
「よく『責任感がない』と怒られるけれど、どうすればいいんだろう?」
「そもそも責任感って絶対に必要? 足りなくてもそれなりに生きていけるのでは?」
いつもまわりから非難されて、そんな悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。
また逆に、
「まわりに責任感がない人がいてストレスがひどい、どう対応すべき?」
と困っている人もたくさんいるかと思います。
一般的に「責任感」は必要なもので、それがないのはよくないこと、責任感を持つべきとされています。
責任感がない人は、時間や約束が守れない、仕事を最後までやり遂げられず、途中で投げ出してしまうなど、人に迷惑をかけることも多いので、まわりから「もっと責任感を持て」と言われるでしょう。
実際に責任感は、心がけや努力で身に着けることができるものです。
その具体的な方法として、
- ものごとを最後まで成し遂げてみる
- 失敗を恐れない
- 約束を時間を守る
- 人の意見をきく
- 言い訳や責任転嫁の言葉をなくす
- 自分が悪い場合は素直に認めて謝る
- 資格やスキルを身に着ける
が挙げられます。
そこでこの記事では、「責任感がない」ことの意味や対処法について深掘りしていきたいと思います。
まず、「責任感がない」と言われる人向けに、
◎「責任感がない」人 12の特徴
◎責任感がもてない人の4つの原因
◎責任感を身に着ける7つの方法
についてくわしく解説します。
また、「責任感がない人に悩まされている」人や、「そもそも責任感って絶対に必要?」と疑問に思っている人向けに、
◎責任感を持ちたくない人はどうすればいい?
◎責任感がない人への対処法
を考えていきます。
最後まで読めば、「責任感がない人」は責任感の持ち方を、「責任感がない人に迷惑している人」は相手との付き合い方を知ることができるでしょう。
この記事で、あなたが「責任感のなさ」に悩まされなくなることを願っています!
1. 「責任感がない」人 12の特徴

ひと口に「責任感がない」と言いますが、そもそも責任感がない人とはどんな人でしょうか?
まず最初に、責任感がない人ならではの特徴を挙げておきましょう。
1-1. 能動的に行動せず、言われた通りに動く
まず第一に、責任感のない人は、自分から能動的に行動を起こしたがりません。
人から言われた通り、指示されたように動きます。
自分から動いた場合、もし失敗してしまえば自分のせいなので、その責任を取りたくないからです。
逆に、人の言うとおりに行動していれば、もし失敗しても「あの人がそう言ったので」と責任を自分からそらすことができると考えています。
実際には行動した本人にもその責任の一端はあるのですが、そこまで深く考えてはいません。
いわゆる「指示待ち人間」などもこのタイプといえるでしょう。
1-2. 言動に一貫性がない、気まぐれである
責任感のない人は、自分の言葉や行動には責任がともなうという自覚もありません。
言うことやることに一貫性がなく、まわりの状況やそのときの気分によってコロコロ変わります。
たとえば、Aさんが「賛成」といえばそれに同調します。
が、別のときにBさんが「反対」といえば、自分もそれに倣います。
自分が責任をもちたくない、「Aさん(もしくはBさん)がそう言ったから」という言い訳の逃げ道がほしい、またはその場が切り抜けられればそれでいいからです。
そのためまわりからは、「意見がしょっちゅう変わる」「気まぐれ屋」「ダブルスタンダード」などと評されることもあります。
1-3. 約束や時間を守らない
約束や時間にルーズなのも、このタイプの特徴です。
そもそも「自分が決めたこと、人と約束したことは守らなければいけない」という意識も薄いのです。
たとえば、5分10分の遅刻であれば「大したことない、遅刻のうちに入らない誤差の範囲」と考えます。
「〇日までにやります」と約束したことも、「忙しかった」「不測の事態が起こった」など言い訳さえできれば、罪悪感もなく期限を破ったりもします。
