ジョブホッパーとは?社会の印象と強みを活かした転職ポイントを解説

「これまで何度も転職している自分は、ジョブホッパーなのだろうか?もう一度転職すると、マイナスなイメージを持たれてしまうだろうか?」

転職を繰り返す人のことを「ジョブホッパー」といい、職を転々としていることからネガティブな印象を持たれているかもしれないと感じている方もいるでしょう。しかし、どのくらい転職をするとジョブホッパーといわれてしまうのか、ジョブホッパーの具体的な定義については分からないこともありますよね。

後述しますが、ジョブホッパーとは単に転職を繰り返す人のことではなく「短期間で離職をして、新しい仕事に就くことを繰り返す人」のことを指します。そして、社会からネガティブな印象を持たれてしまうことが多く、短所(デメリット)もあることも事実です。

しかし、ジョブホッパーには強み(メリット)もあるため、ジョブホッパーであることは決して悪いとはいえません。

ただ、ジョブホッパーであることが決して悪いわけではないとはいえ、ジョブホッパーならではの注意点を踏まえて転職活動をしないと、ジョブホッパーのネガティブなイメージを払拭させてキャリアを積むことは難しいのは注意しておきたいところです。

そこでこの記事では、「自分はジョブホッパーかもしれない」と感じている方がジョブホッパーについて理解を深め、転職活動を成功していただくために以下の内容をまとめて説明します。

・ジョブホッパーの定義
・ジョブホッパーがネガティブに捉えられる理由
・ジョブホッパーになる人の性格
・ジョブホッパーの短所(デメリット)と強み(メリット)
・優秀なジョブホッパーの特徴
・ジョブホッパーが転職を成功させるポイント

この記事を読めば自身がジョブホッパーであるかを判断でき、ジョブホッパーであればその強みを活かした転職活動を行えるようになります。ぜひ参考にしてください。

目次

1. ジョブホッパーとは?

ジョブホッパーとは「転職を繰り返す人」ということは何となく分かるけど、どのくらい転職している人を指すのか、どんな目的で転職をする人なのかが分からず、複数回転職をしている自分も該当するのか判断がつかないという方もいるかもしれません。

ここでジョブホッパーとは何か、詳しく解説していきましょう。

1-1. ジョブホッパーとは「短期間で転職を繰り返す人」

冒頭でも説明した通り、ジョブホッパーとは「短期間で離職をして、新しい仕事に就くことを繰り返す人」のことを指します。

ただ、実際のところジョブホッパーといわれる転職回数には具体的な定義はありません。このため、人によってジョブホッパーの定義が異なる場合もあります。

その他のジョブホッパーの定義

  • 職に就いても半年から1年程度で辞める人
  • 20代であれば3回以上転職している人
  • 30代であれば5回以上転職している人

いずれの定義にしろ、仕事を始めてから離職するまでの期間が短く、1つの企業に定着しない人がジョブホッパーといわれます。

1-2. ジョブホッパーは自己実現のために転職をする

ジョブホッパーは短期間で転職を繰り返しますが、その目的の多くは自己実現です。たとえば、以下のような自己実現を目的として、ジョブホッパーになるケースがあります。

・本当にやりたい仕事を見つけたい
・働きやすい環境で仕事をしたい
・高い収入を見込める仕事に就きたい

異なる会社で様々な仕事を経験し、その業務経験の中で本当にやりたい仕事を見つける目的でジョブホッパーになる人がいます。残業の少なさや職場の人間関係の良好さなど働きやすい環境や、高収入といった待遇の良い仕事を求めることもあります。

ジョブホッパーは単に短期間で転職を繰り返しているのではなく、自分が理想とする生活を実現するために転職をしているといえます。

1-3. ジョブホッパーは「行き当たりばったりな人」と見られやすい

ジョブホッパーになる人は自己実現という目的があるものの、短期間で転職を繰り返すという行動からこのように見られやすいです。

・無計画で転職をする
・キャリアに一貫性がない

ジョブホッパーは「無計画で転職している」と見られることが多いです。後述しますが、ジョブホッパーになる人は色々なことに興味を示し、自分が良いと思ったら即座に行動する傾向にあるためです。

