仕事をしたくない心理に隠れた本当の理由と今すぐできる12の解決策

仕事をしたくない心理に隠れた本当の理由と今すぐできる12の解決策

「仕事をしたくない」という思いが強くて、憂うつな気分に陥っていませんか。

それならまず、「仕事をしたくないと思ってはいけない」と自分を抑えつけるのをやめましょう。

なぜなら、あなたが仕事をしたくないと感じる心理の裏側には、あなたにとって重大なサインが隠れているからです。

にもかかわらず、多くの人が「仕事をしたくない」という気持ちを押し殺したり、「甘えている」と責めたりして、自分を痛めつけています。

このまま我慢や自己批判を続けていれば、やがて心身の健康を損なうリスクがあり、注意が必要です。

そこで本記事では、「仕事をしたくない心理と、その正しい解決策」について、詳しく解説します。

 本記事のポイント

  • 仕事をしたくない心理の正体がわかる
  • 仕事をしたくないときの具体的な解決策を紹介
  • 年齢別やケース別のアドバイスもお伝え

「仕事をしたくないのが苦痛」
「苦しい気持ちを解消したい」

…という方におすすめの内容となっています。

この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「仕事をしたくない気持ちの本質的な原因」を理解して、解決するための実践的な行動を起こせるようになります。

仕事をしたくない苦しい気持ちが、スーッと消えていくのがわかるはずです。では、さっそく解説を始めましょう。

1. 「仕事をしたくない」と感じたことがある人は8割以上

あなたは、「仕事をしたくないと思う自分はダメだ」なんて思っていませんか。

その考えは、今すぐ捨てましょう。というのは、ほとんどの人が「仕事をしたくない」と思う経験をしているからです。その数は、実に8割以上にのぼります。

ほとんどの人が「仕事をしたくない」と思う経験

出典:Biz Hits

あなたが仕事をしたくないと感じるには、きっとあなたなりの理由があるはずです。

その理由は、あなた自身が自覚していることもあれば、まだ気付いていないこともあるでしょう。

あなたが感じている「仕事をしたくない」という感覚は、

「仕事をしたくない理由となっている問題に、気付いてください」

という、あなたの心が発しているサインです。

あなたの心が必死に発しているサインを、無視しないでください。「甘えだ」なんて断罪しないでください。

今のあなたに必要なのは、心のサインに向き合って、自分の本当の気持ちに気付いていくことです。

2. 仕事をしたくない心理の正体とは?背景にある9つの理由

仕事をしたくない心理の正体とは?背景にある9つの理由

「仕事をしたくない」と感じる裏側には、どんな気持ちが隠れているのでしょうか。ここからは、あなた自身の本当の気持ちに気付いていきましょう。

というのも、「仕事をしたくない」という感情は、その正体に気付くだけで消えていくことが、よくあります。

不思議に感じるかもしれませんが、あらゆるネガティブな感情は「正体を知ると和らぐ」というメカニズムがあるのです。

ここでは、あなたが仕事をしたくない“本当の理由”として考えられる9つのことを、ご紹介します。

おそらくひとつだけではなく、複数の理由が当てはまるはずです。自分にはどれが当てはまるのか、あなた自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。

2-1. あなたの心身に異変が起きている

1つめの理由は「あなたの心身に異変が起きている」からです。

▼ こんなことはありませんか?

  • 十分な休息をとっても疲労が回復しない
  • 全身のだるさや倦怠感が長く続く
  • 仕事をしたくない気持ちが2週間以上持続している
  • 涙・震え・汗・腹痛などの身体症状がある

あなたの心や体に、何らかの病気や異常が起きている場合、それが「仕事をしたくない」というサインとなって現れることがあります。

例えば、疲労や全身の倦怠感が出てくる場合の主な身体疾患として、高血圧や貧血、糖尿病、悪性腫瘍など様々なものがあります(参考:厚生労働省)。

あるいは、強いストレスから心を守る逃避行動として気力がなくなる「無気力症候群」や、極度の疲労によって燃え尽き意欲を失う「バーンアウトシンドローム」などの可能性もあります。

