28歳は転職市場価値が高い!その理由と成功のポイントを解説

「28歳の今、これからのキャリアを考えると転職したほうがよさそうだけど、どうなのだろうか?」
「ライフイベントを考えると仕事と両立するために転職した方が良い気がするけど、28歳という年齢を考えると遅いだろうか?」

新卒で入社していれば社会人5年目前後である28歳。仕事にも慣れてきて、これからのキャリアやライフイベントを考えた結果、転職を検討し始めている方も多いでしょう。でも年齢上、転職できないかもしれないと思うと一歩踏み出すのは不安ですよね。

結論からいうと、28歳での転職は遅くありません。むしろ転職市場ではニーズが高い年齢といえます。なぜなら、次の理由から企業にとって魅力的な人材になり得るからです。

  • 即戦力として期待できる
  • 伸びしろも見込める
  • リーダー候補として期待できる

しかし28歳は転職市場ではニーズが高いとはいえ、転職に成功しやすい人と失敗しやすい人に分かれます。

同じ28歳でも人によっては転職できるかどうかが分かれるため、転職に成功しやすい人と失敗しやすい人の特徴を理解した上で、転職するかを判断することが重要になります。

この記事では、28歳での転職を検討している方のために以下の内容をまとめて説明していきます。

  • 28歳の転職市場価値
  • 28歳で転職した人の体験談
  • 28歳での転職に成功しやすい人と失敗しやすい人
  • 28歳で転職を成功させるポイント
  • 28歳で転職を考えるときに知っておくべきこと

28歳ともなると、今後のキャリアやライフイベントを見据えた働き方を考えるようになり、悩むことも多くなるでしょう。本記事が28歳の皆さんがどのようにキャリアを積んでいくかの手助けとなれば幸いです。

1. 28歳は転職市場でニーズが高い!その3つの理由

冒頭でも説明した通り、28歳は転職市場でニーズが高い年齢といえます。その理由は、企業から次のように見られるからです。

  • 即戦力として期待できる
  • 伸びしろも見込める
  • リーダー候補として期待できる

1-1. 即戦力として期待できる

企業から見る28歳の転職希望者は、即戦力として期待できる人材です。

新卒で入社していれば、28歳は社会人6年目前後です。社会人6年目前後の場合、社会人としての基本的なビジネススキルだけでなく、職種に対する知識やスキル、実績もある程度持っていると見込むのです。

実際、企業は中途採用者に即戦力を求めます。厚生労働省が不定期に実施している「転職者実態調査」の最新版(平成27年度)によると、転職希望者の採用理由として最も多く挙がっていたのが「経験を活かし即戦力になるから」でした。

28歳と同じ20代後半の27歳にも即戦力を期待するところもありますが、ある程度実務経験はあっても職種によっては経験・実績不足と見なされることがあります。転職後すぐに即戦力となって活躍してくれることを期待できるのは、豊富な経験を持ち、実績も出していることが多い28歳といえます。たった1歳の差ではありますが、企業の「即戦力を期待する」というニーズに応えているのが28歳の転職希望者なのです。

1-2. 伸びしろも見込める

28歳は「伸びしろも見込める」と期待されることもあります。

社会人5年目前後の28歳の場合、28歳より若い20代と30歳以降と比べると、以下のような特徴があります。

  • 会社の色に染めやすい
  • 柔軟性を見込める
  • 教育に手間がかからない

28歳は、同業種への転職にしろ未経験職種への転職にしろ、高い即戦力とマネジメント経験を求められる30歳になるまで2年あります。人によっては自分なりの仕事のやり方が確立していないため新しい環境に適応できる一方で、ある程度の実務経験があるため早く業務を覚えてくれる可能性が高いと企業は期待するのです。

28歳の1つ上である29歳は、たった1歳差ではありますが伸びしろを見込んで採用されることは少なくなります。28歳は、伸びしろを期待される最後の年齢といっても過言ではないのです。

1-3. リーダー候補として期待できる

28歳となると、中には後輩や新人の教育を担ったり、リーダーやマネージャーといったポジションでチームをまとめたりする立場にいた人もいるでしょう。企業からすると、こうした28歳の転職希望者は将来のリーダー候補、もしくは管理職候補として期待できる魅力的な人材に映ります。

