
「世の中がどんどん変わっていくなか、自分はこのままでいいのだろうか?」
「先のことを考えると、将来が不安に思えてしまう…。」
あなたは先の見えない未来を考えて、こんな不安な気持ちに囚われていませんか?
将来への不安を抱えているのは、なにもあなただけではありません。
内閣府の世論調査(調査対象1,826人)によると、なんと約7割の方が将来への不安を感じているという結果が出ています。

出典:内閣府「平成26年 世論調査」のデータを基にグラフを作成
漠然とした将来への不安を感じたまま、日常生活をこなしていくのはとても心苦しいですよね。
このような不安を拭い去るためには、何を不安に思っているのか、その原因を特定し、正面から向き合い解決することが不可欠です。
そこで今回この記事では、以下のような内容を取り上げて、現在あなたの感じている不安を突き止めていきます。
①「将来が不安」と感じる理由ランキング上位10
②将来の不安を解消しないと生じる2つのリスク
③【理由別】将来の不安を解消する方法
④根本的な不安を解消する3つのステップ
⑤不安を繰り返さないためにやっておきたい4つの習慣
この記事をお読みいただければ、あなたが何に対して不安を感じているのかがわかり、くわしい対処法を知ることで不安を解消することができます。
ぜひこの記事をきっかけに、あなたの抱える不安を取り除いてみませんか?
目次
1.「将来が不安」と感じる理由ランキング上位10

冒頭で述べたように、7割もの人が将来への不安を感じているとお伝えしましたが、みなさんは一体どのようなことが原因で不安を感じているのでしょうか?
前述した内閣府の「世論調査」では、将来の不安要素についても尋ねています。
その結果は下記のとおりです。

こちらのデータを見ると、多くの人がさまざまな理由により将来への不安を感じていることがわかります。さっそく不安要素の詳細を、1つずつ見ていきましょう。
1-1.【1位(50.3%)】自分や家族の健康状態の悪化
不安要素としてもっとも多かったのが、自分や家族の健康状態が悪化してしまうことへの不安でした。
体調が悪いと気分も晴れず、「こんな調子の悪い体を抱えて、これからどうすればいいのだろう」という焦りばかりが出てきてしまいます。
自分の体調がすぐれないのは仕方ないにしても、家族の体調までも崩れてしまうと、心配が先立ってしまい、何も手につかないことでしょう。
1-2.【2位(47.9%)】大地震などの大規模な自然災害の発生
大地震や台風などの大規模な自然災害に対しても、大きな不安を抱えているようです。
阪神淡路大震災、東日本大震災など過去にいくつもの大地震を経験している日本は、いつどこで、また大きな地震が起きてもおかしくないと言われています。
地震が起きた時、家族は無事生き残れるのか、住む家はつぶれないで残っていてくれるのかなど、一度自然災害のことを考え始めたら、不安で仕方がなくなってしまいます。
1-3.【3位(42.1%)】社会保障や教育などの公的サービスの水準の低下
私たちの生活に必要な医療保険・介護保険、雇用保険、児童手当などの社会保障や、教育にまつわる公的サービスについて、その質が低下していくことへの不安も上位を占めました。
日本は、2050年ごろには高齢化率が37.7%と試算されており、全体の約4割が65歳以上の高齢者となります。このまま高齢者率が増え続け、反対に働き手である生産人口が減少していくなか、公的サービスを実施・維持するための財源は減る一方になります。
生産人口の激減により、社会保障や教育などのサービスがどんどんカットされていく恐れがあります。
1-4.【4位(35.7%)】雇用状況の悪化
定年退職まで今の会社で勤め上げられるかどうか、途中でリストラに遭わないかどうか、契約社員から正社員へ転身できるかどうかなど、雇用を取りまく不安は、いつの時代も尽きません。
雇用状況の悪化は、日々の生活に大きな影響を与えるため、とても大きな不安材料となります。
1-5.【5位(34.8%)】国や地方の財政状況の悪化
国や居住地域の財政が逼迫していると、受けられる公的サービスも削られ、生活が一気に圧迫されます。
いまのように日本全体で人口減少が進むなか、国や地方の財政がどこまで持ちこたえてくれるのか。
こうした周辺状況に関しても、将来の不安をあおる一因となります。
1-6.【6位(33.3%)】所得や資産の格差の拡大
日本における所得や資産の格差は、とくに「ひとり親家庭」や「高齢者家庭」のなかで顕著に出ています。
たとえば、厚生労働省の国民生活基礎調査を見てみると、「ひとり親世帯」の貧困率は50.8%という驚くような数字が出ています。
およそ2家族のうち1家族が貧困家庭であり、こうした状況は子供においては「学力格差」「教育格差」などの影響を生じさせ、大人においては「経済格差」「健康格差」など、下手をすれば命すらも脅かす深刻な格差を引き起こします。
この状況は、高齢者世帯でも27・0%の貧困率を生み出すことにつながり、少ない収入をなんとかやりくりしながら、苦しい思いをして生活を続ける高齢者たちも大勢存在しています。
1-7.【7位(32.2%)】自然や環境の破壊
地球温暖化や気候変動の傾向が、ここ最近、顕著になっています。
2015年の国連サミットでは、「SDGs(持続可能な開発)」の17項目を採択する動きがありました。
これにより、各国各地域でSDGsについて徹底的な理解を進め、実生活においてもこれまで以上に、地球の自然や環境への配慮が求められるようになっています。
それでも、自然や環境の破壊はとどまるところを知りません。
私たちの住む地球がどうなってしまうのか、私たちが死んだあとも残されていく子や孫の世代はどうなってしまうのか、自然や環境破壊の実態を目にするたびに、計り知れない不安がこみ上げてきます。
1-8.【8位(31.3%)】日本経済の停滞・衰退
日本経済の停滞・衰退は、自分がかかわっている仕事の停滞・衰退に直結します。
特に、前述した日本で急速に進む人口減少が、日本経済の変化に大きな拍車をかけていきます。
2008年の1億2808万人をピークにどんどん人口は減り続け、2020年現在1億2713万まで下がり続けています。これはつまり、12年で100万人もの消費者を失っている計算となり、日本の市場がますます縮小されていることを示しています。
市場が縮小し先細りしていくことは、日本でのビジネスに明るい展望は望めず、結果、日本経済の停滞・衰退を引き起こしていきます。
このような状況の中で、果たして自分たちの生活をきちんと守っているのかを考えると、自信がなくなってしまい、不安にさいなまれてしまいます。
1-9.【9位(28.3%)】犯罪の増加
私たちの生活と常に隣り合わせになっている犯罪も、安心できる生活を脅かす存在となります。
しかし幸いなことに、平成14年を境に犯罪は減少し続けています。
参考までに、下記のグラフをご覧ください。