無気力症候群(むきりょくしょうこうぐん)
/ アパシー・シンドローム / apathy syndrome /

なにもする気力がないこと。意欲のないこと。

意欲が低下したり、自発性が低下したり、感情の起伏が小さくなったり、周囲に無関心になったりするような無気力な症状を呈することを「無気力症」「無気力症候群」「アパシー・シンドローム」といいます。これらの反応は、強いストレスから心を守るための逃避行動だとも言われています。

この言葉は、厳しい受験を乗り越えてきた大学生に多く見られる「五月病」の症状として広く知られるようになりました。最近では学生だけではなく社会人でもこの症状を呈するひとたちがいることが報告されています。

出典:厚生労働省

バーンアウトシンドローム(ばーんあうとしんどろーむ)
/ burnout syndrome / 燃え尽き症候群 /

それまでひとつの物事に没頭していた人が、心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなること。

それまで意欲を持ってひとつのことに没頭していた人が、あたかも燃え尽きたかのように意欲をなくし、社会的に適応できなくなってしまう状態のことをいいます。

絶え間ない過度のストレスにより発生し、うつ病の一種とも考えられています。朝起きられない・職場に行きたくない・アルコールの量が増える・イライラが募るなどの症状がみられ、仕事が手につかなくなったり対人関係を避けるようになります。病気に対する抵抗力も低下し、人生に対して悲観的になることから、家庭生活の崩壊や最悪の場合には自殺や過労死に至ることもあります。

出典:厚生労働省

上記はあくまで一例ですが、「仕事をしたくないなんて甘えと思い込んでいたら、実は深刻な病気が隠れていた」というケースがありますので、注意が必要です。

2-2. 仕事の内容が合っていない

2つめの理由は「仕事の内容が合っていない」からです。

▼ こんなことはありませんか?

  • やりたい仕事ができていない
  • 理不尽な仕事内容を要求される
  • 自分の本意ではない業務をさせられている
  • 担当している業務内容が自分の苦手な分野

適材適所という言葉がありますが、「仕事をしたい」と思えるようにするためには、自分の能力・適性・性格に合った仕事をする必要があります。

あなたにとって苦手な分野であり好きでもない仕事なら、仕事をしたくないと思うのは当然のことです。

あなたの仕事内容が合っていない原因としては、以下の2つが考えられます。

  1. あなたの会社が人材配置を間違えている
  2. あなた自身が仕事選び(会社選び)を間違えている

    前者の場合は会社への配置変更の働きかけ、後者の場合は合う仕事への転職が必要です。

    なお、対処法について詳しくは後ほど「3. 仕事をしたくないときの11の解決方法」で解説します。

    2-3. 仕事の量が多すぎる

    3つめの理由は「仕事の量が多すぎる」からです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • やってもやっても仕事が終わらない
    • 仕事量のことを考えるとうんざりした気持ちになる
    • 時間外労働(残業・休日勤務)が多い

    仕事の量が多すぎると、仕事をしたくなくなる原因は、大きく分けて2つあります。

    1つめは、休養の時間が削られた分、疲労が蓄積することです。疲労が蓄積すれば「2-1. あなたの心身に異変が起きている」でもご紹介したように、心身に異常が起きることが考えられます。

    2つめは、仕事量が多いこと自体がストレスとなって意欲が低下することです。終わりが見えない仕事を抱え続けていれば、緊張やプレッシャーは相当なものです。

    ストレスと意欲は密接な関係にあります。仕事量が多ければ、その分「仕事をしたくない」状態に陥るリスクも高くなるのです。

    2-4. 仕事に意味が見いだせない

    4つめの理由は「仕事に意味が見いだせない」からです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • 自分の仕事が何の役に立つのがわからない
    • 会社からの指示に従って仕事をしているが意味がないと思う

    私たちには、“意味が見いだせない行為をさせられること”を苦痛と感じる心理メカニズムがあります。

    もしあなたが自分の仕事の意味を見いだせないのであれば、仕事をしたくないと感じるのも無理はありません。

    自分の仕事に意味を感じられているかどうか、改めて見直してみましょう。

    2-5. 強烈なストレスを感じる人が職場にいる

    5つめの理由は「強烈なストレスを感じる人が職場にいる」からです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • 顔も見たくないほど苦手な人がいる
    • 上司が嫌い
    • 職場の雰囲気が悪い

