
「転職回数が多くなると再就職には不利なの?」
「何回転職したら転職回数が多いと思われるの?」
あなたは今、転職回数の多さが採用で評価を下げる原因になるのでははないかと心配されていませんか?
確かに転職回数が多いと採用で不利になることは事実です。採用担当者は「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」との懸念から、転職回数の多い人に対してネガティブな印象を持つ傾向にあります。
採用担当者が許容できる転職の回数は応募者の年齢によっても大きく異なります。以下の図に示すように、許容できる転職の回数は年齢を増すごとに増える傾向があります。
参考:ミイダスマガジン|転職で年収は上がる?下がる?転職回数と年齢で年収はどう変化するかを調査
もちろん採用担当者は転職回数だけを見ているわけではありません。転職によって得たキャリアやスキルが評価されることによって、転職回数が多いというネガティブな印象が払拭され、採用を勝ち取ることが出来たという事例も数多くあります。
しかしそのためには自分の状況を正しく理解し、職務経歴書や面接の場面で、適切に自分をアピールする事が欠かせません。
そこで今回は
- 転職回数と採用への影響の関係性
- 【年代別】転職回数が多い人の面接官の捉え方
- 転職回数の多さは必ずしもマイナスではない
- 転職回数の多い人が採用されるために押さえておきたい5つのポイント
- 転職の多い人が押さえておくべき職務経歴書の4つのポイント
- 転職の多い人が押さえておくべき面接の3つのコツ
- 転職の経験を生かすためにプロの力を積極的に活用しよう
について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたも転職回数の多さを乗り越え、転職を成功に導くことができます。
目次
1.転職回数と採用への影響の関係性
実際に転職回数の多さは採用に対してどの様に影響するのでしょう。以下の3つのポイントからその関係性を確認していきましょう。
一つずつ確認していきましょう。
1-1.転職回数が多いことがマイナス要素になるのは事実
冒頭でもお伝えした通り転職回数の多さは採用ではマイナス要素であることは間違いありません。
終身雇用が一般的であった頃に比べると、転職自体についてのネガティブなイメージは払拭されつつあります。しかし、残念ながら転職を複数回繰り返している状況に対してのマイナスイメージは現代でも根強く残っています。
採用担当者は転職回数の多い人に対して、どうしても以下の様な認識を拭い去ることができません。
- 採用してもすぐに辞めてしまうのではないか
- 前の職場で何か問題を起こしたのではないか
- 勤務態度や能力に問題があるのではないか
しかしもちろん転職回数の多さはマイナス要素の一つでしかなく、転職回数が多いことが採用されるための致命的な障害になるわけではありません。
1-2.転職回数が多いことが問題ではなくなるケースもある
採用担当者は転職回数だけを見て、採用の合否を決定するわけではありません。
以下の様なケースでは、転職回数の多さはさほど問題にならないと考えていいでしょう。
- これまでの転職に明確な理由がある
- 転職回数の多さを補うだけのスキルや経験がある
転職の多さはネガティブに捉えられるケースが多いですが、それぞれの転職に明確な理由が説明できる場合、採用担当者は転職についてマイナスの査定を行いません。
転職に避けられない事情があったことや、スキルアップのために必要な転職であったという説明ができれば、転職回数が多くても採用に影響することはないでしょう。
もちろん、必要なスキルや経験を持っていれば、採用担当者はそちらをより重視することになります。転職の多さが問題とならないケースについては、「3.転職回数の多さが問題にならない3つのケース」でさらに詳しく解説しています。
1-3.年代によって転職回数の捉えられ方は違う
これも冒頭で少しお伝えしましたが、転職回数の多さに対する採用担当者の理解は、応募者の年齢によっても大きく変化します。
以下の表は、リクナビNEXTが行なった年代別の転職回数の平均です。
参考:リクナビネクスト|転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態
