
「介護職は私に向いていないのではないかと感じる」
「辞めたいけど後悔しない選択をしたい」
介護職は精神的・肉体的に大きな負担があり「もう辞めたい」と思うこともありますよね。
介護を続けるべき人と辞めるべき人にはそれぞれ以下のような特徴があります。
| 介護職を続けるべき人 | 介護職が向いていない人 |
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ただし、この特徴だけでは「結局自分はどっちなのか分からない」という人もいるのではないでしょうか?退職や転職は大きな決断なので、納得して決断したいですよね。
そこで、今回は辞めたいと感じているときに適した判断ができるようヒントをまとめました。
この記事を読むことで、自分が介護職に向いているか・向いていないかを判断できると共に、自身が理想としているキャリアプランを考えることができるようになるでしょう。
介護職を辞めるか悩んでいる人のヒントを解説しているので、ぜひ最後まで目を通して役立ててください。
目次
1.介護職には向き不向きがある!
介護職は体力的にも精神的にもツラいと感じる場面がありますよね。
全国で介護施設を展開している『ケアパートナー』が現役で働く介護職員を対象にしたアンケート調査によると、「介護職に向いているか?」の問いに「向いている」と回答した人よりも「どちらとも言えない」と回答した人が多い結果となりました。

参考)『ケアパートナー株式会社』現役介護職員1612人を対象にしたアンケート
介護職としてやりがいを感じることもあれば、ツラいと感じることもあったりと、さまざまな思いを抱えながら働いていることがこのアンケートから伺い知ることができます。
介護という仕事には向き・不向きがあり、誰しもが楽しんでできる仕事ではありません。しかし、転職という決断は人生の中でも大きな決断です。自身のキャリアを価値のあるものにしていくために、本当に介護職に向いていないのか、辞めるべきなのかを理解していくことから始めていきましょう。
次の章から解説している「介護職を続けるべき人」「向いていない人」の特徴を見て、自身の理想とする働き方を改めて考えてみてください。
2.介護職を続けるべき人とは?
介護職を続けるべき人は、以下のような考えや思いを持っている人です。
- 将来性のある職業で働きたい人
- 仕事にやりがいを感じている人
- プライベートにも活かせるスキルを身に付けたい人
2-1.将来性のある職業で働きたい人
将来のことを心配することなく安心して働きたい人には介護職を続けることがおすすめです。
なぜなら、超高齢化社会の日本は介護職の需要が年々高まっている状況であり、介護サービスができる人材が求められているからです。以下の図は介護職員数の推移を表したものですが、介護職員は増加しているにも関わらず、まだまだ人手不足は解消されていません。
介護職員数の推移

介護職は社会的にも必要とされる人材として国も注目しており、待遇の面で改善を図るため職員の報酬を加算する制度も導入しています。その結果、介護職員の平均給与額は以下の図のような結果になりました。
介護従事者等の平均給与額の状況

引用:厚生労働省『令和2年度 介護従事者処遇状況等調査結果の概要』
制度が導入できず、まだ加算できていない事業所もあるため、今後も介護職員の平均給与額は上昇していくであろうと予想されています。
「介護職を今よりもっと良い労働環境にするために」と国からのバックアップがあるため、将来性の高い職業であると言えるでしょう。このように将来性がある職業で働いていくことを希望している人は介護職を続けていくことがおすすめです。
2-2.仕事にやりがいを感じている人
介護職という仕事にやりがいを感じている人は介護職を続けるべき人と言えます。
なぜなら、仕事は人生の多くの時間を費やす存在だからです。いくら「生活のため」とは言え、働くことにやりがいを感じることができなかったら精神的にもツラい人生になってしまうでしょう。介護職で感じるやりがいとは、たとえば以下のようなものがあります。
- 利用者やそのご家族から「ありがとう」と感謝の言葉をもらえるとき
- 利用者の機能回復や楽しそうな表情を見せるなど良い変化を感じられたとき
- 提供できるケアサービスが増えたり、資格取得ができたりなどスキルの向上が実感できたとき
- 行った仕事に対して評価されたり、報酬や待遇がよくなったりなど相応のリターンがあったとき
