
転職を考え始めていて、ネットの広告で転職エージェントというものを見たことはありませんか?
転職を支援してくれるサービスということは分かっても、どのような仕組みなのか、転職エージェントは実際に使うべきかなど気になりますよね。
実は転職エージェントは安易に使うべきではなく、利用するタイミングが大切であることをご存じでしたか?
タイミングとしては、転職すると決意した後に転職エージェントを使うことがベストです。
そもそも、転職エージェントは転職の意思が固まっていないときから安易に利用するのはおすすめしていません。
考えが固まっていない段階で利用しても、アドバイザーの対応を煩わしく感じてしまったり、エージェントを上手く使いこなせなかったりする可能性があるためです。
この記事では、転職エージェントを安易に使うべきではない理由を含めて、転職エージェントの仕組みやエージェントを使うべき人の特徴まで解説します。
この記事を読んで、転職活動の第一歩を踏み出しましょう。
目次
1.転職エージェントとは
「転職エージェント」とは、転職相談から求人の紹介・面接対策など、あなたの転職について幅広くサポートする人材紹介サービスです。
転職サイトと併用しているサービスも多いですが、キャリアアドバイザーが専門にサポートしてくれるため、一人一人が希望する転職内容に近づくような仕事を紹介してくれます。
転職エージェントのサポート内容
転職エージェントのキャリアアドバイザーは具体的に、以下のようなサポートをしてくれます。
- 企業との交渉代行
- 非公開求人の紹介
- 市場を知る転職のプロへのキャリア相談
- 面接対策や履歴書の添削
- 入社日の調整や円満退職に向けたアドバイス
求職者と企業とのミスマッチも起こりにくくなるため、両者にとって良好な関係になる仕組みとなっています。
さらに、転職エージェントは基本的に無料で利用できます。
“無料”と聞くと適当な仕事を紹介されるのではないか?後から請求されるのではないか?と不安に思うかもしれませんが、転職エージェントは利用者が不利にならない仕組みとなっています。
2.転職エージェントの仕組み

転職エージェントが無料で利用できるのは、企業からの成果報酬で収益をあげているためです。
転職エージェントの利用者が入社するごとに、企業からエージェントに仲介料が支払われます。
そのため、転職エージェントを利用するうえで利用者に一切の料金が発生しません。
企業が転職エージェントに料金を支払う仕組みのため「エージェントを間に入れない転職方法の方が有利なのでは?」と思うかもしれませんが、実は企業にも求職者にも下記のメリットがあります。
- 企業も求職者も集まる
- 企業と求職者とのミスマッチを防げる
2-1.企業も求職者も集まる
企業が転職エージェントを利用するメリットの1つ目は、企業も求職者も集まることです。
転職エージェントは求職者の多くが利用するため、ただ求人を募集するよりも多くの希望者を集められます。
たとえば「マイナビ」は1973年に設立されて歴史もかなり古く、今では多くの人に認知・利用されている状況です。
また、マイナビは公開求人だけでも約2万件の求人案件を抱えています。
認知度が高い転職エージェントには企業と利用者が集まり、互いに有益な情報を交換する場として成り立っています。
2-2.企業と求職者とのミスマッチを防げる
企業が転職エージェントを利用するメリットの2つ目は、求職者とのミスマッチを防げることです。
転職エージェントは利用者としっかり面談したうえで企業に紹介するので、企業側と求職者のミスマッチが起きる可能性が低くなります。
企業側は採用した人材がすぐに辞めた場合の、次の採用や育成のコストやリスクを回避したいため、転職エージェントが推薦する求職者から人材を探したいと考えています。
また転職エージェントは成果報酬制で採用に至らなかった場合のコストはかからないため、企業も安心して転職エージェントを利用できます。
採用されない人材を企業に紹介しても転職エージェントの報酬にならないため、利用者にとって的外れな求人が紹介される可能性も低いです。
また転職エージェントのアドバイザーは企業に直接足を運んでリサーチすることもあるので、より企業のニーズを掴みやすくなっています。
そのため、転職エージェントは企業と求職者のニーズがマッチするように調整してくれます。
3.転職の意思が決まってから転職エージェントを利用しよう
転職エージェントは転職のためのプラットフォームですが、ただ利用すれば良いわけではありません。
実は、転職エージェントを「利用するタイミング」が最も重要なのです。
転職活動において、エージェント以外の選択肢として「転職サイト」を活用する方法がありますが、そもそも「転職エージェント」と「転職サイト」では役割が異なります。
転職活動の段階によって転職エージェントと転職サイトを使い分けることで、より賢く効率的に転職を進められます。
転職エージェントと転職サイトの違いは以下の表の通りです。
転職エージェント | 転職サイト | |||
△ | 担当アドバイザーと面談して進める | 気軽さ | ◎ | 自分のペースで進める |
◎ | 非公開求人多数 | 求人数 | 〇 | 求人の選択肢は多い |
◎ | アドバイザーが交渉 | 企業との調整 | △ | 一人ですべて行う |
◎ | プロが市場価値を教えてくれる | アドバイス | △ | サイト内のツールは使用可能 |
◎ | 企業に合った対策をしてくれる | 面接対策 | △ | 一人で対策・練習する |
転職する意思を決めてから | 利用するタイミング | 転職の意思が固まる前 | ||
マイナビエージェント | 例 | マイナビ転職 | ||
転職サイトはやり取りや調整を一人でやる必要がありますが、自分のペースで転職活動を進められることが大きなメリットです。
そのため、転職の意思が固まっていない場合や情報収集だけしたい場合におすすめです。
転職エージェントにもメリットはありますが、安易に使わずにタイミングを図ることが大切です。
4.転職の意思が固まる前に転職エージェントを安易に使うべきではない理由