20代はまだ就業してから日が浅い人も多く、転職を経験したことがない人も多くいます。それに対して30代の転職回数平均は1回、40代は1.4回と就業のキャリアが増すごとに徐々に転職の平均回数が伸びていることがわかります。
以下の表は、年代ごとの実際に転職した回数を表しています。
参考:リクナビネクスト|転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態
20代ではまだ76%が転職の経験がないと答えていますが、30代ではすでに53%、二人に一人がすでに1回以上の転職を経験しています。
歳を重ねるごとに転職の回数も増える傾向にあり、採用担当者も応募者の年齢が高くなるに従って転職回数を重視しない傾向にあります。
では年代によって、転職回数に対する認識は具体的的どの様に変化していくのでしょうか。次章で詳しく解説していきます。
2.【年代別】転職回数が多い人の面接官の捉え方
採用者が持つ転職回数に関する印象は、年齢によって大きく異なります。転職回数に対して許容できる回数は、年齢が増すごとに増える傾向にあり、また転職回数の多い人に対して注視するポイントも変わってきます。
それではそれぞれの年代の転職に対する評価の違いを確認しましょう。
2-2.20代で転職回数が多い人の面接官の捉え方
20代では、転職回数の多い人に対して、面接官は以下の様に捉えられる傾向にあります。
- 許容される転職回数は2回。3回を超えるとマイナスな印象を与える
- これまでの在職期間が問題になる。3年未満の在職期間はマイナス評価
- スキルや経験が問われることは比較的少ない
20代では、新卒から間もない人も多く就業期間が短いこともあり、30代や40代に比べるとスキルや経験を重視する傾向はあまりありません。
一方で問題になるのはこれまでの職の在職期間です。在職期間が短い場合、面接官は「うちの会社でもすぐに辞めてしまうのではないか」という印象を持つことになります。一般的に3年程度の在職期間は必要とされています。
転職が3回を超えると要注意と考えるべきでしょう。職務経歴書の書類審査が通らず面接までたどり着かないというケースも増えてきます。
2-3.30代で転職回数が多い人の面接官の捉え方
30代の場合、面接官に以下の様に捉えられる傾向があります。
- 許容される転職回数は3回。4回を超えるとマイナスの印象を与える
- 転職回数よりキャリアや具体的なスキルを重視する傾向が強くなる
20代に比べれば30代は転職の経験がある人が増え、転職の経験はより一般的なものとなります。3回程度の転職までは面接官にも許容範囲として認識される傾向にありますが、一般的に4回を超えると転職が多い印象を与えます。
一方で、30代に対しては転職回数よりキャリアやスキルを重視するという面接官も多くなります。
採用を考えている会社は30代の求職者に対しては即戦力となる人物が欲しいと考えるケースが多いため転職の回数より、その内容を評価し、スキルや経験が自社にどのように役立つかを見極めたいという意向が強くあり、場合によっては転職の経験がプラスに働くというケースも珍しくありません。
このため職務経歴書の作成や面接においては自分の職歴の一貫性と、これまでの具体的な実績、また獲得してきたスキルなどを正確に伝えることが大切です。
2-4.40代で転職回数が多い人の面接官の捉え方
40代の場合、面接官に以下の様に捉えられる傾向があります。
- 許容される転職回数は4回。5回を超えるとマイナスの印象を与える
- 転職回数に対してはより寛容になる傾向がある
- これまでの職歴で培った総合的な経験値が問われる
40代になると、転職の回数が採用に及ぼす影響はさらに小さくなります。一般的に許容される転職回数は4回までと大変多くよほど多くの転職を繰り返していない限り転職回数が大きな問題になる事はありません。
重視されるのは転職回数よりも経験値です。特に40代での転職は管理職としての採用も珍しくなく、採用に際しては、これまでの職歴で培った総合的な経験値が問われるケースが多くなります。
3.転職回数の多さが問題にならない3つのケース