やりがいを感じる瞬間は人それぞれなので、人と比べる必要はありません。上記のようなところではないところで、やりがいを感じる人も、もちろんいるでしょう。よって、周囲の職員と比較して「自分はそこにやりがいを感じないから介護職は向いていない」と気落ちする必要はないのです。
自分が感じるやりがいに注目し、やりがいを実感できる瞬間がある人は介護職を続けるべき人であると言えます。
2-3.プライベートにも活かせるスキルを身に付けたい人
介護職で得たスキルを祖父母や両親、配偶者、兄弟など、大切な人にも提供したいと考えている人は介護職を続けるべきです。
というのも、仕事として長く介護職に携わっていると、介護ケアのスキルはもちろんのこと、施設や適したケアサービスにも理解を得られるようになります。
いざ、身内が介護ケアが必要になったときには在宅でケアを行うこともできますし、入所を検討する際は優良な施設か、適したサービス内容かを見極めることもできるでしょう。
現在はご家族が元気でも年を重ねていけば、いつかは介護ケアが必要になる時がきます。
プライベートに介護職のスキルを活かしたい人は介護職を続けることで、理想的な環境を実現できる力が身についていくはずです。
3.介護職が向いていない人の特徴
介護職が向いていない人はどのような特徴があるでしょうか。介護職が向いていない人の特徴について見ていきましょう。
3-1.協調性がない人
介護職では協調性がない人は介護職に向いていない可能性があります。
というのも、介護職は利用者に対するケアを周りのスタッフや病院関係者、ケアマネジャー、生活相談員など、多くの職種の人と関わりながら行っていくものだからです。
協調性のあるコミュニケーションを取ることができなければ、仕事で連携を取ることは難しく、利用者に不快な思いをさせてしまったり、トラブルに発展する恐れもあります。
連絡不足の影響で仕事量が増えてしまうと、労働環境を悪化させてしまう原因にもなるでしょう。介護職において協調性のあるコミュニケーションは欠かせないほど基本であるため、協調性のない人は介護職として働くことがツラいものになります。
3-2.相手のペースに合わせられない人
相手のペースに合わせた対応ができない人は介護職として続けていくことは難しいでしょう。
なぜなら、介護職は高齢者や認知症の方など、1人で生活をしていくことが困難な人をケアしていくサービスを提供するものだからです。そのため、どれだけスピード感を持って取り組めるかではなく、どれだけ介助される側の気持ちに寄り添い、尊重する姿勢で取り組めるかが重要です。
利用者に寄り添うことができなければ適切なケアサービスであるとは言えません。
利用者のペースよりも効率やスピードを求める人は介護職に向いていない可能性があります。
3-3.責任感が少ない人
介護職は責任感のない人には向いていない職業です。
なぜなら、介護職は介助を必要とする人の身の回りのケアをサポートしていくことが仕事だからです。
業務には入浴や食事、歩行、食事などの介助があります。ミスは利用者を怪我させてしまうような事故につながることもあるため、常に責任感を持って業務に当たる姿勢が求められます。
また、起こってしまったミスを他人のせいにしたり、言い訳ばかりをしたりする姿勢も利用者やその家族、周囲のスタッフからも信頼を損なう十分な理由になるでしょう。介護は信頼で成り立っているため、安心感を与えられるような行動や姿勢が大切です。
よって、責任感のない人には向いていない職業であると言えるでしょう。
4.辞めるか迷った場合の判断手順を2つのステップで解説
上記で介護職を続けるべき人と向いてない人についてご紹介いたしましたが「自分は結局どちらか分からない」という人もいらっしゃるでしょう。ここからは、まだ判断が付かない人に行ってほしい判断手順を紹介します。ご自分の気持ちを整理したいときは参考にしてください。
4-1.向いていない・辞めたいと感じる理由を具体的にする
あなたが「向いていない」「辞めたい」と感じている理由は何でしょうか?まずは理由を明確化することから始めていきましょう。
なぜなら、自分が持っている不満から逃げることを理由に転職してしまうと、次の職場で起こった不満に対しても逃げることしかできなくなり、転職を繰り返すことになりかねないからです。
短期間で転職を繰り返すとあなたのキャリア価値が下がってしまう恐れがあるため、理由を明確化にすることから始めていきましょう。明確化する方法は以下の方法があります。
4-1-1.些細な内容でもいいのですべて書き出す