お金にもルーズな傾向があり、「小銭が足りないから貸して」とか、「割り勘の端数はとりあえず払っておいて」などと頼むことも平気です。
自分のそんな言動が、人に迷惑をかけ、まわりからの信頼を損なう結果になるということまで考えがおよばないようです。
1-4. 言い訳や責任転嫁が多い
責任感のない人は、とにかく「自分の責任」「自分が悪い」と思われることを嫌います。
何か失敗した場合も、素直に非を認めて謝ることはせず、「自分はちゃんとやったのに、〇〇だったからできなかった」などと言い訳したり、「〇〇さんがそう言ったから」と責任転嫁したりしがちです。
というのも、その根本には「人から責められたくない」「自分の評価を下げたくない」という防衛本能があるからです。
そのためなら、ときにはウソやごまかしを駆使することも厭いません。
失敗の原因をしっかり見つめなおして反省する、ということもしないので、同じ失敗を繰り返すリスクが常にあります。
1-5. イヤなこと、面倒なことは後回しにして避ける
また、面倒なことやイヤなことからは極力逃げたいという意識も働くので、やるべきことを後回しにしがちです。
「あわよくば、やらなくてよくなるかも」「誰かがかわりにやってくれるかも」などと勝手な希望をもって、ズルズルと引き延ばすこともあります。
その結果、仕事が溜まってしまい、期限に間に合わなかったり、慌てて取り組んだせいで雑な結果になったりするのです。
1-6. 計画性がなく場当たり的
責任感のない人は、計画性もありません。
「〇日〇時に待ち合わせ」と言われたら、自分の予定を確認もせずOKしたり、「これをやっておいて」と頼まれたら、何も考えずに引き受けてしまい、あとから他にもたくさん仕事が溜まっていたことに気づいて慌てることもあります。
これは、ものごとを慎重に考え、長期的に計画立てて進めることが苦手だからです。
その場その場の思い付きで行動する習慣がついてしまっているのです。
1-7. 「報・連・相」が足りない
さらに、仕事で重要な「報告・連絡・相談」を怠りがちな傾向もあります。
仕事に対して「自分が責任をもって成し遂げる」という意識が薄く、「人に言われたことだけやればいい」と適当に取り組んでいるからです。
その結果、余計な手間が増えたり、ミスを放置して大きなトラブルになったりと、人に多大な迷惑をかける羽目にもなります。
1-8. 頼まれごとを安請け合いする
ものごとを頼まれると、よく考えもせずに安請け合いするのも特徴です。
これは、人から頼まれたことであっても、「自分の責任で最後まで完遂しなければならない」という考えはないからです。
また、面倒なことを考えたくない、計画性がないという特徴もあるので、
- 実際に自分にそれができるのか
- スケジュールはどうか
- どのように取り組むか
といったことを何も考えずに、ただ相手にいい顔をしたいだけで引き受けてしまうのです。
その結果、頼まれたことを忘れてしまったり、できなくても「自分は悪くない、頼まれただけだから」と責任逃れをしたりすることもあります。
1-9. 精神年齢が低く甘えがある
さらに、一般的な同世代の人と比べて精神年齢が低く、他人に甘えがちな傾向もあります。
そもそも、ものごとを深く考えることをしません。
また、「誰かが考えてくれる」「自分ができなくても、誰かがやってくれるはず」という依存心も強いのです。
一人前の大人として行動できず、まわりが自分の世話やしりぬぐいをしてくれるのを、「迷惑かけて申し訳ない」と感じずに、当然のように受け入れてしまいます。
1-10. ポジティブで根拠のない自信をもっている
責任感のない人は思慮が浅いので、どんなことにも「なんとかなる」という甘い考えで臨みます。
しかもそれは根拠があるわけではなく、「自分が積極的になんとかする」という覚悟もありません。
困難を直視せず、楽観的にとらえます。
というのも、ものごとを真剣に考えていないので、「もしできなかったら大変なことになる」とか、「誰にどんな迷惑がかかるか」といったことに考えが至らないからです。