    職場に嫌な人がいる場合、仕事に行くこと自体が憂うつに感じます。そのため、仕事をしたくないという気持ちに陥るのです。

    「なんとかして良い関係を築かなければ」
    「相手から好かれるように振る舞おう」

    とがんばるほどにストレスが溜まり、神経をすり減らして、最終的には心身に不調を来してしまうケースもあります。

    「職場の人」は、仕事をしたくないという気持ちと強く関連付いているのです。

    2-6. 会社に貢献するのが苦痛

    6つめの理由は「会社に貢献するのが苦痛」だからです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • 会社の方針と自分の考えが合わない
    • 会社が業績向上して経営陣が得することに抵抗がある
    • 上司の成功を手助けしたくない

    会社であなたが仕事をがんばって結果を出すほど、当然ながら会社の業績が向上します。しかし誰しも「嫌いな相手に得をさせること」には、抵抗を感じるものです。

    あなたの深層心理に「会社の方針に納得できない」「上司の成功を助けたくない」などの気持ちが隠れていると、仕事をしたくなくなります。

    自分ではなかなか気付きにくいポイントなので、よく自分の心と向き合ってみましょう。

    2-7. 仕事をしても報われない

    7つめの理由は「仕事をしても報われない」からです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • 結果を出しても給料が上がらない
    • がんばっても認めてもらえない
    • 職場で感謝やねぎらいの言葉をかけてもらうことがない

    入社当初はモチベーション高く仕事に取り組んでいた人でも、「やってもやっても報われない」という状況が続けば、徐々にやる気を失っていきます。

    実際、20世紀初頭に経営学者フレデリック・テイラーが提唱した科学的管理法では、仕事の達成に連動したインセンティブがモチベーションを高めることが明らかにされています。

    つまり、「仕事をしても報われない状況では、仕事をしたくなくなる」のは甘えでもなんでもなく、人間の心理メカニズムとして自然なことなのです。

    2-8. 仕事以外にやりたいことがある

    8つめの理由は「仕事以外にやりたいことがある」からです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • 仕事よりも家族や友人との時間を優先したい
    • 自分の好きなことをする時間を大切にしたい

    私たちの時間は、1日24時間と限られています。当たり前のことですが、仕事ばかりが人生ではありません。

    しかしながら、仕事に価値を置きすぎるあまり、「仕事よりも優先したいことがある」ことに罪悪感を覚えたり、そういった人を批判的な目で見る人がいます。

    これは世界的に見れば常識とはいえず、日本人特有の感覚といえるものです。

    有給休暇の取り方を例にとってみても、「有給休暇取得日数・有休取得率、ともに日本は世界19ヶ国で最下位」というデータが出ています。

    有給休暇取得日数

    出典:エクスペディア・ジャパン

    仕事以外にやりたいことがあるなら、仕事をする時間を減らし、やりたいことに割く時間を増やしたいと考えるのは、世界の常識に照らし合わせて当然といえるでしょう。

    2-9. 仕事以外の問題を抱えている

    9つめの理由は「仕事以外の問題を抱えている」からです。

    ▼ こんなことはありませんか?

    • 自分自身が闘病中
    • 家族の闘病・看護・介護がある
    • 家庭内不和・機能不全家族などの問題を抱えている
    • 仕事以外の深刻な悩みがある