また、転職の度に携わる業界や職種が異なることが多いため「キャリアに一貫性がない」とも思われる傾向にあります。

ジョブホッパーの職歴例

  • IT業界で営業 → 不動産業界で事務 → 飲食業界で接客業務
  • 福祉業界での事務 → 化粧品業界でのカスタマーサービス → 通信業界でのバックヤード業務

このため、ジョブホッパーは行き当たりばったりな人と思われやすいです。そして、企業からもネガティブな印象を持たれがちです。詳しくは「2. ジョブホッパーが社会的にネガティブに捉えられる理由」で説明します。

1-4. キャリアビルダーとの違い

ジョブホッパーと比較されるのが「キャリアビルダー」と呼ばれる人です。

キャリアビルダーも転職を繰り返す人ですが、両者には明確な違いがあります。「転職する理由が明確で計画的に転職をし、一貫したキャリアを積んでいる人」がキャリアビルダーの特徴です。

キャリアビルダーの職歴例

  • IT業界で営業 → Web業界で営業
  • 保険業界でエンジニア → 金融機関でシステム管理

キャリアビルダーは、キャリアアップや自己成長を目的として転職をしています。キャリアプランやキャリアビジョンをしっかり立てていて、自分のキャリア形成に必要な勉強をするのに余念がありません。

また、次のステップにつながる結果や実績を残してから転職をしているのもキャリアビルダーの特徴です。実現したい目的があっても、すぐに転職しない傾向にあります。

このような行動から、キャリアビルダーは企業から良いイメージを持たれて評価されやすいです。その結果、転職をするたびに収入が増えたり、ポジションが上がったりしています。

2. ジョブホッパーが社会的にネガティブに捉えられる理由

ジョブホッパーは、社会からネガティブな印象を持たれる傾向にあります。その理由はなぜなのか、ここで説明していきましょう。

2-1. 日本では終身雇用が好まれる

自分はジョブホッパーであるかもしれないと思う方の中には、ネガティブに見られがちなことを感じながらも「転職をして、多くの業界や職種で経験を積むことは何が悪いのか?」と思われる方もいるかもしれませんね。

しかし、日本では「終身雇用が良い」というイメージが今でも根強いです。このため、転職を繰り返すジョブホッパーに対して良い印象を持たないことが多いのです。

ジョブ ホッパー
出典:厚生労働省「第3章 職業生涯を通じたキャリア形成(平成26年版 労働経済の分析)」

上記は厚生労働省が公表している、独立法人労働政策研究・研修機構が実施した「勤労生活に関する調査」の結果から作成された1999年から2011年の「望ましいと思いキャリアの構成比の推移」のグラフです。このグラフから、1つの企業に長く勤めてキャリアを積んでいく「一企業キャリア」が望ましいと思う人は、約10年の長い年月の間で変わらずトップを占めていることをお分かりいただけるでしょう。

日本では、従業員には定年になるまで勤めてもらい、将来的に会社に利益をもたらして貢献することを求めている企業が多いです。短期間で転職を繰り返すジョブホッパーを見ると「会社に貢献しないうちに辞めてしまうかもしれない」や「耐久性がない」と判断し、ネガティブに捉えてしまうのです。

転職を繰り返すと具体的に企業からどのようなイメージを持たれてしまうのか、採用にどのくらい影響があるのかを詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

2-2. エンジニアはジョブホッパーでも歓迎される場合がある

転職を繰り返すジョブホッパーは良いイメージを持たれないことが多いですが、職種によってはジョブホッパーでもプラスになる場合があります。その職種というのがエンジニアです。

エンジニアがジョブホッパーでもプラスになるのは、1つの企業に長く勤めて1つの技術に特化するよりも、複数の企業で経験を積んであらゆる技術に対応できる人が求められる傾向にあるためです。転職先で問題が起きたとき、前の職場で得た技術を活かすことが可能になります。

また、エンジニアはIT関連の企業だけでなく、自社内でエンジニアを確保している他業界の企業でも活躍できるため、転職する業界に一貫性がなくても大きな問題にはなりません。