もしできなかった場合でも、「誰かがなんとかしてくれればいい、自分には責任はない」と逃げればいいと思っているのです。
ですから、まわりからはムダにポジティブで自信家のように見えます。
1-11. 人の気持ちに鈍感
また、人の気持ちを推し量る想像力に乏しいという特徴もあります。
「約束を破ったら相手がどう思うか、どんな迷惑をこうむるか」
「頼みごとをしてきた人は、どれほど困っているのか、自分がやらないとどうなってしまうのか」
など、相手の立場に立って考えることをせず、それよりも、
「自分がやりたくなかったんだから、できなくてもしょうがない」
「自分が忙しいのに、頼んできた相手が悪い」
と、自分の気持ち、自分の都合を優先して考えます。
言い換えれば、非常に自己中心的な人なのです。
1-12. 周囲からの評価を気にする
責任感のない人は、第三者からは身勝手で自分中心にふるまっているように見えますが、実は本人の内心では、「周囲の人からどう見られているか」を非常に気にしている一面もあります。
が、それは「やるべきことをきちんと完遂して信頼されたい」とか、「約束を守る誠実な人でありたい」といった、人としての信念や理想にもとづいたものではありません。
「その場だけでも相手にいい顔をしたい」「嫌われたくない」「できない人間だと思われたくない」などの恐れからくる表層的な感情にすぎません。
そのため、あっちにもこっちにもいい顔をしてしまい、結局はどちらからも信頼を失う結果になることもしばしばです。
2. 責任感がもてない人の4つの原因

責任感がない人の特徴はわかりましたよね。
ではそもそも、その人はなぜ責任感がないのでしょうか?
責任感をもてない理由とはなんでしょうか?
それには主に、以下の4つの原因が考えられます。
2-1. 失敗を反省しない
まず、「反省」ということをしないのが、大きな原因です。
ものごとを深く考えずに場当たり的に行動するため、その場だけ切り抜けられれば満足してしまいます。
たとえば自分が失敗をしても、まわりの人が助けてくれてなんとかリカバーできれば、「ああよかった、終わった」と安心して終わり、そのことは忘れようとします。
もしどうにもならずにものごとが成し遂げられなかったり、失敗に終わった場合でも、「自分のせいではない」「今回は運が悪かっただけ」と、問題の本質から逃げてしまいます。
本来なら、「なぜ失敗したのか」「自分のどこが悪かったのか」「今後どうすればいいのか」を反省して見直し、改善していくべきなのに、そのプロセスがないのです。
そのため、いつまでたっても成長せず、同じ失敗を繰り返すこともあります。
となると、まわりからはどんどん信頼を失い、責任ある仕事を任せられなくなっていくでしょう。
その結果、責任感が育たずに、ますます他力本願でいい加減になってしまうというわけです。
2-2. 失敗を恐れすぎる
一方でこのタイプの人は、自分に自信がなく臆病な場合もあります。
そのため、失敗を恐れすぎて責任から逃げているのです。
たとえば、過去に大きな失敗をした経験があるのかもしれません。
それがトラウマになり、「またあんな失敗をしてしまうのではないか」と恐れるあまり、「失敗しても自分には責任がないようにしたい」「失敗しても大ごとにならないような、簡単なことしかしたくない」という考え方になっている可能性が考えられます。
つまり、もともと責任感がないのではなく、責任を負いたくないだけ、というケースです。
2-3. 周囲の評価を気にしすぎる
責任感のない人は、まわりからは「いい加減で図太い人」と思われがちですが、実際は周囲の評価に振り回されている一面もあります。
「人から悪く思われたくない」「自分の評価を下げたくない」という気持ちが大きく、それが行動原理になっているのです。
そのため、誰にでもいい顔をしようとして、その場その場で意見を変えたり、できもしない頼まれごとを引き受けたりします。
本人的には、相手に良く思われたいがためにしていることですが、結局はそれが「責任感がない」という評価に結びついてしまっている状態です。