向いていない・辞めたいと感じるネガティブな要因を些細なことでも良いので洗いざらい書き出していきます。
自分の気持ちを整理するためのメモなので、「こんなこと書いたらおかしい」など思い悩む必要はありません。ネガティブなもやもやを吐き出すようにして書き出していきましょう。書き出すと問題点が視覚的にも認知できるようになるので思考もすっきりするはずです。
ためらうことなく、どんな内容でも書き出していきましょう。
4-1-2.理由に優先順位を付ける
次に書き出した内容に最も解決するべき問題の優先順位を付けていきます。
というのも、感じているネガティブな要因の中でも特に強い要因である「どうしても我慢できないこと」を明確にすることで、改善策を取り入れられるかどうかが決まるからです。
書き出した理由を文字にすると客観的な視野で考えられるようになるので、優先順位も付けやすくなっているはずです。感じているネガティブな要因を明確化するために、特に我慢できないことは何なのかを把握していきましょう。
4-2.不満の本質と向き合って改善策を取り入れることができるか考える
続いてのステップでは、「特に我慢できない」と感じている問題点に改善策を取り入れられるかを確認します。改善策を探る理由は、不満の本質と向き合うことでキャリアを無駄にする必要なく、満足度の高い職場に変えることも可能だからです。
介護職に感じる不満として主に挙げられるのが以下の5つです。
- 給与が低い
- 労働環境が悪い
- 人間関係に悩んでいる
- 業務に苦痛を感じている
- 体力的・精神的な面で苦痛を感じている
4-2-1.給与が低い場合の改善策
給与が低い場合の改善策には以下のような方法が考えられます。
- 手当の付く資格の取得をする
- 働き方を変える
- 待遇改善されている職場へ転職する
給与を改善するには手当の付く資格を取得することが有効です。介護職で手当の付く資格とは、ケアマネージャーや介護福祉士などの資格を指します。
ただし、手当が付く対象になるかどうかは職場によって異なるので、現職場の手当について調べてみましょう。一般的に有資格者は手当などが付いて給与が高くなる傾向にあります。もしも、何の待遇もない職場なのであれば資格を取得し、手当の付く職場に転職することで不満要因を改善できるはずです。
給与が低いと考えている場合は、働き方を変えると解消できる場合もあります。
たとえば、「夜勤のシフト回数を増やす」「パートアルバイトから正社員になる」など、働く時間を手当の付く時間に変えたり、責任あるポジションとして働くことで今よりも給与が改善することが可能でしょう。
働きぶりに対して適切な待遇がある職場へ転職することも1つの手です。
なぜなら、給与額や、ボーナスの金額や回数など待遇はその施設によって異なるからです。半年に1度は昇給のための評価が行われたり、経験年数を加味したりなど、個々のスキルや勤務姿勢を反映している施設もあります。
現在は介護職員の賃金を上げるための『介護職員処遇改善加算』という制度が導入されているため、今後も給与が上がる職業としても注目されています。しかし、この制度も要件を満たしていなければ介護施設であっても適用されません。
現職場が制度を利用していなければ、制度を導入している職場へ転職するだけでも給与の改善が見込めます。
4-2-2.労働環境が悪い場合の改善策
「休憩時間すら取れない」「定時で帰れることがない」「嫌がらせを受けている」など労働環境が悪い場合の改善策は以下の2つがあります。
- 施設長や上司などに相談する
- 転職する
人員不足やアナログ作業による業務効率の低迷など、労働環境の原因が明確であれば施設長や上司に相談すると良いでしょう。
なぜなら、人員を増やしたり、IT技術を取り入れる際には、その施設の運営を考えるべき人が判断することだからです。現場の状況を把握しきれていないことから労働環境が乱れてしまっていることもあり得るので、声を上げて問題を認知してもらうことが改善につながることもあります。
相談しても改善が得られなければ、その施設に固執せず転職することがおすすめです。
なぜなら、問題が改善されない環境でストレスを感じながら働き続けると、あなたの心身に悪影響を及ぼすからです。心身のバランスを崩してしまうと、働くこともできなければ、プライベートでの時間も楽しめなくなってしまいます。
何事も身体が資本になるため、ご自分の心身を大事にするためにも転職を考えることがおすすめです。
4-2-3.人間関係に悩んでいる場合の改善策