ただし、「今の職場が嫌になったから」のような曖昧な理由で転職を繰り返している場合は、エンジニアであってもマイナスな印象を持たれてしまいます。「前職とは異なる職場で、新しい技術を習得したい」というように明確な転職理由であれば、エンジニアのジョブホッパーは歓迎されやすいといえます。

3. ジョブホッパーの性格の特徴5つ

ジョブホッパーになる人は、性格的に以下のような特徴があります。

1つずつ見ていきましょう。

3-1. 思い立ったらすぐ行動する

仕事や日常生活で何かやりたいことがあっても、いざとなると面倒に感じたり、失敗を恐れて勇気が出なかったりして、中々行動に移せないことってありますよね。

しかし、ジョブホッパーになる人は思い立ったらすぐに行動します。やりたいことや問題のあることに対して良いアイデアや改善策を思いついたら、そのアイデアや改善策を即座に実行する傾向にあります。ひらめき → 意思決定 → 行動までがとても早いのです。

このような行動力があるため、会社や仕事に対して違和感を覚えたり、他にやりたいことが見つかったりすると転職へと素早く動きます。

3-2. 色々なことに興味を示す

ジョブホッパーになる人は、色々なことに興味を示します。

トレンドや新しい情報をキャッチする能力が高く、幅広い分野のことを知る機会が多いためです。好奇心も旺盛なので、様々なことに取り組んで知識を得て視野を広げることに喜びを感じます。

このため、職に就いても携わったことのない業界や職業に興味を持ちやすいです。転職先では前職とは異なる業界や職業に関わり、幅広い仕事のキャリアを積んでいくのです。

3-3. 多くの人と仲良くなれる

多くの人と仲良くなれる人も、ジョブホッパーになりやすいです。

ジョブホッパーは好奇心旺盛でフットワークが軽いため、職場はもちろん、プライベートでも幅広い分野のコミュニティにも複数参加して人とふれ合う機会を持ちます。自然と多くの人と関わる中で持ち前の強い好奇心が発揮されて、タイプの異なるたくさんの人と打ち解けられるのです。

多くの人と仲良くなりやすいため、狭く深い人間関係よりも浅く広い人間関係を築くことを得意としています。

3-4. 1つのことに執着しない

仕事で違和感を覚えたり、他にやってみたいことが見つかったりしても、生活のことを考えると見切りを付けられないことってありますよね。

しかし、ジョブホッパーになる人は自分が「違う」と思ったことに対してはすぐに見切りを付けます。1つのことに執着しません。

気持ちの切り替えが早いため転職を繰り返してもネガティブにならず、「新しいステップを踏める」と前向きになって新しい仕事に携われるのです。

3-5. 自分に自信を持っている

自分に自信を持っている人も、ジョブホッパーになりやすいです。

自分の長所や魅力を分かっていて、それらを高く評価しているため、自己アピールに長けています。転職を繰り返しても、その都度企業に自分の良さを分かってもらえると信じていることが多いです。

自分に自信があるが故に転職に対してあまり不安を感じていないため、ジョブホッパーになる傾向にあります。

4. ジョブホッパーの強み(メリット)4つ

ジョブホッパーになる人は「3. ジョブホッパーになる人の性格5つ」で説明したような性格を持つため、このような強み(メリット)があるといえます。

4-1. 目の前のチャンスを逃さない

やりたいことや興味のあることに取り組んでみたいとき、いざとなると勇気が出なくて意思決定をするまで慎重になり過ぎてしまい、チャンスを逃した経験はないでしょうか?

ジョブホッパーは、目の前にあるチャンスを逃しません。自分が「違う」と思ったらすぐに見切りを付けて行動に移せるためです。意思決定から行動までの時間が長く慎重な人と比べると、チャンスを見つける機会に多く恵まれます。

チャンスをものにできることが多いため、大きな成功をつかみやすいといえるでしょう。

4-2. 幅広い業種・職種での経験を積める

ジョブホッパーは短期間で仕事を変えまずが、その分幅広い業種・職種での経験を積むことができます。

「2. ジョブホッパーが社会的にネガティブに捉えられる理由」でも説明した通り、日本では1つの企業でスキルを身に付けて、定年まで働くことで会社に貢献することが好まれます。しかし、同じ業種・職種に長期間携わっていると、1つの分野を極めて会社に貢献できるものの、その分野しか知る機会がないため視野が狭くなることも考えられます。

