
「会社のために何年も働いているのに給料がなかなか上がらないけど、どうして?」と疑問に感じていませんか?
日本では過去30年にわたって給料が上がっておらず、給料が上がらないと感じているのはあなただけではありません。
実は次の2つの理由で、日本の給料は上がらなくなってしまっています。
日本の給料が上がらない2つの理由
- 根強く残る終身雇用制度によって昇給額が少ないから
- 内部留保をして従業員の賃金を上げないから
ただし日本の社会人がみんな、給料が上がっていないわけではありません。
給料をアップさせるために行動を起こすことで、上がらなかった給料が上がるケースもあるのです。
そのためには適切な交渉のコツや対処法を知っておく必要があります。
そこでこの記事では、次の内容をお伝えしていきます。
この記事の内容
- 給料が上がらない日本の現状
- 給料が上がらない2つの理由
- 給料が上がらない会社の3つの特徴
- 給料が上がらない人の2つの特徴
- 給料を上げるための2つの交渉のコツ
- 給料が上がらない場合の対処法
この記事を読むことで、給料が上がらない日本の現状やその理由がわかるだけでなく、給料が上がらない「会社」や「人」の特徴、給料アップのための交渉のコツやそれでも給料が上がらない場合の対処法を知ることができます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.給料が上がらない日本の現状

まずは給料が上がらない日本の現状について、データをもとに見ていきましょう。
労働賃金を先進国(G7)と日本で比較してみると、7か国中5か国が大幅な上昇傾向にあるのに対して、日本は30年ほぼ賃金が変わっていません。
以下のグラフをご覧ください。
OECD(経済協力開発機構)の「Average wages」によると、平均賃金は、先進国各国で以下のように推移しています。

出典:OECD(経済協力開発機構)「Average wages」
先進国の中ではイタリアと日本はほぼ横ばいで、平均賃金に伸びがなかったことがグラフからわかります。イタリアは1.04倍、日本は1.06倍です。
一方で、アメリカは30年前と比べると1.42倍、イギリスは1.48倍、ドイツは1.34倍、フランスは1.35倍、カナダは1.33倍、となっており、平均賃金の大幅な伸びが確認できます。
つまり先進国と比較をして、日本は給料の伸びがほとんどなく、30年間ほとんど変わっていない、というのが日本の現状なのです。
2.給料が上がらない2つの理由
日本の給料が上がらないことには、次の2つの理由があります。
- 根強く残る終身雇用制度によって昇給額が少ないから
- 内部留保をして従業員の賃金を上げないから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.根強く残る終身雇用制度によって昇給額が少ないから
1つ目の理由は「根強く残る終身雇用制度によって昇給額が少ないから」です。
日本ではまだまだ、終身雇用制度が根強く残っています。
終身雇用制度では「年功序列」を前提としており、長く雇用すればするほど、会社の人件費が増加します。そのため、従業員を長く雇う代わりに昇給を少なくすることで、人件費によって会社の経営が圧迫されるのを防いでいるのです。
日本経済団体連合会の「2020年1~6月実施分『昇給・ベースアップ実施状況調査結果』の概要」によると、2020年の昇給率は1.83%であったことが、調査からわかっています。
つまり月給ごとにシミュレーションをしてみると、以下のようになります。
| 月給 | 昇給額 |
| 20万円 | 3,660円 |
| 25万円 | 4,575円 |
| 30万円 | 5,490円 |
こうして見てみると実際に、大幅な昇給がされていないことがわかります。
日本では、終身雇用制度が根強く残っているからこそ、人件費を抑えるために、こうして昇給額を少なくしています。そのため、給料がなかなか大幅に上がっていかないのです。
2-2.内部留保をして従業員の賃金を上げないから
3つめの理由は「内部留保をして従業員の賃金を上げないから」です。
バブル経済が崩壊したあと、日本の経営者たちは先行きの不確実さに強い恐れを感じ、会社が儲けたお金を配当や給与にしないで、内部留保しておくようになりました。