28歳より1つ下の27歳の場合、後輩への指導を経験していることも増える年齢のため「将来のリーダー候補として期待できる」と企業は考えますが、人によっては経験不足でリーダーシップスキルを育成しなければなりません。リーダーシップを発揮した経験、そしてリーダーのポジションに就くこともある28歳の方が将来のリーダー候補として期待できるのです。

30歳以降になると、マネジメント経験は必須です。実務経験があっても、マネジメント経験のない30歳以降の転職希望者を中途で採用しようとは考えません。そんな30歳以降の転職希望者と28歳の時点でリーダーシップを発揮した経験のある人のどちらを採用するかといったら、後者なのです。

2. 28歳は異業種・未経験職種への転職もしやすい

28歳で転職を考えている方の中には、異業種・未経験職種への転職に興味がある方もいるでしょう。しかし28歳という年齢上、「28歳で新しい仕事に就くのは遅いのではないか?」と不安に感じますよね。

職種によりますが、28歳であれば異業種・未経験職種への転職もしやすいといえます。「1. 28歳は転職市場でニーズが高い!その3つの理由」でも説明した通り、異業種でも職種が同じであれば即戦力、未経験職種の場合は伸びしろを期待されて採用してくれる可能性があるからです。

28歳を過ぎても異業種・未経験職種へ転職できないわけではありませんが、ラストチャンスは29歳となります。30歳になった途端に、異業種・未経験職種への転職は難しくなるからです。もし今、携わってみたい異業種・未経験職種があれば、28歳のうちに転職するのがおすすめです。

未経験職種に転職するときに押さえておきたいポイントは「ジョブチェンジの難易度は?成功しやすい人と転職のポイントを解説」で詳しく説明しています。転職活動を始めるときに、ぜひ参考にしてください。

3. 28歳女性も転職市場でニーズがある

28 歳 転職

女性の場合、28歳となると近いうちに結婚や出産といったライフイベントを控えている方も多いでしょう。仕事とプライベートのバランスを考えて、28歳で転職したいと考えている方もいるかもしれませんね。

しかし、こうしたライフイベントを迎えやすい年齢である28歳女性の転職希望者は、企業にとってニーズがあるのか不安に感じますよね。

結論からいうと、28歳女性も転職市場でニーズがあります。男性女性関係なく企業は以下のような28歳ならではの素質を期待しているためです。

  • 即戦力として期待できる
  • リーダー候補として期待できる

また、一般的にライフイベントを迎えるのは30歳前後のため、企業は30歳になるまでの約2年で業務を覚えてくれるのでは?とも期待します。28歳を過ぎて29歳になってしまうと、企業からは「ライフイベントを機に入社後すぐに休職してしまうのでは?」と懸念されることも少なくありません。

ただ、企業にはライフイベントを考慮した明確なキャリアプランを示さないと、転職に失敗しやすくなります。詳しくは「7-5. ライフイベントを控えていれば明確なキャリアプランを描く」で説明するので、転職活動前にご覧ください。

28歳の今、ライフイベントを考慮して転職したいと考えていたら、転職ニーズが高い29歳になる前に動くのがおすすめです。

4. 28歳での転職体験談

28歳は転職市場でニーズが高いとはいえ、実際のところはどうなのか気になりますよね。ここで、28歳で転職をした人の体験談を見てみましょう。

こちらは、同業他社に転職をした方です。仕事の難易度は同じでも、転職によって労働環境と収入に変化を感じたようですね。キャリアアップを求めて転職に成功した事例といえます。

こちらは、周囲に反対されながらも28歳で転職をした方です。「転職先はチャンスをくれた」とあり、ポテンシャルを見込まれて転職できた事例といえます。

こちらは、未経験職種へ転職した方です。職種に就くために猛勉強した結果、「面接を受けた6社中4社から内定をもらった」とありますね。職種への熱意を行動に移し、その行動を評価されて転職に成功した事例といえるでしょう。