    「仕事をしたくない」と感じるとき、私たちは仕事に問題があると考えがちです。しかし、その背景には、仕事以外で受けているストレスが影響しているケースがあります。

    なぜなら、プライベートで自分のエネルギーが消耗していれば、その分、仕事に使えるエネルギーが減ってしまうからです。

    プライベートで深刻な悩みごとを抱えているのであれば、仕事に身が入らないのも致し方ないことといえます。

    あなたは、仕事以外に大きな問題を抱えてはいないでしょうか。改めて、自分自身を取り巻く環境を、振り返ってみましょう。

    3. 仕事をしたくないときの11の解決策

    仕事をしたくないときの11の解決策

    ここまでお読みいただいたあなたは、「なぜ自分は仕事をしたくないのか」という理由に気付いているはずです。

    まずは、「なるほど、自分はこんな気持ちを抱えていたのだな」と認めて受け入れることが大切です。それだけでも、だいぶ気持ちはラクになるでしょう。

    そのうえで、具体的な解決策を実践していきましょう。これから11の解決策をご紹介します。ひとつずつじっくりと取り組んでみてください。

    3-1. 少しでも仕事から離れてみる

    1つめの方法は「少しでも仕事から離れてみる」です。

    どんなに大好きなものでも、距離が近すぎるとだんだん嫌気が差してくるものです。

    身近な例を挙げれば「大好きな食べ物を食べすぎて嫌いになった」という経験はありませんか。

    あるいは、仲良しの友人や恋人、配偶者でも、距離が近くなりすぎて関係性が悪くなるケースは多いものです。

    これは仕事も同じことで、「仕事と自分の適度な距離感」を保つことが、「仕事をしたくない」という気持ちの解消に有効です。

    そこで、まずは少しでも仕事から離れて、仕事と自分との間に距離を空けるようにしましょう。具体的には、以下の行動が役立ちます。

    アクションプラン

    • 有給休暇を取得する
    • 毎日定時で退社する
    • 自宅では仕事のことを考えない

    自然と仕事をしたい気持ちが湧き上がってくるまでは、仕事と離れる工夫をして毎日を過ごしてみましょう。

    3-2. 心と体を十分に休ませる

    2つめの方法は「心と体を十分に休ませる」です。

    心や体の疲労が蓄積したままでは、仕事への意欲は回復しません。まずは十分な休養が必要です。

    「睡眠」「食事」「心のリフレッシュ」を休養の3本柱と考えて、ゆっくり休みましょう。

    アクションプラン

    • 十分な睡眠時間を確保する
    • 栄養バランスの良い食事をとる
    • 旅行や趣味など好きなことでリフレッシュする

    働きながらでは十分な休養ができない場合には、長期休暇の取得も検討してください。

    もし十分な休養をとったにも関わらず、疲労感や倦怠感が取れないときには、何らかの病気が隠れているかもしれません。医療機関を受診して、心身の病気がないか、検査を行いましょう。

    医療機関を探すうえでは、厚生労働省の「医療機能情報提供制度(医療情報ネット)」のページを利用すると便利です。

    3-3. 仕事の量を適正にしてもらう

    3つめの方法は「仕事の量を適正にしてもらう」です。

    仕事量が多すぎると感じる場合には、会社にかけ合って仕事量を適正に調整してもらいましょう。

    ……とお伝えすると、反射的に「そんなことは無理!」とはねつけたくなる方もいるかもしれません。

    しかし、その頑なさを和らげて、「仕事量を適正にするためには、どうすれば良いだろう?」と思考する柔軟さが必要です。

    この発想ができずに、会社都合に合わせて自分を犠牲にしてしまう癖があるなら、この機会にそんな自分を変えてみましょう。最低限、法律で定められた労働時間内で仕事が終わるように改善を求めてください。