転職エージェントは、転職の意思を明確に決めたタイミングで利用することをおすすめします。
転職の意思が固まっていない段階で使用すると、せっかくの転職エージェントのメリットを生かしきれない可能性があるため、安易な利用はおすすめしません。
本来であれば、転職エージェントには以下のようなメリットがあるため、利用が推奨されています。
- 企業との調整や交渉を代行してくれる
- 非公開の求人を紹介してもらえる
- 市場を知る転職のプロに相談できる
- 面接対策や履歴書の添削をしてくれる
一方で転職エージェントの効果を最大限活用するためには、使うタイミングが重要です。
転職エージェントを安易に使うべきではない詳しい理由は以下の3つです。
- 上手く使いこなせない可能性がある
- アドバイザーの対応を煩わしく感じやすい
- アドバイザーの質が落ちやすい
4-1.上手く使いこなせない可能性がある
転職エージェントを安易に利用するべきではない理由の1つ目は、エージェントを上手く使いこなせない可能性があるためです。
特に「まだ転職の意思がはっきりしていない」方にとっては、情報やサポートなどを使いこなせずに消耗してしまうかもしれません。
転職の意思が固まるまでは転職サイトなどで情報収取して、転職を決意してから転職エージェントを利用することで上手に使いこなせます。
一方で転職を決意している場合は、転職のプロに相談できるメリットを活用できるため、転職エージェントの使用をおすすめします。
4-2.アドバイザーの対応を煩わしく感じやすい
転職エージェントを安易に利用するべきではない理由の2つ目は、アドバイザーの対応を煩わしく感じやすいためです。
転職エージェントは、利用者が内定を得て入社しないと報酬が得られない仕組みなので「なるべく早く転職してほしい」という本音があります。
なかには利用者に早く転職してほしいために何度も連絡をとってきたり、希望に沿わないような求人を紹介してきたりなど、強引に転職を進めようとするアドバイザーもいます。
転職するか決めかねている状態では、アドバイザーの対応が煩わしく思えてストレスを抱えてしまうかもしれません。
一方で転職の意思がある場合は、紹介される非公開求人情報を活用できるため、転職エージェントを利用する価値があります。
4-3.アドバイザーの質が落ちやすい
転職エージェントを安易に利用するべきではない理由の3つ目は、アドバイザーの質が落ちやすいためです。
転職エージェントは企業からの成果報酬で利益を得ているため、必然的に転職の意思が固まっていて早期の転職を希望する利用者を優先してしまいます。
結果的に後回しにされてしまい、アドバイザーの質も落ちやすいです。
転職するかどうかはっきりしていない内は、情報だけ集めて考えるというのも手です。
転職エージェントを使わないで情報収集をするには、転職サイトを利用するのがおすすめです。
一方でアドバイザーにはっきりと転職の意思を伝えられる場合は、アドバイザーが積極的にサポートしてくれる可能性も高まります。
5.転職エージェントを使うべき人の特徴


