
会社に退職の意思を伝えるタイミングは、「次の会社の内定が決まった後」が基本です。そのうえで、最も有利に退職したいなら、できれば1~3月に退職するスケジュールがおすすめです。
最も理想的な退職時期は、1~3月に退職するスケジュール
- 冬のボーナスをもらった後、1月上旬から転職活動を開始
- 2月中旬頃に転職先から内定獲得
- 内定獲得後に退職交渉をして、3月末で退職
なぜ退職するのに有利なタイミングと不利なタイミングがあるのかというと、転職しやすい時期転職しにくい時期があるから、そして、ボーナスをもらえるタイミングともらえないタイミングがあるからです。
これを分からず適当に転職活動を始めてしまったり、適当に退職したい日から逆算してスケジュールを決めてしまったりすると、自分が損してしまうことにつながりかねません。損をせずにスムーズに退職を進めるためには、タイミング選びも重要なのです。
「なかなか転職先が決まらなかった」「もう少し遅ければボーナスがもらえたのに…」なんてことにならないよう、退職を伝えるタイミングは事前にしっかりシミュレーションしておきましょう。
ケース別の有利な退職タイミングを知りたい方は、ぜひこの記事を最後までじっくりお読みください。
1. 一番良いタイミングで退職するための基礎知識
退職に一番良いタイミングについて考える前に、まずは事前に知っておきたい基礎知識をおさらいしておきましょう。
基礎を押さえておかないとベストなタイミングを考えるのは困難です。知らずに決めてしまうとタイミングを間違えてしまう原因ともなりますので、しっかり理解するようにしてください。
1-1. 退職のベストタイミングは何を優先するかで違う
「退職しようと思っているけど、いつ退職するか迷っている」「上司に伝えるのはいつがベストタイミングか知りたい」という方にまず知っておきたいことはは、ベストなタイミングは優先したい目的によって違うということです。
最優先したい目的 | ベストな退職のタイミング |
|---|---|
迷惑を掛けずに退職したい | 繁忙期を避けて、退職希望日の2~3カ月前に退職の意思を伝えるのがベスト。 |
転職先が決まった後に退職したい | 中途採用の求人数が増える1月・8月に転職活動を開始し、内定をもらったタイミングで退職の意思を伝えるのがベスト。 |
ボーナスをもらってから退職したい | 12月・7月などボーナスが支給された後に、退職の意思を伝えるのがベスト。 |
表にまとめたように、最も優先したい目的に応じて転職を伝えるタイミング・退職するタイミングは変わってきます。さらに詳しい内容は、「2.【ケース別】退職のベストタイミング」で解説しています。
1-2. 退職を伝えるタイミングは次の職場の内定が出てから
最優先する目的によってベストなタイミングは変わりますが、共通するのは「退職を伝えるタイミングは、次の職場の内定が出てからにしよう」ということです。
転職先が決まっていないのに退職してしまうと、なかなか働き口が見つからない場合に生活できなくなるからです。しっかりと次の職場を確保してから退職の手続きを進めましょう。次の仕事が決まっていない状態で感情的に退職を決めてしまうのは、後悔の元です。
もちろん、「仕事が忙しすぎる」「休日が土日で面接に行けない」など、在職中に転職活動を行うのが難しい場合もあります。その場合でも、退職後に転職活動に専念したらすぐに仕事が見つかるのか、良く考えてみてから退職を決めると良いでしょう。
1-3. 退職を伝えてから1~3カ月後の退職が一般的
一般的には、退職を職場に伝えてから1〜3カ月後に退職するケースがほとんどです。マイナビウーマンが2016年に調査した結果によると、退職を伝えてから1カ月以内・2カ月以内・3カ月以内に退職した人の割合が、全体の約6割を締めています。
ただし、退職を伝えてから半年以上かかった人も23.85%いるため、職場の状況によっては時間を有する場合もあります。特に、役職や重要なポストに就いている方は、退職を伝えてから少なくても半年は見ておくと良いでしょう。
退職の何カ月前に職場に伝えるかについては、「退職の意思は何ヶ月前に伝えるべき?正しい決め方と調査データを解説」の記事でより詳しく解説しています。
2.【ケース別】退職のベストタイミング
退職のタイミングについての基礎知識を理解したところで、早速、ケース別の退職のベストタイミングを見ていきましょう。
2-1. 転職しやすい時期を狙うなら1月・8月から転職活動開始

※厚生労働省「一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について」を基に作成
転職先をしっかり見つけてから退職したいという方におすすめの退職スケジュールは、ずばり以下のようなタイミングで退職を進める方法です。
1 | 求人が多くなる時期に合わせて、転職活動を始める | 1〜3月、または8〜10月に |
▼ | ||
2 | 内定が出たら、現在の職場に退職の旨を伝える | 内定が出てすぐ |
▼ | ||
3 | 退職日を調整して退職 | 退職を伝えてから1〜3カ月 |
一年の中で中途採用の求人が増える時期は大きく分けて2回あり、1〜3月と8〜10月です。特に年明けの1月から3月までの間は、年末退社や3月末に退社する社員補充のために、年間を通して最も求人数が多くなります。求人数が多いこの時期に転職を始めることで、転職活動を有利に進めることができます。
その後、希望の転職先から内定をもらった時点で、現在の職場に退職の意思を伝えましょう。転職先が見つかるまでの期間は平均で3カ月程度といわれていますが、状況や人によって期間はまちまちとなります。