    法律で定められた労働時間とは「1週間40時間、1日8時間まで(労働基準法第32条)」です。

    これを超える労働は法定時間外労働といい、いわゆる残業ということになりますが、残業にも「月45時間・年360時間まで」という上限があります。

    法律で定められた労働時間内で終わらないほどの仕事量を抱えているのであれば、上司に仕事量の調整を相談しましょう。

    アクションプラン

    • 上司に仕事量の調整を相談する

    なお、仕事が終わらなくて悩んでいる方は、以下の記事も参考にご覧ください。

    3-4. やりたい仕事の割合を増やす

    4つめの方法は「やりたい仕事の割合を増やす」です。

    仕事をしたくないときは、そんななかでも、できるだけやりたいと思える仕事の割合を増やすことが大切です。

    苦手な仕事や苦痛に感じる仕事を減らし、自分の得意分野やストレスなく取り組める業務の割合を増やしましょう。

    あなたがチームで働いているのであれば、上司やチームリーダーに相談して、業務の割り振りを相談します。

    ここで「自分にとって嫌な仕事をほかの人に代わってもらうのは申し訳ない」と考えるあなたは、もしかすると、大きな勘違いをしているかもしれません。

    あなたにとって嫌な仕事が、ほかの人にとっても嫌な仕事とは限らないことを知っておきましょう。

    人には得意・不得意があり、好みもそれぞれ違います。あなたにとっては嫌な仕事でも、「ぜひやりたい」という人がいるかもしれません。

    一人で決めつけずに柔軟な発想を持って、状況の打破を試みましょう。

    アクションプラン

    • 上司やチームリーダーに業務の割り振りを相談する

    なお、業務の割り振り以前に仕事自体が合わないと感じる場合には、以下の記事もご覧ください。

    3-5. 苦手な人と距離を置く

    5つめの方法は「苦手な人と距離を置く」です。

    強烈なストレスを感じる人が職場にいる方は、その人と距離を置きましょう。

    苦手な人に嫌われたくないあまりに機嫌を取ったり、相手の様子を逐一うかがったりする癖があるなら、そういった行動を一切やめてください。

    必要のないときには相手を視界に入れず、苦手な人のことを意識する時間を減らすように努めます。

    これを根気強く繰り返していると、徐々に「苦手な人」への関心が薄まり、苦手な人は「自分にとってどうでも良い人」へと変わっていき、気持ちが楽になります。

    そして、あなたのネガティブな感情が無関心に変わると、結果としてその人との関係性が改善するケースが多いことも覚えておきましょう。

    あなたが無意識のうちに発していた負の雰囲気が消えてフラットになれば、相手も無意識のうちに態度を軟化させるためです。

    アクションプラン

    • 苦手な人の機嫌を取ったり様子をうかがったりするのをやめる
    • 必要のないときは相手を視界に入れない
    • 苦手な人のことを意識する時間を減らす

    補足として、この方法は物理的な距離が近い上司やチームメンバーに対しても使えます。その場合は「あいさつ(おはようございます/おつかれさまでした)」だけはキッチリ行っておくのがコツです。

    あいさつさえしっかりしておけば、距離をとることで関係性が破綻する危険もありません。

    なお、以下の記事も参考にご覧ください。

    3-6. 何のために仕事をするのか目的を明確にする

    6つめの方法は「何のために仕事をするのか目的を明確にする」です。

    どんなにやりたくない仕事でも、その意味を見いだすことができれば、仕事をしたくない気持ちに打ち勝つことができます。

    あなたは何のために仕事をするのでしょうか。その意味を、考え直してみましょう。

    最もシンプルな答えは「お金のため」です。「お金を稼げば好きなものが買える」「暮らしが成り立つ」「大切な家族を養える」などは、仕事をする立派な意味といえます。

    実際、内閣府の「国民生活に関する世論調査」によれば、半数以上の56.4%の人が「お金を得るために働く」と答えています。

    国民生活に関する世論調査

    出典:内閣府

    アクションプラン

    • あなたが仕事をする目的を明確な言葉にする

    今までは漠然としかとらえていなかった、あなたが仕事をする目的を明確に言葉にしてみてください。その目的のために、良い意味で割り切って仕事に取り組めるようになります。

    3-7. 仕事が楽にできるスキルを身に付ける

    7つめの方法は「仕事が楽にできるスキルを身に付ける」です。

    したくない仕事を何とかこなさなければならないとき、もし自分の仕事力が現在の2倍あったらどうでしょうか。ずっと楽に仕事をこなせるはずです。

    仕事のスキルにはさまざまな種類があり、すぐには身につかないスキルもたくさんあります。

    一方で「コツさえつかめば今すぐにでも仕事力が大幅にアップする」という急所が存在することも事実です。

    例えば、仕事ができる人に生まれ変わる方法として、以下が挙げられます。

    行動

    • すべてのレスポンスを早くする
    • 会議・打ち合わせの時間を半分にする
    • 最後までやり抜く

    スキルアップ

    • ロジカル・シンキングを学ぶ
    • フレームワークを叩き込む
    • 目的思考を身に付ける
    • 何でも数字で考える
    • 視点・視野・視座を鍛える