ただしそうはいっても、いまだに多くの犯罪が日々起こっており、それに巻き込まれてケガを負ったり財産を失ったり、最悪の場合は命を失うケースもないとは言い切れません。
特にコロナのような病がはやる特殊な状況ですと、人々の精神状態も窮地に追い込まれ、さまざまな犯罪が起こってしまうこともあります。
このような状況を見るにつれ、果たして犯罪に遭遇せず無事に生き延びていけるのかという不安が、胸いっぱいに広がっていきます。
1-10.【10位(26.7%)】子育て・教育に対する負担の増加
子どもが成長するにつれ、親の負担は「毎日のお世話をする→増える教育費を捻出していく」といったように金銭的な方向へシフトしていきます。
保険相談ナビによると、子ども1人にかかる平均的な教育費は、下記の通りになります。
- 幼稚園~大学(すべて国公立) 約800万円
- 幼稚園~大学(すべて私立) 約2,200万円
上記を見ると、子ども1人に捻出する教育費は、およそ800万~2200万円かかることがわかります。
兄弟姉妹がいる場合は、この金額に人数をかけるわけですから、相当な教育費が家庭から出ていくことになるわけです。
このような負担を最後まで背負っていけるのかという焦りが、多くの人が感じる不安の1つになっているようです。
2.将来の不安を解消しないと生じる2つのリスク

前章で将来の不安要素を見て、ご自分の感じている不安がどこにあてはまるのかが大体おわかりいただけたかと思います。
このような不安を解消できれば気持ちも軽くなるところですが、どれも目の前に立ちはだかる大きな壁に思えてしまい、解消しようと努力するのがおっくうに感じてしまいますよね。
しかし、このような不安を少しでも軽減していかないと、以下のようなリスクが2つ生じてしまいます、
1つずつ説明していきましょう。
2-1.日々の生活に安心感・充足感を味わえない
将来に対する不安を抱えたままだと、日々の生活にまったく安心できず、いつも「どうしよう。なんとかしないといけない」と焦りを感じてしまいます。
このような焦りは、家族で旅行していても、楽しく外食していても、常に心の底に深くのしかかり、楽しい時間をまったく楽しめない状態を作り出します。
安心できる人々と満ち足りた時間を過ごしているはずなのに、「こんなことをしている場合じゃない!」と自らを責め、ついにはそのような時間を共有している相手に対しても、不快な気持ちを抱くようになってしまいます。
2-2.くよくよ考え続け前進できない
将来に対する不安から生じる二つ目のリスクとして、くよくよその問題ばかり考え続けて、未来に視線を向けられないことが挙げられます。
かといって、その問題を解決するための根本的な方法は見つからず、同じ場所を行きつ戻りつしながら、現在を充実した気持ちで過ごすことができなくなってしまいます。
3.【理由別】将来の不安を解消する方法