全ての面接官に当てはまるわけではありませんが、以下の3つのケースでは、面接官は転職回数の多さを重視しない傾向になります。
ではひとつずつ確認していきましょう
3-1.転職に明確な理由がある
面接官が求職者の転職を考慮する上でまず確認するポイントは、転職の回数ではなく転職の理由です。
面接官はそれぞれの転職に合理的な理由があるかどうかを注視します。そして合理的な理由を説明できる場合、それを問題視することはほぼありません。
転職をする場合には様々な理由があります。スキルアップのためであったり、新しい職について自分の可能性を試すこと、あるいは家族の事情や自分の健康問題などによって、転職を避けられなかったというケースもあります。
あるいはハラスメントや契約通りに給与が支払われなかったなどの理由による転職もあるかもしれません。
面接官はこういった理由を求職者が面接や職務経歴書でしっかりと説明できるかどうかをチェックします。
3-2.職務の在職期間が長い
採用担当者は転職の回数以上に在職期間を注視します。特に3年未満の在職期間での転職はマイナスのイメージを与えます。
短い在職期間で転職を繰り替えている場合、どうしても自社でもすぐに辞めてしまうのではないかという印象を強く与えてしまいます。
反対に一つの職に対して3年以上の在籍期間がある場合、もちろん合理的な転職の理由を説明する必要はありますが面接官はその転職をマイナスに捉えない傾向にあります。
3-3.スキルや経験が高い
もしアピールできるスキルや経験があり、採用担当者が自社に必要と判断すれば転職の回数はさほど問題になりません。
その会社にとって即戦力となるスキルを持っていると分かれば、転職の回数は不問となるケースも多くあります。
特にIT業界や医療業界など、専門性の高い仕事やクリエイター職などでは、この傾向は顕著で、採用担当者が求めているスキルや経験を転職希望者が持っているかどうかが採用の最も大きなポイントになります。
また数多くの人をまとめ上げる管理職などではさまざまな知識と職務経験が必要とされることから、転職経験が多いことがむしろ高く評価をされるケースもあります。
4.転職回数の多い人が採用されるために押さえておきたい5つのポイント
履歴書や職務経歴書の作成から実際の面接まで、転職回数が多い人が求職活動を行う上で、押さえておくべき4つのポイントを紹介します。
ここからは転職回数が多い人が求人に応募する上で、大切なポイントを5つ紹介します。
では一つずつ解説して行きます。
4-1.これまでの転職の理由を明確に説明する
3章でも明示した通り、採用担当者は転職の回数以上にこれまでの転職の理由を重視します。そして職務経歴書や面接ではこの転職の理由をしっかりと説明できるかどうかに注目します。
転職回数の多い人は、それぞれの転職に対する理由をしっかりと説明できることが何より大切です。
転職の理由には大別すると以下の3種類に分けられます。
- 自己都合による転職
- やむを得ない理由による転職
- 会社側の問題による転職
それぞれに、採用担当者が納得できる説明を用意し、必要に応じて職務経歴書にも記載しましょう。
4-1-1.自己都合による転職の場合
自己都合による転職の場合は、その転職に前向きな動機があったことをしっかりと伝えることが大切です。
「新たな職務で自分の経験の幅を広げるため」「より広範な技術を獲得してスキルアップするため」など、その転職に対する自分の未来のビジョンがあったことを明示しましょう。
もちろん「自分にはあっていないと思った」「業務が退屈だった」など自分本位の後ろ向きな理由では大きく評価を落とすことになるでしょう。
4-1-2.やむを得ない理由による転職の場合
倒産や事業縮小など、会社都合による失業や転職の場合はもちろんですが、家族の介護や夫の転勤、怪我や病気など、やむを得ない事情があって転職をした場合は、その理由をしっかりと伝えましょう。
ほとんどの採用担当者はやむを得ない理由がある転職については問題としません。
4-1-3.会社側の問題による転職の場合
ハラスメントや雇用契約違反など、会社の過失や問題によって転職を余儀なくされたというケースがあれば、その旨をはっきりと伝えましょう。