介護職は連携を取ることが大切なので人間関係に悩んでいる人も多くいます。もしも人間関係に悩んでいるなら以下の改善策があります。
- 割り切る
- 相談する
- 転職する
人間関係に悩んでいるときは割り切る心持ちを持つだけでも気持ちが楽になることもあります。なぜなら、職場という場は気が合う人ばかりが集まっているわけではないので、相性が悪いと感じる人もいることが自然だからです。
友人を作る場ではないので、仲良くするよりも仕事と共にする人という視点で距離を持てば寂しさも感じることはないでしょう。仕事関係者と割り切ってコミュニケーションを取るうちに、相手に感じる気持ちも変化する可能性もあります。
挨拶をしたり、報連相はしっかり行うなど、仕事を行ううえでの必要なコミュニケーションを行っていれば、仕事上で付き合っている人とのコミュニケーションは十分なはずです。
割り切るという心持ちは有効な改善策と言えます。
家族や友人などの第三者や、同じ職場で働く同僚、上司に相談することも人間関係の悩みを改善する1つの方法です。
なぜなら、相談することで頭の中が整理されたり、自分では思い浮かばなかった解決策や考え方を知ることができたりしてストレスが和らぐこともあるからです。解決策が見出せなくても、自分の気持ちを分かってくれたり、同調してもらえたりするだけでも心は軽くなるかもしれません。
もしも理不尽に攻撃を受けるような人のことで悩んでいるのであれば転職することが改善策である場合もあります。
なぜなら、スムーズなコミュニケーションが取れないことから仕事に支障をきたしたり、あなた自身がストレスで体調を壊してしまったりする恐れがあるからです。
相手に非があるような状況でも改善することができなければ、転職を視野に入れても良いでしょう。ただし、人間関係の悩みを理由にした転職は、転職を希望する会社にも「長く働いてくれなそう」というイメージを持たれてしまいやすいです。今後の転職活動に悪影響を及ぼす可能性があるので、最終的な解決策として考えることをおすすめします。
4-2-4.業務に苦痛を感じている場合の改善策
介護職の業務は利用者の日常生活のケアサポートだけでなく、楽しく過ごすためのレクリエーションや夜間の対応など多岐にわたります。
特定の業務に対して苦痛を感じている場合、以下の改善策があります。
- シフトを見直したり、転職して環境を変える
- ケアマネージャーなど介助する必要のないポジションに移る
「夜間業務がきつい」「レクリエーション担当することがきつい」などの業務に苦痛を感じている場合は夜間のシフトに入らない働き方に変更したり、レクリエーションのない職場に転職することが改善策の場合もあります。
たとえば、日勤だけのシフトにしたり、デイサービスを提供している施設へ転職すれば夜間の対応を求められることはなくなります。
また、レクリエーションが苦痛の場合は、レクリエーションの開催がない特別養護老人ホームへ転職したり、病院の看護助手として働いたりと、環境を変えることで苦痛を感じている業務から離れることができることが期待できます。
入浴や食事、排せつなどの介助をすることに苦痛を感じている場合は、ケアマネージャーとして働くことで利用者の支援を行うことを続行できます。
そもそもケアマネージャーとは、利用者やそのご家族からの相談を聞いたうえでケアプランを考えたり、サービス事業所と調整をしたりする専門職です。
ケアマネジャーは資格の取得が必須なのですが、5年以上の実務経験がなければ取得することはできません。よって、この改善策は5年以上の実務経験がある人に限定されてしまうのですが、これまで培ってきたスキルや経験を無駄にせずにキャリアアップしていけるため、改善策としておすすめです。
4-2-5.体力的・精神的な面で苦痛を感じている場合の改善策
体力的・精神的な面で苦痛を感じていている場合の改善策は以下2つのパターンがあります。
- 十分な休息を取る
- 異業種に転職をする
体力的にも精神的にも苦痛を感じている場合は十分な休息を取ることを改善策として取り入れましょう。
なぜなら、無理して働き続けるとストレスから自律神経のバランスが崩れ、より強い苦痛を感じる可能性もあるからです。休日はストレスを発散することに専念し、趣味に没頭したり、マッサージや温泉に浸りに行くのも良いでしょう。
休日だけでは改善できない場合、職場に相談して長期休暇をもらうこともおすすめです。
介護職そのものに苦痛を感じている場合は異業種に転職することが改善策である場合もあります。
