
「29歳での転職はどうなのだろう?年齢的に遅いだろうか?」
社会人7年目前後で職場では将来の管理職候補として期待される一方で、結婚や出産といったライフイベントを迎えることが多い29歳。仕事とプライベートとのバランスを目指して転職したいと思っても年齢的に可能なのか、分からないですよね。
結論からいうと、29歳で転職するのは不可能ではありませんが、転職が成功しやすいラストチャンスと考えた方が良いです。後述しますが、30歳以降になると以下のように企業の転職入職者率(従業員数に対する転職者数の割合)が男女共に5%前後に下がるからです。
【年齢階級別転職入職率(平成29年)】
| 年齢階級 | 男性 | 女性 |
| 20~24歳 | 14.1% | 14.7% |
| 25~29歳 | 15.4% | 17.2% |
| 30~34歳 | 10.2% | 13.0% |
| 35~39歳 | 8.9% | 11.7% |
※厚生労働省「平成 29 年雇用動向調査結果の概況」を元に作表
ただ、29歳は転職が成功しやすいとはいえ、以下のように転職が成功しやすい人と失敗しやすい人がいるため、転職の判断には慎重になる必要があります。
そこでこの記事では、29歳で転職を考えている方のために以下の内容をまとめて説明します。
- 29歳の転職実情
- 29歳の転職希望者に対する企業の見方
- 29歳で転職した人の体験談
- 29歳での転職に成功しやすい人と失敗しやすい人
- パターン別の29歳で転職を成功させるためのポイント
この記事を読めば、29歳で転職すべきかを判断いただけるようになるので、ぜひ参考にしてください。20代最後の年齢での転職に悩むことも多いと思いますが、後悔のないキャリアを選ぶための参考になれば幸いです。
目次
1. 29歳は転職しやすいラストチャンスと考えた方が良い

冒頭でも説明した通り、29歳は転職しやすいラストチャンスと考えた方が良いです。その理由は、厚生労働省が定期的に実施している「雇用動向調査」で公表されている、年齢階級別の転職入職率で説明できます。
【年齢階級別転職入職率(平成29年)】
| 年齢階級 | 男性 | 女性(★) |
| 19歳以下 | 13.5% | 14.3% |
| 20~24歳 | 14.1% | 14.7% |
| 25~29歳 | 15.4% | 17.2% |
| 30~34歳 | 10.2% | 13.0% |
| 35~39歳 | 8.9% | 11.7% |
| 40~44歳 | 9.8% | 10.2% |
| 45~49歳 | 6.1% | 10.8% |
| 50~54歳 | 5.3% | 8.2% |
| 55~59歳 | 4.9% | 7.3% |
| 60~64歳 | 10.9% | 9.4% |
| 65歳以上 | 8.4% | 6.5% |
※厚生労働省「平成 29 年雇用動向調査結果の概況」を元に作表 ★:一般労働者とパートタイム労働者の割合
上記は、最新(平成29年度)の年齢階級別の転職入職率です。「転職入職率」というのは、企業に所属する従業員数に対する転職者数の割合のことで、割合が多いほどその企業に入社する転職者が多いことを意味します。こうして見ると、男女共に20代に入ると割合が上がっていき、25歳~29歳が最も高くなっていることが分かりますね。
ところが、30歳から34歳の年齢階級に入ると男女共に転職入職率は下がり、年齢が上がるに連れてさらに低下しています。25歳~29歳の転職入職率と30歳から34歳の転職入職率の差は約5%もあるのです。30歳から34歳とそれ以降の年齢階級の転職入職率の差で多いのは1%前後ですから、30歳になった途端に転職者がぐんと減ってしまうことをお分かりいただけるでしょう。
最新の年齢階級別の転職入職率からは、「企業は30歳以降の転職希望者を受け入れることが少なくなる」ということがいえます。もちろん全ての企業に当てはまることではありませんが、転職をするのであれば30歳の1つ前の年齢である29歳の方が、成功しやすいラストチャンスといえるのです。
2. 29歳の転職希望者は企業からこう見られる
転職しやすいラストチャンスといえる29歳ですが、企業からはどのように見られるのか気になりますよね。
29歳という年齢は社会人7年目前後である場合が多く、ポジション的には若手ではなく中堅社員と見られます。このため、29歳の転職希望者には以下のように期待を寄せる一方で、厳しく見るところがあります。
2-1. 良い見られ方
29歳の転職希望者に対する良い見られ方としては、次の2つです。
- 即戦力がある
- リーダー候補として期待できる
2-1-1. 即戦力がある
29歳の転職希望者に、企業は「即戦力がある」と期待します。
新卒で入社していれば社会人7年目前後であるのが29歳です。業界や職種の全体像について理解する3年を過ぎ、さらに4年の実務経験があるため、職種に対する豊富な知識とスキルを備えていると見るのです。
そもそも企業は中途採用者に即戦力を求めるため、特定分野での経験が豊富な人材を積極的に採用します。以下は、厚生労働省が不定期で実施している「転職実態調査」の最新版(平成27年度)で公表されている「転職者の採用理由」の結果の一部です。採用理由は色々ありますが、中でも「経験を活かし即戦力になるから」と回答した企業が最も多く、回答全体の約60%近くに及んでいるのです。
| 仕事の種類 | 「経験を活かし即戦力になるから」と回答した企業の割合 |