転職エージェントがどんなサービスかを理解できたところで、あなたが転職エージェンを使うべきかどうかを判断してみましょう。
多くの情報を得られて有利な転職ができる可能性が高いため、基本的には利用することをおすすめします。
特に転職エージェントを使った方が良い人の特徴は以下の通りです。
- キャリアについて信頼できる相談相手がいない
- 転職する目的や軸が決まっている
- 自分で情報収集する自信がない
- ある程度自分の強みを把握している
そもそも転職するべきか悩んでいる場合や、自身の強みが分からない場合などはプロの目線による客観的なアドバイスで、どのように進めていけば良いかが分かるようになります。
転職の意思がはっきりしている方は積極的に利用しましょう。
一方で、転職エージェントを利用しなくても良い人の特徴は以下の通りです。
- 転職するか悩んでいる
- 自分のペースで転職活動したい
- 転職したい業界が決まっていない
- 自分の強みが分からない
転職するかどうか悩んでいる場合や自分のペースで転職活動したい場合は、転職エージェントを軸に転職活動を進めない方が良いです。
このような場合は転職サイトで、自分のペースで探したり、転職の方向性を確認することを優先し、どのような転職をしたいかがある程度決まったら、転職エージェントを利用するようにしましょう。
6.あなたにぴったりの転職エージェントを見つける方法

転職エージェントを使うべきかどうか分かったところで、あなたに最適な転職エージェントを見つける方法を紹介します。
転職エージェントは100社以上もあるため、合わない転職エージェントを利用してしまうと転職は上手くいきません。
そこで、自分に合う転職エージェントを見つけるために以下の2点を抑えておきましょう。
- 働きたい業界に合わせて選ぶ
- 複数のエージェントに登録する
それぞれ詳しく解説します。
6-1.働きたい業界に合わせて選ぶ
自身に最適な転職エージェントを見つける方法の1つ目は、働きたい業界に合わせて選ぶことです。
転職エージェントは様々な求人情報を扱っていますが、大きく以下の2つに分かれています。
- 幅広い業界を扱う「網羅型」(例)マイナビエージェント
- 特定の業界を扱う「特化型」(例)レバテックキャリア(IT系特化)
網羅型は圧倒的な求人数を誇り、特化型は特定ジャンルのニッチな案件も扱っています。
転職したい業界が確定している場合は業界特化型の転職エージェント、様々な業界を見比べながら選びたい場合は網羅型の転職エージェントがおすすめです。
営業や事務のような一般職の場合は特化型だと数が極端に少なくなるため、網羅型がおすすめです。
網羅型転職エージェントの例
特化型転職エージェントの例
- レバテックキャリア(IT)
- アクシスコンサルティング(コンサル)
- マスメディアン(広告)
- 看護roo(看護師)
- 不動産キャリアエージェント(不動産)
- 薬キャリ(薬剤師)
- きらケア正社員(介護)
- キャリアカーバー(ハイキャリア)
- マイナビエージェント「女性の転職」(女性)
- マイナビジョブ20s(第二新卒)
6-2.複数(目安は3~5社)の転職エージェントに登録する
自身に最適な転職エージェントを見つける方法の2つ目は、複数(目安は3~5社)の転職エージェントに登録することです。
複数の転職エージェントに登録することには以下のようなメリットがあります。
- 非公開求人を見比べながら選べる
- 紹介される求人の偏りを減らせる
- 相性の良いアドバイザーと出会う確率が上がる
複数登録することで、転職エージェントから紹介される求人の偏りを減らすことが可能です。
また、あなたに合ったアドバイザーと出会える確率も上がります。
転職において「どの転職エージェントを使うか」は大切ですが「どんなアドバイザーに担当してもらうか」も重要です。
複数の登録でやり取りの手間は増えますが、あなたにとって良いアドバイザーと出会って、より満足度の高い転職をするために複数の転職エージェントに登録してみてください。
転職エージェントは3~5社使おう
より多くの求人情報を比較して検討するために、転職エージェントに登録するときは3~5社登録してみてください。
大手リクナビが出した調査で、転職成功者は4.2社の転職エージェントを利用していたことが分かっています。
2社だと比較するには物足りなく、5社よりも多いと管理が大変になってしまいます。
本格的に利用するエージェントを最終的に1~2社程に絞るためにも、まずはなるべく多くの転職エージェントに登録することが重要です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
まずは大手の転職エージェントを使おう
もし登録する複数の転職エージェントに迷った場合は、まずは大手の転職エージェントに登録するのがおすすめです。
たとえば大手の転職エージェントとして、CMや広告などでよく目にする「マイナビエージェント」や「リクルートエージェント」などが挙げられます。
マイナビエージェントは非公開求人含めて約10万件、リクルートエージェントは約25万件の求人情報を抱えており、実績・求人数ともに豊富なため転職の選択肢が広がりやすくなります。
7.転職エージェントを上手に使うポイント5つ