    マインド

    • 「自分=できる人」のマインドセットで仕事する
    • セルフストレスケアを行う
    • 自分の集中力が最大化する条件を知る

    生活

    • 良質な睡眠を取る
    • 食事を整える

    詳しくは、以下の記事にてご確認ください。

    アクションプラン

    • 仕事ができる人になる方法を実践する

    3-8. 仕事へのモチベーションを上げる

    8つめの方法は「仕事へのモチベーションを上げる」です。

    実は、モチベーションは自分である程度コントロールができます。仕事をしたくない自分の気持ちをセルフコントロールできれば、仕事をしたくないと悩むこともありません。

    モチベーションを上げる方法にはさまざまな方法がありますが、一例を福祉医療機構のコラム「第15回: リーダー自らモチベーションを生み出す秘訣」から引用しましょう。

    「言葉の使い方・身体の使い方・意識の矛先」の3つを意識することで、自らモチベーションを生み出すことができます。

     1つ目は、「言葉の使い方」を変えることである。これは、前向きな言葉遣い、元気なあいさつや声かけ、問題を上手に言い換えること、相手や自分を承認することなどである。使う言葉が変われば、思考が変わり、それに伴い行動も変わっていく。

     2つ目は、「身体の使い方」を変えることである。これは、笑顔、忙しそうにせずゆったり構えること、姿勢をよくし、リーダーのようにふるまうことである。呼吸も大切だ。身体と心は連動しており、動きを変えれば気持ちも変わっていくのだ。

     3つ目は、「意識の矛先」を変えることである。相手や目の前の物ごとのどこを見るのか、ということである。これによって、考え方が変わったり、物ごとの可能性に目がいくようになる。これら3つについて気を配り、ことあるごとに調整することで、周りの出来事に左右されず、感情をよい状態にすることができる。

    出典:福祉医療機構

    アクションプラン

    • 「言葉の使い方・身体の使い方・意識の矛先」の3つを意識して変える

    モチベーションについて詳しくは、以下の記事も参考にご覧ください。

    3-9. 仕事が早く終わるよう効率化する

    9つめの方法は「仕事が早く終わるよう効率化する」です。

    仕事をしたくないときほど、早く仕事を終わらせて、定時に退社すべきです。ところが多くの人は、仕事をしたくない気持ちにとらわれて能率が悪くなり、結果としてしたくない仕事を長くする羽目になっています。

    これではますます仕事がしたくなくなるばかりです。そんな落とし穴にははまらずに、仕事が早く終わるように効率化しましょう。

    具体的には、まずあなたの業務のなかにある「無駄」をピックアップします。無駄な業務とは具体的には、以下が考えられます。

    • 無駄な会議が多い
    • 必要のない資料が多い
    • 無駄な報告書が増えている
    • 営業効率が落ちている
    • 仕事の流れに無駄がある

    参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構

    無駄が把握できたら、その無駄をなくすように仕事のやり方を変えていきましょう。

    アクションプラン

    • 業務のなかにある無駄を把握する
    • 把握した無駄をなくす

    仕事の効率かについては、以下の記事も参考にご覧ください。

    3-10. 転職を検討する

    10個めの方法は「転職を検討する」です。

    「仕事でどんなに結果を出しても報われない」「会社の考え方に賛同できず貢献するのが苦痛」など、あなた自身が努力しても変えられない環境が仕事をしたくない原因になっている場合には、環境を変えましょう。

    転職し、新たな環境に身を置くことで、自然と仕事をしたい気持ちが戻ってくるはずです。

    次の職場では同じ状況に陥らないためには、現在の職場の問題点をクリアしちえる企業を転職先として選ぶ必要があります。

    自分だけの目で見極めるのは難しいので、転職エージェントサービスを利用して、プロの視点からのアドバイスを受けましょう。

    ▼ 転職エージェント

    名称

    特徴

    リクルートエージェント

    業界最大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーから応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスを受けられる