5. 28歳で転職に成功しやすい人

28歳は転職市場でニーズが高いとはいえ、人によっては転職に成功しやすかったり、反対に失敗しやすかったりするのが事実としてあります。

28歳での転職に成功しやすいのは、次のような人です。

  • 前職での経験や実績を具体的に示せる
  • 新しいことに対して柔軟に前向きに取り組める
  • リーダーとしての素質がある

5-1. 前職での経験や実績を具体的に示せる

前職での経験を転職先でどのように活かせるのか、具体的な経験や実績を示せる人は転職に成功しやすいといえます。

28歳は、携わっている職種の知識やスキルが十分にある上、実績を残せていることも多い年齢です。28歳より若い年齢の場合、業務経験はある程度あっても実績までは残せていない場合もあります。同じ実務経験はあっても実績のない人と実績のある人と比べたとき、企業が魅力的に感じるのは後者です。

実績なし実績あり

ルート営業(既存顧客訪問・顧客の要望ヒアリング・アフターケア)

  • ルート営業(既存顧客訪問・顧客の要望ヒアリング・アフターケア)
  • 〇〇支店の営業X名の中で年間売上実績2位

もちろん、企業は実績だけで転職希望者を評価するわけではありませんが、会社への貢献度を考えると実績のある人に期待を寄せます。

このため、同じ職種で同業他社への転職であれば有利となります。異業種であっても携わる職種の性質に大きな差はないため、経験や具体的な実績を示せると「将来的に貢献してくれそう」と企業に思われやすくなります。

今の仕事で実績を残せている場合は、面接で具体的にアピールできるようにしておきましょう。

5-2. 新しいことに対して柔軟に前向きに取り組める

「1. 28歳は転職市場でニーズが高い!その3つの理由」でも説明した通り、企業は28歳の転職希望者に対して伸びしろを見込んで採用することがあります。同業種へ異業種への転職、未経験職種への転職のいずれの場合でも、新しいことに対して柔軟に、前向きに取り組める人が成功しやすいです。

ある程度の社会人経験を積んでいる28歳であれば、自分の考えに基づいて仕事をしている人もいるでしょう。もちろん、それは自分の仕事に対するスタンスが確立されている証拠なので、悪いことではありません。

しかし、今までの職場でやってきたことは、新しい職場でも通用するわけではありません。新しい職場に転職するのであれば、その職場の方針や考え方を受け入れるべきです。今の仕事でやってきたことをそのまま転職先でも変えずに取り入れていると、「柔軟性がない」とマイナスな評価をされかねません。

せっかく企業は28歳に対し「伸びしろがある」と期待するのですから、新しいことに対して柔軟に、前向きに取り組む姿勢を見せることが大切になります。

5-3. リーダーとしての素質がある

どんな業種・職種でも、30歳を過ぎるとチームをまとめるリーダーやマネージャーといったポジションに就くことが多くなります。企業は、28歳の転職希望者に即戦力と伸びしろを見込んで採用する傾向にありますが、将来のリーダー候補としても期待するため、その素質があると転職に成功しやすいです。

28歳より若い年齢は、人によっては業務経験はあってもリーダーシップを発揮した経験は十分ではなく、リーダーとしての素質があるかどうかが分からない場合があります。28歳であればリーダーシップを発揮することも多くなるため、転職時に「リーダーとしての素質がある」と見込まれれば有利に働きます。

今の職場で、リーダーやマネージャーといったポジションに就いていたり、管理職の経験があったりする場合は企業にアピールすると良いです。特定のポジションに就いていなくても、チームをまとめた経験や新人の育成に関わった経験があれば、企業は好印象を持ちます。

6. 28歳の転職で失敗しやすい人

反対に、次のような人は28歳での転職に失敗しやすいです。

  • 自己分析をしっかり行っていない
  • 企業研究を怠っている
  • 転職後のキャリアプランを描けていない

6-1. 自己分析をしっかり行っていない

自己分析をしっかり行っていない人は、転職に失敗しやすいです。

28歳という年齢は、企業にとっては即戦力と伸びしろの両方を期待でき、育てやすい人材です。この企業が得られるメリットを活かせる28歳のうちに行動をしないと、転職が難しくなる30歳近くになってしまい、取り返しがつかなくなる恐れがあります。

そのため、28歳は今後のキャリアを決めるのに重要な年齢です。仕事を通して以下のような自己分析をしっかり行わないと、ミスマッチが生まれてしまいます。

  • これからどんなことを実現したいのか?
  • どんなキャリアを積んでいきたいのか?

