キャリアアップとは?メリット・デメリットから成功ポイントまで解説

キャリアアップとは、スキルや能力を高めてより高度な専門職や管理職を目指すことや、実際に今よりも地位の高い職に転職したり昇進したりすることを指す言葉です。

より高い地位やポジション、より良い年収や勤務時間などの待遇、より高度な職種などに向けて、キャリア(職歴)をレベルアップしていくことをキャリアアップと呼びます。

キャリアアップには、ひとつの企業内で昇進・昇格を目指すやり方もあれば、上向きの転職を繰り返しながら高みを目指すやり方もあります。

仕事をしているすべての人にとって、キャリアアップの正しい知識は欠かせません。キャリアアップについて知っていれば、自分にとってより良い条件で働くことが可能になるためです。

にもかかわらず、ほとんどの人は、キャリアップについて漠然とした考えしか持っていません。そのままではキャリアアップのチャンスを逃し、いつまでも不満の残る条件で働く結果になってしまうでしょう。

よってこの記事では、働くうえで必ず理解しておくべきともいえる「キャリアアップ」について、詳しく解説します。

この記事のポイント

  • キャリアアップの基礎知識が身につく
  • キャリアアップのメリット/デメリットが理解できる
  • キャリアアップを成功させるポイントを解説

この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「キャリアアップの基本」はもちろん、キャリアアップするためには具体的にどんな行動をすれば良いのか、理解できるようなります。

キャリアアップのマイナス面も把握できるので、自分にとって最適なキャリアアップを実現しやすくなるはずです。

ではさっそく「キャリアアップ」の解説を始めましょう。

1. キャリアアップとは

まずはキャリアアップの基礎知識から見ていきましょう。

1-1. キャリアアップとはより高度な専門職や管理職を目指すこと

キャリアアップとは、スキルや能力を高めてより高度な専門職や管理職を目指すこと、あるいは今よりも地位の高い職に転職したり昇進したりすることを指す言葉です。

具体的には、より地位の高い職や待遇の良いポジションに向けて資格や能力を身に付けたり、自分を売り込んで転職したりすることをキャリアアップと呼びます。

イメージとしては、下図をご覧ください。契約社員→準社員→正社員→一般職→上級職→期間職→幹部職……とキャリアアップしていく様子です。

キャリア アップ

キャリアアップは、ひとつの企業内で昇進を目指すやり方もあれば、転職を繰り返して高度な職を目指すやり方、独立起業するやり方など、さまざまな方法があります。

1-2. スキルアップとキャリアアップの違い

キャリアアップと似た言葉に「スキルアップ」があります。

キャリアアップは、その人の役職や年収などの待遇のレベルアップが伴いますが、スキルアップには役職や年収などは関係ない点が大きく異なります。

個人が持っているスキルが向上すれば、どんな待遇にあっても、それはスキルアップと呼びます。

▼ キャリアアップとスキルアップの違い

キャリアアップより高い地位・より高い年収など待遇のレベルアップが伴う
スキルアップ待遇に関係なく個人のスキルを向上する

このようにキャリアアップとスキルアップは別のものですが、しかし両者には深い関係があります。「スキルアップは、キャリアアップの必要条件」という関係性です。

つまり、キャリアアップを叶えるためにはスキルアップする必要があります。言い換えれば、スキルアップはキャリアアップの手段です。

キャリアアップするためには、スキルアップが欠かせない」という点を押さえておきましょう。

2. キャリアアップの目的

キャリアアップの目的は何か?といえば、本質的には「幸せな人生を歩むため」です。

キャリアアップすることによって実現したい何らかの夢や目標があり、それを叶えて幸せな人生を歩むために、私たちはキャリアアップを目指すといえるでしょう。

これはスケールの大きな話ですが、少しスケールダウンして個人レベルで見てみると、人によってさまざまなキャリアアップの目的があります。

幸せな人生を歩むという最終目的は共通ですが、そのために何を求めるかは人によって異なるためです。

はたらこねっとのアンケート調査によれば、キャリアアップの目的として最も多いのは「労働条件(給与・福利厚生・残業代など)を良くしたい(69%)」、次いで「長く働きたい(58%)」というデータが出ています。


