
「第二新卒がやばいって一体なにがやばいの?」
「第二新卒はやばいって耳にしたけど、転職は難しいのかな」
記事をご覧のあなたはそんな不安を抱いているのではないでしょうか。
転職を考えているときに「やばい」なんて聞いたら気になってしまいますよね。
結論からいうと、第二新卒の転職はやばくありません!
株式会社マイナビが2019年に行った人材ニーズの調査で、「2030年までの間で採用・人事施策に関して予想される変化」について聞いたところ、半数を超える企業が「新卒(第二新卒含む)採用を中心とした若手人材の確保」の「重要性が高まる」と回答しています。
第二新卒は新卒に負けず劣らず求められる存在なのです。
本記事では、このように第二新卒がやばくない理由をくわしく説明します。
社会背景も含めて解説しますので、第二新卒がなぜ期待される需要の高い存在なのか?がよく分かります。
また、「第二新卒はやばい」と見られてしまう場合は何が原因なのかを探り、その原因別に第二新卒が転職に成功する方法を伝授します。
本記事でわかること
- 第二新卒の需要が高まっている社会背景
- 第二新卒の転職がやばくない理由
- 「第二新卒はやばい」と言われてきた原因
- 【原因別】第二新卒の転職を成功させる方法
この記事をぜひあなたの転職活動に役立てて頂けたらと思います。
目次
1.「第二新卒はやばい」と言われなくなった社会背景
第二新卒が「やばい」と言われなくなった社会背景には、以下の2つの理由があります。
- 新卒を採用しにくい
- 新卒の早期離職者が増えた
それぞれ具体的に解説していきましょう。
1-1.新卒を採用しにくい
第二新卒が「やばい」と言われなくなったのには、企業が売り手市場の新卒を採用しにくく人材不足にあえいでいるという社会背景があります。
リーマンショックの影響で2010年〜2013年卒は就職難の時代でしたが、2014年以降、新卒採用は空前の売り手市場といわれてきました。
2021年現在はコロナ禍の影響で多少の落ち込みがみられますが、それでも依然として売り手市場は続いています。
リクルートワークス研究所の2021年3月卒業予定の大卒求人倍率(大学院卒含む)に関する調査によると、2021年3月卒業の大学生・大学院生対象の求人倍率は1.53倍と、前年の1.83倍より0.3ポイント低下しました。
しかしながら、バブル崩壊後の経済停滞期やリーマン・ショック時のような低水準にはなっていかないとみられています。
というのも求人倍率が低下したとはいえ、全国の民間企業の求人総数が68.3万人であるのに対して学生の民間企業就職希望者数は44.7万人で、就職希望者数に対して求人総数が23.6万人と依然として超過需要になっているからです。
そのような情勢から、第二新卒はやばいどころか有望な人材とみられるようになりました。
新卒を採用しにくい企業から、新卒と同じくらい若い上に社会経験もある第二新卒に対しての需要が高まっているのです。
1-2.新卒の早期離職者が増えた
第二新卒が「やばい」と言われなくなったもうひとつの理由は、新卒の早期離職者が増えたことです。
新卒に比べて第二新卒は離職しにくい傾向にあります。
厚生労働省が平成29年に行った調査によると、新卒(大学)から3年以内の離職者状況は、離職率で平均32.8%でした。つまり、3年後には新卒の3人に1人は退職していることになります。
こうした新卒の早期離職につながる理由のひとつに、採用前と採用後のイメージのギャップからくる会社とのミスマッチが挙げられます。
そして企業が第二新卒に期待しているのが、この『ミスマッチ』が生じにくい点です。
第二新卒者は1度ミスマッチを経験していることから、明確なビジョンを持って転職先を選ぶのでミスマッチが生じにくいのです。
新卒の早期離職が増加傾向にある昨今、熱意と粘り強さを持った第二新卒は企業から求められる存在になっています。
2.第二新卒の転職が「やばくない」理由
第二新卒の転職がやばいと言われなくなった社会背景はご理解いただけましたでしょうか。
この章では、社会背景に加えて、第二新卒のどのような点に企業が注目しているかを『第二新卒がやばくない理由』として解説します。
第二新卒がやばくない理由
- 教育コストが省ける
- ミスマッチが少ない
- 他社の色に染まっていない
- 入社のタイミングが自由
それぞれについて説明していきます。
企業が第二新卒に何を求めているかがわかりますので、よく読んで把握しておきましょう。
2-1.教育コストが省ける
第二新卒者を積極的に採用する「やばくない」理由の1つめは、教育コストが省けることです。
第二新卒は新卒時に社会人研修を終えていて、期間は短くても1度は正社員として勤務しているので、最低限のビジネスマナーや、電話応対、基本的なPC操作などのスキルも身についているはずです。
人材不足にあえぐ企業は、社会人としてのスキルやマナーを1から教える手間がかからず、入社後すぐに本業務に入れる即戦力として第二新卒を求めているのです。
2-2.ミスマッチが少ない
前章で述べたように会社とのミスマッチが少ないことは、第二新卒者を積極的に採用する大きな理由です。
新卒者は、入社してから「思っていたような仕事じゃなかった」といった採用前と採用後のイメージのギャップに悩んだり、短期間で離職してしまう場合があります。
それを既に経験済みの第二新卒者は、慎重に転職活動を行うため、企業を見るポイントや条件などが明確で、疑問や不安があっても積極的に面接などで解消していくので、入社後のミスマッチが少なくなります。