業務経験が6年前後あり、ある程度の社会人経験があると「自己分析をしなくても自分のことは分かっている」と感じる方もいるかもしれません。しかし、自己分析をしっかり行わなかったが故に、転職後にミスマッチを感じたまま仕事をしていてはモチベーションが上がらず、キャリアにも悪影響を及ぼします。

自己分析を入念に行うことは、自分に本当に合う企業を見つけ、長く働くために重要です。

6-2. 企業研究を怠っている

転職したい業種や職種については入念に調べるものの、企業についてしっかり調べることを怠る人も少なくありません。企業研究を怠っていると採用に不利になるのはもちろん、仮に入社できたとしてもその後のキャリアに悪影響を及ぼします。

具体的にどのような悪影響があるのかというと、主に会社とのミスマッチです。企業研究をしっかり行えば、以下のような業務内容や労働条件などのミスマッチを回避できます。

  • 「思い描いていた仕事とは違った…」
  • 「育休取得の実績がなくて休職しづらくなった…」

ミスマッチが発生してしまったら不都合になるばかりなので、再度転職することも検討しなければなりません。

28歳は、転職が難しくなる30歳を目前にした年齢です。ミスマッチに気づいて30歳になる前に転職をするにしても、短期間で離職して転職をすると企業からはネガティブなイメージを持たれてしまいます。

今後のキャリアを順調に形成していくためにも、企業研究は大切です。

6-3. 転職後のキャリアプランを描けていない

28歳は、高い即戦力を求められる30歳になるまでの2年間での伸びしろを見込まれて採用されることがあります。しかし、転職後のキャリアプランを描けていない人は転職に失敗しやすいです。

企業は、28歳の転職希望者には伸びしろと同時に、会社への貢献度も期待します。将来はキャリアアップをして管理職を担い、実績を残す人材を育てる人も求めているのです。入社後に以下のような明確なキャリアプランがないと、仕事に対するモチベーションが上がらず、スキルアップはもちろん、キャリアアップも見込めなくなります。

  • どのくらいでスキルアップをして、どのような業務に就いているのか
  • 何年後にどんなポジションに就いて会社に貢献していきたいか

企業にも「やる気がない」とマイナスな評価をされてしまいます。

「スキルアップしたい」「キャリアアップしたい」「成長したい」ではなく、以下のように具体的なキャリアプランを描くことが、28歳での転職を成功させるポイントになります。

  • 入社後2年間で〇〇の知識を習得する
  • 入社後10年以内に〇〇のポジションに就いて、〇〇の能力を得る

転職を成功へとつなげるキャリアプランについては、「キャリアプランとは?作り方から面接での答え方・注意点まで解説」を読んでみてください。曖昧なキャリアプランとの違いを理解できます。

7. 28歳で転職を成功させるポイント5つ

28歳で転職に成功しやすい人と失敗しやすい人を理解して、転職しようと判断した人もいれば、転職は向いていないかもしれないと感じた人もいるでしょう。

しかし、転職は向いていないかもしれないと感じても、特に次の5つのポイントを踏まえて転職活動をすれば、28歳で転職できる可能性は残っています。

  1. 自己分析をしっかり行う
  2. 前職の活かせる経験を説明できるようにする
  3. ポータブルスキルを具体化する
  4. 即戦力と伸びしろをアピールできるようにする
  5. ライフイベントを控えていれば明確なキャリアプランを描く