採用面接などで他社での経験を語ることに躊躇する方もいるかもしれません。もちろん守秘義務に違反する内容を伝えることはできませんが、自身の経験を語ることは問題ありません。
会社の過失による転職の場合、その理由を伝えられなければ採用担当者には自分の曖昧な都合で退職したとみなされてしまいます。
自身の経験を冷静に伝えることができれば、担当者へのアピールにもつながります。
4-2.これまでの転職に一貫性があることを説明する
繰り返してきた転職に一貫性があるかどうかは、転職の回数が多い人を評価する上で一つの指標になります。
もじ自分が繰り返してきた転職が、自分の定めた目標やスキルアップのために一貫した意思のもとで行ったものである場合は、はっきりとそれを明示しましょう。
例えば
「住宅建材メーカーで営業職として働いていたが、住宅自体の建設に携わりたいという思いが強くなり、住宅販売メーカーへ転職した。」
「レストランで長年働いていたが、接客業の経験を生かし、さらに質の高い接客のノウハウを手に入れたい、という思いからホテルに転職した。」
など、これまでの転職にポジティブな一貫性が説明できる場合は積極的にそれをアピールすれば、採用担当者の目には転職の経験が、ポジティブなものとして捉えられる可能性もあります。
4-3.転職によって得たスキルや経験をアピールする
これまでの転職によって獲得した技術や経験は、しっかりとアピールしましょう。
転職を多く経験した人は当然、多くの職業を経験しています。様々な職業を経て獲得したスキルや経験をアピールできれば、マイナスイメージを持たれがちが転職回数の多さは、むしろ評価されるポイントとして受け取られる可能性もあります。
これまで勤務先でどのようなスキルや経験を積んできたか。そしてそのスキルをどのように業績につなげてきたか。またそれらスキルや経験によって自分がどのように成長できたかをしっかりとアピールすることが大切です。
4-4.求人市場が活発な時期に転職する
転職を行う時期の選択も大変重要です。転職市場が活発な時期に転職を行うか、求人が少ない時期に行うかで転職の成功率は大きく変わってきます。
特に転職回数の多い人は第一印象でマイナスなイメージを持たれやすいため、競争相手が多い場合はどうしても転職を成功させる確率は低くなってしまいます。
求人が多い時期に応募ができれば、競争率も下がり、採用担当者も応募者の経歴やスキルについて、より深く検討することになるでしょう。
一般的に転職市場が活発になるのは2月から3月です。この時期に合わせて年開け頃から応募の準備をすすめるのが理想的です。
4-5.転職回数を偽らない
転職回数がマイナスの評価になることを恐れて転職回数を偽って報告することは絶対にNGです。
転職回数を偽ることは履歴書や職務経歴書の虚偽記載にあたり、これが発覚した場合にはもし採用されたとしても解雇される十分な理由になります。
バレないだろうと軽い気持ちで虚偽の記載を行うと、あとでたいへんな事態に陥る可能性があるということを覚えておきましょう。
5.転職の多い人が押さえておくべき職務経歴書の4つのポイント
ここからはより具体的に転職が多い人が押さえておくべきポイントについて解説していきます。まずは職務経歴書のポイントです。
転職回数の多い人は必然的に職歴が多くなります。記載する職務経歴が多くなると、漠然と職歴を記載するだけではただ長いだけの、とらえどころがない職務経歴書になってしまいます。
これを回避し、より強く採用担当者にアピールできる職務経歴書を書くためには以下の4つのポイントを押さえておく必要があります。
では一つずつ確認していきましょう。
5-1.年代順ではなく業種別に書く
職務経歴書は年代順ではなく職種・業種などでまとめるかたちで作成しましょう
履歴書では経歴を年代順に書きますが、職務経歴書には書式に決まりはなく、年代順に職歴を記載する必要はありません。
特に転職回数が多く記載する職歴が多い場合、年代順の職務経歴書は要旨が散漫になるケースが多く、その人物のスキルや経験などを効率的にアピールすることができません。
経験や業績をアピールできないと、反対に転職回数の多さがより強く伝わってしまうという結果に陥ります。
例えばこれまでの職歴を「営業」「事務」「接客」などの業種別のカテゴリーに分け、それぞれの業種の職歴を一つずつ記載していきます。
