簡単に勤務条件や待遇を変えることはないでしょう。

あなたの人生はあなたのもので、組織や同僚のものではありません。組織のため、周囲のために犠牲になっても、心身を壊せばおしまい、誰も助けてはくれません。

「やりがい搾取」に遭ったときの対処法として、1番良いのはすぐにでも「転職すること」です。労働や功績に見合った報酬が得られる場所でこそ、本当の「やりがい」が手に入ります

7.まとめ

「やりがい搾取」とは、「やりがい」という目に見えないものを労働力の対価として意識させること。「この仕事は給料以上のやりがいがある」といった言葉や態度で支配して、安い給料や劣悪な環境で働かせることです。

仕事に使命感や責任感を持っていたり、夢を抱いて好きな職種についた人ほど搾取に遭いやすい傾向があります。

具体的には以下のような人が「やりがい搾取」に遭いやすい人です。

  • 自己犠牲精神の強い人
  • 未経験の職種に転職した人
  • 社会経験の少ない若者

「やりがい搾取」は心身の健康を損なうばかりか、社会全体に悪影響を及ぼす問題です。

記事を参考にしていただき、搾取に気づいた場合は、直ちに第三者機関に相談し、早めに転職することをおすすめします。

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キャリアアップとは?

よりよいキャリアアップを目指して先々の計画を立てることをキャリアデザインと言います。
どのようなキャリアを積み、自分の人生に役立てていくかを、常日頃からイメージしておくとよいでしょう。
もちろん、無理してキャリアアップなどせずに平坦に暮らしていたいというのも、ひとつの考え方です。

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