出典:はたらこねっとユーザーアンケート キャリアアップ・スキルアップについて

ほかには「自分の可能性を追求したい」「新しい経験を積みたい」「明確な目標を持って仕事をしたい」など、さまざまな目的があることがわかります。

キャリアアップを考えるうえでは、漠然と「キャリアアップしたい」と考えるのではなく、
「私は、何のためにキャリアアップしたいのか?」
という自分のキャリアアップの目的について考えることが大切です。

それが、最終目的である「幸せな人生を歩む」というゴールの実現につながっていきます。

3. キャリアアップのメリット

キャリアアップには、どんなメリットがあるのでしょうか。3つの良い点を見ていきましょう。

3-1. 働く条件が良くなる

1つめのメリットは「働く条件が良くなる」ことです。

キャリアアップすると、給与・福利厚生・労働時間などの条件が良くなります。

より高度な職や高い地位のポジションで働けば、その分、年収が高くなったり、自由な働き方を認められたりと待遇・処遇が良くなるからです。

もし「今の職場の労働条件が嫌」「もっと高い給料が欲しい」と思っているのなら、キャリアアップがその打開策となります。

3-2. 仕事に目標ができる

2つめのメリットは「仕事に目標ができる」ことです。

キャリアアップに取り組んでいくということは、現状に甘んじることなく高みを目指していくということです。

仕事に目指す目標ができれば、モチベーションを高めやすくなったり、仕事にやりがいを感じやすくなったりといった効果があります。

キャリアアップという目標に向かって努力し、ひとつずつ達成して達成感を得ることは、人生の充足感をもたらすといっても過言ではありません。

ただ仕事をこなすだけの毎日ではなく、充実した日々を送れるようになります。

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3-3. 個人の能力を高めることにつながる

3つめのメリットは「個人の能力を高めることにつながる」ことです。

現代では、企業に頼らずに個人が能力を身に付ける(キャリア形成する)ことの重要性が増しています。

というのは、終身雇用を採用する企業は少なくなり、大企業であっても、いつ倒産するかどうかわからない不安定な時代となっているためです。

キャリアアップをしていくと、より高度な職を経験することになり、それは個人の能力を高めることに直結します。

自分の能力開発に取り組みたい人にとっては、キャリアアップを目指すことが有力な手段となります。

4. キャリアアップのデメリット

利点が多く見えるキャリアアップですが、マイナス面もあります。3つのデメリットをご紹介しましょう。

4-1. 何らかの変化が伴う

1つめのデメリットは「何らかの変化が伴う」ことです。

キャリアアップを目指す場合、基本的には昇進や転職によって地位を高めていくことになります。

これはつまり、ずっと同じ地位で同じ仕事をするのではなく、環境を変化させていくということです。

勤務先の会社が変わることもあれば、転勤して引っ越しをすることもあるでしょう。職場が変われば、人間関係も変わります。

環境が変わるたびに変化への順応が求められると同時に、順応が難しいマイナスの変化が起きた場合にはストレスがかかることも考えられます。

例えば、キャリアアップに伴って転職した会社の上司と合わなかったり、引っ越した先の土地が合わずに後悔したり──といったリスクがあるのが、キャリアアップのデメリットです。

4-2. プライベートより仕事優先になる可能性がある

2つめのデメリットは「プライベートより仕事優先になる可能性がある」ことです。

キャリアアップによって高みを目指すということは、それ相応の努力が必要になります。

キャリアアップを成功させるための努力はもちろん、昇進や転職した後に新しい環境で結果を出すための努力も必要です。

結果として、キャリアアップによってプライベートよりも仕事が優先の生活となる可能性があることは、キャリアアップのデメリットです。

実際、はたらこねっとのアンケート調査によれば、キャリアアップを考えていない理由の第1位が「キャリアアップよりも家族、子供を優先して生活がしたい(16%)」となっています。