前述したような2つのリスクを抱えたままだと、いつまでも充足感や安心感を味わえず、そのうち心と体を蝕んでしまうことにもなりかねません。
そうならないためにも、1章で見つけたご自身の「不安」の原因を、しっかり取り除いてあげることが重要です。
そこでこの章では、先に挙げた10の不安要素に対する解消法を提示していきます。
さっそく1つずつ解説していきましょう。
3-1.「自分や家族の健康状態の悪化」の場合
もっとも大きな不安要素である「自分や家族の健康不安」については、次の2つを徹底することである程度予防することができるでしょう。
①健康診断を定期的に受ける
②かかりつけ医を決めておく
①健康診断を定期的に受ける
定期的に健康診断を受けることで、病気の早期発見につながり、大事に至らずに済みます。
会社に勤めている方であれば、「定期健康診断」を受ける機会があります。
被扶養者(会社勤めしている方のご家族で被扶養者として認定されている場合)も受けることが可能です。
また会社勤めをされていなくても、ご自身の加入している健康保険組合や市区町村などの自治体で実施している健康診断、さらには一般の病院での健康診断など、あらゆる場所で健康状態をチェックする方法は存在します。
ともかく、まずは年に1度、定期的に健康診断を受けてみましょう。
そうすることで、あなたやご家族の健康状態を良好に保つことができます。
②かかりつけ医を決めておく
いざというときのために、すぐに相談できるかかりつけ医を決めておきましょう。
かかりつけ医をあらかじめ決めておけば、急な病気や気になる症状が出たときに、「どこの病院にしよう?」と焦ったり迷うことなく、スムーズに受診できます。
また普段からお世話になっている病院であれば、これまでのあなたのカルテが手元にあるため、過去の症状を参考にしながら的確な診断を下すことができます。
特に子供や高齢者の場合は、容態が急変することも考えられます。
最悪の場合を避けるためにも、発症したらすぐに「いつもの先生」に診てもらう、このような流れを作っておくことは大変重要です。
3-2.「大地震などの大規模な自然災害の発生」の場合
日本のどこの地域に住んだとしても、地震を始め、台風や洪水、山火事や落雷などありとあらゆる自然災害は、誰の身にも起こり得ることです。
しかし、そうかといってそのまま手をこまねいて見ているだけでは、いざ災害が起こったときに大きな痛手を受けることになります。
そうした事態を少しでも避けるために、今からでもできる対策とはどんなことでしょうか?
「政府広報オンライン」公式サイトのなかでは、「災害時に命を守る一人一人の防災対策」として以下の方法を紹介しています。
①防災対策で重要な「自助」を知る
②家の中を安全対策する
③地震が発生した時の身の守り方を知る
④ライフラインの停止や避難への備えをする
⑤安否情報の確認方法を家族で決めておく
①防災対策で重要な「自助」を知る
いざ災害が起きたとき、一番大切なのは「自分自身が無事でいること」です。
そのためには、普段から災害時にはどのように身を守ればいいのか、家の中の対策は万全かという点に気を配る必要があります。
なぜなら、災害時人を助けたくても、自分や家族が元気で安全にいられないと、できることは何もないからです。周囲の人と助け合う「共助」を行うためにも、まずは「自助」を意識し、普段から安全対策を取っておきましょう。
「自助」でできること
- 水や食料を備えておく
- ハザードマップを確認しておく
- 家の周りで災害につながりそうなポイントを知っておく
- トレイットペーパーや常備薬を備えておく
など
②家の中を安全対策する
災害時は、家の中を安全対策しておくこともとても重要です。
先ほども述べた「阪神淡路大震災」での被害を見ると、地震が直接の原因で亡くなった方のうち約8割が家屋の倒壊によるものでした。このような痛ましい結果を知る限り、家の中の安全対策がどれほど死亡のリスクを減らしてくれるのかがおわかりかと思います。
いつ来ても慌てることがないよう普段から、家の中の安全対策を徹底しておきましょう。
「家の中の安全対策」でできること
- 倒れてきそうな家具を固定する
- 屋根や壁など壊れかけている個所を修理しておく
- 窓ガラスなどに飛散防止フィルムを貼る
- 外に逃げ出せるよう玄関までのルートは何も置かない
など
③地震や災害が発生した時の身の守り方を知る
いざ地震や災害が発生した時は、あわてず自分の身を守りましょう。
たとえば地震なら、「緊急地震速報」というありがたいシステムがあります。地震を感じる数秒前に、地震発生の知らせを受け取ることで、自分の身をどうやって守るのかを一瞬でも考えることができます。
また、普段から市区町村が発表している「防災・災害対策」のサイトなどを一読しておくのもいいでしょう。
避難所の案内や防災地図、土砂災害警戒地域などの情報も載っており、ご自身の身を守るときに大いに役立ちます。
「地震での身の守り方」でできること
- 家の中では大きな家具や窓から離れ、座布団などで頭を保護する
- 外にいるときはブロック塀や道路標識、看板、自動販売機など倒壊しそうなものから離れる
など
④ライフラインの停止や避難への備えをする
災害が発生した際は、水道や電気、ガスなどのライフラインが止まってしまうこともあります。
このような事態でも生活を続けていくためには、普段から以下の物をあらかじめ準備しておくことをおすすめします。
災害時に備えた備蓄品の例
- 飲料水(一人1日3リットルを目安に、3日分を用意)
- 食品(ご飯(アルファ米など一人5食分を用意)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど、一人最低3日分の食料)
- 下着、衣類
- トイレットペーパー、ティッシュペーパーなど
- マッチ、ろうそく
- カセットこんろ
➄安否情報の確認方法を家族で決めておく
災害が起きたとき、家族がみな同じ場所にいるとは限りません。
職場や学校、買い物先などそれぞれが離れた場所にいるとき、お互いが無事でいるかどうかが非常に気になります。
そんなときは、お互いの安否確認ができる方法を家族内で決めておいて、離れた場所でも無事に過ごせている事がわかるようにしておきましょう。
安否確認の方法としては、「災害用伝言ダイヤル」「災害用伝言板」などのサービスがあります。
3-3.「社会保障や教育などの公的サービスの水準の低下」の場合
社会保障(医療保険・介護保険・雇用保険・児童手当・年金・生活保護など)や教育などの公的サービスが縮小されることへの不安には、以下のような項目で多少なりとも解決することが可能です。
①「健康寿命」を伸ばす
「健康寿命」とは、健康に問題がなく、自分で元気に日常生活を過ごせる状態のことを指します。
普段からバランスの良い食事や規則正しい生活リズムに気を遣うことで、この「健康寿命」を少しでも伸ばすことができれば、以下のようなメリットがあります。