財務総合政策研究所の「法人企業統計調査」によると、実際に日本の企業は以下のように内部留保をするようになっています。

日本の企業は1988年には100兆円、2004年には200兆円、2012年には300兆円となっています。さらに、直近では、2019年には479兆円、2020年には489兆円。
右肩上がりに内部留保額は増えていっています。
日本の企業では、従業員の賃金を上げるより、内部留保にお金を回しているため、どうしても給料が上がりにくくなってしまっているのです。
3.給料が上がらない会社の3つの特徴
ここまで給料が上がらない日本の現状とその理由についてお伝えしましたが、さらに視点を細かくしていくと、給料が上がらない「会社」や「人」には共通点があります。
これから給料が上がらない現状を打開していくためにも、まずは給料が上がらない「会社」や「人」の共通点を知っておくことで、今後の行動のヒントになります。
そこで3章・4章では、給料が上がらない「会社」「人」の特徴を解説していきます。
まずは給料が上がらない会社の3つの特徴を見ていきましょう。
3-1.業績が上がっていない
1つ目の特徴は「業績が上がっていない」ことです。
当たり前ですが、業績が上がっていない会社は、給料が上がりません。
従業員の給料を上げるほど、会社の利益を出すことができていないのです。
売り上げの増減に関わらず発生する以下の固定費を、会社の利益から支払うのは必須であり、さらに従業員の給与を上げるためには、それだけ会社としての利益を出さなければなりません。
会社の固定費一覧
- 従業員の給与
- 水道光熱費
- 接待交際費
- リース料
- 広告宣伝費
- 減価償却費
したがって、業績が上がっていない企業は給料が上がらないのです。
3-2.従業員に支払う給与は「人件費」だと捉えている
2つ目の特徴は従業員に支払う給与は「人件費」だと捉えていることです。
給料を「人件費」としか考えていない会社は、「誰でもできる仕事だから、いくらでも従業員は替えが効く」と考えていて、従業員の実績や、日頃の取り組みを評価する風土がないのです。
たとえば給料を「人件費」としか考えていない会社は、営業職Aさんの営業目標の達成率が120%という結果で、認められるような成果を出していても、「誰でもできる仕事だから」という理由で評価しません。
一方で、給料は社員の労働対価であると考えている会社は、営業成績が良かったり、何か社員が成果を出したりした場合には、給料アップやインセンティブを用意します。
従業員に支払う給与を「人件費」だと考えている会社は、個々の従業員を評価してその分の報酬を与えるという文化がないのです。
3-3.業務効率をアップさせるための設備投資をしていない
3つ目の特徴は「業務効率をアップさせるための設備投資をしていない」ことです。
業務が効率化できる設備投資をすることで、生産性を高め、ひいては会社の利益がアップするため、その分給料をアップさせることができます。それにも関わらず、設備投資をしない場合、ムダな時間やコストが発生し続け、従業員の給料アップはできなくなってしまいます。
たとえば、一人当たりが出す粗利額が1ヶ月100万円で、給料が20万円の会社があったとします。
一人当たりが会社に生み出す利益は80万円です。
そこで業務効率化をして、生産性を1.5 倍に高めると、粗利額が150万円になり、給料が20万円のままであれば、一人当たりが会社に生み出す利益は130万円になります。
かなり単純に計算をしていますが、会社の利益は業務効率化をすることでアップでき、利益が上がれば、従業員に還元できるので、結果的に給料がアップするのです。
4.給料が上がらない人の2つの特徴
次に給料が上がらない人の2つの特徴をお伝えします。
給料が上がらない人の2つの特徴
- 給料アップのための交渉をしていない
- 成果を出していない
それでは詳しく見ていきましょう。
4-1.給料アップのための交渉をしていない
1つ目の特徴は「給料アップのための交渉をしていない」ことです。
仕事の実績や成果から強気に給与アップを主張しないと、会社側は給料を上げることについて検討してくれません。交渉をしなければ、いつまで経っても、いつになるかわからない昇進や、残業を増やすことでしか給料をアップさせることはできなくなってしまいます。
たとえば、給与交渉しない場合、給料はそのままで次に昇進する日まで給料がアップすることはありません。せめて、給料を少しでも増やそうとして残業が増えるだけです。