これだけで、その人物がこれまでどのような職業についてきたか、またこれまでのスキルや経験、業績などを明確に伝えることができます。
5-2.業務での実績は詳細に記述する
職務経歴書は職務の経歴をただ伝えるための書類ではありません。これまでの勤務で自分が何を行なってきたか、またそれによって自分が得た実績やスキル、経験について、できるだけ詳しく記述しましょう。
特に転職を繰り返し、様々な職を経験している人は、職歴に応じて様々な業務を経験し実績も重ねてきているはずです。それらをできるだけ詳細に伝えることで書類審査も通りやすくなり、また面接において高評価にもつながります。
5-3.応募する企業合わせて職務経歴書を書き換える
職務経歴書は使い回さず、応募する会社の業務や求人の内容に合わせて書き換える必要があります。
同じ職種や業種の会社に応募する場合でも、会社の業態や規模はそれぞれに違います。
例えば同じ営業職でも、規模の大きい会社であれば与えられた仕事を的確にこなし、他の社員との連携を取る協調性のある人材が求められるケースが多く、規模の小さい会社であれば、必要に応じて各自の判断で責任ある行動ができる人材が好まれます。
その会社がどのような人材を必要としているかを考え、それに合致するスキルや経験をアピールすることが効果的です。
5-4. 簡潔で分かりやすい文章を心がける
採用担当者は応募者全ての職務経歴書に目を通すため、一人一人の確認にあまり時間をかけることはありません。このため、文章はできるだけ簡潔で分かりやすくまとめることが大切です。
長々ととりとめのない記述が続くと、文章の要旨をつかみづらく、スキルや経験のアピールという意味では逆効果です。
特に転職回数の多い人は、職務経歴書の記述が長くなりがちのため、職務経歴書を書く前にアピールすべきスキルや実績がなにかをしっかりとまとめ、できるだけ短く、かつ要点が伝わる文章になるよう心がけましょう。
要旨を簡潔に伝えることはビジネスのどの局面においても重要です。簡潔で分かりやすい職務経歴書はそれだけで、内容に関わらずその人物を高く評価するポイントにもなります。
6.転職の多い人が押さえておくべき面接の3つのコツ
面接では転職回数の多さをマイナスの評価に繋げないために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
では一つずつ確認して行きましょう。
6-1.転職に積極的な理由があることをポジティブに伝える
転職の動機を聞かれた時には、それぞれの転職に積極的な理由があることを具体的に伝えましょう。
転職の面接では、多くの場合、転職を希望する理由を聞かれます。転職回数が多い場合はなおさら、面接官はこれまでの転職にどのような理由があったかについて、詳しく知りたいと考えます。
転職が多い場合、転職の回数自体が、面接官に対してネガティブな心象を与えてしまう可能性があります。しかし、それぞれの転職に「自分を高めるため」「新たなスキルを身につけるため」などのポジティブな理由があれば、その心象は大きく変わってきます。
これまでの転職によってさまざまな経験や実績を積むことで、自分が成長できたことを強くアピールしましょう。
よくある質問と解答例
質問「これまでも転職を経験されているようですが、何か事情はありましたか?」
解答例① 「一つ目の職では、食品メーカーの営業として5年間勤務しました。新卒での入社であり営業職ももちろん初めての経験でしたが、営業に携わるための基礎を学ぶことができました。さらにキャリアップを考え、規模の大きな会社で営業職の経験を積みたいと思い前職へ転職しました。さらなるステップアップとして営業職の経験を生かしたマネジメント職に就きたいと思い、今回の仕事へ応募させていただきました。」 |
解答例① 「20代の頃は、システムエンジニアとして様々な状況で、多くの経験を積むことがキャリアを形成する上で重要と考え、2回の転職を経験しました。1社目の会社は大きな会社との取引が大きく、同じシステムを今日期間にわたって担当するのが一般的でした。業務の基礎をしっかりと身につけることができましたが、経験の幅を増やしたいと考え2社目の会社に転職しました。また3社目への転職ではこれまでのエンジニアの経験を生かし、プロジェクトを統括する管理職へステップアップすることを目指しました。現職でも多くを経験することができましたが、さらに規模の大きな業務に携わり経験を積みたいと考え、今回の転職を希望させていただきました。」 |