退職を伝えてから実際に退職するまでの期間も職場の環境によってさまざまですが、前述した通り一般的には1~3カ月で退職できるケースが多いでしょう。
退職スケジュールの例
- 1月上旬に転職活動を開始➡2月中旬に転職先から内定獲得➡退職交渉後、3月末で退職
- 8月中旬に転職活動を開始➡11月中旬に転職先から内定獲得➡退職交渉後、1月末で退職
内定を獲得してからのスケジュールは、現在の職場との調整はもちろん、内定先からの要望も合わせて調整しましょう。
2-2. ボーナス(賞与)をもらって退職するなら7月・12月に伝える
確実にボーナス(賞与)をもらってから退職したいなら、ボーナスが支給された後に退職の意思を伝え、その後に引継ぎや有休消化などを終えて退職するのが良いでしょう。ただし、会社ごとにボーナスの支給条件が異なるため、必ず事前に支給条件を労働契約書や就業規則を見て確認しておきましょう。
ボーナスの支給条件は「支給日に在籍していること」とされていることが多いのですが、先に退職の意思を伝えてしまうと、退職日を早められてボーナスをもらえなかったり支給額を減らされたりする危険性があります。それを避けるためには、ボーナスを受け取ってから退職交渉を進めるのがベストです。
1 | ボーナスを受け取ったら、退職の意思を伝える | 一般的には、7月・12月 |
▼ | ||
2 | 退職日を調整して退職 | 退職を伝えてから1〜3カ月 |
ボーナスが支給される時期は会社によって異なりますが、夏のボーナスは7月初旬、冬のボーナスは12月初旬としている会社が多いようです。必ず自分の会社の支給時期に合わせて、退職スケジュールを組むようにしてください。
退職を伝えてから実際に退職するまでの期間は、前述した通り一般的には1~3カ月です。
退職スケジュールの例
- 7月初旬にボーナスを受け取る➡退職交渉後、10月末で退職
- 12月初旬ボーナスを受け取る➡退職交渉後、1月末で退職
ただし、夏のボーナスが支給される7月前後は、年間を通して最も求人が少なくなる時期です。転職活動を有利に進めたいならば、冬のボーナス支給後に退職がベストです。
2-3. 最も有利な退職のタイミングは1~3月退職
2-1.で紹介した「求人が増えるタイミング」、そして2-2.で紹介した「ボーナスをもらったタイミング」が両方重なる時期に退職するのが、最も有利な条件で退職できるタイミングといえます。
これを実現する理想的な退職スケジュールは、12月初旬に冬のボーナスをもらった後に転職活動を開始し、求人数が増える1~3月に内定を勝ち取り、退職を伝えて退職するスケジュールです。
1 | 12月初旬に冬のボーナスをもらった後、 | 12月初旬に |
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2 | 求人数が増える1~3月に内定を勝ち取る | 1~3月に転職活動を本格化 |
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3 | 内定が出たら、現在の職場に退職の旨を伝える | |
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4 | 退職日を調整して退職 | 退職を伝えてから1〜3カ月 |
転職先が決まるタイミング、退職の意思を伝えてから退職できるまでの期間は人それぞれなので、実際の退職日は人それぞれとなるでしょう。理想的に進んだ場合を想定すると、最短で1月末~3月退職が可能です。
退職スケジュールの例
- 12月から転職活動開始➡1月初旬に内定➡退職交渉後、1月末で退職
- 12月から転職活動開始➡2月中旬に内定➡退職交渉後、3月末で退職
必ずしも想定した通りに転職活動や退職交渉が上手く行くとは限りませんが、できるだけ有利なタイミングで退職したい方はぜひ参考にしてみてください。
2-4. 【番外編】転職までブランクがある場合は末日退社がベター
転職先を見つけてから退職するのが大原則なのはお伝えした通りですが、もし転職先が決まっておらずブランクが空く場合は、月末の最終日を退職日とするのがベターです。1月なら最終日の1月31日、4月なら最終日の4月30日です。
※注意※
退職日とは、最終出勤日ではなく雇用契約が終了する日のことです。有休消化で最終出勤日が1月15日でも、有休を1月31日まで使った場合の退職日は1月31日となります。
退職日を末日にすべき理由は、月の途中で退職してしまうと社会保険料の支払いで損してしまうからです。なぜならば、月の途中で退職するとその月の社会保険は国保扱いとなり、保険料を全額自分で負担しなければならないからです。会社の社会保険なら会社が保険料の半分を負担してくれるため、自己負担が軽くなります。
“退職日による社会保険料の差”
- 月末に退職した場合のみ、その月の社会保険は会社の社会保険(会社の健康保険+厚生年金)に該当し、社会保険料は会社と半々で支払うことになる
- 月の途中(月末以外)に退職した場合は、その月の社会保険は国保扱いとなる。日割りなどは行わない。国民健康保険と国民年金の保険料を、全額自分で支払うこととなる
たかが1カ月分の社会保険料かもしれませんが、損せずに辞めるためにはできれば退職日を末日にすることを忘れないでください。
3. 退職のタイミングについてのQ&A
ここからは、退職のタイミングについて良くある質問と回答をまとめました。該当する項目がある場合はぜひチェックしてみてください。
3-1. なかなか転職活動ができない場合はどうすれば良い?