職種が合っていないからこそ体力的にも精神的にも苦痛を感じている可能性があるからです。ただし、異業種に転職をするということは、同業種に転職することと比較しても難易度が高いうえ、必ずしも次の職業があなたに合っているという確約もありません。
この改善策を取り入れるなら「自分分析」や「起業分析」を徹底して行い、慎重に転職活動を進めることがおすすめです。もしも自分の力だけで転職することに不安を感じているのであれば『転職エージェント』を活用して、転職のプロにサポートを受けることもおすすめです。
5.介護職からの転職するには3つのパターンがある
介護職からの転職には以下3つの選択肢があります。
- 問題点を解決できる施設へ転職する
- 介護職の経験を活かせる同職種へ転職する
- 介護職以外の職業へ転職する
中途採用の場合はこれまでの経験や持っているスキルなども選考に含まれるため、転職を希望する職業によって難易度もそれぞれで違います。
5-1.問題点を解決できる施設へ転職する
1つ目のパターンが現在抱えている問題を解決できる施設への転職です。3つのパターンでも特に転職が成功しやすいパターンであると言えます。
なぜなら、これまでの実務で得たスキルや経験をそのまま活かせるからです。介護職員数は増加傾向にあるに関わらず、介助が必要な人はどんどん増え続けているので、常に人材不足の問題に頭を悩ませている施設は多くあります。
よって実務経験のある人材は歓迎されやすいでしょう。あなた自身もこれまでのキャリアを無駄にすることなく経験を積んでいけるため、キャリアを形成するためにも有効な転職であると言えます。
5-2.介護職の経験を活かせる同職種へ転職する
2つ目のパターンが同職種への転職です。たとえば、看護助手や保育補助、サービス業が同職種に当てはまります。
同職種は介護職のように介助や補助、接客などを通してサービスを提供する職であるため、介護職での経験が評価されやすいでしょう。介護職は「究極の接客業」と言われるほど高く評価されているサービスを提供しているため、まったくの未経験でもスムーズな転職が実現しやすいと言えます。
5-3.介護職以外の職業へ転職する
3つ目のパターンが、異業界であり、異職種に転職する方法です。たとえば、エンジニアや営業など業界も職種もまったく異なる職業への転職です。
ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、介護職の経験を活かせる要素ももちろんありますが、実務的なスキルを求めている企業への転職は難易度が高くなってしまうことが懸念されます。
ただし、現在はビジネススクールも充実しているため、実務経験がなくてもポートフォリオなどで実力が買われる場合もあるでしょう。難易度は高いですが、転職のための準備をしっかり行うことで成功率は高められるため、介護職以外の職業への転職も転職パターンの1つです。
6.辞めると決断した後にやるべきことと注意点
ここまでお読みになって「現在の職場を辞めよう」「介護職を辞めよう」と決断している人もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、決断したからといってすぐに辞めるのは時期尚早かもしれません。なぜなら、転職する成功させるには、しっかりと転職活動をしなければいけないからです。ここからは転職活動を進めるためのポイントと注意点についてご紹介いたします。
6-1.自分自身がなりたい姿を明確にする
まずは自分自身がどのようなキャリアを積んで、どんな働き方をしたいのかを明確化することから始めていきましょう。
なぜなら、自分自身の気持ちを知ることが自分に合っている仕事を見つける方法でもあるからです。
ただ興味がおもむくままに転職先を探していたり、転職のしやすさを基準にしている場合は「こんなはずではなかった」と後悔をする要素を作ってしまう転職活動になるかもしれません。転職するということはキャリアがリセットされるということでもあるため、自分のキャリアの価値を下げないためにも、慎重になりたい姿を明確化することが大切です。
6-2.転職活動をする
自分自身のなりたい姿が明確になったら、転職活動を始めていきましょう。
転職活動をする際の2つの注意点について解説します。
6-2-1.転職先が決まるまで退職はしないようにする
退職するタイミングは転職先が見つかってからにすることがおすすめです。
