転職で年収アップする人の傾向|年収アップさせる方法や注意点を解説

転職で年収がアップする人って、どのような人なのか気になりますよね。

実は近年、転職によって年収を上げている人は多く、次の年収アップをしている人には以下4つの傾向があります。

転職によって年収がアップする人の4つの傾向

  • 20代後半〜30代前半の人
  • 職種は「営業系」の人
  • 職種を変えずに未経験の業界へ転職する人
  • はじめて転職をする人

ただし、誰でも簡単に転職によって年収がアップするわけではありません。

年収をアップさせるポイントや企業との交渉術を知っておくことで、転職で年収を上げることができるのです。

そこでこの記事では以下の内容を解説していきます。

この記事の内容

  • 転職によって年収がアップする人の4つの傾向
  • 転職で年収をアップさせるための4つのポイント
  • 知っておくべき2つの年収アップ交渉術
  • 年収アップを狙って転職する際の2つの注意点

この記事を読むことで、転職で年収がアップする人の傾向を知ることができ、年収アップのためのポイントや交渉術を学んで実際に、転職活動に活かすことができます。

さらに、年収アップを目指す際の注意点も知ることで、予めリスクを回避することが可能です。

1.転職によって年収を上げている人は多い

近年、転職をすることによって年収ダウンする人よりも、アップする人の方が多い傾向にあります。

厚生労働省の「令和2年上半期雇用動向調査結果の概要」によると、全ての年代で年収が減少している人よりも、年収が増加している人のほうが多いことがわかりました。

▼転職入職者の賃金変動状況

年齢層年収が増加した割合年収が減少した割合
19歳以下35.9%26.5%
20〜24歳52.6%18.4%
25〜29歳35.1%30.9%
30〜34歳38.1%35.5%
35〜39歳39.4%31.5%
40〜44歳38.5%27.9%
45〜49歳45.2%27.9%

出典:厚生労働省「令和2年上半期雇用動向調査結果の概要

つまり、転職をすることで年収をアップさせることは十分に可能なのです。

それでは、上記のように年収がアップする人にはどのような傾向があるのでしょうか。

2.転職によって年収がアップする人の4つの傾向

転職 年収

転職をすることで年収がアップする人には、ある一定の傾向があります。

それらを理解することで、あなたが転職で年収アップを狙うためのヒントになるのです。

本章では、dodaの「年収アップ転職に関する調査」を基に、転職によって年収がアップする人の傾向をデータを見ながら、解説していきます。

転職で年収アップする人の傾向は、まとめると次の通りです。

2-1.20代後半〜30代前半での転職で年収アップの可能性あり

20代後半〜30代前半は、転職によって年収がアップしやすい傾向にあります。

調査データによると、年収アップに成功した人が最も多かったのは、「28歳」で、次いで29歳、27歳、26歳となっており、20代後半で転職した人が、転職で年収をアップさせている傾向にあることがわかっています。

また30歳、31歳も20代後半ほどではないものの、年収アップを成功させた人が多い傾向にあります。

つまり、20代後半〜30代前半での転職は、年収をアップさせる絶好のチャンスなのです。

したがって、20代後半〜30代前半で「年収をアップさせたい!」と考えている人は、転職を検討してみてはいかがでしょうか。

2-2.年収アップに成功しやすい職種は「営業系」

年収アップに成功しやすい職種は「営業系」です。

「転職前の職種」別に年収アップを成功させた人の割合を見てみると、1位は「営業系」の32%で、その次に「技術系職種(IT/通信)」の18%となっており、特に、転職前に「営業系」の職種に就いていた人は、転職によって年収のアップに成功している人が多い傾向にあることがわかっています。

転職前の職種割合
営業系32.0%
技術系職種(IT/通信)18.0%
企画・管理系職種13.0%
技術系職種(機械/電気/組み込み)12.0%
専門職系6.0%
その他19.0%