- 病院にかかる機会が少なくて済む
- 働けるうちは働いて賃金を得ることができる
②教育ローンや奨学金などの情報を集める
教育面での公的サービスが不安な場合は、国や銀行、JAバンクなどが実施している教育ローンや、さまざまな学校や企業、団体などが設置している奨学金などを利用することも考慮に入れましょう。
自らが対応策を練っておくことで、将来への不安を少しでも減らすことができます。
3-4.「雇用状況の悪化」の場合
雇用状況の悪化は、あなた自身のストレスを増加させ、最悪の場合は、減給や失職をもたらす原因となります。そうなると、あなたやご家族の生活を直撃し、平穏な生活を根本から壊してしまうこともありえます。
そんな事態を避けるためにも、現在の雇用状況がどんどん悪化してくるようなら、以下のような対策を立てておくことも重要です。
①将来性のある働きやすい職場へ転職する
一つ目の選択肢として、将来的に伸びしろのある、活気ある業界・職場へ転職することをおすすめします。
新しい環境で一からのスタートとなるため、人間関係や職場ルールなどで戸惑うことも多くありますが、これから伸びていく業界であれば、やりがいのある仕事を手掛けられるでしょう。
ちなみに、今後大きく成長する見込みがある業界の一例を挙げてみましょう。
ぜひ転職先の参考にしてみてくださいね。
| 今後伸びる業界 | |
| IT業界 | 人手不足を解消するためのAI(人工知能)を開発・提供していく |
| ネット広告業界 | 既存の4メディア以上に正確な顧客層を狙え市場が拡大している |
| エンタメ業界 | テレビや映画などのコンテンツを端末で楽しむ人が増加している |
| 医療・福祉業界 | 高齢化社会へと突き進むなか医療や介護現場のニーズが増える |
| 農業業界 | 農業と技術を組み合わせた「アグリテック」に大きな期待が集まる |
| EC業界 | ネット売買の市場規模が順調に増加。巣ごもり需要などで期待大 |
転職を検討する際に活用したい転職エージェントを以下にまとめたので参考にしてみてください。
| 名称 | 特徴 |
| リクルートエージェント | 業界最大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーから応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスを受けられる |
| マイナビエージェント | 20代の支持率が高い転職エージェントで第二新卒の転職や初めての転職におすすめ |
| doda | 大手・優良企業を中心に豊富な求人情報から最適な求人を求人検索でき転職エージェントサービスも展開している |
②難しければ部署の異動を願い出る
そうはいっても、転職するとなると求職活動や現場での引き継ぎ作業など、多くの準備と時間が必要になりますよね。どうしても転職するのが難しいと感じるならば、社内での部署移動を願い出るのも選択肢の1つです。
同じ社内でも、部署によって職場の雰囲気や人間関係、給与額など雇用状況は異なります。
そのため、現在所属している部署の職場環境が悪くなる一方であれば、社内での部署異動、できれば将来のキャリアにつながるようなスキルを身に付けられる部署などを選び、異動の希望を出してみましょう。
特に、同じ社内での異動であれば、これまで慣れ親しんできた会社から離れることはないので、心的な負担も軽く済みます。また、別の会社に転職する時と比べても、書類の手続きなどが煩雑でないことが利点として挙げられます。
3-5.「国や地方の財政状況の悪化」の場合
国や地方の財政状況が悪化することへの不安に対しては、自らの貯えを少しでも増やしておくことで安心を得ることが重要です。そうはいっても、普段の生活の中でプラスアルファの貯蓄部分を捻出することは、相当大変なことかと思います。
そんな中自身でできる対策としては、以下の方法が挙げられます。
①副業をする
老後に向けた年金が不安な状況になり、老後資金は出来るだけ自分で用意しなくてはという世の中の動きのなかで、本業以外の「副業」を認める企業もたくさん出てきました。
勤め先が「副業」を可能としているならば、空き時間を利用しての副業をはじめてみるのもいいかもしれません。
現在はクラウドソーシングのサイトも複数出ているため、まずはご自分がどんなことができるのかを覗いてみるのもおすすめです。
②少しでも利率のよい預金サービスを利用する
現在、日本の銀行預金は低金利となっており、多額の預金を預けたとしても数百円程度の利息しかつきません。しかしよく調べると、金融機関ごとに新規キャンペーンやボーナス時のキャンペーンなどと銘打って、多少でも高い金利で設定できる預金プランなどが出ている場合があります。
このようなキャンペーンをチェックして、預金するのも1つの対策です。
また、外貨預金や投資信託、株式などの「投資商品」も検討してみるのもいいかもしれません。
「投資商品」についての詳細は、一般社団法人 全国銀行協会のサイトにてお調べいただくことができます。金融商品には、元本割れなどのリスクも伴うため、事前にしっかりと商品について勉強しておくことが不可欠です。
3-6.「所得や資産の格差の拡大」の場合
所得や資産の格差の拡大も、不安をあおる大きな原因です。
特に、周りと比べてみたときにその不安は一層大きくなるようです。
こうした不安を少しでも解消するためには、「3-5.『国や地方の財政状況の悪化』」の場合」で紹介した「①副業をする」「②少しでも利率のよい預金サービスを利用する」という方法を試していただくのも一手段であり、また最終的には以下の考え方を徹底することで、気持ちを楽にすることができます。
①自分が将来必要とする額を試算して、目標額を達成するために対策する
②人とは比べない
3-7.「自然や環境の破壊」の場合
自然や環境破壊がこれ以上進むと、私たちの地球はどんどん住みにくくなっていきます。
実際に、2020年7月に東北地方から西日本にかけて起きた「記録的大雨」については、気象庁のレポートで次のような一文で締めくくられています。
「今回の一連の大雨では、地球温暖化の進行に伴う長期的な大気中の水蒸気の増加により、降水量が増加した可能性があります」。
このような状況を見ると、自然や環境破壊がいよいよ地球温暖化を急速に進め、異常気象をもたらすようになっていることがわかります。
この悪状況を一刻も早く止め、私たちの将来への不安を減らすためには、自然や環境を取り戻そうとする、地球全体の動きが必要になります。
幸いにも、2015年に国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発)」には、自然や環境破壊を阻止するための項目も含まれており、日本でもこの取り組みは広く浸透始めています。