転職をしようと決めた方も、ぜひ参考にしてください。

7-1. 自己分析をしっかり行う

28歳は今後のキャリアを決める重要な年齢と説明しました。

自分に合う企業を探し、転職先で以下のポイントを描き、企業に活躍する姿をイメージしてもらうためにも自己分析はしっかり行いましょう。

  • どのようなことをやりたいのか / 実現したいのか
  • どのようにキャリアアップしていきたいのか

以下が自己分析で考えるべきことの例なので、参考にしてみてください。

考えるべきこと具体例
転職して実現したいこと(転職する理由)
  • 収入を増やしたい
    → なぜ増やしたいのか?いつまでにどのくらい増やしたいのか?まで深掘りする
  • 不動産業で営業の仕事がしたい
    → なぜ不動産業なのか?他の業界の営業はどうなのか?まで深掘りする
自身の行動傾向
  • モチベーションが高まるのはどんなときか?
  • どんなことをするのが苦手か?
  • 課題に対して挑戦的に立ち向かうか?慎重に解決していくか?
これまでのキャリア

今の職場に入社してからのキャリアと発揮したスキルによって得られた実績を棚卸しする

  • 20XX年:〇〇支店に異動。実績のある先輩のノウハウを取り入れて、X件の成約を実現
自分の強み

強みを裏付けるエピソードを交えると説得力が増す

  • 強み:何事も諦めずに継続すること
  • エピソード:実績のある先輩のノウハウを3ヶ月以上に渡ってコツコツ続けた結果、お客様との関係構築に成功し、顧客満足度で〇〇支店の中で1位を獲得した

ただ、自己分析を行ったらそれで終わりにしてはなりません。企業が求める人材像と照らし合わせて、分析結果をどのように活かせるかも考えることも重要です。自分の能力が企業のニーズとマッチしているかの確認ができますし、大きな差があれば他の企業を探すこともできるのでミスマッチを防げます。

転職先で長く働くためにも、自己分析を入念に行うことは大切なのです。

ただ、自己分析には時間を要するため面倒に感じ、おろそかになってしまう方も多くいます。そんな自己分析を正しく、かつ簡単に行える方法として活用したいのが、自己分析ツールやアプリです。

「転職 自己 分析」では、転職活動における自己分析に便利なツール15選を紹介しています。忙しい中でも自己分析を正しく行って、転職を成功させたい方はぜひ参考にしてください。

7-2. 前職の活かせる経験を説明できるようにする

28歳で同業種へ転職するときは、面接のときに前職の活かせる経験を具体的に説明できるようにしておくと採用へ有利となります。

ただ、今の仕事の経験だけのアピールでは十分ではありません。転職先でどのように活かせるのかも示すことが重要になります。転職希望者が企業でどのように活躍してくれるのか、企業はイメージしやすくなるからです。

たとえば、今保険業界の営業職に就いていて、今同じ職種で同業他社へ転職する場合、次のようなアプローチができます。

経験・実績生かせること

成果を出している先輩から得たノウハウを3ヶ月間試行錯誤しながら取り入れた結果、〇〇支店〇名の中で顧客満足度1位を獲得

根気強く継続できる能力が、お客様のパートナーとして頼っていただける関係性を築くのに生かせる

実績は、説得力を持たせるために具体的な数字で示しましょう。数字で示さないと、その実績がどのくらい魅力的なのかが伝わりません。

転職先で活かせることを考えるときは、その企業の事業や業務内容、転職希望者に求める人材像を考慮することが大切です。今持っている経験と実績が企業にマッチしていないと知られれば、「企業研究を怠っている」とマイナスな評価をされて、採用へ不利になりやすいので注意しましょう。

転職を希望する企業へ貢献できる人材であることをアピールするためにも、前職の活かせる経験を説明できるようにしておくことは大切です。

7-3. ポータブルスキルを具体化する

28歳で未経験職種へ転職する場合、どんな業種・職種にも通用する「ポータブルスキル」をアピールすると採用される可能性が高まります。

ポータブルスキルは「仕事のやり方」と「人との関り方」の2つに分かれており、次のような構成で成り立っています。

【仕事のやり方】

成果をあげるために重要な行動職務遂行上、特に重要であるもの
課題を明らかにする現状の把握課題設定に先立つ情報収集の方法や内容、情報分析など
課題の設定方法設定する課題の内容(会社全体、事業・商品、組織、仕事の進め方の課題)
計画を立てる計画の立て方計画の期間、関係者・調整事項の多さ、前例の有無など
実行する実際の課題遂行本人の役割、スケジュール管理、関係者、柔軟な対応の必要性、障害の多さ、成果へのプレッシャー
状況への対応柔軟な対応の必要性、予測のしやすさ