そこで「では、本当に評価されるために、きちんと責任感を身に着けよう」と思えればいいのですが、このタイプの人はものごとを深く考えたり反省したりするのが苦手です。
努力して自分を変えるより、やはり表面的な言動で人に良く思われようとして、ますます信頼を失っていくという、負のスパイラルに陥っているのかもしれません。
2-4. 病気や障害がある
ここまで挙げた3つの原因は、本人の性格的なものですが、もうひとつ、病気や障害のせいで「責任感がない」ように見えてしまっているというケースもあることを知っておいてください。
たとえば、「ADHD(注意欠陥多動性障害)」が考えられます。
これは発達障害のひとつで、
- 不注意やうっかりミスが多い
- 長時間集中できず、気が散りやすい
- ものごとを最後まで成し遂げられない
- 落ち着きがなく、衝動的に行動する
- ルールを守れない
- 約束を忘れる
- コツコツ取り組むことが苦手
といった特徴があります。
まさに「責任感がない」人の特徴と重なりますよね。
ただ、ADHDは生まれつきの脳の特性であって、決して責任感がないわけではありません。
心理療法や薬などで治療も可能です。
また、うつ病の症状で、
- 意欲が低下する
- ものごとに興味や関心が薄れる
- 集中力がなくなる
- 会話や文章の内容が頭に入らない
- 仕事などでミスが増える
などの状態になることもあります。
が、うつ病になる人は、むしろ責任感が強すぎる傾向があるとされています。
そのため、思うように仕事ができないことで、ますます自分を責めてうつ状態が悪化していく恐れもあるでしょう。
このような病気や障害などが原因の場合は、適切な治療によって改善されます。
疑いがあれば、一度診察を受けてみたほうがよいでしょう。
3. 責任感を身に着ける7つの方法

「自分はいつも『責任感がない』と責められるが、どうすれば責任感が身につくだろうか」と悩んでいる人もいるでしょう。
実際に、責任感は努力で身に着けていくことができるものです。
そこでこの章では、責任感を身に着ける方法を7つ提案しましょう。
3-1. ものごとを最後まで成し遂げてみる
まず、仕事でも勉強でもなんでもいいのですが、ものごとを最初から最後まで自分の力で成し遂げたことはありますか?
もしなければ、そこから始めてみましょう。
たとえば、人から仕事を頼まれたなら、「途中で誰かにやってもらえばいい」「もしできなくても自分のせいではない」という考えを捨て、「自分の責任で完遂しよう」と覚悟して取り組んでみてください。
そのためには、まずスケジュールを立てます。
完成させる日を決めるだけでなく、過程についても「〇日までにこれをして、次に〇日までにこれをする」というように、段階を踏んでスケジューリングしましょう。
もし途中で困難なことがあれば、自分で抱え込まずに人に相談してください。
自分ひとりではできなければ、人に手伝ってもらってもいいでしょう。
「相談すること、手伝ってもらうこと」と、「人に丸投げすること」はまったく別です。
相談してアドバイスをもらったり、誰かに手伝ってもらった上で、あくまで自分で主体的に行うのであれば、それは「責任感がない」ことにはなりません。
とにかく一度、自分が中心となって何かを最後まで完遂してみてください。
一度できれば、それが自信となって、責任感が芽生えてくるはずです。
3-2. 失敗を恐れない
責任感がない人の中には、失敗を恐れすぎているケースがあります。
が、「失敗=よくないこと、自分の評価を下げること」という思い込みを捨ててください。
失敗しない人などいません。
あなたから見ると「絶対に失敗しない人」であっても、過去にはかならず失敗をしているはずです。
そして、失敗は成長の糧です。
失敗したら、そこから逃げずに、「なぜ失敗したのか」「何か悪かったのか」「同じ失敗を繰り返さないためには、どうすれば改善できるのか」を徹底的に考えましょう。
失敗を恐れていては、何もできません。