前職とは異なる業種・職種に就く傾向にあるジョブホッパーは、色々な分野の世界を知る機会に恵まれるため、広い視野を持つことが可能になります。色々な業種・職種を経験して視野が広がれば、仕事で問題が起きたときに他の人では思いつかないアイデアや改善策を見出すこともできるでしょう。

幅広い業種・職種での経験により、1つの考えに捉われず、柔軟で斬新な考えを生み出せるスキルが身に付くのが、ジョブホッパーならではの強みです。

4-3. コミュニケーション能力を高められる

コミュニケーション能力を高められるところも、ジョブホッパーの強みです。

どんな業種・職種に就いても、上司や先輩、同僚と一緒に仕事をする中でコミュニケーション力を磨くことができますが、ジョブホッパーの方がそのスキルを高められるといえます。幅広い業種・職種を多く経験する中で、色々なタイプの人と出会う機会が多いからです。

転職を経験していないと、接する人が限られます。そうなると、たとえばこれまでに接する機会のなかったタイプの人と仕事に関わることになったとき、コミュニケーションの仕方に困って業務がスムーズに進まなくなることも出てくるかもしれません。

転職を複数回経験しているジョブホッパーは色々なタイプの人を知っていることが多いため、これまで職場にいなかったタイプの人と関わることになっても、スムーズに接することができるでしょう。その人との間で問題が生じても、高いコミュニケーション能力で解決に導くことも可能になります。

4-4. ニッチな存在になれる

幅広い業種・職種を多く経験しているジョブホッパーは、ニッチな存在になれます。

専門的なスキルを持っていれば、職場では特別な存在になれます。しかしジョブホッパーの場合は、転職のたびに異なる業種・職種に就いていることが多いため、色々な分野の知識やスキルを豊富に持っています。これは、転職の経験がない、あるいは転職の回数が少ない人と差別化できることです。

幅広い業務の知識やスキルを持っていることでオールラウンダーのような存在となり、職場では唯一無二の存在になれるでしょう。他の人にはない知識やスキルを提供できることは、自分の価値を高めることにもつながります。

5. ジョブホッパーの短所(デメリット)4つ

ネガティブに捉えられやすいジョブホッパーには、他の人にはない強み(メリット)もあるため「自分はジョブホッパーかもしれない」と感じていた人は安心していただけたことでしょう。

しかし、強み(メリット)があれば、短所(デメリット)もあることは理解しておきたいところです。ジョブホッパーの短所(デメリット)として挙げられるのは、次に紹介する4つです。

上記の短所(デメリット)は、全てのジョブホッパーに当てはまるわけではありません。
「このように見られがち」という視点で参考にしてください。

では、1つずつ説明しましょう。

5-1. 飽きっぽい

ジョブホッパーは「飽きっぽい」と思われてしまいがちです。

世の中に飽きっぽい人はたくさんいますが、ジョブホッパーの飽きっぽさには特徴があります。「3. ジョブホッパーの性格の特徴5つ」でも説明した通り、ジョブホッパーは色々なことに興味を示して「これだ!」と思ったらすぐ行動してしまうのです。

また、自分に自信を持っているため、仕事で自分の意見やアイデアが思うように通らないことがあると「合わない」と思って、次の新しい仕事に意識が向くようになります。単に「飽きた」と思うのではでなく、すばやく見切りを付けて次の行動に移してしまうのです。

こうした飽きっぽさから、周囲に「忍耐力が足りない」という印象を植え付けてしまう恐れがあります。

5-2. 深く長期的な人間関係を築けない

多くの人と仲良くなれるジョブホッパーですが、深く長期的な人間関係を構築することは苦手といえます。

興味の幅が広いため職場以外でもあらゆる分野のコミュニティに参加することが多いですが、数が多いため1つのコミュニティに対して深く関わろうとしない傾向にあります。コミュニティのメンバーとも、接することはあっても機会は少ないため、関係性は深めにくいのです。