| 1. 管理的な仕事 | 64.4% |
| 2. 専門的・技術的な仕事 | 64.8% |
| 3. 事務的な仕事 | 45.4% |
| 4. 販売の仕事 | 57.2% |
| 5. サービスの仕事 | 47.7% |
| 6. 保安、生産工程、輸送・機械運転、建設・採掘、運搬・清掃・包装等、その他の仕事 | 48.8% |
※厚生労働省「平成27年転職者実態調査」の事業所調査「2. 転職者の採用状況」を元に作表
即戦力は他の20代の転職希望者にも期待しますが、年齢によっては経験はあっても現場ですぐに活躍できるほどではない場合もあります。
業務経験を7年前後積んでいる29歳であれば、携わってきた業界や職種について熟知している上、実績を出して会社へ貢献していることも十分にあり得ます。そんな29歳の方は、企業が中途採用者に求めるニーズを最も満たしている魅力的な人材なのです。
2-1-2. リーダー候補として期待できる
29歳には、将来のリーダー候補として期待を寄せます。
29歳ともなれば、リーダーとしてマネジメント職に就いている方もいるでしょう。企業は30歳以降になるとマネジメント業務を任せることが多くなるため、リーダーの素質が十分にある29歳であれば、入社後間もなくリーダーとして活躍してくれることを望むのです。
他の20代の転職希望者の場合、たとえば29歳より2つ下の27歳は後輩を教える立場にある人もいるため「将来のリーダーとして育てやすい人材」として企業は見ますが、入社後間もなくリーダーとして活躍できるかといったら、人によっては経緯不足で難しいかもしれません。リーダー経験を持つ機会の多い29歳の方が好印象といえます。
また、特定のポジションに就いていなくても、チームをまとめる立場にいる人もいるでしょう。
- チームメンバーから意見やアイデアを聞き出してまとめ、目標達成に向けて貢献した
- チームメンバーの話を積極的に聞き出すうちに、メンバーが自主的に提案してくれるようになった
以上のようなリーダーシップを発揮した経験も、企業にとっては好印象です。
リーダー職に就いていたり、リーダーシップを発揮した経験を持っていたりする29歳は、会社の成長を担うリーダー候補として大いに期待できるのです。
2-2. 厳しい見られ方
29歳の転職希望者対する厳しい見られ方は、次の通りです。
- 実績がなければ即戦力を期待できない
- ライフイベントを機にすぐ休職・退職してしまわないか
2-2-1. 実績がなければ即戦力を期待できない
「2-1. 良い見られ方」でも説明した通り、企業は29歳の転職希望者に即戦力を期待します。
同業種への転職であれば既に業界や職種のことを知り尽くしているため、企業のニーズにも応えられ、現場でもその能力を発揮できる可能性が高いので問題ないでしょう。
しかし、未経験職種への転職を希望する場合は別です。その分野の知識やスキル、経験はもちろん、実績もないため、社会人経験が豊富な29歳であっても企業からは「即戦力を期待できない人材」として見られてしまいます。
入社後すぐに即戦力となって働くことを重視されるのは、29歳ならではです。他の20代の場合、年齢によっては実績はなくともポテンシャルが評価されて、未経験でも採用されることもあるのです。
もちろん、29歳で未経験職種への転職は全くできないわけではありません。しかし、29歳で未経験職種へ就くには、その職種に関する勉強をあらかじめ始めるといった対策が必要不可欠です。29歳で未経験職種へチャレンジしたい場合、具体的にどうすべきかは「7-2-1. 職種に対する熱意を行動に移す」で詳しく説明するので読んでみてください。
2-2-2. ライフイベントを機にすぐ休職・退職してしまわないか
29歳は、ライフイベントを迎えやすい年齢でもあります。男性も女性も結婚を控えていたり、あるいは既に結婚していたりするかもしれませんね。女性であれば、出産や育児も視野に入れている方もいるでしょう。
ライフイベントは人生を豊かにするものですが、採用時には懸念を抱く企業も少なくありません。特に女性の転職希望者に対しては、ライフイベントを機にすぐ休職したり、退職したりしてしまわないか?と不安に思う傾向が強いです。
ここで「企業は29歳だけではなく、他の20代後半に対してもライフイベントを懸念することはないの?」と疑問に感じた方もいるかもしれません。
確かに27歳や28歳といった20代後半もライフイベントを迎えやすい年齢ではありますが、これらの年齢は「入社後、業務を一通り覚えてこなすようになるまでの期間がある」と見なされる傾向にあります。30歳になったら高い即戦力を求めるため、それまでに業務をこなせるようになっていることを企業は期待するのです。
27歳であれば30歳になるまでは3年、28歳であれば2年あります。ところが29歳の場合は、30歳になるまで1年しかありません。もちろんライフイベントを迎える年齢は人それぞれですが、一般的にライフイベントを迎えやすい年齢と高い即戦力を求める年齢が30歳と重なりやすいため、29歳に対してはライフイベントを強く懸念するのです。
29歳で転職をする場合は、ライフイベントに対する企業の不安を解消するようなキャリアプランを示すことが大切になってきます。詳しくは「7-3-1. ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てる」で説明するので、ライフイベントを控えている方は参考にしてください。
3. 29歳でスキルなし・未経験職種への転職はできる?