また、私たちが普段からできる以下のような取り組みもあります。
①エアコンの設定温度は夏は28℃、冬は20℃にする
②使わない電化製品は主電源を切り、コンセントからプラグを抜いておく
③誰もいない部屋の電気は消す
④テレビのつけっぱなしはやめましょう。
⑤できるだけ車を使わず、公共の乗り物で移動する
⑥買い物時はマイバッグを持参する
⑦緑を育てる
⑧水を大切に使う
環境悪化に対する不安をじりじりと募らせるよりも、毎日少しずつ自分たちでできることを積み重ねていくことで、地球を元気にし自分自身を安心させてあげましょう。
3-8.「日本経済の停滞・衰退」の場合
日本経済の停滞・衰退は、私たちの生活に直接かかわってくるため、とても大きな不安材料となります。かといって、景気は自分の努力だけではどうにかなるものではありません。そんななか、私たちにできることといえば、不景気が原因で仕事や生活に支障が出始めたときでも、生活していけるだけの蓄えを十分手元に残しておくことです。
自分の資産を少しでも増やすためには、以下の2つを同時に行うのが理想的です。
①できるだけ多く収入を得ること
②資産を貯めること
「できるだけ収入を得ること」「資産を貯めること」として、以下の方法が考えられます。
できるだけ多く収入を得るためには
・副業をする
・転職をする
資産を貯めるには
・少しでも利率のよい預金サービスを利用する
「副業をする」「少しでも利率の良い預金サービスを利用する」などの詳細については、「3-5.『国や地方の財政状況の悪化』」で解説していますのでご覧ください。
また、「転職をする」に関する詳細は、「3-4.『雇用状況の悪化』」の場合で説明しています。ぜひ参考になさってください。
3-9.「犯罪の増加」の場合
さきほど「1-9.【9位(28.3%)】犯罪の増加」でもお伝えしたように、日本の犯罪率は平成14年を境に減少しています。ただし、まったく犯罪がないわけではないので、小さいお子さんを抱えている方には特に、犯罪に巻き込まれることへの不安が大きいことでしょう。
犯罪に遭遇しないようにするには、以下二つの方法をおすすめします。
①治安のよいエリアを選ぶ
お住まいの地域が治安の悪いエリアだった場合、犯罪に巻き込まれるリスクが高くなります。大人だけが生活しているご家庭ならまだしも、お子さんのいるご家庭であるならば、安心して暮らせる場所を選びましょう。
もし知らずに治安の悪いエリアに住んでいた場合は、迷うことなく引っ越しも検討した方がいいでしょう。
②「メールけいしちょう」へ登録など積極的に情報収集をする
「メールけいしちょう」とは、警視庁が発行元となっているメールマガジンです。
自分のメールアドレスを登録しておくと、各地域で発生した犯罪情報や、防犯情報などをメールで知らせてくれます。
事件などの情報をタイムリーに受信でき、さらに、事件発生場所の付近を地図で知らせてくれるので、危険な場所から離れることができます。
- 犯罪に遭遇しないよう自ら遠くへ離れること。
- 事前に発生状況を知っておくことで、うかつに現場に近づかないこと。
この2点を徹底して安全に暮らすことで、犯罪への不安を解消することができるでしょう。
3-10.「子育て・教育に対する負担の増加」の場合
子供がどんどん成長することは、親にとって生きがいでもあり大きな楽しみでもあります。
しかし、わが子をきちんと育てられるかどうか、行きたい進路に進ませてやれるかどうかを考えた時、体力や経済的な不安で、心配が尽きなくなってしまいます。
このような不安を解消するためには、「3-3.「社会保障や教育などの公的サービスの水準の低下」の場合」でも一度ご紹介した以下の解消法をおすすめします。
①「健康寿命」を伸ばす
②教育ローンや奨学金などの情報を集め活用する
くわしくは、「3-3.『社会保障や教育などの公的サービスの水準の低下』」の場合」で解説しています。ぜひご覧ください。
4.根本的な不安を解消する3つのステップ