企業は入社後にギャップを感じて離職されることは避けたいため、会社とのミスマッチの少ない第二新卒者に注目しています。
2-2.他社の色に染まっていない
新卒と同じくらい若い上に、まだ他社の色に染まっていないことも、企業が第二新卒に魅力を感じる理由の1つです。
1つの会社に長く勤めると仕事のやり方にこだわりが生まれ、知らないうちに会社の色に染まっていきます。
その会社にいる限り決して悪いことではないのですが、転職をしたときには、新しい職場に馴染みにくくなるケースがあるのです。
その点、勤務期間の短い第二新卒者は未だ会社のやり方に染まっておらず、新しい職場や環境に馴染みやすく柔軟性を持った対応ができます。
若いので、新しい仕事ののみ込みも早く、素直に吸収してくれ、自社の色に染めていくことができます。
企業は即戦力でありながら、若くて他社の色に染まっていない伸びしろのある存在として第二新卒に期待しています。
2-3.入社のタイミングが自由
入社タイミングの自由さも、企業からみた第二新卒がやばくない理由といえます。
第二新卒は新卒と違って入社月が決まっているわけではなく、タイミングを待たなくていいので積極的に採用したいのです。
新卒入社の場合は、入社は4月になるので、すぐにでも人材が欲しいときも4月まで待たなくてはなりません。
入社してからも、社会人研修などを行うことを考えると、本業務にあたるまでに時間がかかってしまいます。
すぐにでも若い即戦力を確保したい企業にとって、採用すればタイミングを待つことなくすぐ入社できる第二新卒者は魅力的な存在です。
いかがでしょう。
今や企業からこのように期待され求められる存在になっている第二新卒ですが、その一方で、採用担当者から「やばい」と思われてしまうことがないわけではありません。
どうしてそう思われてしまうのか? その理由を次章で解説します。
3.企業に「第二新卒はやばい」と思われてしまう3つの原因
第二新卒が、企業の採用担当から「やばい」と思われてしまう3つの原因は以下になります。
- 忍耐力がない
- 協調性がない
- ビジネススキルがない
順に解説していきます。
需要が高まっている第二新卒も、このような見られ方をされる場合があるということを頭に入れておきましょう。
3-1.忍耐力がない
“第二新卒やばい。だって・・・”
- すぐにウチの会社もやめてしまうのでは?
第二新卒は、忍耐力がなく転職しても長続きしないと見られてしまうことがあります。
前職を1年〜3年という早さで辞職していることから、「我慢が足りない人」「すぐ諦めるタイプ」と判断されてしまうのです。
在職期間が短かったため会社の色に染まっていないことがメリットでもありますが、一方で、早々に離職していることが不安材料にもなってしまうのです。
3-2.協調性がない
“第二新卒やばい。だって・・・”
- コミュニケーションとりづらいタイプでは?
第二新卒は、協調性のない人材と見られることがあります。
新卒で入社した会社を短期間で辞めてしまったことから、「人間関係や協調性の面で何か問題があったのでは?」と、不安に思われてしまうのです。
企業は、仲間と一緒に働いていくための協調性や、指示や指導を柔軟性を持って受け入れる素直さを持った人材を求めています。
顧客と交渉したり、部署内や他部署の人たちと力を合わせていけるコミュニケーション能力の高さを評価します。
その視点に立つと、早期離職の前例を持つ第二新卒は、協調性やコミュニケーション能力といった点で「やばい」部分があると思われがちなのです。
3-3.ビジネススキルがない
“第二新卒やばい。だって・・・”
- 新卒以上に使えないのでは?
思ったようなビジネススキルが備わっていない第二新卒が少なくないことが、企業に「やばい」と思われてしまう原因に挙げられます。
第二新卒を企業が積極的に採用したい理由のひとつが、教育コストが省けることであるのは既に述べました。
新卒時に社会人研修を終えていて、期間は短くても1度は正社員として勤務しているので、最低限のビジネスマナーや、電話応対、基本的なPC操作などのスキルも身についていると見られているのです。
であるにも関わらず、実際には前職で身につけたものがない、あるいは発揮できない第二新卒の存在から、「期待外れの人材が多い」=「やばい」とイメージされる場合があるのです。
いかがですか。
少し耳が痛いと感じてしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
このようなリスクのある第二新卒ですが、需要が高いことは事実なので、アピールの方法さえ間違わなければ「やばい」イメージを払拭して希望の転職が叶います。
次章では、やばいと思われる原因別に、第二新卒が転職を成功させる方法を解説していきます。
4.【原因別】第二新卒が転職を成功させるための方法
第二新卒が企業に「やばい」と思われる原因別に、そのイメージを払拭して転職を成功させる方法を解説します。
原因別|第二新卒が転職を成功させる方法 |
|---|
原因①忍耐力がない |
・熱意や責任感の強さをアピールする |
・退職理由はポジティブに伝える |
原因②協調性がない |
・エピソードでコミュニケーション能力の高さをアピールする |
原因③ビジネススキルがない |
・スキルやマナーが備わっている点をアピールする |
それぞれ内容を説明していきます。
あなたの転職を成功させるために、しっかりポイントを押さえておきましょう。
4-1.原因①『忍耐力がない』イメージを払拭させるには?