転職を考えている29歳の方の中には、未経験職種にチャレンジしたいと思っている方もいるでしょう。でも30歳を目前にした29歳という年齢であると、以下のように不安になりますよね。
「これまで携わったことのない職種へ転職できるのか?」
「未経験でも企業は採用してくれるのか?」
「2-1-1. 即戦力がある」でも説明した通り、企業は転職者に即戦力を求めるため「経験者のみ」や「経験者優遇」に限定して求人を出すことが多いのが事実としてあります。しかし、中には「未経験可」の求人を出す企業もあるため、職種に関するスキルがなく、経験がなくても転職できる可能性はあります。
ただし、29歳となると以下のことは念頭に置かなければなりません。
- 他の20代後半とは異なり、ポテンシャルでは採用されにくい
- 「未経験可」でも応募できる年齢が制限されている仕事がある
- 応募可能な中途採用の求人数が少なくなる傾向にある
このため、未経験職種への転職も29歳がラストチャンスと考えた方が良いです。
もし、29歳でもスキルなし・未経験職種へ転職したいのであれば「7-2. スキルなし・未経験職種への転職の場合」で説明するポイントを踏まえて転職活動することが大切になります。本格的に転職活動をする前にぜひ参考にしてください。
4. 29歳で転職をした人の体験談
29歳での転職は不可能ではないとはいえ、実際のところはどうなのか気になりますよね。ここで、29歳で転職をした人の体験談を見てみましょう。
【29歳人生大転換説】
20代最後の年。仕事も慣れてきて管理職になったり、今後のキャリアを考えたり、転職したり、結婚したり。人生における選択肢が同時期に発生するタイミング。だからこそ、自分のことを棚卸しして30代をどう生きるのか本気で考えることが超重要!ちなみに僕の初転職も29歳だった。— 東 ヤスオ@レゴと焚き火の人 (@azuma_yasuo) February 10, 2021
確かに自分にも当てはまります!!証券会社の営業をやりながら1年半くらい税理士試験の勉強をしていたんですけど、このままじゃ受からないと思い証券会社を辞めて覚悟を決めて税理士業界に飛び込んだのがちょうど29歳でした!
— 本間淳@ビジョンとお金 (@atsushi0623) February 10, 2021
こちらの2人は、29歳のときにこれから迎える30代をどう生きるかを考えて転職した方々です。今後のキャリアについて考えたり、ライフイベントを迎えたりと人生の転機が重なりやすい29歳という年齢で、キャリアプランをしっかり描いたことで転職に成功した事例といえます。
29歳・未経験・介護士
こんな私でもエンジニアに転職できました!
プログラミング技術やモノの考え方を #ワンダフルコード でみっちり学ばせてもらい、実際の転職戦略の部分では #転クエ を大いに活用させてもらいました
ようやくスタートライン!
早く一人前になれるようさらに努力していきます!— こうへい@小さなことからコツコツと (@kouhei_wuo_0825) February 16, 2021
教育・保育系から29歳未経験でIT系に転職した経験でいくつかお伝えするよ!!
・アラサーでも未経験で募集してるとこは意外とある
・でも少しでも若いうちの方が良い(会社からしたら長く働ける若手のが投資しやすい)
・特に教育系は書類で死ぬほど落とされるので、希望職種関連の資格取っておくと吉!— 楓 (@maploid) January 12, 2021
こちらの2人は、仕事に携わる前に未経験職種に関する勉強をしたり、資格を取得したりして転職を成功させていることが分かりますね。後述しますが、未経験職種への転職を希望する場合は、その職種に就く熱意を行動に示すことが大切になってきます。
5. 29歳での転職に成功しやすい人
ここまで説明してきた29歳の転職実情や企業からの見られ方を踏まえると、29歳での転職に成功しやすいのは次のような人といえます。
- 希望職種でも実績がある
- キャリアアップしたい
- ライフイベントを見据えた明確なキャリアプランがある
5-1. 希望職種での実績がある
希望職種の経験だけでなく、その職種での実績もある29歳は採用されやすくなります。
29歳は実務経験が7年前後あるため、実績を出すことが十分可能な年齢です。他の20代の場合、年齢によっては経験はあっても実績までは残せていない人も少なくありません。他の20代の転職希望者と差別化できることといえます。
「実績がなければ転職は失敗するのか?」といわれたら、そうではありません。企業も実績だけを見て採用することはないからです。しかし、希望職種に対する経験のみある人、そして経験と実績の両方がある人と比べたとき、企業は会社への貢献度の高さを期待できる後者の方に魅力を感じます。
たとえば、以下のように経験にプラスして具体的なデータの実績があると採用へ有利になります。説得力が増し、企業に好印象を与えられます。希望職種での実績がある場合は、自信を持ってアピールしましょう。
<経験年数>
住宅営業〇年
<業務内容>
分譲マンションの販売(商談、契約手続き、資金回収まで)
<実績>
- 20XX年度年間成約件数〇件
- 顧客満足度:社員〇名のうち1位
29歳は実績がない未経験職種にも就ける可能性があるのでは?