それよりも、「失敗しても、同じことを二度繰り返さなければいい」「失敗したら、そこから学んでもっと成長しよう」と考えて取り組んでみてください。
3-3. 約束と時間を守る
次に、人との約束や、決められた時間はかならず守るようにしましょう。
「5分10分の遅刻なら問題ない」「事情があれば、約束を守れなくてもしょうがない」と言い訳せず、「1分たりとも遅刻しない、むしろ5分前に着くようにしよう」「約束したから、なんとしてでもやろう」と考えを切り替えてください。
そのためには、
- できない約束ははじめからしない、断わる勇気を持つ
- 時間には余裕をもって行動する
ことが必要です。
まずは、絶対に守れる簡単な約束、余裕のある時間を設定してみましょう。
それを守ることを積み重ねていけば、徐々に約束や時間に責任が持てるようになるはずです。
3-4. 人の意見をきく
また、人の意見には真摯に耳を傾けましょう。
責任感がない人は、人の指示には何も考えずに従いますが、アドバイスや注意の言葉は真剣にとらえない傾向があります。
が、ものごとを成し遂げるには、自分だけの考えでは行き詰ってしまうことが多々あります。
そんなときは、第三者からの客観的な意見や、経験者のアドバイスが必要です。
それにより、自分では思いつかなかった打開策に気づけたり、新しい方法を知ることができたりして、困難なことも完遂することができるかもしれません。
人の意見を「面倒だ」と思わずに、自分を成長させてくれる糧として受け入れてください。
3-5. 言い訳や責任転嫁の言葉をなくす
ものごとに取り組むときに、事前に「もしできなくても、〇〇だからしょうがない」「〇〇さんに言われたからやるだけ」など、言い訳を用意していませんか?
そんな言い訳や責任転嫁の言葉は二度と口にしないようにしてください。
一度引き受けた仕事は、「頼んできた人の責任」ではなく「引き受けた自分の責任」です。
たとえミスしても、失敗に終わっても、それは自分の力不足だと認めましょう。
ミスや失敗は誰にでもあるものですから、恥じることはありません。
ただ、かならず反省して、同じ失敗を繰り返さなければいいのです。
言い訳や責任転嫁をしたくなったら、その言葉を飲み込んで、かわりに謝罪をしましょう。
その上で、どうすればリカバーできるか考えたり、人にアドバイスをもらったりすれば、まわりの人も「責任感が出てきたな」と認めてくれるはずです。
3-6. 自分が悪い場合は素直に認めて謝る
前項でも触れましたが、ミスをしたり失敗した場合は言い訳や責任転嫁をせず、真摯に謝罪することが必要です。
繰り返しますが、ミスや失敗をすることも、謝ることも恥ずかしいことではありません。
それを認めずに言い訳したり、人のせいにしたり、反省せずに何度も同じ失敗を繰り返すことこそ恥ずかしいことです。
「申し訳ありません」のひと言を、誠意をもって言ってみましょう。
その上で、あきらめずにその仕事をやり遂げようと取り組んでいれば、まわりの人もアドバイスや手助けをしてくれるでしょうし、あなたの評価も徐々に上がっていきますよ。
3-7. 資格やスキルを身に着けて自信を回復する
「責任を持ちたくない」という気持ちの裏には、「そんな責任を果たせる自信がない」というネガティブさがある場合も考えられます。
それを克服するには、自信をもてるように変わるしかありません。
具体的には、仕事に役立つ資格やスキルを身に着けるのがおすすめです。
自分の能力が上がれば、できないことが減ってくるので、仕事を引き受けても無事にやり遂げられる可能性が高まります。
また、資格があれば、それをもとに自分の得意な仕事を任せてもらえるようになります。
得意な仕事なら失敗も少なく、まわりからは一目置かれるようにもなるでしょう。
「この仕事は自分にしかできない」という自信があれば、「だからこそ自分がやらなければならない」という責任感も生まれまず。
ぜひ何かひとつ、資格かスキルを身に着けてください。
4. 責任感を持ちたくない人はどうすればいい?