転職において、特に「営業系」の職種に就いている人は、年収アップに有利であると言えるでしょう。

2-3.職種を変えずに未経験の業界へ転職すると年収アップを狙える

職種を変えずに未経験の業界へ転職をすると、年収アップを狙えます。

なぜなら汎用性の高いスキル・経験を持っていると、業界を変えて転職をしても、高い評価を得られるケースが多々あるからです。

例えば営業職では、商材である「モノ」や「サービス」が変わっても、前職で実績を上げた営業スキルを使えば、業界が変わっても実績を出すことができます。

特に「異業界/同職種」の転職が39%で一番多く、実際に、自身のスキルや経験を生かして異業界に転職し、転職を成功させている人が多い傾向にあることがわかります。

▼転職前、転職後の業種・職種の違い

業界/業種割合
同業界/同職種25%
同業界/異職種7%
異業界/同職種39%
異業界/異職種29%

つまり自分の積み上げたスキルや経験を活かして、未経験の業界へ職種を変えずに転職をすることで、年収アップを狙うことができます。

2-4.はじめて転職をする人は年収アップしやすい

はじめての転職をした人は、年収アップしやすい傾向にあります。

過去の転職回数別に年収アップに成功させた人の割合が、「0回」53%と半数以上を占め、その次に「1回」(26%)、「2回」(13%)となっています。

過去の転職回数割合
0回53%
1回26%
2回13%
3回以上8%

つまり転職は、はじめてのタイミングが圧倒的に年収アップしやすいのです。

また先述の通り、転職で年収アップに成功している人は、20代後半が多い傾向にあります。

それもあわせて考えてみると、新卒で入社した会社で、3〜6年ほどスキルや経験を積み上げてから転職をすると、年収アップに成功しやすいのです。

3.転職で年収をアップさせるための4つのポイント

転職 年収

ここまで転職によって年収アップを成功させている人の傾向を見てきましたが、実際にあなた自身が年収アップを狙って転職するためには、知っておくべきポイントがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.年収の水準が前職より高い業界へ転職する

転職によって年収をアップさせるためには、年収の水準が前職よりも高い業界へ転職しましょう。

3-1-1.年収の水準が前職より高い業界へ転職すると、年収アップが狙える理由

年収の水準が前職より高い業界へ転職すると、年収アップが狙える理由は、業界によって年収の相場が異なるからです。

より相場の高い業界や会社へ転職した方が、年収アップは狙えます。

例えば、前職でアパレル販売員として、300万円の年収を得ていたAさんが、未経験業界への転職を目指した場合です。

Aさんは転職活動を行い、メーカーのF社へ営業職として転職が決定しました。

このF社は、新卒の年収で400万円となっているため、Aさんは職種未経験であっても、新卒の年収400万円を下回る額になることはありません。

これは少し極端な例ではありますが、年収の水準が高い会社へ転職したために、未経験職種であっても、年収がアップした例です。

したがって、年収の水準が前職よりも高い業界へ転職することによって、年収アップが狙えるのです。

3-1-2.メーカー・金融・総合商社・IT/通信の業界は年収の水準が高くておすすめ

メーカーや金融、総合商社、IT/通信は、他業界と比べると年収が高い傾向にあり、業界の給与水準が高く、年収アップを狙った転職におすすめの業界です。

dodaの「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)」によると、10の業種分類別で最も平均年収が高いのは、「メーカー」で453万円でした。続いて、「金融」448万円、「総合商社」446万円、「IT/通信」444万円となっています。

▼平均年収ランキング

業種分類平均年収
メーカー453万円
金融448万円
総合商社446万円
IT/通信444万円
メディカル426万円
建設/プラント/不動産418万円
インターネット/広告/メディア407万円
専門商社406万円
サービス369万円
小売/外食353万円

出典:doda「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)

つまり業界の中ではメーカーが最も年収の水準が高く、年収アップを狙った転職におすすめの業界です。

また金融・総合商社・IT/通信も業界の中では年収の水準が高いほうなので、これらの業界への転職によって、年収アップを狙えます。

3-2.実力主義の会社へ転職する

実力や実績を評価する会社へ転職をすることで、年収アップを狙えます。

なぜなら、中途入社の人であっても、実績を出すことで評価され、その分給与に反映されるからです。

例えば年功序列の評価制度を取り入れている会社では、年齢や社歴が給与に反映されるため、中途入社をすると、どれだけ実績を出していても、給与に反映されにくくなっています

一方で実力主義の会社へ転職すると、自分のスキルや経験を生かして実績を出せば、それを会社が評価し、給与に反映してくれるのです。

実力主義の会社には、実績によって評価が下され、それによって給与が決まる会社、目標達成や実績を出すことで追加報酬を得られるインセンティブ制度を取り入れている会社があります。