深く長期的な人間関係を築けないため、知り合った人に自分のことを理解してもらえず、信頼されにくいといったデメリットが生じることもあるでしょう。

5-3. 協調性がない

「協調性がない」という印象を持たれやすいのも、ジョブホッパーの短所(デメリット)です。

ジョブホッパーは、仕事で自分の意見やアイデアが通らないと同僚や上司と対立してしまったり、すぐに仕事を辞めてしまったりするほど、自信と行動力があります。こうした性格から「人と協力できないのでは?」と思われてしまいがちです。

仕事はチームで進めていくものです。自分の行動で「協調性が低い」というイメージを植え付けてしまうと、幅広い業種・職種での経験が豊富でスキルもあるジョブホッパーでも同僚や上司から評価を下げてしまう恐れもあります。

5-4. 不満が多い

仕事をしていると、不満が出てくることってありますよね。しかし、不満が出てきたときは「自分に非はないか」を確認したり、もし自分に非がなければ同僚や上司に相談したりして解消に努めることはできます。不満があっても一度冷静になることで、周囲とも対立せずに済むこともあるはずです。

ジョブホッパーの場合、周囲に「不満が多い」というイメージをすぐに持たれてしまう傾向にあります。自分の意見やアイデアが通らないことで人と対立したり、仕事を辞めてしまったりと、態度や行動に出てしまうことが多いからです。

不満が多い人と思われてしまうと、一緒に業務を進めることは難しいと評価されてしまい、職場で孤立してしまうかもしれません。

6. ジョブホッパーならではの強みを活かせば転職はプラスになる

ここまでお読みになってお分かりいただけたかと思いますが、転職を繰り返すジョブホッパーは、終身雇用が良いというイメージが根強い日本ではネガティブに捉えられがちです。そして、「5. ジョブホッパーの短所(デメリット)4つ」でも説明したように、行動によっては職場からもマイナスな印象を持たれてしまうこともあります。

しかし、ジョブホッパーには「4. ジョブホッパーの強み(メリット)4つ」で説明したようなジョブホッパーならではの強みがあります。この強みをうまくアピールすればジョブホッパーでも良いイメージを持たれやすくなり、ご自身にとっても企業にとってもプラスになります。

ジョブホッパーの強み企業にとってプラスになること
目の前のチャンスを逃さない主体性があるため、成果の上がる組織作りにつなげられる
幅広い業種や職種での経験を積める他の従業員には思いつかないアイデアや改善策を知ることができ、事業が軌道に乗るきっかけになり得る
コミュニケーション能力を高める社員同士のコミュニケーションが活発になり、生産性が上がる
ニッチな存在になれる1人で複数の役割をこなす必要のある新規事業の立ち上げへの貢献を期待できる

では、次の章からジョブホッパーでもどのような転職活動をすれば良い印象を持たれるのか、転職を成功させるにはどのようなポイントを踏まえれば良いのかを、具体的に説明していきましょう。

7. 優秀と見られるジョブホッパーの行動3つ

一般的にジョブホッパーはネガティブに捉えられがちですが、優秀と見られるジョブホッパーもいます。このようなジョブホッパーは、次に紹介するような行動をしています。

自分がジョブホッパーであると判断した人は、一度これまでの行動を振り返ってみてください。上記の行動をしている場合は、転職活動で有利になりやすいです。1つずつ解説していきましょう。

7-1. 計画的に転職している

流れに身を任せて無計画で転職をしているのが、ネガティブに捉えられるジョブホッパーです。

一方、優秀と思われるジョブホッパーは、前職とは異なる業種・職種であっても計画的に転職をしています。たとえば、「実績を残したから転職をする」や「スキルが身に付きたから、次のステップに進むために転職をする」というように、やり遂げたいことや目標を設定し、それらを達成したら仕事を辞める傾向にあります。

前職に在籍していた期間が短くても、やり遂げたいことや目標を達成してから転職したのであれば、その姿勢が評価されます。あらゆる分野の業種・職種で知識やスキルも培っているため、「どんな会社の環境でも馴染んで、実力を発揮できるのでは」と企業は期待を寄せてくれるのです。