将来が不安になってしまう上位10の原因と解消法をご紹介してきましたが、こちらにあてはまらない「漠然とした不安」を抱える方も、なかにはいらっしゃることでしょう。
そのような根本的な不安を放っておいては、心がいつまでも晴れず、常に不安と焦りに追い立てられるような、落ち着かない毎日を過ごすことになってしまいます。
そんな状況で心身共に疲れ切ってしまう前に、これからご紹介する3ステップを通じて、根本的な不安をやわらげていきましょう。
4-1.【STEP1】不安に感じる原因を突き止める(話す・書き出す)
まずは、あなたが不安に感じる原因は何かを言葉にしてみましょう。
「紙に書き出す」「人に話す」など、方法はなんでも構いません。
頭の中にモヤモヤと残る暗い感情も、紙に書き出してみたり、人に話すことで、その原因が明確化します。文字や言葉にするため、一度自分の頭が考えが整理されるからです。
何があなたのモヤモヤを作っていたのか。原因をまずはしっかり突き止めましょう。

4-2.【STEP2】解決したい順番に並べる
次に、書き出した不安要素や人に話した不安要素を、解決したい順番に並べていきます。こうした作業をしやすいように、不安要素は紙にメモで記録した方がいいかもしれません。
解決したい順番に並べることで、
- 不安要素の内容を改めて確認する
- 不安要素はそのうち解決していくもの
という認識を持ちましょう。
ここで大切なのは、不安はいつまでも心に居座るものではないということです。
「この不安は近いうちになくなるものだ、自分で解決できるものだ」と思い込むことで、心を軽くすることができます。