一方で、これまでの実績や成果をもとに給与交渉をすれば、しない場合と比べて、1円でも多くもらえる可能性が高くなります。
したがって、給料アップのためには交渉が必要なのです。
4-2.成果を出していない
2つ目の特徴は「成果を出していない」ことです。
会社側からすると、成果を出していない人の評価は低く、会社の業績に貢献していないので当然、成果報酬を支払うことはできません。
また、今後活躍することを期待して給与をアップさせても、「会社に貢献するような成果を出すとは考えにくい」と判断されている可能性があります。
たとえば、営業職の人の場合で考えてみましょう。
Aさんは年間で営業目標を120%達成している一方で、Bさんは営業目標の70%ほどの達成率になっています。
Aさんが給料がアップするのは、会社への貢献度から考えても明確ですね。
また、今後も会社の売り上げのために貢献してくれることが予想できるため、その期待値の高さから、給料をアップしたり役職を与えたりして、さらなる会社への貢献を期待します。
一方でBさんは、目標を達成することができていないため、会社への貢献度は低く、上司からの評価は低くなります。また、今後いきなり成果を出すことは考えにくいため、昇給や昇進を言い渡されることはないでしょう。
成果を出していない人は、成果報酬をもらうことや、今後の期待値として給料をアップしてもらうことができないため、どうしても給料は上がらないのです。
5.給料を上げるための2つの交渉のコツ
ここまでは給料が上がらない理由や、給料が上がらない「会社」「人」の特徴についてお伝えしてきましたが、ここからは具体的に給料を上げるためにどうすればいいのかを解説していきます。
給料を上げるためにおすすめなのが「給与交渉をする」ことです。
今まで成果を出している場合、会社への貢献度は高いため、会社も給与の見直しをしてくれる可能性があります。給料が上がらずもやもやするのであれば、一回交渉してみよう、ということです。
そこで本章では、給与交渉の成功確率をアップさせるための、交渉の2つのコツをお伝えします。
給料を上げるための2つの交渉のコツ
- 「上司に認めれもらえるような成果が出ているとき」に交渉する
- 実績を資料にまとめる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
5-1.「上司に認めてもらえるような成果が出ているとき」に交渉する
1つ目の交渉のコツは「上司に認めてもらえるような成果が出ているときに交渉する」ことです。
大した成果も出ていないのに、いきなり「給与をあげて欲しい」と言っても、上司からは自分勝手だとマイナスのイメージを持たれてしまいます。
上司に認めてもらえるような成果を出していれば、上司からは「普段から実績をあげて会社に貢献してくれているから、給料アップの相談に乗ろう」と考えてくれます。
職種によって「成果」の内容は違いますが、たとえば営業職であれば、月の営業目標の120%や150%くらいの達成率が続いている場合に、給与交渉を行うと良いでしょう。
また事務職の場合、業務をより効率化するために自主的にスキルを身につけて、一定時間に処理できる仕事の量が大幅にアップしたときに交渉を行うと、給与アップが狙えます。
ただし、期の途中で給料をあげて欲しいと交渉しても、期ごとに予算が決まっているため、あげてもらえない可能性が高いです。
そのため、評価面談などのタイミングで自分の成果をアピールし、給与交渉をすると良いでしょう。
5-2.実績を資料にまとめる
2つ目の交渉のコツは「実績を資料にまとめる」ことです。
具体的な成果を資料にまとめて「見える化」することで、説得力のある給与交渉をすることができます。
資料作りをする際には、自分の出した成果を具体的な数字を使って示しましょう。
たとえば、以下のように資料を作成できると、説得力を持たせることができます。
【例】給与交渉をする際の資料
本日はお時間をいただきましてありがとうございます。
この会社に勤めて7年目となり、これまで会社に貢献できるよう自分のスキルや経験を磨いてまいりました。そして現在、以下のような実績を築き上げています。
- 2020年度上半期 営業目標を120%達成
- 2020年度上半期 新規顧客20件獲得(社内の獲得新規顧客70件のうち、28%)