キャリア アップ
出典:はたらこねっとユーザーアンケート キャリアアップ・スキルアップについて

キャリアアップに集中することで、家族や子どもが犠牲となるリスクは、キャリアアップのマイナス面といえるでしょう。

4-3. 責任が重くなる

3つめのデメリットは「責任が重くなる」ことです。

キャリアアップして、地位が高くなり高収入を得られるようになれば、その分、求められる成果や責任は大きくなります。

キャリアアップを実現したものの、重くなる一方の責任に耐えられなくなる人も、少なくありません。

極端な例を出せば、会社で不祥事や事故が起きたとき、一般社員であれば名前や顔が報道されることは、まずありません。

しかしキャリアップして管理職となっていたなら、報道カメラの前で謝罪する責任を負う可能性があります。役員ともなれば「引責辞任」といった結果になるかもしれません。

「責任が重くなるくらいなら、今のままで良い」と考えて、あえて昇格や出世を目指さない人がいるのも無理はないといえるでしょう。

キャリアアップと引き換えに大きくなる責任を避けたい気持ちが強いほど、キャリアアップのマイナス面が大きく感じられるはずです。

5. キャリアアップするための具体的な行動とは

キャリアアップするためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。

さまざまな方法がありますが、実践している人が多いトップ3の方法は以下のとおりです。

 

  1. 現在と同じ分野での転職
  2. 現在とは異なる分野での転職
  3. 現在と同じ分野の専門知識・資格の習得

キャリア アップ
出典:はたらこねっとユーザーアンケート キャリアアップ・スキルアップについて

第1位と第2位が「転職」となっており、“キャリアアップをするための現実的で有効な手段”は転職であることがわかります。

キャリアアップを目指して転職する際には給与交渉をしっかりすることや、転職が有利になる資格を身に付けてから転職することなども大切です。

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6. キャリアアップを成功させるポイント

キャリアアップを成功させるためには、どうすれば良いのでしょうか。3つのポイントを解説します。

6-1. キャリアプランを作る

1つめのポイントは「キャリアプランを作る」です。

キャリアプランとは、最終的に自分が到達したい理想像を実現するために、いつ・どんな行動をするかを定めた行動計画のことです。

キャリアアップを目指すのであれば、必ず作成したいのがキャリアプランといえます。

前述のとおり、キャリアアップのための具体的な行動としては「転職」をするケースが多いですが、行き当たりばったりで転職すると、失敗します。

作成したキャリアプランに基づいて、戦略的に転職していくことで、キャリアアップを成功させやすくなります。

6-2. ライフイベントとの兼ね合いも考慮する

2つめのポイントは「ライフイベントとの兼ね合いも考慮する」です。

キャリアアップのデメリットとして、プライベートよりも仕事が優先になるリスクがあるとお伝えしました。

このリスクを最小限に抑えるためには、ライフイベントとの兼ね合いも考慮しながら、キャリアアップの計画を立てることが効果的です。

例えば、結婚・出産・マイホーム購入といったライフプランを考慮しながら、キャリアアップの時期や内容を検討しましょう。

ライフイベントを考慮することで、ワークライフバランスが整い、プライベートと仕事を両立させやすくなります。

6-3. 自分の売り時を見極めて行動する

3つめのポイントは「自分の売り時を見極めて行動する」です。

キャリアアップをするうえでは、自分自身の能力やスキルを高めることが重要なのはいうまでもありませんが、一方で「自分が売れる売り時を見極めて、できるだけ高く売り込んでいく」という視点も欠かせません。

株や不動産の売買や投資と同じように、自分自身ができるだけ高く売れるタイミングや企業を見極めて、チャンスを逃さず行動することが、キャリアアップの速度を速めます。

そのためには、普段から転職エージェントとつながりを持つことや、転職市場の情報を転職サイトなどから入手しておくことが重要です。チェックしておくべきサイトは、次章でご紹介しましょう。