    マイナビエージェント

    20代の支持率が高い転職エージェントで第二新卒の転職や初めての転職におすすめ

    同時に、転職サイトを利用して、求人情報の収集をスタートしてください。

    ▼ 求人情報・転職サイト

    名称

    特徴

    リクナビNEXT

    求人数No.1の転職サイトでWeb上で経歴などを登録すれば、誰でもどの求人にも応募が可能

    doda

    大手・優良企業を中心に豊富な求人情報から最適な求人を求人検索できる

    アクションプラン

    • 転職エージェントに相談する
    • 転職サイトで求人情報のチェックをする

    3-11. プライベートの問題を解決する

    11個めの方法は「プライベートの問題を解決する」です。

    病気・看護・介護・家庭内不和などのプライベートな問題を抱えている方は、まずはその解決に集中しましょう。

    特に身内の問題となると、多くの人が一人で抱え込みがちとなり、孤独感を深めてしまいます。

    しかし、行政や会社の制度のなかに、あなたの状況を救ってくれる支援の仕組みがあることも多いので、抱え込まずに、勇気を出して相談することが大切です。

    例えば、子の看護休暇・介護休暇・傷病手当金・介護休業給付金など、さまざまな制度があります。

    アクションプラン

    • 会社・行政などに相談して助けを求める

    悩みや不安を抱えているけれど、どこに相談したら良いのかわからない方は、厚生労働省の「困った時の相談方法・窓口」のページをご覧ください。

    悩み別・方法別・地域別ごとに、さまざまな相談窓口が設けられています。

    4. 仕事をしたくないときの年齢やケース別のアドバイス

    仕事をしたくないときの年齢やケース別のアドバイス

    仕事をしたくないという状況は、年齢や置かれている立場によっても変わってきます。

    そこでここでは、以下のケース別アドバイスをお伝えしましょう。

    1. 新卒〜20代前半
    2. 20代後半〜30代
    3. 40代〜50代以降
    4. 主婦
    5. ニート・無職

    4-1. 新卒〜20代前半

    新卒から20代前半の時期に仕事をしたくない状態に陥った方にまず知ってほしいのは、「学校を出て仕事に就く」というのは、人生において非常に大きな変化であるということです。

    大きな変化を経験すると、心身には大きな負担がかかります。つまり、心身に不調が生じやすい時期であり「仕事をしたくない」という気持ちになるのも当然といえるのです。

    学生時代の同級生と比較し、自分が落ちこぼれたような気がして落ち込むかもしれませんが、その必要はありません。

    焦らず、「3. 仕事をしたくないときの11の解決策」でご紹介した解決策にじっくり取り組んでみてください。

    加えて、社会人経験が浅い時期には、まだ仕事に関する視野が狭いことも事実です。上司の指示に納得できなかったり、会社の方針をよく理解できなかったりすることもあるでしょう。

    そんなときには、ぜひ職場以外の人とも交流を持って、自分の視野を広げるように努めましょう。

    広い視野を持ったうえで、上司や会社がおかしいと感じるのであれば、そのときには転職を検討するのもひとつの選択肢です。

    以下の記事も参考にご覧ください。

    4-2. 20代後半〜30代

    20代後半から30代に差し掛かると、一通り現場での経験も積んで、社会人のイロハも備わった状態です。

    この時期の人材は転職市場で人気が高いこともあり、同期のなかには転職してキャリアアップを成功させる人も出てきます。転職ではなく起業の道を選び、イキイキと輝いて見える人もいるかもしれません。

    そんな周囲からの刺激もあって、現職への不満が募りやすいのが20代後半〜30代の時期といえます。

    もし、「いつかは転職したい」「一生いまの会社にいるつもりはない」と考えているのであれば、このタイミングで、本気で転職を考えてみることをおすすめします。

    まずは転職エージェントに相談して、自分の市場価値を調べてみましょう。

    ▼ 転職エージェント

    名称

    特徴

    リクルートエージェント

    業界最大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーから応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスを受けられる