4-3.【STEP3】具体的な解決策を思いつく限り書きこむ
不安要素を解決したい順に並べたら、上から思いつく限りの具体的な解決策を書きこんでいきましょう。どんなに小さな解決策でも構いません。
重要なのは、あなたがきちんと対応できる策を書くことです。
解決策を書きこみ、用紙が文字でいっぱいになればなるほど、「不安要素を解決する方法はこれだけあるんだ!」という安心感につながります。
こうした3つのステップを意識することで、心に広がる漠然とした不安を洗い出すことができ、解決に向けて取り組んでいける自信がついていきます。

5.不安を繰り返さないためにやっておきたい4つの習慣

将来への不安をさまざまな方法で解消できたとしても、いつまた新しい不安が忍び寄ってくるかわかりません。不安な気持ちを繰り返していると、心身共に疲弊してしまい、前向きな気持ちが弱くなってしまいますよね。
そうなる前に、不安を繰り返さないことが大切です。
この章では、不安を感じてもそれを跳ね返すぐらいのしなやかな心の状態を作るため、以下4つの習慣をご紹介していきます。
5-1.不安を感じたらすぐに言語化する
不安を感じたらすぐに言語化するように習慣づけましょう。
「4-1.【STEP1】不安に感じる原因を突き止める(話す・書き出す)」でもお伝えしましたが。不安な気持ちを人に話したり文字に起こすことで、不安の正体がわかり、心的ストレスが和らいでいきます。
5-2.よく寝る
できるだけ睡眠をたくさんとりましょう。
睡眠不足によって引き起こされるさまざまな体調不良は、心を弱くし判断力を鈍らせていきます。普段ならなんとも思わない他人の言動でも、睡眠不足が原因で心が弱くなっているときに目にすると、ひどく傷ついたり、戸惑ったりします。
自分が不安に思っていることも、たっぷり睡眠が取れた頭で再度考えてみることで、意外にも大したことに思えなくなることもあります。睡眠はこちらの予想以上に心のバランスを保つのに貢献しているのです。
5-3.よく体を動かす
よく体を動かすことで、心理的な不調を予防することができます。
家事を頑張る、運動をする、通勤時は駅まで歩くなど、普段の生活の中で取り入れられそうな部分から体をどんどん使っていきましょう。
厚生労働省のがまとめた「身体的活動基準2013」のなかでも、身体活動(運動)を積極的に続ける成果として「日常生活の中でも、気分転換やストレス解消につながることで、いわゆるメンタルヘルス不調の一次予防として有効である」と指摘しています。
つまり、運動は心の状態を改善するのに大きな効果があるのです。
5-4.「宣言」を毎朝声に出して読む
なりたい自分を「宣言」にまとめ、毎朝10分声に出して唱えてみましょう。
書籍「1週間に1つずつ人生が変わる 自分変革宣言」(ジャック・キャンフィールド著/ディスカヴァー・トゥエンティワン発行)では、「宣言」の効果についてこのように書いています。
①なりたい自分の姿をゴールに定めることでモチベーションが湧く
②なりたい自分へのイメージトレーニングを繰り返すことで、脳が「認知的不協和」(現状と理想のギャップを不快に思う現象)を解消しようと作用し始める。
このような「宣言」は、一見ただ読み上げているだけに思えますが、言葉を繰り返し頭に刷り込むだけでとても大きな影響を持っています。
「宣言」を続けることで、なりたい自分が実現しそうな具体性が感じられ、この目的を遂げるために努力しようという気持ちに変わることができます。
6.将来の不安に打ち勝つおすすめの本3選