7. キャリアアップの転職におすすめのサイト

キャリアアップを目指すのであればチェックしておきたいおすすめのサイトを4つ、ご紹介します。

7-1. リクルートエージェント


出典:リクルートエージェント

リクルートエージェントは業界最大手の転職エージェントで、多くの企業の求人案件を把握しています。

一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人が10万件以上あるため、キャリアアップを目指すのであれば、ぜひ登録しておきたい転職エージェントです。

キャリアアドバイザーとコミュニケーションを取り、どんな求人が来たら紹介してほしいか、あらかじめ依頼しておくと良いでしょう。

7-2. マイナビエージェント


出典:マイナビエージェント

マイナビエージェントは、20代に信頼されている転職エージェントで、第二新卒や初めての転職に定評があります。

まだ社会人経験が浅く、これからキャリアアップを目指していきたい人にとって、頼りになる転職エージェントといえるでしょう。

マイナビのキャリアアドバイザーからは、転職初心者にも寄り添ったきめ細やかなサポートが受けられます。「どうキャリアアップしていけば良いか」といった相談にも、親身にアドバイスしてくれます。

7-3. リクナビNEXT


出典:リクナビNEXT

リクナビNEXTは、国内No.1の求人情報数を誇る転職サイトです。

直近での転職を考えていないとしても、キャリアアップを考えているのであれば、定期的にチェックしましょう。求人を見ることで、転職市場の動向が肌感として身に付くからです。

なお、職歴やスキルを登録しておけば、企業からオファーを受け取ることもできます。オファーを通して大きなチャンスが転がり込んでくる可能性がありますので、ぜひ登録しておきましょう。

7-4. doda


出典:doda

dodaは正社員の仕事を中心に、さまざまな求人情報が掲載されている転職サイトですが、求人情報の公開だけでなく、転職エージェントサービスも展開しています。

まずは自分で求人情報を検索して、途中でキャリアアドバイザーのサポートを得たいと思ったときには、転職エージェントサービスを利用することも可能です。

前述のリクナビNEXTとあわせて定期的にチェックし、転職市場の動向をつかむために役立てましょう。

8. まとめ

キャリアアップとは、スキルや能力を高めてより高度な専門職や管理職を目指すことや、実際に今よりも地位の高い職に転職したり昇進したりすることを指す言葉です。

キャリアアップの本質的な目的は「幸せな人生を歩むため」といえますが、それぞれの人が何のためにキャリアアップを目指すのか、その理由はさまざまです。

例えば以下のような目的が考えられます。

  • 労働条件(給与・残業時間など)を良くしたい
  • 長く働きたい
  • 自分の可能性を追求したい
  • 新しい経験・スキルを積みたい
  • 明確な目標を持って仕事をしたい

キャリアアップのメリットは以下のとおりです。

  1. 働く条件が良くなる
  2. 仕事に目標ができる
  3. 個人の能力を高めることにつながる

キャリアアップのデメリットは以下のとおりです。

  1. 何らかの変化が伴う
  2. プライベートより仕事優先になる可能性がある
  3. 責任が重くなる

キャリアアップするための具体的な行動として、多くの人が実践しているのは「転職」です。

キャリアアップを成功させるポイントは以下のとおりです。

  1. キャリアプランを作る
  2. ライフイベントとの兼ね合いも考慮する
  3. 自分の売り時を見極めて行動する

ぜひ本記事をきっかけとして、あなた自身が幸せになるためのキャリアアップに踏み出していきましょう。

コメント

あなたが目指すべき
キャリアアップとは?

よりよいキャリアアップを目指して先々の計画を立てることをキャリアデザインと言います。
どのようなキャリアを積み、自分の人生に役立てていくかを、常日頃からイメージしておくとよいでしょう。
もちろん、無理してキャリアアップなどせずに平坦に暮らしていたいというのも、ひとつの考え方です。

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