「3. 29歳でスキルなし・未経験職種への転職はできる?」でも説明した通り、29歳は未経験職種にも就ける可能性はあります。
未経験職種への転職を希望する場合はその職種の経験と実績は示せないものの、職種に必要なスキル以外で貢献できそうな実績をアピールすることで、企業に好印象を与えられます。詳しくは「7-2-2. 職種に必要なスキル以外で貢献できることを用意する」で説明するので、ご覧ください。
5-2. キャリアアップしたい
転職によって今よりスキルアップして昇進する「キャリアアップ」を目指している方も成功しやすいです。
29歳であれば業務経験も豊富で、リーダーポジションに就いていた方もいるでしょう。高いポジションで活躍した経験があれば、転職先でのキャリアアップもスムーズにいく可能性があります。今の仕事の経験や実績次第では、転職後すぐにリーダーポジションに就けるかもしれません。転職によるキャリアアップは、自分の市場価値を高められ、会社への貢献にもつながります。
転職によってキャリアアップしたい場合は、面接時にその企業でキャリアアップしたい理由とどのようにキャリアアップしていきたいのを明確に伝えると採用へ有利に働きます。自分が描くキャリアアップイメージを明確に示すことで、企業側もどのように活躍してくれるのか具体的イメージできるからです。
キャリアアップのイメージを描くには、キャリアプランの作成が必須です。キャリアプランについては「キャリアプランとは?作り方から面接での答え方・注意点まで解説」で詳しく説明しているので、企業に好印象を与える魅力的なキャリアプランを作成したいときに参考にしてみてください。
転職によるキャリアアップがベストでない場合もある
転職によるキャリアアップがベストでない場合もあります。
今の職場でも、努力してスキルアップすればキャリアアップできる可能性があれば、転職を留まるべきでしょう。もし、思い描いていたキャリアイメージと現実に差を感じているのであれば、上司に相談してみましょう。仕事の幅を広げて、将来的に高いポジションで働ける可能性が高まります。
もし、上司に相談しても今の職場ではキャリアアップを見込めないという場合は、転職しやすい29歳で動くのがおすすめです。
5-3. ライフイベントを見据えた明確なキャリアプランがある
29歳は結婚、女性であれば出産といったライフイベントを迎えやすい年齢です。「2. 29歳の転職希望者は企業からこう見られる」でも説明した通り、29歳の転職希望者に対し、企業によっては入社してから間もなくライフイベントを機に休職や退職をしてしまわないかを懸念します。そんな企業の不安を払拭するような、ライフイベントを見据えた明確なキャリアプランがある人は転職に成功しやすいといえます。
「ライフイベントなんていつ起こるか分からないから、明確なキャリアプランなんて書けない…」と思う方もいるかもしれません。しかしキャリアプランがあいまいだと、ライフイベントを突然迎えたときに苦労することになります。
- 理想のキャリアを築くための働き方ができなくなる
- 会社とのミスマッチが生じる
- 思い描いていたキャリアアップができなくなる
以上のようなことが起こりかねません。転職先で長く働いて活躍するためにも、ライフイベントを見据えたキャリアプランは必要なのです。
- 3年後や5年後、10年後といったゴールを決める
- ゴールでにどうなっていたいかの目標を定める
- 設定した目標を実現するためにどのような行動を取るのかを決める
以上のように、将来から逆算するとキャリアプランは立てやすく、どのようにキャリアを積んでいくのかが具体的になるため、企業へ示すときに説得力を与えられます。
ライフイベントを見据えたキャリアプランを作るときのポイントは「7-3-1. ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てる」で詳しく説明するので、参考にしてください。
6. 29歳での転職で失敗しやすい人
反対に、29歳での転職で失敗しやすい人は次のような人といえます。
- 今の仕事で実績を残せていない
- キャリアプランをしっかり描けていない
- 未経験職種を希望する理由が漠然としている
6-1. 今の仕事で実績を残せていない
同業種へ転職する場合、知識やスキル・経験が豊富で人によってはリーダーのポジションに就く29歳になっても、実績を残せていない場合は転職が難しいといえます。
もちろん、企業は実績だけを見て転職希望者を評価するわけではありません。しかし、実績というのは会社の成長へつながるもののため、職種の経験が豊富でも実績がなければ「活躍を見込めない」と判断される場合があるのは念頭に置くべきです。同じ職種を経験していて実績もある他の20代後半の転職希望者がいれば、その人が採用されるでしょう。
今の仕事で実績を残せていない場合は、実績を残してから転職した方が企業の印象は良いでしょう。ただ、30歳を過ぎると転職が難しくなる傾向にあるため、転職するタイミングには注意が必要となります。
6-2. キャリアプランをしっかり描けていない
転職後にどのようなキャリアを積んでいくのか、そのキャリアプランをしっかり描けていない人も失敗しやすいです。
以下は、あいまいなキャリアプランと明確なキャリアプランを比較した表です。
| 曖昧なキャリアプラン | 明確なキャリアプラン |
ルート営業(既存顧客訪問・顧客の要望ヒアリング・アフターケア) |
|
キャリアプランをしっかり描いていれば、仕事に対するモチベーションが上がり、理想のキャリアを築くための行動ができます。しかし、あいまいなキャリアプランでは、どのように業務を経験していけばキャリアを積んでいけるのかが分かりません。モチベーションを高くして仕事に臨むことは難しくなるでしょう。
さらにいうと、あいまいなキャリアプランでは採用へ不利に働きます。企業は、転職希望者がどのように活躍して貢献してくれるのかがイメージできないからです。キャリアプランが明確で活躍するイメージが沸く転職希望者を、企業は採用したくなるものです。