転職を成功させるための、転職エージェントを上手に使うポイントは以下の5つです。
- 転職時期は最短の日程を伝える
- 同じ求人に複数の転職エージェントから応募しない
- 担当アドバイザーについて妥協しない
- 担当アドバイザーが書いた推薦文を確認する
- 紹介された会社の口コミを調べる
今の職場よりもプラスの転職を成功させるためにも、転職エージェントをより上手に活用しましょう。
7-1.転職時期は最短の日程を伝える
転職エージェントを上手に使うポイントの1つ目は、転職希望の時期を最短の日程で伝えることです。
転職エージェントは企業からの成果報酬制で利益を得ているため、まだ転職するか分からない利用者よりも、転職する意思があって時期も決めている利用者を優先することが多いです。
結果的に転職するかどうか分からない利用者は後回しにされて、好条件な求人を紹介してもらえなくなってしまいます。
より好条件であなたの希望にあった転職をするためには、アドバイザーに転職する意思と転職したい時期をなるべく最短で伝えることが重要です。
7-2.同じ求人に複数の転職エージェントから応募しない
転職エージェントを上手に使うポイントの2つ目は、同じ求人に複数のエージェントから応募しないことです。
企業に複数のエージェントから応募があると、企業から転職エージェント側に確認の連絡が入ってしまいます。
企業とエージェントの両方に不信感を与えてしまうため、複数の転職エージェントを利用する場合は応募する企業の分散と管理をしましょう。
7-3.担当アドバイザーについて妥協しない
転職エージェントを上手に使うポイントの3つ目は、担当アドバイザーについて一切の妥協をしないことです。
転職は担当アドバイザーの質で満足度や結果が変わってしまうため、どんなコンサルタントについてもらうかはとても重要です。
アドバイザーのことを少しでも信用できなかったり親身に応じてもらえないと感じたら、すぐに担当を変更してもらうことをおすすめします。
高圧的な態度を取ってきたり、上から目線で話を進めたり、親身になってもらえなかったりするようなアドバイザーに怯えて流されてしまう利用者の方もいます。
キャリアコンサルタントの方が高圧的で、精神的に参っています。
引用:Yahoo!知恵袋
エージェントとは相談もコミュニケーションもとれず、望んでもいない求人を一方的に押し付けられ、面接日程を勝手に組まれました。
引用:Yahoo!知恵袋
しかし転職エージェントを使うのも、実際に転職するのもあなた自身です。
転職を成功させて今より自分に合った職場で働くためにも、嫌だと思ったアドバイザーは変更してもらいましょう。
どうしても変更しにくい場合は、他の転職エージェントに乗り換えて転職活動を進めてみてください。
7-4.担当アドバイザーが書いた推薦文を確認する
転職エージェントを上手に使うポイントの4つ目は、担当アドバイザーが書いた推薦文を確認することです。
基本的に担当アドバイザーは企業に向けてあなたについて推薦文を作成しますが、推薦文と実際が相違があると面接時に困ってしまいます。
リスクを極力避けるためにも、完成した推薦文は一度確認させてもらいましょう。
- 「面接の際に相違がないように」
- 「プロの視点から客観的に見た自分を知りたい」
以上のような正当な理由があれば、推薦文は見せてもらえます。企業に送る推薦文はあなたの印象に大きく関わってくるため、必ず把握しておきましょう。
7-5.紹介された会社の口コミを調べる
転職エージェントを上手に使うポイントの5つ目は、紹介された会社の口コミを調べることです。
転職エージェントもビジネスなので、なんとしても転職してほしいという本音があります。
そのため、紹介された求人があなたに適していないかもしれません。
転職を失敗するリスクを避けるために、口コミを調べて事前に雰囲気希望と合っているかどうかの裏付けを行いましょう。
口コミは「OpenWork」や「キャリコネ」などの口コミサイトから調査できます。
また、ベンチャーやスタートアップ企業は採用担当者や社長が自ら情報発信している場合もあるため、Twitterで情報を集めることもおすすめです。
8.転職エージェントを利用する流れ

転職エージェントを利用する流れは以下の通りです。
- 登録
- 面談・求人紹介
- 応募・面接
- 内定・入社
Webサイトからすぐに登録できるので、転職するかどうか悩んでいて相談に乗ってもらいたい場合、今すぐでも利用開始が可能です。
転職エージェントに登録したからといって絶対に転職する必要はないため、もし相談してみて「今は転職しない」という結論になっても大丈夫です。
【関連記事】転職エージェントとの面談は転職成功の第一歩!押さえたいポイント総まとめ
9.まとめ
この記事では、転職エージェントについて紹介しました。
転職エージェントは無料で使えるため、まずは利用してみることをおすすめします。
多くの求人情報を集めることは、転職を成功させるために重要なです。
実際に転職するかどうかは情報を集めてからでも判断できるので、転職しなかった場合でも費用はかかりません。
少しでも有利に転職できるようになるために、あなたに合った転職エージェントを見つけていきましょう。




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