退職を伝えるタイミングは「内定をもらってからが大前提」と前述しましたが、仕事が忙しくてなかなか在職中に転職活動ができない方もいるかもしれません。
しかし、次の職場を見つけてからでないと生活が立ち行かなくなる可能性があるため、やはり次の仕事を見つけてから退職するのがベストです。いざ辞めてから「仕事が見つからない」となると、退職したことを後悔する羽目になります。
「自分で転職先に応募したり、面接日程を調整したりするのが難しい」という方には、キャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれる転職エージェント形式のサイトがおすすめです。自分で求人を探したり応募したりする必要がなく、キャリアアドバイザーがあなたに合う求人情報を探して紹介してくれるのがメリットです。時間が無い在職中の転職希望者にピッタリのサービスです。
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出典:マイナビエージェント 「働きながら転職先を見つけるなんて無理…」という方におすすめなのが、マイナビエージェントです。熟練のキャリアアドバイザーがあなたの希望条件をもとに転職をサポートしてくれます。自分で求人を探したり応募したりする必要がなく、キャリアアドバイザーがあなたに合う求人情報を探して紹介してくれるのがメリットです。時間が無い在職中の転職希望者にピッタリのサービスです。 |
3-2. すぐに退職したい場合、一番早く辞められるタイミングはいつ?
一般的には、会社の就業規則で「何カ月前までに退職を申し出るように書かれているか」に合わせて退職時期を決めます。例えば1カ月前に申し出るよう書かれているならば、退職の意思を伝えてから1カ月は在籍し、業務の引き継ぎや退職のための準備をする必要があります。
ただし、就業規則よりも法的に優先される民法上では、「退職の意思を伝えてから2週間経過すれば退職しても良い」と定められています。職場に迷惑をかけてしまう可能性はありますが、違法性がなく辞められるタイミングは2週間となります。
3-3. 退職日と次の職場の入社日はブランクが無い方が良い?
できれば、退職日の翌日を次の職場の入社日とするのがベストです。
なぜならば、退職日と次の会社の入社日の間にブランク(空白期間)がある場合、それがたった1日でもその間だけ国民健康保険に加入しなければならないからです。国民健康保険は日割りでの支払いができず、たった1日の加入でも月額保険料を払わなければなりません。
つまり、退職日と次の職場の入社日にブランクがある月は、会社から天引きされる健康保険料にプラスして、1カ月分の国民健康保険料をダブルで支払わなければならなくなります。
こうした事態を避けるためにも、退職日は入社日の前日とするようにしましょう。有給休暇の消化期間に充てるなどの工夫ができます。
4. 円滑に退職したいなら知っておくべき退職の正しい流れ
最も有利な退職のタイミングが分かったところで、円滑に退職するための正しい流れについても解説します。
なお、退職までの流れのさらに詳しい解説ページが「退職までの流れ10ステップを解説!チェックリスト&例文サンプル付」にありますので、網羅的に知りたい方はそちらの記事をご参照ください。
| 【STEP1】退職の意思表示(退職の1〜3カ月前) |
|---|
◆何カ月前に職場に伝えるかは、立場や職場の状況によって異なります。 ◆最初に退職を伝えるのは、直属の上司にするのがマナーです。 ◆退職を伝える時は、口頭または退職願の提出で行います。退職願は必須ではありませんが、会社で既定のものがある場合や、辞めにくい職場で証拠を残したい場合に有効です。 |
| 【STEP2】退職日の決定(退職の1〜3カ月前) |
|---|
◆勤務先の上司などと一緒に退職日を決定します。退職希望日をベースに、引き継ぎに必要な期間、有給休暇を消化する期間などを考慮して、退職日を決定します。 ◆転職先が決まっている場合は、内定先からの希望入社日とも調整しましょう。 |
| 【STEP3】退職届の提出(退職の1〜3カ月前) |
|---|