ここまで読んで、「そんな努力をしてまで、責任感をもちたくない」「そもそも責任感がなくても、普通に生活や仕事をしていけるのではないか」と感じた人もいるのではないでしょうか?
以下のデータを見てください。
2004年に厚生労働省が発表した『若年者の就職能力(エンプロイアビリティ)に関する実態調査』で、企業が若者に求める能力に関してアンケートした結果です。(対象企業数 11,255社中1,472社回答(回答率 13.1%))
これによると、「責任感」を求める企業は実に64.3%にものぼっています。
社会の中では、責任感は必要と考える人のほうが多いわけです。
【採用時に重視する能力(複数回答)】

出典:『若年者の就職能力(エンプロイアビリティ)に関する実態調査』結果
ただ一方で、このデータを裏読みすると、責任感を重視しない企業も35%程度あると言えますよね。
たとえば、もっとも多く求められている「コミュニケーション能力」が非常に優れていれば、責任感は乏しくてもいい、と考える企業もあるかもしれないわけです。
そこで、「責任感はなくていい」「責任ある仕事はしたくない」と考える人は、それ以外の能力を磨いてはどうでしょうか?
上のデータの中で、「これなら自信がある」「人より優れているかも」と感じる能力があれば、それを活かすという考え方です。
- コミュニケーション力を磨く
- 資格を取得する
- プレゼンテーション能力を上げる
- 仕事に役立つ専門知識を深める
などができれば、責任感がなくても人から評価される可能性は高まります。
ただ、責任感のなさで仕事を投げ出したり、人に迷惑をかけるようでは、ほかのプラスの面があっても、やはり評価にはマイナスに働くことは覚悟しておきましょう。
5. 責任感がない人への対処法

「自分自身は責任感を持っているが、同僚や知人に責任感がない人がいて悩まされている」という人も多いことでしょう。
責任感が強い人ほど、いい加減な人の存在がストレスになりますよね。
そこでこの章では、責任感がない人に接するときには、どうすればいいのかを考えていきましょう。
5-1. 相手の責任範囲をはっきりさせる
まず最初に大切なのは、相手と自分の責任の範囲をきっちり分けて示すことです。
責任感のない人は、あわよくばなんでも人のせい、自分の責任ではないと言い逃れ、責任転嫁しようとします。
それを未然に防ぐには、「ここまではあなたの責任です」と、本人にもまわりにもハッキリ知らせておくしかありません。
もちろん言葉で伝えるだけでなく、文書などのエビデンスを残しておきましょう。
ただ、追い詰めるだけでは逆に相手の「責任から逃げたい」という気持ちを強めてしまう恐れがあります。
そこで、以下のような方法もおすすめです。
◎いくつかの仕事の中から、「どれを自分の担当にするか」相手に選ばせる
◎「〇〇さんが、あなたが前に担当したあの仕事がよかったから、ぜひまたお任せしたいと言っている」など、相手に自信をもたせる
前者のように選択肢をあたえれば、自分にできそうなものを選ぶでしょうからやり遂げる可能性も高まります。
後者は、褒めることで自信になり、モチベーションが上がるでしょう。
5-2. 重要度の低いことから任せてみる
責任感のない人に仕事を任せる際には、まず最初は重要度が低く、失敗してもリスクが少ないものから始めるようにしましょう。
いきなり重要な仕事を任せても、おそらく完遂できない可能性のほうが高いですし、そうなればまわりのこうむる被害も甚大です。
簡単なことから任せて、それができればもう少し重要な仕事を、それもできればさらに難しい仕事を、というように、段階を踏んで少しずつハードルを上げていくのがいいでしょう。
どんな簡単な仕事であっても、「自分の力で完遂できた」という成功体験が積み重なっていけば、自信と責任感が身につくかもしれません。
逆にもし成長が見られなければ、いつまでも簡単で失敗してもいい仕事だけ任せればいいのです。
それならまわりのストレスもたまりません。
5-3. 周囲との信頼関係を築く
責任感のない人は、ミスや失敗を人のせいにしがちです。