【人との関わり方】

対人マネジメントで重要なこと職務遂行上、特に重要であるもの
社内対応(上司・経営層)指示に従う必要性、提案を求められる程度、社内での役割期待など
社外対応(顧客・パートナー)顧客、取引先、対象者の数、関係の継続期間、関係構築の難易度など
部下マネジメント(評価や指導)部下の人数、評価の難しさ、指導・育成が必要なポイントなど

※厚生労働省「“ポータブルスキル”活用研修」を元に作表

上記の表を見て、自分に備わっているスキルもあると分かった方もいるのではないでしょうか?

28歳であれば、以下のようなスキルがあるといえます。

  • 「仕事のやり方」全般のスキル
  • リーダー経験があれば「人との関り方」の「部下マネジメント(評価や指導)」

特にリーダーシップスキルは、28歳より若い年齢の転職希望者と差別化できることです。今持っていない職種の知識やスキルのハンデは、事前に勉強をしたり、30歳になるまでの2年間で業務を経験したりすることで埋め合わせることも不可能ではありません。

ポータブルスキルは、具体的に言語化して説明できるようにしておくと説得力が増します。経験と実績、そして転職先でどのように活かせるのかを示せるようにしましょう。

【言語化したポータブルスキルの例】

ポータブルスキル経験・実績生かせること
部下マネジメント(評価や指導)
  • チームメンバー〇人をまとめる役割
  • 売り上げ目標達成のための話し合いを定期的に設けて目標を達成

チームメンバー全員を巻き込んで話し合えるコミュニケーションスキルが、チームメンバーとの信頼関係を築いて会社へ貢献するのに生かせる

7-4. 即戦力と伸びしろをアピールできるようにする

「1. 28歳は転職市場でニーズが高い!その3つの理由」で説明した通り、28歳の強みは即戦力と伸びしろがあるところです。面接のときに、即戦力と伸びしろの両方をアピールできるようにしておくと採用に有利となります。

即戦力と伸びしろの両方を説明するポイントとしては、以下の2つがあります。

  • これまでの仕事で残した実績をエピソードを踏まえて示す
  • 今不足している知識やスキルをどのように伸ばしていくかを示す

7-4-1. これまでの仕事で残した実績をエピソードを踏まえて示す

即戦力をアピールするために必要なことです。

即戦力をアピールするときは「〇〇という業務を経験してきたため、入社後すぐ貢献できます」という、業務経験と意欲になりがちです。しかし、転職を希望する企業へは多くの応募者がいることも予想されるため、こういった人たちと差別化をしなくてはなりません。

企業の印象に残りやすくするためには携わってきた業務と意欲だけでなく、その実績をエピソードを踏まえて示すと具体的にどのような場面で能力を発揮してくれるのかが、企業にとって分かりやすくなり印象に残りやすくなります。

採用へ有利に働かせるために、これまでの仕事で残した実績をエピソードを踏まえて示しましょう。

7-4-2. 今不足している知識やスキルをどのように伸ばしていくかを示す

伸びしろをアピールするのに必要なことです。

28歳には伸びしろがあると見なされますが、どのくらい伸びしろがあるかは企業に伝わっていません。同業種・未経験職種に関わらず、今不足している知識やスキルをどのように伸ばしていくかを説明できるようにしておくと、企業は入社後の成長具合をイメージできるようになり、説得力が増すのです。

既に業種や職種に関する勉強を始めていたり、資格を取得していたりしたら、その旨を伝えると良いでしょう。

伸びしろがあることをアピールするために、今不足している知識やスキルをどのように伸ばしているかを具体的に示しましょう。

【即戦力と伸びしろのアピール例(不動産営業から保険会社営業への転職の場合)】

前職では戸建ての注文住宅の営業に従事し、新規顧客開拓から売上管理までの業務を一貫して担ってきました。20XX年度には前年比〇%の売上アップ、顧客満足度も社員X名のうち1位を獲得しました。