- 熱意や責任感の強さをアピールしよう
- 退職理由はポジティブに伝えよう
第二新卒は忍耐力が無い、というイメージを払拭させる方法は2つあります。
順に説明していきます。
4-1-1.熱意や責任感の強さをアピールする
「第二新卒には忍耐力がない」というイメージを払拭して転職活動を成功させるには、仕事への熱意や責任感の強さをアピールして信頼を勝ち取るのが重要です。
転職に際して自分自身と向き合い、やりたい仕事やキャリアについて考えた結果、その企業を選んだことを熱意を持って伝えていきましょう。
面接の際には、「将来どのような働き方をしたいのか」「そのために会社で実現したいことは何なのか」といった話を盛り込んでいくと良いでしょう。
自分がどんな風に成長し職場に貢献していきたいかを語ることで責任感の強さも伝わります。
4-1-2.退職理由をポジティブに伝える
退職理由はできるだけポジティブに伝えるようにしましょう。
会社への不満ともとれるマイナスな理由を述べてしまうと、「文句をいう」=忍耐力がない、と見られてしまいます。
たとえば、「ノルマがきつすぎた」という理由だったとして、そのまま伝えると文句のように聞こえてしまいますが、以下のように答えると印象が違います。
「もちろん数字は大切なので全力で取り組みましたが、顧客一件ごとにかける時間が少ないのを心苦しく思うようになりました。顧客一件一件ともっとじっくり向き合うような仕事がしたいと感じたのです。顧客の要望をしっかり聞いて最大限こたえたい、そして長く取り引き頂けるような信頼関係を築きたいと思って転職を決めました」
印象が違うのがわかりますよね。
1番意識して欲しいのは退職理由が「会社のせい」に聞こえないようにすること。
会社のせい=会社の悪口、と受け取られ、「自社に入社しても忍耐力がないから又すぐに不満を言い出すだろう」と敬遠されてしまいます。
退職理由は、視点を変えてプラスな表現になるように伝え方に気を配りましょう。
4-2.原因②『協調性がない』イメージを払拭させるには?
- エピソードでコミュニケーション能力の高さをアピールしよう
協調性がないというイメージを払拭させるためには、自己PRの中に具体的なエピソードを交えてコミュニケーション能力の高さをアピールすることが重要です。
採用担当者は、企業として、チームや上司、同僚、部下、顧客とコミュニケーションをしっかりとってやっていけるか?という観点であなたの協調性を見極めます。
コミュニケーション能力は面談だけで判断しづらいので、何か1つの仕事を仲間と協力し合って達成したというような具体的なエピソードを交えると、あなたの人と成りが伝わりやすくなります。
学生時代の部活動のような話でも構いません。
チームや仲間を重んじ、周りに馴染んだり、時には相手に働きかけていくのを厭わない人間性であることをエピソードを使ってしっかりアピールしましょう。
採用側は、あなたに対して、周りとコミュニケーションを取り合って何かに取り組むタイプだと感じることで「協調性の備わった人材」だと判断します。
4-3.原因③『ビジネススキルがない』イメージを払拭させるには?
- スキルやマナーが備わっている点をアピールしよう
転職活動を成功させるにためには、既に社会人を経験している第二新卒の長所としてスキルやマナーが備わっている点をアピールしてください。
ビジネスマナーや電話応対、基本的なPC操作など、希望職種に使えるスキルが身についていると判断されれば、教育コストが省け、即戦力になる人材として期待されます。
もちろん、言葉遣いや立ち居振る舞いも審査基準になりますので注意しましょう。
新卒と違って社会人としてのマナーを1から教える手間がかからず、入社後すぐに本業務に入れる人材であることをしっかりアピールすることが、第二新卒の転職を成功させる大きなポイントです。
5.まとめ
第二新卒の転職は決してやばくはありません。
人材不足にあえぐ企業は、新卒と変わらないくらい若くて、社会経験もある第二新卒に期待感を持って注目しています。
しかしながら、第二新卒であるがゆえに以下のように思われてしまうリスクはあります。
- 忍耐力がない
- 協調性がない
- ビジネススキルがない
転職を成功させるためには、これらの「やばい」イメージを払拭して熱意や責任感、コミュニケーション能力の高さを示すことを心掛けましょう。
この記事があなたの転職活動に少しでも役立つことを祈っています。




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