    マイナビエージェント

    20代の支持率が高い転職エージェントで第二新卒の転職や初めての転職におすすめ

    4-3. 40代〜50代

    40代〜50代は、会社への満足度や最低になると同時に、受けるストレスがピークになる時期です。

    パーソル総合研究所

    出典: パーソル総合研究所

    この時期に「仕事をしたくない」という気持ちが湧くのは、当然のことといえます。

    同時に、扶養すべき家族の存在や住宅ローンの支払いなどの事情で、退職や転職などのキャリアチェンジをしにくいという人も多いでしょう。

    40代〜50代で注意したいのは、ストレスからくる心の病気の発症です。

    40代以降になると、性ホルモンの分泌量の低下により、男性も女性も更年期障害を起こしやすくなります。

    気分が落ち込んだり憂うつになったりといった精神面の変化がひどい場合には、積極的に医療機関を受診してケアを受けましょう。

    4-4. 主婦

    結婚しているか・していないかに関わらず働く女性が増える一方、自分の意思で「専業主婦になりたい」と希望する女性もいます。

    その理由は、「子どもと過ごす時間を大切にしたい」「夫が転勤族のため正社員として働きづらい」など、さまざまな事情があるでしょう。

    専業主婦として仕事をしたくない場合、最も重要なのは家族での話し合いです。

    預貯金が十分にある・夫の年収が高い・実家から援助が期待できるなど、経済的に余裕がある状況であれば、専業主婦として家庭の仕事に専念することも、立派な選択です。

    逆にそうでない状況なら、夫婦で協力して働くことも、必要になるでしょう。

    まずは配偶者とよく話し合い、お互いに納得の行く結論を出すことが大切です。

    4-5. ニート・無職

    ニートや無職の状況で「仕事をしたくない」という気持ちが強い場合には、小さなステップから脱出を試みることが大切です。

    例えば、いきなり正社員として仕事を始めるのは、ハードルが高いでしょう。そこで、以下のような小さなステップを繰り返すことで、徐々に仕事をできるようになります。

    ▼ ニート・無職から脱出するスモールステップ例

    • 単発のボランティア作業に参加する
    • 身内や知人のお店を短時間だけ手伝わせてもらう
    • 週に1回のアルバイトを始める
    • 在宅でできる仕事をする

    なお、ニート・無職・引きこもりなどの裏側には、心の病気が隠れているケースが多いとされています。

    状況によっては、まずは仕事をすることよりも治療のほうが優先順位が高いでしょう。一度、医療機関を受診して、何らかの病気が隠れていないか確認することをおすすめします。

    全国の精神科・心療内科などの医療機関は、「精神科・心療内科などの医療機関検索サイト」から検索できます。

    5. まとめ

    「仕事をしたくない」と感じたことがある人は8割以上います。あなただけではありませんから、まずは安心して“仕事をしたくないと感じる自分”を受け入れましょう。

    仕事をしたくない心理の正体として、背景には9つの理由が考えられます。

    1. あなたの心身に異変が起きている
    2. 仕事の内容が合っていない
    3. 仕事の量が多すぎる
    4. 仕事に意味が見いだせない
    5. 強烈なストレスを感じる人が職場にいる
    6. 会社に貢献するのが苦痛
    7. 仕事をしても報われない
    8. 仕事以外にやりたいことがある
    9. 仕事以外の問題を抱えている

      仕事をしたくないときには、以下の解決策を実践してみてください。

      1. 少しでも仕事から離れてみる
      2. 心と体を十分に休ませる
      3. 仕事の量を適正にしてもらう
      4. やりたい仕事の割合を増やす
      5. 苦手な人と距離を置く
      6. 何のために仕事をするのか目的を明確にする
      7. 仕事が楽にできるスキルを身に付ける
      8. 仕事へのモチベーションを上げる
      9. 仕事が早く終わるよう効率化する
      10. 転職を検討する
      11. プライベートの問題を解決する

        仕事をしたくないときの年齢やケース別のアドバイスとして、以下の例を解説しました。

        1. 新卒〜20代前半
        2. 20代後半〜30代
        3. 40代〜50代
        4. 主婦
        5. ニート・無職

          仕事をしたくない気持ちをただ我慢してがんばる生活は、もう卒業です。あなたのちょっとの勇気と行動で、楽しく仕事がでできるようになります。

          ぜひ、本記事でご紹介した対処法に、できるところから取り組んでいきましょう。

          コメント

          あなたが目指すべき
          キャリアアップとは?

          よりよいキャリアアップを目指して先々の計画を立てることをキャリアデザインと言います。
          どのようなキャリアを積み、自分の人生に役立てていくかを、常日頃からイメージしておくとよいでしょう。
          もちろん、無理してキャリアアップなどせずに平坦に暮らしていたいというのも、ひとつの考え方です。

          スキルを磨いて

          キャリアアップしたい方

          ご自身のスキルアップを通じてキャリアを磨きたい方はこちらをお読みください。出世や独立起業に繋がる有益な情報をまとめています。
          スキルを磨いてキャリアアップしたい方はこちら

          転職を通じて

          キャリアアップしたい方

          ご自身のスキルアップを通じてキャリアを磨きたい方はこちらをお読みください。出世や独立起業に繋がる有益な情報をまとめています。
          転職を通じてキャリアアップしたい方はこちら