業務ではお客様のニーズを引き出して、そのニーズに合う提案を丁寧に行うことを心がけました。また、お客様との何気ない会話からもニーズを汲み取ることも実践し、そこから得た情報をもとにお客様に合うご提案をしたり、提案方法も柔軟に変えてきました。結果としてお客様との信頼関係を築けて、お客様にとって納得の行く住宅をご購入いただけるようになり、それが20XX年度の実績につながったと感じております。

御社でもお客様に合う提案ができる能力を発揮できると考えておりますが、さらにお客様に寄り添ったご提案ができるようにファイナンシャルプランナーの資格を取得するための勉強をしております。保険業界は未経験ながら御社のお役に立てるのではと考えておりますので、ご縁がありましたら前職での経験と資格の知識を活かして、貢献していきたいと思います。

7-5. ライフイベントを控えていれば明確なキャリアプランを描く

28歳女性の転職希望者の中には、結婚を控えている方もいるかもしれませんね。あるいは既に結婚していて、将来的育児に関わる方もいるでしょう。こうしたライフイベントを控えている場合は、それを踏まえた明確なキャリアプランを描くことが大切です。

あいまいなキャリアプランだと、転職をして仕事を覚えきれていないときに出産や育児といったライフイベントが訪れて、産休や育休に入らなければならなくなるかもしれません。企業にとっても予想外となり、活躍を見込んで採用したにも関わらず、その人材の育成プランも改めて考え直さねばならなくなります。

  • 入社後3年前後で仕事を覚えて、ライフイベントに備える
  • 産休・育休後、〇年以内に〇〇のスキルを身に付ける
  • 産休・育休から復帰したら、〇年以内に〇〇のポジションに就く

以上のように、ライフイベントを考慮した具体的なキャリアプランを立てることをおすすめします。

キャリアプランの作成方法について詳しくは「キャリアプランとは?作り方から面接での答え方・注意点まで解説」でも説明しています。こちらも参考にしながら、キャリアプランを描いてみてください。

8. 28歳で転職を考えるときに知っておくべきこと

ここまで説明してきた通り、28歳の転職市場はニーズが高いためポイントを押さえれば転職しやすいといえます。

ただ、スキルや実績不足などの理由で不安要素があるが故に、28歳を過ぎてから転職を考えるのは注意が必要です。28歳を過ぎると企業から厳しい目で見られ、転職が難しくなるのが現実としてあるからです。

たとえば、29歳と30歳以降で転職活動をすると、企業からは次のような見られ方をされます。

29歳30歳以降

【良い見られ方】

  • 即戦力がある
  • リーダー候補として期待できる

【厳しい見られ方】

  • 実績がなければ即戦力を期待できない
  • ライフイベントを機にすぐ休職・退職してしまわないか

【良い見られ方】

  • 即戦力を期待できる
  • 入社後、すぐにマネジメント職を担える

【厳しい見られ方】

  • 伸びしろでの採用を見込めない
  • 年齢的に熱意だけでは受け入れられない

30歳以降になると、28歳では評価される伸びしろを見込んで採用されることは少なくなります。現場に入ったら、即戦力とマネジメント経験を活かすことが求められるのです。同業種への転職であれば有利になる場合がありますが、未経験職種を希望する場合は転職が叶わない恐れがあることは念頭に置きたいところです。

29歳は30歳になる1つ前の年齢ですがまだ20代ということもあり、転職希望者を受け入れる企業もあります。ただ、30歳以降の転職希望者と同様、伸びしろでの採用は少なくなる傾向にあります。未経験職種を希望する場合は、その職種に対する熱意を行動に移せば採用に有利に働くことがあります。29歳での転職はどうなのか、詳しくは「29歳の転職は難しい?実情とパターン別の成功ポイントを解説」で説明しているので、気になる方はご覧になってみてくださいね。