なぜなら、収入や社会保険などの損失やキャリアの空白など、働かないことによって生じるリスクがあるからです。もしも健康保険に入っていないタイミングで体調不良や怪我などをした場合、医療費は全額負担することになります。
空白のキャリアがあると「働くことに対して意欲的ではない」などネガティブなイメージにつながってしまう可能性もあるでしょう。転職するという決断をした後も働き続けることは苦痛を伴うこともあるとは思いますが、転職先が決まるまで退職はしないようにすることがおすすめです。
6-2-2.転職先の職場環境はよく調査する
企業研究や企業分析を行い、労働環境や待遇処遇もチェックして転職先を決めるようにしてください。
なぜなら、労働環境や待遇処遇は、不満を持ってしまうと働く意欲が低下する十分な理由になるからです。
転職を短期間で繰り返してしまうという事態にしないためにも、転職先として考えている企業の職場環境はよく確認を行ってください。確認方法としては、インターネットの活用や、職場の見学を申し出るなどがあります。
もしも、調査の中で職場環境の確認ができない場合は、転職エージェントを活用してみることも1つの手です。というのも、転職エージェントは企業の労働環境や雰囲気も把握しており、企業に見合う人材にその企業の紹介をしているからです。インターネット上には無いような情報も持っているため、「自分のリサーチだけでは不安」という方は転職のプロに相談してみるのもよいかもしれません。
7.仕事を続けながら転職するならエージェントの活用がおすすめ
仕事を続けながら転職活動をすると、企業とのやり取りや書類の準備、スケジュール管理、面接の準備などを仕事と両立しなくてはいけなくなるため、忙しくなってしまいます。
転職を希望している企業とのやり取りの中で「忘れてました」「勘違いしていました」などという事態は絶対に避けたいですよね。転職エージェントは転職活動をサポートしてくれるサービスなので、仕事をしながら転職活動をする人にはおすすめです。
ここからは転職活動におすすめな転職エージェントを3つご紹介します。
7-1.リクルートエージェント
出典:リクルートエージェント
「リクルートエージェント」は求人数と転職成約の実績が国内ナンバー1を誇っている転職エージェントです。
幅広い業種・職種に対応しているため、理想的な職場にも出会いやすい転職エージェントであるとも言えます。
応募書類の作成や面接対策も充実しているため、短期間での転職も期待できるでしょう。
7-2.エン転職
出典:エン転職
「エン転職」は採用をゴールにするのではなく、“入社後の活躍”をゴールにして転職をサポートしている転職エージェントです。
企業の良い面だけではなく、懸念される点もしっかり伝えてくれたり、転職後にアンケートを取ってくれたりするため、転職後の定着しやすさに定評を得ています。
7-3.doda
出典:doda
「doda」は業界の中でもトップレベルの案件数と豊富な実績があるため、業界や企業の内部事情までも網羅している心強い転職エージェントです。
担当者が手厚く転職をサポートしてくれるため、書類作成や面接に不安がある人でもスピード感のある転職が期待できます。「はじめての転職活動で何をすればいいのか分からない」という人は検討してみてはいかがでしょうか?
8.まとめ
「介護職が向いていない」と辞めるか悩んだときは、こちらの表を参考にして向いているのか・向いていないのかを判断してみましょう。
| 介護職を続けるべき人 | 介護職が向いていない人 |
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辞めるか迷っているときは焦って答えを出す必要はありません。自分のなりたい理想像を明確にして慎重に決断することがポイントになります。もしも続けるべきか迷った際は2ステップの判断手順を取り入れることがおすすめです。
1.向いていない・辞めたいと感じる理由を具体的にする
2.改善策を取り入れることができるか考える
転職することを決断したのであれば、2つの注意点をおさえながら転職活動を進めていきましょう。
1.転職先が決まるまで退職はしないようにする
2.転職先の職場環境はよく調査する
転職活動に不安を感じているときは転職エージェントを活用することも1つの方法です。転職エージェントは求職者が無料使えるサービスなので、賢く活用してスムーズな転職に役立ててください。







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