年収アップを狙うのであれば、このような会社へ挑戦してみましょう。

実力主義かどうかはもちろん会社によりますが、実力主義が導入されている職種は、例えば以下の3つがあります。

  • 銀行・証券の営業
  • 製薬会社のMR、生活消費財メーカーの営業
  • ネットベンチャーの営業

3-3.自分のスキル・経験を活かせる業界・業種に転職をする

自分のスキルや経験を活かせる業界や業種に転職をすることで、年収アップさせることができます。

その理由は、自分が経験したことがない分野よりも、スキルや経験のある得意な分野で勝負をしたほうが、高い評価を得て、待遇が上がりやすくなるからです。

例えば、5年間システムエンジニアとして働いていた人が転職を考える場合、営業職として転職するのと、システムエンジニアとして転職するのとでは、転職先企業からの評価は、システムエンジニアとして転職をしたほうが高い評価を得られるのはわかりやすいですよね。

自分が蓄積させてきたそのスキルや経験を活かして転職したほうが、採用側から高い評価を得られて、その分年収に反映されるのです。

3-4.転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用して転職活動をすることで、年収アップを叶えることができます。

転職エージェントでは、それぞれの業界や職種の年収事情について詳しいため、どの会社を受けると、年収アップが狙えるのか、教えてもらうことができます。

また、実際に企業から内定をもらった際にも、年収事情に関する知識を使って、「このスキルや経験でしたら、◯◯万円は低いですよ」と、採用担当者と直接交渉をしてもらうことができるのです。

おすすめの転職エージェントは以下の3社です。

上記3社に相談をすると、年収アップのための相談ができるだけでなく、実践的な模擬面接を行なったり、面接での回答に対するアドバイスや、面接中の様子についても具体的にアドバイスをもらうことができます。

それでは1社ずつ解説をしていきます。

3-4-1.リクルートエージェント

リクルートエージェントは、転職支援実績No.1の転職支援サービスです。一般の求人サイトには掲載されていない10万件以上の非公開求人を持っているため、多くの選択肢からあなたにとって最適な転職先を選ぶことができます。

また、提出書類の添削、面接対策などサポート体制がしっかりしているので、時間がない人や転職経験があまりない人でも安心して転職活動をすすめられます。

3-4-2.マイナビエージェント

マイナビエージェントは、20代に信頼されている転職エージェントNO.1の転職支援サービスです。はじめての転職でも安心できるよう、キャリアアドバイザーが転職に関する疑問ひとつひとつに丁寧に答えてくれます。

また、各業界の転職事情に精通した専任アドバイザーによって、あなたにとって最適なキャリアプランを提案してくれるので、転職に失敗しにくくなります。

3-4-3.doda

dodaは、業界最大数の利用者数を誇る転職支援サービスです。dodaでは、キャリアアドバイザーが面談を行って、強みや適正から求人を導いてくれることもあるため「1人ではどうしていいか分からない」という人にもおすすめです。

また、企業に合わせた応募書類の添削や面接サポート、面接日程の調整、内定後の入社時期の調整などを行ってくれるので、安心して転職活動をすすめていくことができます。

4.知っておくべき2つの年収アップ交渉術

転職 年収

転職で年収アップをさせるためのポイントをご紹介しましたが、実際に企業と年収について交渉することで、年収をアップさせることもできます。

そこで本章では、以下2つの年収アップ交渉術をご紹介します。

4-1.給与交渉のタイミングは内定後に行う

企業との給与交渉のタイミングは「内定後」にしましょう。

内定後は、応募者が面接の時と比べると有利な立場になっているため、タイミング的におすすめです。

もし面接の段階で給与交渉を行った場合、採用担当者からは「お金のことしか考えていないな」という印象を与えてしまうので、企業からいい印象を持ってもらえず、選考の時点で落とされてしまいます。

一方で、内定後に給与交渉を行えば、企業側が「弊社の人材として欲しい!」と思っているタイミングなので、面接の時よりも有利な立場で交渉を進められ、条件を認めてもらえる可能性も高くなります。

4-2.希望年収の根拠を示す

年収をアップさせる価値のある人材であることを、人事担当者に根拠で示しましょう。

なぜなら、ただ「年収を上げてください」と伝えても、人事担当者は納得しないからです。

「なぜその希望年収になるのか」を、具体的な過去の実績を伝えて、納得してもらうことではじめて、人事担当者は年収を考え直してくれるようになります。

例えば、給与交渉で「50万円ほど年収をあげてもらえませんか?」と伝えるのと「前職は年収◯◯万円、御社での希望年収は◯◯万円です。前職では営業職として、独自の営業手法を駆使し、月平均10件の新規開拓を実現していました。御社に入社後には、ルート営業だけでなく、新たな顧客を開拓して、受注数、受注金額を大幅にアップさせることが可能です。」と伝えるのとでは、どちらが人事担当者から見て、給与交渉に応じようと思うかは明白で、後者ですよね。