面接ではしのげても、転職してから思うように業務経験を積めないと感じたら、再度転職を検討しなければならなくなるかもしれません。30歳になってしまうと転職が難航する恐れがあるので、明確なキャリアプランを作ることは転職を成功させるために重要なことです。
6-3. 未経験職種を希望する理由が漠然としている
29歳で未経験職種への転職を希望する場合、「今の仕事に飽きた」や「何となくこの仕事をやってみたくなった」というように転職理由が漠然としていると失敗しやすいです。
これまでに携わったことのない仕事に興味を持つのは悪いことではありません。しかし、転職する理由を曖昧にしてしまうと、以下のように面接ではしのげて採用されたとしても、入社後に業務内容だけでなく転職先の環境の違和感も覚えて、転職後に会社とのミスマッチを感じてしまう恐れがあります。
- 思い描いていた業務内容と現実に差を感じる…
- 予想以上に業務がハードだった…
- 会社との社風が合わない…
- 職場の人間関係があまり良くない…
未経験職種へのチャレンジもラストチャンスといえる29歳で、転職理由をあいまいにしたことで転職を失敗させてしまうのは非常にもったいないです。
企業は本来、転職希望者には即戦力を求めます。それでも未経験可の求人を出すのは、転職希望者の職種に対する意欲を期待するからです。意欲を伝えられる転職理由があいまいだと、企業はマイナスな評価をします。
「今勉強している資格のスキルを有効に使って、仕事の幅を広げて貢献したい」
「職種の〇〇に魅力を感じた。今の仕事で培ってきた〇〇の能力を発揮して、御社の事業を支えていきたい」
以上のように具体的かつポジティブな理由を示すことが、転職を成功させるポイントになります。
7. 【パターン別】29歳で転職を成功させるためのポイント

最後に、以下3つのパターン別に29歳で転職を成功させるための特に重要なポイントを解説します。
- 同業種への転職
- スキルなし・未経験職種への転職
- ライフイベントを見据えた転職(女性の場合)
ご自身の当てはまるパターンの成功ポイントを参考にして、転職活動を始めてみてください!
7-1. 同業種への転職の場合
同業種へ転職したいときに押さえておきたいポイントは、次の3つです。
- これまでのキャリアをストーリーで説明できるようにしておく
- 自分の市場価値を把握する
- 企業研究をしっかり行う
7-1-1. これまでのキャリアをストーリーで説明できるようにしておく
同業種への転職は、これまでのキャリアをストーリーで説明できるようにしておくと成功しやすいです。
自己PRという方法でこれまでのキャリアを説明するのも良いのですが、携わってきた業務内容や実績だけの説明になりやすいです。応募する職種に転職希望者が多くいる場合は差別化しにくく、印象にも残りにくくなってしまいます。企業はその業種での経験が豊富な29歳には即戦力とリーダー候補として期待を大きく寄せていますから、キャリアをストーリーで説明できる人は入社後の働き方をイメージしやすく、採用担当者の印象に残りやすくなるのです。
これまでのキャリアストーリーは、以下の2点を整理して話せるようにしておくことがポイントになります。
- 新卒で今の会社を選んでキャリアをスタートさせた理由
- 今の仕事で得たスキルと残した実績を実証する業務エピソード
「2. 今の仕事で得たスキルと残した実績を実証する業務エピソード」では、実績を出したときに就いていたポジションや実績を出すまでに苦労したことなども伝えられるようにしましょう。実績を出したポジションと難易度が高いほど、企業からの評価も高くなります。
ストーリーの最後にプラスアルファで以下の2点を伝えると、採用へ有利に働きます。今までのキャリアをストーリーで説明して、ご自身の印象を企業へしっかりと植え付けましょう。
- 前職でのスキルと実績が転職先でどう活かせるのか
- 転職して3年後・5年度にどうなっていたいのか
キャリアストーリーの例(アパレル業界の場合)
現職でのキャリアをスタートさせたのは、服を通してお客様に多くの喜びを提供したいと感じたからです。
入社後はその目標に向かって自社製品の広告宣伝と販売促進の業務に携わり、各製品のターゲットに最適な広告を宣伝するスキルを身に付けました。このスキルによって、予想以上の反響を得ることができ、前年比で自社製品〇%の売上を達成した実績があります。
製品はそれぞれターゲットの年代が異なっていたため、リサーチ会社を活用してターゲット層の分析を行い、そのターゲットに最適な広告媒体と内容を選ぶようにしました。達成した売上は、製品のターゲットに合う広告を雑誌やWebで展開し、キャンペーンやプレスリリースなども積極的に行った結果だと感じています。
顧客ターゲットの特性を徹底的にリサーチした結果をもとに広告宣伝方法を選定できる能力は、御社の製品を国内に広く浸透させることに貢献できると考えております。
7-1-2. 自分の市場価値を把握する
自分の市場価値を把握しましょう。自分の持っているスキルや経験を必要としてくれて、その能力に見合った待遇を提供してくれる企業を見つけやすくなるからです。転職後のミスマッチも防げます。
とはいえ、そもそも市場価値とは何かが分からない方もいるかもしれませんね。転職市場における「市場価値」というのは、「企業が求めるスキルや経験をどのくらい備えているか」を示すものです。その職種に対するスキルや経験を求めている企業が多く、自分もその能力を備えていれば市場価値は高いといえます。
しかし、自分のスキルや経験を求める企業が少なければ市場価値は低くなります。その職種に対する高いスキルや経験を持っているからといって、転職がスムーズに進むわけではありません。転職活動では、入社を希望する企業が求めるスキルや経験を知り、自分にその能力があるかを把握することが大切です。
自分の市場価値を知るには、これまでのキャリアを棚卸して、できることと実績を洗い出すのがおすすめです。この洗い出しの結果と企業が求めるスキルと経験がフィットするかを求人情報などで確認しましょう。
転職後に企業が求めるスキルや経験と自分の能力に差を感じて、短期間で離職するのは避けたいですよね。29歳での転職はラストチャンスだからこそ、自分の市場価値を把握することは非常に重要なのです。