- 2020年度下半期 営業目標を150%達成
- 2020年度下半期 新規顧客18件獲得(社内の獲得新規顧客55件のうち、32%)
受注量も増え、これからの仕事量を鑑み、もし可能でしたら給料について考え直していただけませんでしょうか。今後も会社に大きく貢献できるよう、さらに成長できるよう日々精進する所存でございます。何卒ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
グラフなどを使って、高い水準で成果を出し続けていることをアピールするのも良いですね。
6.それでも給料が上がらない場合の対処法
前章では給料を上げるための交渉術についてお伝えしましたが、それでも給与交渉をしても給料が上がらない場合は、転職をすることをおすすめします。
給料が上がらない会社にいつまでもいても、現状は変わりません。
転職をすることによって、素早く給料を上げられる可能性があるのです。
給料を上げるために「転職を検討してみようかな」と考えた方は転職エージェントへ相談してみましょう。
転職エージェントでは、「給料アップを狙って転職をしたいと考えている」という転職の目的を伝えれば、キャリアアドバイザーが今よりも給料アップしそうな、あなたにぴったりの企業を紹介してくれます。
これからご紹介する転職エージェントでは、企業の紹介だけでなく、実際に選考に進んだ際には実践的な模擬面接を行なったり、面接での回答に対するアドバイスや、面接中の様子についても具体的にアドバイスをもらうことができます。
おすすめの転職エージェントは以下の3社です。
6-1.リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1の転職支援サービスです。一般の求人サイトには掲載されていない10万件以上の非公開求人を持っているため、多くの選択肢からあなたにとって最適な転職先を選ぶことができます。
また、提出書類の添削、面接対策などサポート体制がしっかりしているので、時間がない人や転職経験があまりない人でも安心して転職活動をすすめられます。
6-2.マイナビエージェント

出典:マイナビエージェント
マイナビエージェントは、20代に信頼されている転職エージェントNO.1の転職支援サービスです。はじめての転職でも安心できるよう、キャリアアドバイザーが転職に関する疑問ひとつひとつに丁寧に答えてくれます。
また、各業界の転職事情に精通した専任アドバイザーによって、あなたにとって最適なキャリアプランを提案してくれるので、転職に失敗しにくくなります。
6-3.doda

出典:doda
dodaは、業界最大数の利用者数を誇る転職支援サービスです。dodaでは、キャリアアドバイザーが面談を行って、強みや適正から求人を導いてくれることもあるため「1人ではどうしていいか分からない」という人にもおすすめです。
また、企業に合わせた応募書類の添削や面接サポート、面接日程の調整、内定後の入社時期の調整などを行ってくれるので、安心して転職活動をすすめていくことができます。
7.まとめ
この記事では給料が上がらない日本の現状やその理由、給料が上がらない「会社」「人」の特徴、給料を上げるための交渉のコツ、対処法についてご紹介しました。
ここで改めて記事のおさらいをしましょう。
◆日本は先進国と比べて給料の伸びがほとんどなく、30年間ほとんど変わっていない
◆給料が上がらない2つの理由
- 根強く残る終身雇用制度によって昇給額が少ないから
- 内部留保をして従業員の賃金を上げないから
◆給料が上がらない会社の3つの特徴
- 業績が上がっていない
- 従業員に支払う給与は人件費だと捉えている
- 業務効率をアップさせるための設備投資をしていない
◆給料が上がらない人の2つの特徴
- 給料アップのための交渉をしていない
- 成果を出していない
◆給料を上げるための2つの交渉のコツ
- 「上司に認めてもらえるような成果が出ているとき」に交渉する
- 実績を資料にまとめる
◆給料が上がらない場合の対処法は「転職をする」こと
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この記事が参考になれば幸いです。




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