7-2. 短期間で実績を残している

短期間で実績を残している人は、ジョブホッパーでなくても重宝されることでしょう。しかし、幅広い業種・職種の転職を経験しているジョブホッパーであれば、「どんな仕事も早く覚えて結果を出してくれるのでは?」と思われやすいため、企業のイメージも悪くはなりません。

「短期間で実績を残している」というのは「営業として売り上げを〇%アップさせた」や「Webデザイナーとしてホームページを改善したら〇件問い合わせが増えた」というように具体的な数字となって残る実績を指します。「プロジェクトチームの一員として貢献した」といった抽象的な実績では、優秀なジョブホッパーとは見なされにくいことは念頭に置きましょう。

7-3. スキルアップをして年収を上げている

優秀なジョブホッパーは、前職と異なる業種・職種に転職をしても年収を上げています。

このようなジョブホッパーは、そのときに所属した会社で業務に関わる知識やスキルを習得するための勉強に時間を費やし、スキルアップを目指しています。スキルアップの余念のなさが、年収アップにつながっているのです。

興味の変化や仕事に飽きたことだけで転職を繰り返し、関わる仕事が前職とは異なる業種・職種であれば単に「流れに身を任せて職場を転々としている人」になってしまいます。このようなジョブホッパーは、スキルアップもできなければ年収が上がることもありません。転職活動も不利になり、中々職に就けなくなる恐れがあります。

8. ジョブホッパーが転職を成功させるためのポイント5つ

優秀なジョブホッパーの行動、そしてジョブホッパーの強みを踏まえると、ジョブホッパーが転職を成功させるには、次の5つのポイントを踏まえて転職活動をすることがポイントになります。

  1. 実績を積み結果を残してから転職する
  2. キャリアビジョン・キャリアプランをしっかり立てる
  3. これまでの仕事で成し遂げたことを棚卸する
  4. 幅広い知識・スキル・経験をアピールする
  5. 仕事に対する熱意を示す

8-1. 実績を積み結果を残してから転職する

ジョブホッパーのイメージである「流れに身を任せて転職している」という行動通りに、実績を積まず、結果を残さずに転職をしてしまうと転職活動には不利になります。

優秀なジョブホッパーは「7. 優秀と見られるジョブホッパーの行動3つ」でも説明した通り、転職を繰り返していても短期間で実績を残しています。このことを面接でアピールすれば、複数回の転職でも「キャリアアップのために転職している」と思われやすくなります。

軽い気持ちで転職することは控え、現職で実績を積んで結果を残してから転職しましょう。もし仕事を辞めたくなった場合はすぐに行動せず、一度これまでやり遂げてきたことを振り返り、「本当に転職すべきなのか?」と立ち止まって考えることが大切です。

8-2. キャリアビジョン・キャリアプランをしっかり立てる

優秀と見られるジョブホッパーは計画的に転職をしています。あらかじめ立てたキャリアビジョンやキャリアプランに沿って、仕事を辞めてキャリアを積んでいるのです。

キャリアビジョンやキャリアプランを立てず、無計画で転職してしまうと企業から良い評価は得られません。実際、転職を繰り返していても採用されるジョブホッパーは、採用試験を受ける業務に対するビジョン、そして前回転職したことで何を得て、どのような実績を残したか?が明確であることが多いです。キャリアビジョンやキャリアプランがはっきりしていれば、転職回数が多くても評価されやすいのです。

携わる業務でどのくらい収入を得たいのか、どんなポジションまで昇進したいのか、将来どのようなことができるようになって貢献したいのかを深掘りして用意しておきましょう。

キャリアビジョンやキャリアプランをどのように立てれば良いか分からない方は、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

キャリアビジョンとは?描く手順と面接を成功させる答え方・注意点

キャリアプランとは?作り方から面接での答え方・注意点まで解説

8-3. これまでの仕事で成し遂げたことを棚卸する

ジョブホッパーの中には、会社との相性が合わずに転職してきた方もいるでしょう。

こうした会社とのミスマッチは、これまでの仕事で成し遂げたことを棚卸することで解決し、自分に合う会社で興味のある業務に携わることが可能になります。経験を洗い出すことで自分の強みやできることを可視化できるので、その強みやできることを活かせる仕事と環境である企業を探しやすくなるのです。