そのため、あなたが頼んだ仕事を忘れてしまったり、うまくできなかったりした場合に、「〇〇さんの指示が悪かった」「自分のせいではない、〇〇さんのせい」と、あなたに責任転嫁する可能性があります。
中には、「〇〇さんから聞いていない」など、ウソをつくかもしれません。
そうなったときに備えて、あなた自身が日ごろから周囲に信頼されるようにしておきましょう。
あたえられた仕事はきっちりこなす、報連相は欠かさない、人に頼みごとをした記録を残すなどを繰り返していけば、「信頼できる人」「仕事をきちんとする人」という評価が定着するはずです。
もし責任感のない人が、あなたに責任転嫁しようとしても、その訴えよりもあなたのほうが信用されて、濡れ衣を着せられずにすむでしょう。
5-4. 期待値を下げる
また、そもそも最初から、責任感のない人には多くを期待しない、というのも大切な心構えです。
人を変えることは、自分が変わることよりはるかに難しいものです。
いい加減な人に責任感をもたせようとしても、成功する確率は低いでしょう。
ですからもし責任感のない人に何かを頼んだり、約束したりする際には、「やってもらえないかもしれない」「それでもいい」と期待しなければいいのです。
たとえば、
- 待ち合わせしたけれど、10分くらいは遅刻するだろう
- 約束したけれど、忘れられるかもしれない
- 仕事を頼んだけれど、納期は過ぎるかもしれない
- 途中で投げ出して、こちらに丸投げしてくる可能性もある
くらいの気持ちでいればいいでしょう。
期待しなければ、裏切られてもそのストレスは小さくて済みます。
最初から「あてにできない人」だと諦めることも必要です。
5-5. できなかった場合に備えておく
前項とも関係しますが、責任感のない人にものを頼む場合は、最初からできなかった場合を想定して、そうなったらすぐ対応できるように準備しておきましょう。
たとえば、
- 仕事を途中で引き受けられるよう、自分も内容を把握しておく
- かわりにやってくれる人を探して声をかけておく
- 納期を守れなくてもいいよう、相手には前倒しの納期を伝えておく
- 遅刻してもいいよう、30分前に約束する
など、セーフティネットをいくつか張っておくのです。
そうすれば、相手ができなかった場合にも、まわりは慌てることなくリカバーできるでしょう。
5-6. できたら褒める
責任感のない人は、前述したように実は人の評価を気にしていて、失敗を極度に恐れています。
また、精神年齢が幼いので、子どもっぽい一面もあります。
そこで、任せたことができなかった場合に備えると同時に、もしできたら誉めてあげるのもいいでしょう。
「仕事を完遂するのは当たり前、子どもでもあるまいし褒める必要はない」と思うかもしれませんが、そこはぐっとこらえて一度褒めてみてください。
その結果、「自分でもできた」という自信につながったり、「褒められたからがんばろう」というモチベーションが生まれたりする可能性があります。
ただ、逆に褒めると調子に乗って、ますます手を抜くタイプの人もいます。
一度褒めて反応を見て、どちらのタイプか見極める必要があるでしょう。
6. まとめ
いかがでしたか?
「責任感がない」とはどういうことか、どうすればいいかがわかったかと思います。
ではここでもう一度、記事の内容を振り返ってみましょう。
◎責任感を身に着ける方法
- ものごとを最後まで成し遂げてみる
- 失敗を恐れない
- 約束を時間を守る
- 人の意見をきく
- 言い訳や責任転嫁の言葉をなくす
- 自分が悪い場合は素直に認めて謝る
- 資格やスキルを身に着ける
◎責任感がない人への対処法
- 相手の責任範囲をはっきりさせる
- 重要度の低いことから任せてみる
- 周囲との信頼関係を築く
- 期待値を下げる
- できなかった場合に備えておく
- できたら褒める
これを踏まえて、あなたが「責任感のなさ」に悩まされることのないよう願っています!




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