7-1-3. 企業研究をしっかり行う
企業研究をすることも転職を成功させるために欠かせません。携わりたい業界の数ある企業の中から自分に合う企業を見つけるのはもちろんですが、なぜその企業に転職したいのかの理由を具体化するためにも必要だからです。個別に企業研究をすることで同業他社と比較ができ、その企業に転職したい理由に説得力を持たせることができます。
転職したい業種や職種については調べていても、転職を希望する企業については詳しく調べない人は少なくありません。採用に有利になりやすい他の20代の転職希望者と差別化するためにも、企業研究をしっかり行うことは非常に大切なことです。転職後のミスマッチも防げるため、入念に行いましょう。
企業を研究するときに、特にチェックしておきたいことは以下の4つです。
| 企業情報 | 企業理念、資本金安堵 |
| 事業情報 | 企業が取り扱う商材(商品もしくはサービス) |
| 従業員の働き方に関する制度 | 休暇制度、休職制度、福利厚生、人事制度、教育制度など |
| 採用情報 | 応募条件(求められる経験やスキルなど)、給与など |
上記の情報は企業のホームページの他、転職フェアに参加している企業の担当者や転職を希望する企業にOBやOGがいる場合は、その人たちから話を聞くことで得られます。実際にその企業に関わっている人であれば、よりリアルな企業情報を得られるはずです。
活用できる情報源を有効に使い、企業研究をしっかり行いましょう。
7-2. スキルなし・未経験職種への転職の場合
スキルなし・未経験職種へ転職したい場合は、次の3つのポイントを踏まえて行動することが大切になります。
- 職種に対する熱意を行動に移す
- 職種に必要なスキル以外で貢献できることを用意する
- 転職に向けて早めに動く
7-2-1. 職種に対する熱意を行動に移す
スキルや経験がない職種への転職を成功させるために最も大切なことは、その就きたい職種に対する熱意を行動に示すことです。
厚生労働省が平成30年に実施した「若年者雇用実態調査」によると、15歳から34歳までの転職希望者を採用する理由の1つとして「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」を挙げており、その回答率は7割を越えています。つまり未経験であっても、熱意があれば企業に好印象を与えられる可能性があるのです。
「職種に対する熱意を行動に示すといわれても、何をすれば良いの?」と思う方もいるかもしれませんね。具体的にいうと、以下のような点が挙げられます。
- チャレンジしたい職種に関する勉強を始める
- 現場でなるべく早く即戦力となるために資格を取得する
職種に関する知識やスキルを身に付けていることを面接時にアピールすれば「未経験ながら、即戦力となる人材になりやすい」と企業に好印象を与えられる可能性も十分にあるのです。
また、あらかじめ知識やスキルを身に付けておくことで、実際に入社したときには業務を進めやすくなり、活躍できるチャンスもつかめる可能性も高まります。
未経験職種へチャレンジできるラストチャンスの29歳だからこそ、ポテンシャルで採用されやすい他の20代の転職希望者との差を埋めるような行動が大切なのです。
7-2-2. 職種に必要なスキル以外で貢献できることを用意する
職種に必要なスキル以外で貢献できることを用意してアピールできるようにしておけば、スキルなし・未経験職種への転職もしやすくなります。
「7-2-1. 職種に対する熱意を行動に移す」でも説明した通り、未経験職種に就くための勉強や資格取得をしてスキルを身に付けておくことは重要です。しかし、その職種の業務経験のある転職者と比べると残念ながら即戦力は低いといえます。そのハンデを埋めるのが、職種に必要なスキル以外の能力なのです。
社会人7年目前後の29歳であれば、以下の2つのスキルが備わっているといえます。
- 業種職種問わず通用するポータブルスキル
- リーダーシップを発揮したスキル(リーダーポジションで活躍した経験)
この中でもリーダーシップを発揮したスキルは、他の20代には持っていないことも少なくありません。29歳の転職希望者は、他の20代の若い年齢と比べると高い能力を持っているといえるのです。
職種に対する勉強や資格取得のアピールと合わせて、ポータブルスキルとリーダーシップを発揮した経験があれば企業に伝えることをおすすめします。具体的にどのようにアピールすると良いかは、次の項目を参考にしてください。
業種職種問わず通用するポータブルスキル
ポータブルスキルは、「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つに分かれています。
【仕事のやり方】
| 成果をあげるために重要な行動 | 職務遂行上、特に重要であるもの | |
| 課題を明らかにする | 現状の把握 | 課題設定に先立つ情報収集の方法や内容、情報分析など |
| 課題の設定方法 | 設定する課題の内容(会社全体、事業・商品、組織、仕事の進め方の課題) | |
| 計画を立てる | 計画の立て方 | 計画の期間、関係者・調整事項の多さ、前例の有無など |
| 実行する | 実際の課題遂行 | 本人の役割、スケジュール管理、関係者、柔軟な対応の必要性、障害の多さ、成果へのプレッシャー |
| 状況への対応 | 柔軟な対応の必要性、予測のしやすさ | |
【人との関わり方】
| 対人マネジメントで重要なこと | 職務遂行上、特に重要であるもの |
| 社内対応(上司・経営層) | 指示に従う必要性、提案を求められる程度、社内での役割期待など |
| 社外対応(顧客・パートナー) | 顧客、取引先、対象者の数、関係の継続期間、関係構築の難易度など |
| 部下マネジメント(評価や指導) | 部下の人数、評価の難しさ、指導・育成が必要なポイントなど |
※厚生労働省「“ポータブルスキル”活用研修」を元に作表
上記のポータブルスキルの中から企業にアピールできそうなスキルがあれば、具体的に言語化してみましょう。その言語化したスキルを、転職先でどのように活かせるのかを説明できるようにすると有効です。