将来の不安をやわらげるためのさまざまな方法をお伝えしてきましたが、「どれもいざ始めるとなると大変そうだな…」としり込みされる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんなときは、不安に打ち勝つ本を読むことで、不安をすっと消せるかもしれません。
ここでは、3冊ご紹介しましょう。
6-1.「カラーセラピストが教える将来の不安と上手に付き合う5つの方法」

【内容】
カラーセラピストである著者は、まずこの本の表紙から仕掛けをしています。将来の不安を感じる色を1色選ばせ、その色が何を表しているのかを解説します。
冒頭から興味深い本書ですが、本文では「どうして将来の不安を持つのか?」の理由について触れ、不安と上手に付き合っていくための5つの方法を提示しています。
5つ目で「カラーセラピー」で心の声を聞くというくだりが、さすがカラーセラピストというだけあって自分の色が持つ意味を知ることで、不安な心に耳を傾けるという方法を伝えてくれます。
通常のメンタル本とは異なった趣向が、とても興味深い1冊です。
タイトル | カラーセラピストが教える将来の不安と上手に付き合う5つの方法 |
著者 | 中村 新介 |
6-2.「恋愛・仕事・人間関係・健康・お金… “寝る前に5分”読むだけで「不安」がスーッと消え去る本」

【内容】
心理カウンセラーの著者が「脳科学」と「心理学」両方の手法を用いて、7つの物語を書いたもの。
夜寝る前に読むことで、気分が楽になることを目指しています。
「夜、寝る前は潜在意識に入りこみやすい状態」であることを認識し、そこに潜む不安を除去し、代わりにポジティブなメッセージ性を持った物語を読んで、不安を上書きできるよう工夫しています。
タイトル | 恋愛・仕事・人間関係・健康・お金… “寝る前に5分”読むだけで「不安」がスーッと消え去る本 |
出版社 | 大和出版 |
著者 | 弥永英晃 |
6-3.「将来に不安を感じた時読む本 ゆとりと充実の日々のために (PHP文庫)」

【内容】
本書の特徴は、20代から60代までの年代別に不安の内容を紹介している点です。
「進路に不安を感じる20代」「仕事の壁につき当たる30代」「いろいろな板挟みになる40代」などのように、各世代で起こりうる状況と感じる不安を言葉にし、読者の強い共感を得ています。
そんな悩み多い世代に向けて、不安に打ち勝つ方法や人生を楽しく送るための生活術を紹介し、毎日の生活でも具体的に不安を解消できるよう導いてくれます。
タイトル | 将来に不安を感じた時読む本 ゆとりと充実の日々のために (PHP文庫) |
出版社 | PHP研究所 |
著者 | 斎藤 茂太 |
7.まとめ
今回は将来が不安な方に向けて、その上位10の原因と解消方法をお伝えしてきました。
ここで改めておさらいすると、それぞれの不安要素に対する解消法は以下の通りです。
不安要素 | 解消法 |
自分や家族の健康状態の悪化 | ①健康診断を定期的に受ける |
大地震などの大規模な自然災害の発生 | ①防災対策で重要な「自助」を知る |
社会保障や教育などの公的サービスの水準の低下 | ①「健康寿命」を伸ばす |
「雇用状況の悪化」の場合 | ①将来性のある働きやすい職場へ転職する |
国や地方の財政状況の悪化 | ①副業をする |
所得や資産の格差の拡大 | ①副業をする |
自然や環境の破壊 | ①エアコンの設定温度は夏は28℃、冬は20℃にする |
日本経済の停滞・衰退 | ①副業をする |
犯罪の増加 | ①治安のよいエリアへ引っ越しをする |
子育て・教育に関する負担の増加 | ①「健康寿命」を伸ばす |
どの解消法も、すぐに取り組める簡単なものですのでぜひお試してください。
それでも、同じような不安を繰り返してしまうあなたには、習慣としておきたい以下4つについてご紹介しました。
①不安に感じたらすぐに言語化する
②よく眠る
③よく体を動かす
④「宣言」を毎朝声に出して読む
今後もし不安が襲ってきそうでしたら、ぜひ試してみてください。
この記事があなたの不安解消に少しでも役立てたなら幸いです。




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