たった1歳・2歳の違いですが、転職の結果は大きく左右されます。転職を強く希望する場合は、転職をする年齢を慎重に見極めるようにしましょう。

9. 28歳の転職で活用したいおすすめの転職エージェント

企業からのニーズが高い28歳ですが、初めて転職をする場合は不安なことも多いでしょう。転職に失敗してしまうと今後のキャリアに影響してしまう年齢だからこそ、転職活動は成功させたいですよね。

1人での転職活動が不安な場合は、転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントを活用すると、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれたり、給料交渉を代理で行ってくれたりと、転職活動を初めて行う方にとって嬉しいサポートを受けられます。

転職エージェントを利用するのに費用は発生しません。転職に必要なサポートを無料で受けられるのは、転職エージェントならではの魅力です。

転職エージェントは多くありますが、20代の転職希望者におすすめな転職エージェントは次の3つです。

転職エージェントは1つのみ利用するのではなく、複数活用すると自分に合うエージェントを見つけやすくなります。利用料は発生しないので、この機会にいくつか活用してみてください。

9-1.リクルートエージェント

出典:リクルートエージェント

リクルートエージェントは、転職支援実績No.1を誇る総合転職エージェントです。

一般の求人サイトでは公開されていない非公開求人を約10万件持ち、幅広い選択肢から自分に合う企業を選べるのが特徴です。

業界の採用事情に詳しいキャリアアドバイザーが転職希望者のスキルに合った求人を紹介してくれるため、自分に合う仕事を探しやすいのが魅力です。

同業種から未経験職種まで、自分の可能性を広げて転職活動をしてみたい方はリクルートエージェントトへ登録してみてはいかがでしょうか。

9-2.マイナビエージェント

出典:マイナビエージェント

マイナビエージェントは、主に20代の転職希望者からの支持が高い転職エージェントです。

各業界の転職市場に詳しい「キャリアアドバイザー」と企業のリアルな情報を知り尽くしている「リクルーティングアドバイザー」の2名体制で、転職活動をサポートしてくれます。転職希望者の都合に合わせて土曜日や夜間にも相談に乗ってくれるため、今の仕事を続けながら転職活動ができます。

忙しい日々の中でもスムーズに転職活動を進めたい方は、マイナビエージェントへ登録してみてはいかがでしょうか。

9-3.doda

出典:doda

dodaは、業界最大級の求人数を持つ総合転職エージェントです。

非公開求人を含めた求人が約10万件あり、その中から専任のキャリアアドバイザーが転職希望者の強みや可能性を見極め、企業の人事と同じ目線で求人を紹介してくれるのが魅力です。

履歴書や職務経歴書の添削、面接の対策はもちろん、キャリアプランを一緒に考えてくれたり、勤めている会社を円満に退職するためのノウハウも教えてくれたりと、利用者の快適な転職活動をサポートしてくれます。

転職が初めてでどのように動けば良いか、分からないことも多く不安な方は、dodaへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。

10.まとめ

28歳は、企業から以下のように好意的に見られる傾向にあるため、転職市場ではニーズが高いといえます。

28歳が転職市場でニーズが高い理由

  • 即戦力として期待できる
  • 伸びしろも見込める
  • リーダー候補として期待できる

ただ、人によっては28歳での転職に成功しやすかったり、失敗しやすかったりします。

成功しやすい人失敗しやすい
前職での経験や実績を具体的に示せる自己分析をしっかり行っていない
新しいことに対して柔軟に前向きに取り組める企業研究を怠っている
リーダーとしての素質がある転職後のキャリアプランを描けていない

企業からのニーズが高い28歳での転職を成功させるには、特に以下のポイントを踏まえて転職活動することが大切になります。

  1. 自己分析をしっかり行う
  2. 前職の活かせる経験を説明できるようにする
  3. ポータブルスキルを細分化する
  4. 即戦力と伸びしろをアピールできるようにする
  5. ライフイベントを控えていれば明確なキャリアプランを描く

企業にとって魅力的に映る28歳のうちに転職できるよう、しっかり対策をして転職活動に臨みましょう!

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どのようなキャリアを積み、自分の人生に役立てていくかを、常日頃からイメージしておくとよいでしょう。
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