言語化したポータブルスキルの例
【ポータブルスキル】
- 実行する・状況への対応
【経験と実績】
- 住宅販売(顧客ニーズのヒアリングや提案など)
- 20XX年顧客満足度No.1を獲得
【生かせること】
- お客様に合わせた提案をできる能力が良好な関係を構築し、成約にもつなげられる
リーダーシップを発揮したスキル(リーダーポジションで活躍した経験)
リーダーシップを発揮したスキルも、その経験と転職先でどのように活かしていくかを説明できるようにしておきましょう。
【経験と実績】
- プロジェクトメンバーの教育(メンバーの能力や適性を踏まえて業務や役割を配置)
- メンバーのモチベーションアップにつながり、目標を上回る前年比〇%アップの売上を達成
【生かせること】
- メンバーと密にコミュニケーションを取り、能力を最大限に発揮させるスキルが、売り上げ貢献につながる
職種に必要なスキル以外で貢献できることが豊富なのは、29歳ならではです。これまでの経験と得たスキルを棚卸しして、未経験職種への転職を成功させましょう。
転職に役立つスキル年代別一覧!20代・30代・40代の必要スキルとは?
7-2-3. 転職に向けて早めに動く
「1. 29歳は転職しやすいラストチャンスと考えた方が良い」でも説明した通り、30歳を過ぎてしまうと転職が難しくなります。特に未経験職種への転職を希望するのであれば、29歳のうちに早めに動くことをおすすめします。
今は年齢を限定して求人をすることは雇用対策法によって禁止されていますが、例外として年齢制限が認められる場合もあります。この例外に該当する「未経験可」の求人に応募する場合は、転職する年齢に注意しないと採用されにくくなってしまいます。29歳と30歳ではたった1歳の差ですが、甘く見てはいけません。
「7-2-1. 職種に対する熱意を行動に移す」と「7-2-2. 職種に必要なスキル以外で貢献できることを用意する」で説明したことを踏まえて29歳のうちに転職をすれば、30歳になる1年間での伸びしろを見込んで採用してくれる可能性もあります。
転職するタイミングにはシビアになって、転職活動を早めに始めるようにしましょう。
ジョブチェンジの難易度は?成功しやすい人と転職のポイントを解説
7-3. ライフイベントを見据えた転職(女性の場合)
女性は男性と比べるとライフイベントがキャリアに大きく影響してくるため、29歳の女性ならではの以下2点のポイントを踏まえて転職活動をすることが大切になります。
- ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てる
- 転職をして叶えたいことの優先順位をつける
7-3-1. ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てる
特に29歳は、結婚や出産といったライフイベントを近いうちに迎えることが多い年齢と見なされるため、他の20代後半の年齢と比べると厳しく見られます。このため、企業の不安を払拭するために、ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てることが大切です。
「ライフイベントなんていつ迎えるか分からないから、それを考慮したキャリアプランを立てるのは難しいのでは?」と思う方もいるかもしれませんね。確かに、ライフイベントを迎える年齢は人それぞれですし、いつ起こるか分からないものです。
しかしライフイベントを考慮したキャリアプランを立てれば、理想のキャリアを築くための行動ができるようになり、転職先でキャリアを積んで長く働けるようになります。転職後のミスマッチも防ぐことができ、自分にとっても企業にとってもプラスになります。
ライフイベントを考慮したキャリアプランの例
- 入社後3年で仕事を覚えて、その後にライフイベントを迎えても困らないようにする
- 仕事で成果を出せるまでは産休・育休に入らない
- 産休・育休から復帰したら、〇年以内に〇〇のスキルを身に付けて〇〇のポジションに就く
ライフイベントを考慮したキャリアプランは、 転職を希望する会社のロールモデルを参考にすると立てやすくなります。面接のときにも明確なキャリアプランを示せて、採用へ有利になりやすいです。
ロールモデルは、転職エージェントを利用すると知ることができます。転職エージェントの担当者が、その企業に事例をヒアリングしてくれるからです。20代の転職におすすめの転職エージェントは「8. 29歳での転職が不安なら転職エージェントを活用しよう」で紹介するので、ぜひ活用してください。
また、キャリアプランの詳しい作成方法は「キャリアプランとは?作り方から面接での答え方・注意点まで解説」で説明しています。こちらも参考にして、ライフイベントを考慮したキャリアプランを立ててみてくださいね。
7-3-2. 転職をして叶えたいことの優先順位をつける
自分に合う企業を見つけ出す方法の1つとして「転職をして叶えたいことの優先順位を付けること」がありますが、これは29歳女性の場合は特に大切なことです。近いうちにライフイベントを迎える可能性が高い年齢のため、特に優先にしたいことを決めておかないとプライベートと仕事とのバランスを取りにくくなってしまいます。
もちろんライフイベントを迎えるタイミングは人によりますし、「今はライフイベントの予定がないから、携わりたい業務内容で企業を選んでも良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、ライフイベントは思わぬタイミングで迎えることもあるため、今は予定がなくてもライフイベントを考慮して優先にしたいことを決めておくのは良いことなのです。
以下が、今の状況別の優先にしたいことの例です。この例をもとに、自分にとって大切にしたいことを考えてみましょう。
| 今の状況 | 優先したいことの例 |
|
|
| ライフイベントの予定はないが、将来迎えることを予想している | |
| ライフイベントを迎えたときに精うかつに困らないようにしたい |
|
転職が中々決まらないときは、こちらの記事をチェック!