6-2.前職(現職)についてのネガティブな発言は慎重に
面接では転職の理由を勤務している会社や環境のせいにする発言はできるだけ避けましょう。
多くの転職を経験している人のかなには、会社の理不尽な対応により止むを得ず転職を経験した方も少なからずいます。しかし、それを転職の理由として面接官に伝えることは、あまり良い結果に結びつきません。
「残業が多すぎた」また「上司が厳しすぎて理不尽な対応を迫られた」など、転職の原因を他人や環境のせいにする発言は、面接官に自社でも同じような不満を持つのではないかという印象を与えます。
もちろんそれらが事実だとしても面接官にはその真偽を確認するすべはありません。「残業を依頼したらやめてしまうかもしれない」「厳しい状況に置かれたら職場を放棄してしまうかもしれない」という懸念を抱いてしまう可能性もあります。
転職を希望する理由としてどうしてもそれを伝える必要がある場合は慎重に、その状況を伝えられる範囲で、できるだけ具体的に伝えることが大切です。
よくある質問と解答例
「2回目の転職は在籍期間が1年と短いですが、これには何か理由がありますか?」
解答例 入社当日から連日、3時間以上の残業が強いられる状況が続きました。入社から3ヶ月をすぎた頃には同僚が体を壊してさらに業務が増えることになり、連日の12時間勤務、休日出勤が常態化する状況となりました。当時3歳になる子供がいましたが、子育てを妻に全て押し付ける状況になったため、その状況を続けることは難しく、上司には何度も状況の改善をお願いしましたが、残念ながら聞き入れてもらえることができず、1年での転職となりました。 |
6-3.これまでの失敗を話すことも経験をアピールする方法
転職回数の多い人にとって、経験やスキルの多さは最もアピールしなくてはいけないポイントです。しかし面接時間には限りがあり、なかなか全ての経験を伝えることはできません。
そのような時に過去の実績ではなく、これまでの失敗とそれをどう切り抜けたかを話すことによって、自分の経験をより強くアピールできる場合もあります。
失敗の経験は面接官からネガティブに評価されるのではないかと思いがちですが、具体的な経験を冷静に話すことができれば、失敗を経験して自分を高めることができる人材であると、良い印象を持たれることにつながります。
このため面接官は、その人物の緊急時の対応力や、問題解決力を測るためにあえてこれまでの仕事の失敗について聞くケースもよくあります。
よくある質問と解答例
「これまでの仕事で失敗した経験はありますか?」
解答例 2つ目会社での食品営業を行なっていた時に、工場への出荷数のご発注を経験しました。急ぎの発注を電話で受けたため、確実な数字を聞きとることができず、実際の発注は50であったところ20しか納品することができませんでした。急いで工場に追加発注し、その日の夕方に残りの30を納品することができましたが、追加の緊急発送費用などで大きな損失を出しました。発注元のスーパーへは、納品の遅れを速やかに謝罪したうえ、再発防止のため今後の発注は、ルール通り必ず書面でいただけるようお願いしました。 |
7.転職の経験を生かすためにプロの力を積極的に活用しよう
もちろん転職をしたいと思い立っても、その転職が本当に自分にとってプラスになるのか、また自分に有利な転職ができるのかという問題もあります。
転職をしようかどうか迷っている場合は、転職サイトや転職エージェントを利用することも一つの方法です。転職エージェントなら登録料無料で、転職に関するさまざまな相談に対応しています。
この章では、転職回数の多さを心配している人にもオススメの転職エージェントについて紹介します。
7-1.リクルートエージェント
出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは40年の歴史を誇る、業界トップクラスの転職エージェントの一つです。