◆就業規則によって退職届の提出を義務付けている会社が多いため、確認してみましょう。 ◆退職届は、会社の上司と相談して退職日が確定してから提出します。 |
| 【STEP4】仕事の引き継ぎ(退職の1カ月前~) |
|---|
◆退職した後に迷惑をかけないよう、自分が抱えていた仕事の内容や連絡先などを引き継ぎます。 ◆誰が見ても分かるように、資料として残しておくと親切です。 ◆退職の3日前には引き継ぎが完了するようにしましょう。 |
| 【STEP5】取引先への挨拶まわり(退職の2週間前~) |
|---|
◆後任担当者とともに、取引先に退職の挨拶にまわります。同時に後任担当者を紹介しておくことで、取引先に安心してもらえるように取り計らいましょう。 ◆退職の理由や転職先は具体的に伝えないのがマナーです。 |
| 【STEP6】挨拶状やメールの準備(退職の1週間前~) |
|---|
◆対面で挨拶できない社外の取引先には、挨拶状(手紙やハガキ)で退職を伝えます。場合によってはメールで報告するケースもあるでしょう。 ◆事前に準備しておき、退職日当日に届くようにしておくのがコツです。 ◆挨拶状やメールの雛形テンプレートは、「退職の意思は何ヶ月前に伝えるべき?正しい決め方と調査データを解説」の記事に用意してありますのでお使いください。 |
| 【STEP7】社内挨拶/挨拶メールを送る(退職日当日) |
|---|
◆退職日当日に、部署のメンバーの前で挨拶(スピーチ)することが一般的です。 ◆感謝の気持ちを込めつつ、忙しい時間を頂くので簡潔にハキハキと話しましょう。 ◆用意した挨拶メールも、退職日当日に送りましょう。 |
| 【STEP8】社内の整理・備品返却(退職日当日) |
|---|
◆自分が使っていたデスク周りやロッカーを片付けて掃除し、パソコンの不要データは削除しましょう。 ◆あまりにも荷物が多い場合などは、事前にまとめておきましょう。 ◆健康保険被保険者証や身分証明書、名刺、IDカード、鍵、制服、会社の備品、仕事の書類やデータは必ず忘れずに返却しましょう。 |
| 【STEP9】会社から必要書類を受け取る(退職日当日) |
|---|
◆雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票、離職票、退職証明書などを、忘れずに退職日当日に受け取りましょう。なお、源泉徴収票などは後日郵送でもらえることも多いため、いつ頃もらえるか念のため確認しておくと良いでしょう。 ◆こうした書類は、新しく転職する会社に提出したり、雇用保険(失業手当)をもらうために必要になったりする書類です。 |
| 【STEP10】年金や保険などの手続き(退職後) |
|---|
◆退職後には、以下のような手続きが必要となります。
◆退職後にすぐに新しい職場に就職する場合は一連の手続きを新しい会社が行ってくれますので、必要書類のみ提出すれば問題ありません。 ◆すぐに転職しない場合は、市区町村の役場やハローワークなどに赴いて、自分で諸々の手続きを行います。 ◆退職後の手続きについては、「退職後に必要な手続き(年金・健康保険)を解説!ケース別にすべきことが分かる」の記事で詳しく解説しています。 |
まとめ
この記事では、これから退職しようとしている方が最も有利に辞められるタイミングについて解説しました。
最後に簡単にまとめると、一番良い退職のタイミングは冬のボーナスをもらった後に転職活動を始めるスケジュールです。
1 | 12月初旬に冬のボーナスをもらった後、 | 12月初旬に |
▼ | ||
2 | 求人数が増える1~3月に内定を勝ち取る | 1~3月に転職活動を本格化 |
▼ | ||
3 | 内定が出たら、現在の職場に退職の旨を伝える | |
▼ | ||
4 | 退職日を調整して退職 | 退職を伝えてから1〜3カ月 |
記事を読んでいただいた方の中には、「何月に辞めるかで有利・不利があるのか!?」と驚いた方もいるかもしれません。
しかし、会社を退職するというのは、人生の中でも大きな分岐点となります。後悔しないためにも、自分にとって一番良いタイミングを選んで、退職スケジュールを組んでみましょう。





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