8. 29歳での転職が不安なら転職エージェントを活用しよう

29歳は転職が成功しやすいラストチャンスです。この29歳での転職に失敗してしまうと、転職が難しくなる30歳を迎えてしまうことになります。
29歳での転職のメリットを活かして成功させるためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。転職エージェントを利用すれば、転職市場を知り尽くしたアドバイザーによる様々な転職活動のサポートを受けられます。
転職エージェントのサポート例(一部)
- 転職希望者に合う企業の紹介
- 非公開求人の紹介
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 面接のセッティング
- 給料の代理交渉
29歳は同業種や未経験職種への転職も可能ですが、他の20代の年齢と比べると求人が少なくなる傾向にあり、自分に合う企業を自力で見つけ出すのが難しくなることもあります。転職エージェントを利用すれば、上記のように転職希望者に合う企業や非公開求人を紹介してくれるため、普段出合えなかった企業の求人を知ることも可能になります。履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる点も、厳しく見られることもある29歳の転職希望者にとっては嬉しいサポートです。
転職エージェントは多くありますが、特に20代の転職希望者におすすめの転職エージェントは次の3つです。
29歳での転職活動は、1人よりもプロのサポートがある方が安心して臨めるはずです。転職活動に不安がある場合は、転職エージェントを利用することも検討してみてくださいね。
8-1.リクルートエージェント

出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1を誇る総合転職エージェントです。
一般の求人サイトでは公開されていない非公開求人を約10万件持ち、幅広い選択肢から自分に合う企業を選べるのが特徴です。
未経験歓迎の求人も多く、未経験職種への転職成功ガイドも充実しているため、未経験職種への転職を考えている人にもおすすめできます。
同業種から未経験職種まで、自分の可能性を広げて転職活動をしてみたい方はリクルートエージェントに登録してみてください。
8-2.マイナビエージェント

出典:マイナビエージェント
マイナビエージェントは、主に20代の転職希望者からの支持が高い転職エージェントです。
各業界の転職市場に詳しい「キャリアアドバイザー」と企業のリアルな情報を知り尽くしている「リクルーティングアドバイザー」の2名体制で、転職活動をサポートしてくれます。サポートの利用回数や期間の制限はなく、転職希望者の都合に合わせて土曜日や夜間にも相談を受け付けてくれるのも魅力です。
未経験職種への転職サポートも手厚いですが、転職希望者との面談内容によっては今の会社にとどまることを提案することもあり、後悔のない選択ができるようなサポートも行ってくれます。
29歳で初めて転職する人や、未経験職種に興味があるけど転職に迷いがある方は、マイナビエージェントへ登録してみてはいかがでしょうか。
8-3.doda

出典:doda
dodaは、業界最大級の求人数を持つ総合転職エージェントです。
非公開求人を含めた求人が約10万件あり、その中から専任のキャリアアドバイザーが転職希望者に合った求人を紹介してくれます。転職希望者の強みや可能性を見極め、企業の人事と同じ目線で求人を提供してくれるのが強みです。
履歴書や職務経歴書の添削、面接の対策はもちろん、勤めている会社を円満に退職するためのノウハウも教えてくれます。利用者の快適な転職活動をサポートしてくれるのは、嬉しいポイントです。
29歳での転職に不安がある人は、dodaへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。
9.まとめ
29歳での転職は不可能ではありませんが、30歳を過ぎると転職が難しくなるため転職が成功しやすいライスチャンスといえます。
ただ、29歳の転職希望者に対して、企業は良い見方もすれば厳しい見方もすることは、念頭に置きたいところです。
| 良い見られ方 | 厳しい見られ方 |
| 即戦力がある | 実績がなければ即戦力を期待できない |
| リーダー候補として期待できる | ライフイベントを機にすぐ休職・退職してしまわないか |
29歳での転職に成功しやすい人と失敗しやすい人は、次の通りです。
| 成功しやすい人 | 失敗しやすい人 |
| 希望職種での実績がある | 今の仕事実績を残せていない |
| キャリアアップしたい | キャリアプランをしっかり描けていない |
| ライフイベントを見据えた名あくなキャリアプランがある | 未経験職種を希望する理由が漠然としている |
転職しやすいラストチャンスである29歳での転職に成功するには、転職のパターン別に、特に次のポイントを意識して対策をすることが大切です。
同業種への転職
- これまでのキャリアをストーリーで説明できるようにしておく
- 自分の市場価値を把握する
- 企業研究をしっかり行う
スキルなし・未経験職種への転職
- 職種に対する熱意を行動に移す
- 職種に必要なスキル以外で貢献できることを用意する
- 転職に向けて早めに動く
ライフイベントを見据えた転職(女性の場合)
- ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てる
- 転職をして叶えたいことの優先順位をつける
29歳での転職を成功できるよう、しっかり対策をして転職活動に臨みましょう!




コメント