求人数は公開求人、非公開求人を合わせると20万件と大変多く、あらゆる業種に対応しています。テレビCMや広告などで名前は知っているという方も多いのではないでしょうか。転職支援の実績も業界No.1で、これまで50万権を超える転職を成功させてきました。
リクルートエージェントの大きな特徴は非公開求人がたいへん豊富なことです。リクルートエージェントでしか紹介されていない独占求人の数も多く、ここでしか見つけることができない求人情報もたくさんあります。
転職者へのサポートも充実しており、履歴書や職務経歴書の添削や面接力向上セミナーなど、さまざまなサービスを利用することもできます。
7-2.マイナビAGENT
出典:マイナビAGENT
マイナビAGENTは特に20代からの支持が高い転職エージェントです。
各業界に精通したキャリアアドバイザーが、高いマッチング力で人材を求める企業と転職を希望する人材を結びつけます。優良中小企業や成長著しいベンチャー企業などとからの求人を多く扱っていることも特徴です。
職務経歴書のブラッシュアップや模擬面接、さまざまな面接対策セミナーなども開催しています。企業との間に入り、面接日程の調整や給与などの条件交渉を代行するなど、転職希望者へのサポートがたいへん手厚い転職エージェントです。
7-3.doda
出典:doda
doda(デューダ)も国内トップクラスの規模を誇る転職エージェントの一つです。あらゆる業種に対応していますが、特にIT、通信、企画営業などの職種に強い会社として定評があります。
dodaのもっとも大きな特徴は転職者満足度がNo.1であることです。転職を仲介するキャリアアドバイザーの質の高さは特に定評があります。
転職支援のサポートも大変充実しており、職務経歴書の添削や面接の指導などの転職に向けたサポートから、転職後の待遇についてのサポートまで、手厚い対応が魅力です。
まとめ
今回は転職回数が採用に及ぼす影響とその対処法について詳しく解説しました。
転職回数の多さが採用では不利になってしまうという現実があるのは確かです。
しかし実際の企業の採用者は転職回数だけを見るわけではなく、その人物の経験やスキルを総合的に判断して採用の可否を判断するため、転職回数が多いだけで採用されなくなるということはありません。
転職回数が多いかどうかの度合いは、年齢によって違います。
20代の場合は3回以上の転職は転職回数が多いと認識され、職の在任期間についても注目されます
30代の場合は4回以上の転職は転職回数が多いと認識されますが、回数よりも転職によって得た経験やスキルをより重視する傾向が強くなります。
そしてもちろん転職がキャリアやスキルを担うものであると評価されれば、転職回数の多さがむしろポジティブな要素として採用にプラスとなるケースも実際には多くあります。
記事では転職回数の多い人が採用されるための以下の5つのポイントについても紹介しました。
- これまでの転職の理由を明確に説明する
- これまでの転職に一貫性があることを説明する
- 転職によって得たスキルや経験をアピールする
- 求人市場が活発な時期に転職する
- 転職回数を偽らない
また転職回数の多い人の職務経歴書や面接における注意点についても紹介しました。
転職をしたいと思っても、本当にその転職を実現できるのか、また自分のキャリアにとって本当に必要なものなのかを冷静に判断するのは、なかなか難しいものです。そんな時には転職エージェントへ相談してみるのも一つの方法です。
これまで見てきた通り、転職回数が多いことは新たな転職をする上で評価を下げるポイントになることは事実です。
しかし、これもこれまで見てきた通り、実際の転職活動では転職回数の多さだけが評価の基準になることはありません。年齢や在職期間、これまで経験した実績や獲得したスキルなど、様々な要素が評価の対象になります。
このため面接や職務経歴書などにおいて、
- これまで繰り返した転職が自分のキャリアを形成する上で重要であったこと
- 転職によって獲得したスキルや実績が転職を目指す会社にとって有効であること
これらを強くアピールすることができれば、転職回数にかかわらず新たな転職を成功することができるでしょう。























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