年収交渉の際に企業に示すべき情報は、以下の通りです。

  • 過去の成果・実績
  • 入社後にどのような貢献ができるのか
  • もし他社で内定が出ていた場合には、その金額を引き合いに出しても良い

(他社の金額を出されると、企業は「より良い条件を提示し、他社に行かないようにしなければ!」と考え、他社よりも高い金額の給与を狙えます)

さらに、給与交渉の詳しいステップや、成功させるためのポイント、給与交渉時のNG行動などを知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

転職時の給与交渉完全ガイド|成功するための具体策やポイントを解説

5.年収アップを狙って転職する際の2つの注意点

転職 年収

ここまで、年収アップをするためのポイントや、企業との交渉術を解説しましたが、年収アップばかりを狙っているとその影にあるリスクに気づけません。

そこで年収アップを狙って転職する場合の注意点を解説していきます。

それでは詳しく見ていきましょう。

5-1.長い目で見て現職より年収がアップするのかを比較する

長期的な視点で考えた際に、現職よりも年収がアップするのかどうかを比較しましょう。

今の段階では年収アップをして得をした気になりますが、長い目で見てみると損をしてしまう可能性があるからです。

例えば「現職より100万円上乗せした年収でいかがですか」という提案は、非常に魅力的に見えます。しかし、その後の昇給が少ないと、10年後には現職よりも年収が少なくなってしまう、ということにもなりかねません。

一方で現職と同じ金額で年収が決まった場合でも、その後の昇給ペースが早いために、結果的に年収はアップするということもあります。

したがって目先の金額だけにとらわれず、長期的視点で年収をみるようにしましょう。

その後の昇給ペースを知る方法は、求人情報に記載がある場合もありますが、「昇給年1回」という記載のみで、実際に毎年昇給をしていくのか、評価によっては昇給がない場合もあるのかについては、記載がない場合が多いです。企業に直接、確認をすると良いでしょう。

5-2.会社の風土を確認しておく

年収額だけでなく、会社の風土を確認することも怠らないようにしましょう。

なぜなら年収アップのことばかり考えて、入社後に「会社の雰囲気が合わない」という理由で早期離職してしまう可能性があるからです。

例えば、現職よりも100万円年収がアップすることが魅力的で、入社を決めたけれど、実際にその会社で働いてみると、体育会系で上下関係が厳しい雰囲気についていけず、結局早期で退職をする、ということになりかねません。

会社の風土を確認するためには、直接会社を見学させてもらう機会を設けるのがベストです。

しかし、全ての企業が会社を見学させてくれるわけではないため、企業の雰囲気や従業員の評価が掲載されているサイトを参考にするのも良いでしょう。

おすすめは、エン・ジャパン株式会社の「エンライトハウス」です。

社員のクチコミが掲載されており、良い面・悪い面のどちらも知れるサイトになっています。

ただしどの会社であっても悪い口コミを書く人が多く、全部鵜呑みにすると、入社意欲が下がってしまうので、参考程度にするようにしましょう。

6.まとめ

この記事では転職によって年収アップしている人の傾向や、年収アップのためのポイント、年収交渉術、年収アップを狙って転職する際の注意点を解説しました。

ここで改めてこの記事のおさらいをしましょう。

◆転職によって年収を上げている人は多い

◆転職によって年収がアップする人の4つの傾向

  • 20代後半〜30代前半での転職で年収アップの可能性あり
  • 年収アップに成功しやすい職種は「営業系」
  • 職種を変えずに未経験の業界へ転職すると年収アップを狙える
  • はじめて転職をする人は年収アップしやすい

◆転職で年収をアップさせるための4つのポイント

  • 年収の水準が前職より高い業界へ転職をする
  • 実力主義の会社へ転職する
  • 自分のスキル・経験を活かせる業界・業種に転職をする
  • 転職エージェントを利用する

◆知っておくべき2つの年収アップ交渉術

  • 給与交渉のタイミングは内定後に行う
  • 希望年収の根拠を示す

◆年収アップを狙って転職する際の2つの注意点

  • 長い目で見て現職より年収がアップするのかを比較する
  • 会社の風土を確認しておく

 

この記事が転職活動において参考になれば、幸いです。

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