転職活動のときは、これまで携わってきた業務をできるだけ細かく洗い出しましょう。そこから、その当時会社にどのように貢献したのか、どのような実績を残したのかを思い出しながら進めてみてください。

8-4. 幅広い知識・スキル・経験をアピールする

転職を繰り返していることを面接時に伝えることに躊躇する方もいるかもしれませんが、ジョブホッパーの幅広い業種・職種に転職してきたことで視野が広がり、新しいアイデアをひらめきやすいといった力は強みになります。

回数の多さを気にするよりも、転職を繰り返してきたことで得られた様々な知識やスキルをうまくアピールできれば、ジョブホッパーでも転職活動が有利になります。面接のときは、転職によって幅広い知識やスキルを得て経験を積んだことで得られたことを、しっかり伝えましょう。

8-5. 仕事に対する熱意を示す

履歴書や職務経歴書でジョブホッパーであると認識されると「入社しても、すぐに辞めてしまうのでは?」と思われる可能性が高いです。しかし、ジョブホッパーは転職を繰り返してきたことで、新しいことにチャレンジすることへの熱意とアイデアを実行する行動力は、他の人より長けているといえます。

面接では、業務のために勉強をしてスキルアップをし、会社をより良くするために貢献することをアピールすることが大切です。そうすれば、ジョブホッパーであっても熱意を買われて、転職に有利になるでしょう。

9. スムーズに転職活動するにはエージェントを利用するのも有効

「8. ジョブホッパーが転職を成功させるためのポイント5つ」で説明したような行動をすればジョブホッパーでも転職活動をスムーズに進めることができます。

しかし、「ジョブホッパーの良くないイメージが強そうで、1人ではうまく転職活動できるか不安…」と感じる方もいるかもしれませんね。そんなときは、転職エージェントを活用するのが有効です。

転職エージェントは人材紹介サービスの1つで、転職活動をスムーズに進めるためのサポートをしてくれます。

転職エージェントのサポート例(一部)

  • 転職希望者に合う企業の紹介
  • 非公開求人への応募
  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 面接のセッティング
  • 給料交渉の代理
  • その他転職に関する相談の受付

上記のサポートを受けるには転職エージェントサイトへの登録が必要になりますが、登録料は無料です。実際に利用するときも、費用は発生しません。

転職エージェントを利用すれば、ジョブホッパーの強みをどうアピールすれば企業から良いイメージを持たれるのかアドバイスをもらえることを期待できます。

転職エージェントはたくさんありますが、中でも以下のエージェントがおすすめです。

名称特徴
リクルートエージェント業界最大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーから応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスを受けられる
マイナビエージェント20代の支持率が高い転職エージェントで第二新卒の転職や初めての転職におすすめ
doda大手・優良企業を中心に豊富な求人情報から最適な求人を求人検索でき転職エージェントサービスも展開している

1人で悩まず、転職エージェントを利用することも検討してみてくださいね。

まとめ

ジョブホッパーは「短期間で離職をして、新しい仕事に就くことを繰り返す人」で、終身雇用が良いというイメージが根強い日本ではネガティブな印象を持たれやすいのが事実としてあります。

しかし、ジョブホッパーには短所(デメリット)もありますが、ジョブホッパーならではの強み(メリット)もあるため、ジョブホッパーであること自体は悪いことではありません。

ジョブホッパーの方が良いイメージを持たれて、転職活動を有利に進めるには、優秀なジョブホッパーの行動を考慮したポイントを踏まえて行動することが大切です。

  1. 実績を積み結果を残してから転職する
  2. キャリアビジョン・キャリアプランをしっかり立てる
  3. これまでの仕事で成し遂げたことを棚卸する
  4. 幅広い知識・スキル・経験をアピールする
  5. 仕事に対する熱意を示す

ご自身がジョブホッパーであると分かっても悲観するのではなく、性格や強みを活かし、不安であれば転職エージェントを利用して、自分に合う会社でやりたい仕事に携われるようにしましょう!

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